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【最終話】どーぞ、めしあがれ♡(2)
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「ふぁ……っ、ノエルのキス気持ちいい……すきっ、ぁあっ♡ ノエルもっと♡♡」
声もキスで塞がれてなければとっくに枯れてるはずだ。
体力を消耗し体が痺れ始めたエマに対してノエルはどんどん元気になっている。
――そっか。ノエルがあたしの体液を吸収して元気になってるんだ。好きな人が自分を食べてくれて元気になるとか、これ以上嬉しいことってある?
「アッ、ぁっ、あぅっ、アッアッんぁっ! ノエル、ノエル……! だいすき♡♡ ずっと、あたしだけ、食べて♡♡ しゃぶりつくして♡♡」
「うん、エマだけだから……なんでもするから、捨てないでね……! ぁっ、ぼ、僕また……」
この期に及んでまだ涙目でエマを見下ろすノエルが可愛くて、エマは満足気に3度目の迸りを受けいれた。
◇
「で、初恋の相手はあたしになったってことでいいんだよね?♡」
一瞬、寝ちゃってた。慣れないノエルの細い腕枕は愛しか詰まってなくて寝心地がよすぎる。
「あのね、本当に僕の初恋はエマなんだよ」
「うんうん♡♡」
「……えっと、本当に本当なんだよ? 覚えてない? エマの地毛は黒髪でしょ? トマト農家になってから日に焼けていつのまにか金髪になったんだよ。出会ったあの日、エマは黒髪で、おつかいで買ったばかりのトマトを倒れてた僕にくれたんだよ」
――……そうだ。あたし、確かに昔は黒髪だった。自分の本来の髪色なんて忘れてた。元々は農家じゃなかったけど、ノエルの好物だって知ったあの日、家業をあたしの一存でトマト農家にしたんだった。今や村一番の稼ぎ頭だから誰も文句言ってこないし、ノエル好みのトマトを作ることしか頭に無くて……ノエルとの大切な出会いを忘れてた。最低!最悪!
「うわーん! ノエルごめんね……! あたし最低……! 」
「わっ、な、泣かないでエマっ、大丈夫だよ、エマがその後僕のために必死にやってくれてたの知ってるから」
ノエルがエマを抱き締めて慰めようとしてくれる。優しすぎる。
「……そんな薄情なあたしをノエルは純粋にずっと好きでいてくれたんだ」
「純粋って言えば聞こえはいいけど……エマの髪が太陽みたいにキラキラするようになったらほかの男がどんどんエマに近づいて、エマもそれを受け入れてて……僕だけずっと成長しなくて、その、120歳にもなってすごく大人げないんだけど」
「……ヤキモチってこと?」
「うぅ……笑っていいよ……10年前だとエマは8歳でも僕は110歳……ロリコン野郎だし嫉妬深いし……自分で言ってて嫌になってきた……」
「すき……♡♡ 笑うに決まってんじゃんそんなの。嬉しすぎるもん。あたしこんな幸せですいいの? あーこれで全世界の黒髪女子消す必要もなくなったー!」
きゃっきゃと喜ぶエマの横でノエルがほっと胸を撫で下ろす。
「人数多くて大変だと思うから先に言っておいてよかった……その間エマがそばに居ないなんて耐えられないよ……あのね、僕も人間の目を潰すのは血が出るし怖いから避けたいんだ……そのヴァンパイアカフェの制服、エマの肌がすごく見えるから……もう僕の前以外では着ないで欲しいな……?」
可愛い顔でおねだりのつもりかもりれないけど、グレーの目が全然笑ってない。それどころか、満月のときに興奮して現れる赤色さえみえる。
ノエルって意外と独占欲強いんだなあ。
「うん♡ 実はもう辞めてきたから大丈夫♡ この制服とうさ耳は餞別で貰ったの♡♡……ねえ、せっかく肌がすごーく見えるエッチな制服着てるんだよ?」
床に落ちてしまっていたレースのうさ耳を拾い上げ、改めて装着する。谷間のあいたトップスも下着ギリギリのミニスカもノエルだけのだよって主張するようにベッドの中で腕を広げた。
「……デザートまでいいの?」
「もちろん♡♡ 脱がしても着たままでもノエルの好きなよーにして♡♡ どーぞ、めしあがれ♡♡」
言い終わると同時にノエルが覆いかぶさってきて、結局朝まで食事は続いた。最高に幸せで、愛しくて、必ず幸せにするからって何度も言ってくれる優しいノエル。人間とヴァンパイアの時間が違うなら一緒にしちゃえばいい。
絶対絶対、ひとりぼっちになんてさせないからね。
初恋が叶ったように、当然、この想いだって叶うはず。
エマは絶対に自分の最期の瞬間に愛しの恋人を殺そうと胸に誓った。
終
声もキスで塞がれてなければとっくに枯れてるはずだ。
体力を消耗し体が痺れ始めたエマに対してノエルはどんどん元気になっている。
――そっか。ノエルがあたしの体液を吸収して元気になってるんだ。好きな人が自分を食べてくれて元気になるとか、これ以上嬉しいことってある?
「アッ、ぁっ、あぅっ、アッアッんぁっ! ノエル、ノエル……! だいすき♡♡ ずっと、あたしだけ、食べて♡♡ しゃぶりつくして♡♡」
「うん、エマだけだから……なんでもするから、捨てないでね……! ぁっ、ぼ、僕また……」
この期に及んでまだ涙目でエマを見下ろすノエルが可愛くて、エマは満足気に3度目の迸りを受けいれた。
◇
「で、初恋の相手はあたしになったってことでいいんだよね?♡」
一瞬、寝ちゃってた。慣れないノエルの細い腕枕は愛しか詰まってなくて寝心地がよすぎる。
「あのね、本当に僕の初恋はエマなんだよ」
「うんうん♡♡」
「……えっと、本当に本当なんだよ? 覚えてない? エマの地毛は黒髪でしょ? トマト農家になってから日に焼けていつのまにか金髪になったんだよ。出会ったあの日、エマは黒髪で、おつかいで買ったばかりのトマトを倒れてた僕にくれたんだよ」
――……そうだ。あたし、確かに昔は黒髪だった。自分の本来の髪色なんて忘れてた。元々は農家じゃなかったけど、ノエルの好物だって知ったあの日、家業をあたしの一存でトマト農家にしたんだった。今や村一番の稼ぎ頭だから誰も文句言ってこないし、ノエル好みのトマトを作ることしか頭に無くて……ノエルとの大切な出会いを忘れてた。最低!最悪!
「うわーん! ノエルごめんね……! あたし最低……! 」
「わっ、な、泣かないでエマっ、大丈夫だよ、エマがその後僕のために必死にやってくれてたの知ってるから」
ノエルがエマを抱き締めて慰めようとしてくれる。優しすぎる。
「……そんな薄情なあたしをノエルは純粋にずっと好きでいてくれたんだ」
「純粋って言えば聞こえはいいけど……エマの髪が太陽みたいにキラキラするようになったらほかの男がどんどんエマに近づいて、エマもそれを受け入れてて……僕だけずっと成長しなくて、その、120歳にもなってすごく大人げないんだけど」
「……ヤキモチってこと?」
「うぅ……笑っていいよ……10年前だとエマは8歳でも僕は110歳……ロリコン野郎だし嫉妬深いし……自分で言ってて嫌になってきた……」
「すき……♡♡ 笑うに決まってんじゃんそんなの。嬉しすぎるもん。あたしこんな幸せですいいの? あーこれで全世界の黒髪女子消す必要もなくなったー!」
きゃっきゃと喜ぶエマの横でノエルがほっと胸を撫で下ろす。
「人数多くて大変だと思うから先に言っておいてよかった……その間エマがそばに居ないなんて耐えられないよ……あのね、僕も人間の目を潰すのは血が出るし怖いから避けたいんだ……そのヴァンパイアカフェの制服、エマの肌がすごく見えるから……もう僕の前以外では着ないで欲しいな……?」
可愛い顔でおねだりのつもりかもりれないけど、グレーの目が全然笑ってない。それどころか、満月のときに興奮して現れる赤色さえみえる。
ノエルって意外と独占欲強いんだなあ。
「うん♡ 実はもう辞めてきたから大丈夫♡ この制服とうさ耳は餞別で貰ったの♡♡……ねえ、せっかく肌がすごーく見えるエッチな制服着てるんだよ?」
床に落ちてしまっていたレースのうさ耳を拾い上げ、改めて装着する。谷間のあいたトップスも下着ギリギリのミニスカもノエルだけのだよって主張するようにベッドの中で腕を広げた。
「……デザートまでいいの?」
「もちろん♡♡ 脱がしても着たままでもノエルの好きなよーにして♡♡ どーぞ、めしあがれ♡♡」
言い終わると同時にノエルが覆いかぶさってきて、結局朝まで食事は続いた。最高に幸せで、愛しくて、必ず幸せにするからって何度も言ってくれる優しいノエル。人間とヴァンパイアの時間が違うなら一緒にしちゃえばいい。
絶対絶対、ひとりぼっちになんてさせないからね。
初恋が叶ったように、当然、この想いだって叶うはず。
エマは絶対に自分の最期の瞬間に愛しの恋人を殺そうと胸に誓った。
終
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エロかったです。終始女性優位(熱槍でやり返す場面もあるも)で上位種である吸血鬼を翻弄してるのが大変唆りました。あと徹底的に好きな人との以外の経験はノーカウント(オナニー扱い)がツボでした。良いエロギャグをありがとうございました。
田村ケンタッキー様
読了いただきありがとうございます!
上位種の翻弄いいですよね…!吸血鬼側も喜んでいたと思います笑
楽しんでいただけて嬉しいです!
ご感想ありがとうございました!m(_ _)m