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好きって言われたいもん(2)

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「ぇ、あっ、なにこれ、やばいまって……まってってば……ァっ、んぁッ!」
「エマ、エマ……エマも気持ちいい? 僕ばっかり気持ちよくなってない?」

 エマがずっと欲しいと願っていたノエルの熱槍だ。改めてそれを自覚しただけで蜜壺は喜悦して熱槍を締め付ける。まるで最初からノエルのためだけに造られたかのようにぴったりと馴染んだ膣内は軽い絶頂を何度も繰り返していた。
 どうしたらエマが快楽を感じられるのか、必死にそれを探るような腰の動きと手つきにエマは蕩けそうになる。

 だめ、こんなの。あたしがノエルを気持ちよくしたいのに。一緒に気持ちよくなりたいのに。

「――だめっ! これ以上は……あたしがしたいのっ……いっぱい練習したもん。できるもん」

 これで骨抜きにするんだもん。好きになってもらう手段だもん。だからたくさんオナニーで練習したんだもん……。
 ただの人間のあたしがヴァンパイアのノエルのそばにいるために、一番にしてもらうためにできる唯一だもん。
 これがうまくできなかったら、ノエルに好きになってもらえない。
ノエルの好きがあたしの好きと違うって、本当は分かってる。

「ノエル好きっていって? いってくれたらたくさん気持ちよくするから、ね、ノエル」
「エマ……?」
「あ、そうだ! ノエルが一回すきって言ってくれたら一回動くから♡ ね、いいでしょ? 好きって言ってくれるよね? ノエルも気持ちよくなりたいよね? あたし上手にできるから――……」
「エマ」

 真剣な声で名前を呼ばれると当時に、突然抱きしめられた。

「ノエル……? あれ……やばい、なんで……?」

 ノエルの体温が伝わってくる。温かい。もっと深いところで繋がっているはずなのに、腕から伝わる温もりの方がずっと嬉しい。ノエルの肩口が濡れてはじめて、エマは自分が泣いていることに気づいた。

「僕がずるかった。ごめんねエマ」

   ノエルの両手で頬を優しく包み込まれて、グレーの瞳と視線が重なる。いつも恥ずかしいからと逸らされがちな双眸が親権にエマを見つめていた。

「うぅ……なんでノエルが謝んの……ノエルとエッチできて嬉しいのに……」

 自分がどうして泣いているのか分からない。ノエルと繋がれたことへの嬉し泣きにしてはちょっと水分量が多すぎる。

「自分の気持ちも伝えないまま、エマの優しさに頼って……その……こういう事しようとして、ずるいなって」
「どーいうこと……? やっぱりオナニーも数に入るから初めてじゃないし無理ってこと……? 」
「え? あ、そ、そうじゃなくて……なんていうかその、女の子があまりそういうこと言っちゃだめだよ……ってそんな話じゃなくて、えっと、その、僕はエマが好きってこと!」
「へ……? あ、知ってるよ……?」
「幼馴染としてなんてうそだよ。本当はどうしようもなくひとりの女性としてエマが好き……大好きなんだ……い、愛しいって思う」

 ノエルの声と顔から真剣さが伝わってくる。言葉尻がどんどん小さくなっちゃうところも、いつもならかわいいって思うのに今はただ嬉しい。あと、少し雄みのある表情がかっこいいとさえ感じる。
 正直、幼馴染として好きだろうが謎の好きな人がいようがなんだろうがお試しさえしてもらえればあとはなし崩し的に……と思っていたので棚ぼた状態だ。棚からノエル……え、なにそれかわいい。
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