皇帝の寵愛

たろう

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後段

53 海辺で

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※めちゃめちゃ頭を悩ませました。
※壁に頭を打ち付けたくなる回、再び

 西に傾き始めた日の光を背に自分たちの濃い影を踏みながら進む。道中、お互いに言葉少なかったけれど、特に気まずい感じはしなかった。時折奇妙なものをどちらかが見つけて立ち止まり、しばらく眺めてから結局買うことはせずにまた歩き出す。その繰り返しだ。
 そのまま歩き続けて、町を抜けてやっと海まで来た。桟橋を横にみながら道なりに進み、浜に出る。砂地に降りると、わずかに足が沈む感触がする。賢英が歩きにくそうにしているので腕を取った。その手を引いて波打ち際まで行く。
 賢英がそわそわしているのを見て、靴を脱いで一緒に波打ち際まで進む。昼日中の日差しを集めて焼けた砂の熱がまだ残っていた。波の中に一歩歩みを進めると、半日歩き回って火照った足に水が心地よかった。波が寄せては引いてを繰り返して、私たちの足元を攫っていく。遠い記憶のそれと同じだった。
 小さい頃のことを思い出していると、横では遅れて足を海水に浸けた賢英が波に連れ去られる感覚に驚いて声を上げた。不思議そうに目を白黒させるのが可笑しくて、つい笑ってしまうと、賢英が一緒になって笑った。
 しばらくそうやって波打ち際をただ歩いていると、気付かぬうちに夕日が地平線の向こうに沈みかけていた。夜の帳が下りはじめ、東の空は徐々に複雑な色を成し始める。紫、紺、橙、黄、桃、黒。冷たい風が吹き始め、二人で海から上がると、砂浜に腰かけた。
 そうして肩を並べてじっと見ていると、海の向こう、水平線の下から白い月が昇り始める。海に浮かぶ月影が波にさらわれて細かく砕け、じんわりと海に溶けていく。皇都では見られない光景だった。
 賢英がそれに気づいて感嘆の声を漏らす。
「すごいですね」
 真実素晴らしい眺めだった。
「今日は本当に楽しかった」
「そうですか?本当に?」
「本当だ。賢英のおかげで色々勉強になった」
 そう言って横を見ると、照れた様子の賢英の顔がある。
「そうですか。僕も楽しかったです。いつもと違うあなたが見られました」
「そうか。幻滅しないか?あまり格好良いとは言えなかっただろう」
「いいえ」
「そうか」
 波の音が静かに繰り返される。穏やかな時間が流れていく。身軽な体に不思議と充足感が満ちて、同時に一抹の寂しさが湧いてくる。
「今日が終わってしまうのが名残惜しい気がします」
 賢英が言う。
「楽しい時間はあっという間だな。今日は私のわがままに付き合ってくれてありがとう。いつになく楽しいと思える一日だった。お前のおかげだ」
「そう、ですか?」
「もちろんだ。こんな風に出かけるのも悪くないものだな。またこうして出掛けよう」
 私は満足感に浸ったまま何気なく答えた。
「僕は、あなたの役に立ちましか?」
「無論だ。疑うべくもない。お前はいつも私を助けてくれているよ」
「そうですか?僕は何もできません。役に立つようなことは何も」
 隣を見ると、俯いたままの賢英が座っていた。視線はじっと自分の足先に注がれている。それがひどく頑なな心を表しているようだった。
「どうかしたのか?」
「いえ」
 顔を上げない。風に髪が靡いている。頼りなさげに。
「役に立つとはどういう意味だ?何を考えている?」
 けれど返答はいくら待っても返ってはこなかった。
 そうして私はやっと気づく。
 ああ……。
「なぁ賢英」
「はい」
「お前はもしかして、自分が役に立たない人間だから、だからいろんなことを遠慮していると、そういうことなのか?」
 小さく頷くのが見えた。
「わがままですみません」
「いや、当然のことだ。私にも経験がある」
 波の音が大きく小さく響いている。海の上にはもう一隻も船影は見つけられない。
「私はお前に有能さを求めているわけではないのだが、きっとそれはお前が期待する言葉ではないのだろうな」
 難しい。
「これは言葉にして伝えてこなかった私の責任でもあるかもしれない……。そして、どう言葉を尽くしてもお前が納得しないだろうことも想像がつく。自分にその資格が無いと思っている者に、どれほど言葉を尽くしても、実感が伴わなければ意味がないからだ」
 言葉を探す。最適な言葉は私にはわからないが。
「どうしてお前が私からの贈り物を喜んでくれないのかずっとわからなかった。私の妻たちは何物も受け取ることを拒んだりしたことはなかったからな。けれど、今日一日お前と一緒に過ごして、なんとなくお前が何を思っているのか分かったような気がしていた。もしかしたら、まだ間違っているかもしれない」
 賢英の笑顔を思い出す。
「私はただお前を喜ばせたかった。だから私の知っているやり方でお前を喜ばせようと思った。それが良くなかったのかもしれないと、初めて思った。
当たり前だ。私にはそんな経験などなかったのだから。当たり前だ。私たちは立場も考え方も全然違うのだから。私が知っているのは、宮殿という狭い世界だけだったのだから。
価値ある物も美しい物も高価な物も、お前はそんなものなど本当に望んではいなかった。お前はただ……、なんというか、あぁ、言葉にするのは気恥ずかしいものだな。これは、私が今日一日で理解したことなので、もしかしたらまた間違えているのかもしれないが、お前はただ、一緒に何かを楽しむ、そういうことを望んでいたのだろう?一緒に何かをして、一緒に同じものをみて、思い出を共有する、そういうようなことを?」
 答えない賢英を見る。答えはないけれど、表情から大きく間違っているということはなさそうだった。
「今後は私も考えてみるよ。少しずつ価値観が重なるよう、歩み寄っていけるように」
「……すみません、奏凱さま。僕も分かってはいたんです。あなたが僕を喜ばせようとしてくれていることは。でも、ずっと思っていました。こんな高価なものを受け取る資格が庶民の僕にはあるのだろうかって。宮殿にいながら、何もしていない自分なのに」
「そうだな。そう思うのも当然だ」

「やはり私は言葉足らずだったのだな。私はお前が仕事をしていない、役立たずな人間だとは思っていないのだが、そこもすでに認識が違っていたのだ」

「賢英。お前は、本当によくやっているよ。価値観も生活様式も言葉遣いも、なにもかもが違う世界に慣れようと努力しているし、実際それは上手くいっている。それはお前の努力の賜物だ。それは褒められてしかるべきではないのか?それにな。お前が気づいていないだけで、本当はお前が考えている以上にお前は私を支えてくれている。誇張でもなんでもない。このことはあの侠舜も認めているし、雲嵐だってお前の下にいるのは、お前を認めているからだ。私自身もそうだ」
「僕にはわかりません」
「そうだな」
 いきなり言われてもうまく飲みこめないことだと思う。こういうときどう話をしたらいいのだろうか。
「一つ聞くが、お前は誰に認めて欲しいと思っているのだ?」
「……みんなです」
「みんなとは?」
「わかりません」
「想像してみて欲しい。お前が国中の誰からも認められたとして、けれど一番認めて欲しいと思う者からは認められなかったとしたらどうだろうか。全ての者から称賛されるということはあり得ないのだ。お前はそこに価値があると思うのか?お前が認めて欲しい人物は誰だ?賢英。多くの知りもしない者から評価されることに、本当に意味があると思うか?考えてみて欲しい。私はそうは思わない。私は世界中の誰からも称賛されるよりも、お前に認められたい。それだけで良い。お前はどうだ?それだけではだめだろうか?お前にとっての私にはそんな価値はないのだろうか?」
「……いいえ」
「賢英」
 夜風に吹かれてわずかに冷たくなった手を握る。
「私の胸の奥にはいつだって暗い海が広がっている。誰にも話したことはない。子供のころからずっと、ずっとある。それは果てのない後悔かもしれない。それは終わりのない孤独かもしれない。そして、その暗い海は日々少しずつ少しずつ水位を上げていく。私の胸の奥いっぱいに満ちていく。私は、このためにいつか死ぬだろうと思っていた。これは私の抱える病理で、誰も私を救うことはできないと思っていた。侠舜や泰然、潤ですら無理だった」
 賢英が私を見る。
「けれど。けれど、いつもお前だけが私を深い水底から救い上げてくれる。お前がいてくれるから私は上手く息を吸うことができる。お前にしかできないことだ。だから私はいつもお前に報いたいと、そう願っている」
「よく、わかりません」
「分からなくて良いんだ。こんな話を突然聞かされて理解しろというほうが酷なことだ。これから先も分からないままでいてくれて良い。ただ、お前に側にいて欲しいという私のわがままを叶えて欲しいと、そう伝えたかった」
「……はい」
「どうか今はそれで納得してもらえないだろうか。お前はまだ十五だ。これから少しずつ、納得できる自分になっていけばいい。そう考えてみるのは、どうだろうか?私もそうやってここまでやってきた」
「……はい」
「それにな、賢英。認められたいとお前は言うが私だってそれほど立派な人間ではない。泰然のほうが賢いし、侠舜のほうが仕事ができるし、悠午のほうが身体能力に優れるし、弓や馬の扱いは暁明の方が上だ。私が秀でている物なんて一つもないのだぞ?」
「あなたはとても優しいです」
「そうか。お前がそう言ってくれるならそうなのだろう。お前がそう思ってくれるのなら、私は優しい人間になれるような気がする。私はお前のそういう素直なところが気に入っている。他に替えの利かないものだ」
 自分でも何を話しているのかわからなくて、私の言葉がどれほど賢英に届いたか不安で、つい握る手に力を込めてしまった。
 少しだけ俯けていた賢英の顔が上向いた。
「お心を砕いていただきありがとうございます。もう大丈夫です。まだ自分の中ではっきりとした答えはでていないのですが、あなたが私と同じ悩みを持っていたというのを聞いて、ほっとしました」
 笑顔が戻った。良かった。
「そうか」
 視線を前に向けると、もう辺りはすっかり闇に呑まれていた。
「ただ、それとは別にしてだ。賢英。これは私のわがままでもあるのだが……、どうか私からの好意は気兼ねせずに受け取ってもらえると嬉しい。あれだってやり方はまずいかもしれないが、私なりにお前に報いたいという気持ちの現れなのだ。それにだ。伴侶となる者を喜ばせたり着飾りたいと思うのは自然なことだろう?今日一日町を歩き回ってみたが、私が見た男の皆がそんな様子だったぞ。だから、もうこればかりは仕方が無いと思って諦めてくれ」
「そうですか。それでは仕方ないですね」
 くすくすと賢英が笑い含みにそう言うのが聞こえた。海の向こうには暗闇が押し寄せているが、すっかり顔を出した月がぼんやりとあたりを照らし出している。こうして二人寄り添って座ると、並んで立っている時よりも視界の高さが近づく。同じものを見ていると、そう思えた。
「さて、そろそろ行くか。腹が減っただろう?晩餐は町の料亭で食おう。予約してある。今日は私のわがままに付き合わせて悪かったな。こういった外出は初めてで、段取りも悪かったし、私ばかり楽しんだのではないかと思うと申し訳なく思う。次のときにはもっとお前を楽しませてやれるような――」
 私はそこで言葉を切る。
 そっと私の頬に触れる手の感触に、思わず横を向くと驚くほど近くに賢英の顔があった。
 それが近づいてきて。
 唇が重なった。
 口づけはほんの一瞬で、その柔らかな感触はゆっくりと離れていった。
 その意味を私は考える。
 一度閉じられていた瞼が開き、月あかりが黒曜石の瞳に写り込んだ。
「今日はありがとうございました。とても楽しかったです。それから、心の内を聞かせていただきありがとうございました。僕も、僕もいつもあなたに支えられています。そして、僕も、あなたに側にいて欲しいと、そう思っています」
 賢英が照れたように笑った。
 だから。
 そっと頭を抱えると引き寄せた。突然のことに状況が理解できていない賢英は簡単に私の腕に落ちてくる。強引に唇を奪って舌を差し込む。抵抗されると思ったけれど、賢英は拒まなかった。
 それを良いことに何度か角度を変えながら口づけを繰り返し、我慢できずに貪るように唇に噛みつくと、ゆっくりと地面に体を押し倒す。賢英が抗議の声を上げたがその声もろとも私が飲み込む。
 下半身に血が集まるのが分かる。賢英が私の体を押し戻そうと両腕に力を込めるのが分かったけれど、もう止められそうに無かった。賢英の片手を掴んでそこに押し当てると、賢英が驚いたように目を見開いた後、観念したように体の力を抜くのが分かった。
 それを合図にわざと腰を押し付けながら、さらに唇を蹂躙する。ここまではまだ私にも理性のかけらが残っていた。けれど、それはすぐに失われた。賢英が自分の腕がおずおず、と言うように私の首に回し、さらに、それどころか自分から舌を差し出してきたのだ。
 それで十分だった。
 賢英の許しを得て、着物の裾から手を差し込みその滑らかな肌を撫でる。密やかな吐息が私の耳朶をくすぐる。賢英の弱いところは全て知り尽くしている。耳、首筋、背、胸、わき腹、臍、太腿の内側。そこを優しく撫で上げていく。
 まだ少年らしさを残したしなやかな体の感触が私をますます興奮させる。首筋に嚙みつくと、賢英のくぐもった声が漏れて上半身が僅かに仰け反る。賢英が感じていることが分かる。その反応が嬉しい。
 その声の甘さに私は賢英の下履きの中へと手を伸ばした。わずかに黒い瞳が逡巡するように揺れた気がしたけれど、賢英は抵抗しなかった。
 構わず太腿を撫でさすり、それから手をそこへ滑らせると、賢英が自分と同じように反応していることがわかる。賢英の表情が見たくて少し顔を離す。半開きになた口と普段見せることのない濡れた瞳でぼんやりとした表情がなまめかしい。
 指先でそこをなぞると賢英の体が跳ねた。甘い吐息が耳に届いて、私はわざと自分自身を賢英のそこに押し付けると、賢英が両腕に力を籠めてきた。
 今日の賢英はいつになく積極的だった。
 それがますます私を興奮させる。賢英の腰の帯を緩め上着をはだけさせると、月明りに白い肌が浮かび上がった。その肌に優しく舌を這わせる。胸の突起をもてあそびながら、下履きに右手を掛けた。
 さらにことに及ぼうとした時。

 小さな音が響いて、賢英の腹が空腹を訴えた。
 波の音が小さく響く中で大きくはなかったがはっきりとその音が聞こえた。
「あ……」
 賢英の口から、声が漏れた。そこには全然甘い雰囲気は全然なくて、意識が現実を認識する。
 そう言えば夕食がまだだったなと思い出したら、自分の腹も鳴った。
 お互いに無言で動きを止めた。
 一度別のことに思い至ると、此処が野外であったことを思い出す。理性が戻ってくる。少し離れたところには警護の奴らも居るはずだ。けれど、反応した下半身の熱はまだ冷めやらなくて、常識が仕事を始めようとする前に再度唇を奪おうとしたが、つっと避けられてしまった。
 賢英が訴えるような顔をしている。言葉にするよりも明確な意思だった。
 ここで私は自分の敗北を悟った。一度現実に立ち返った賢英はもう再び同じ雰囲気には戻らなかった。きっとここがどこだったかを思い出してしまったのだろう。賢英が羞恥を強く訴えている。もう甘い雰囲気なんて霧散してしまった。くそ。
 わかってはいる。頭ではわかっているが、準備のできた体の方は納得がいかない。この火照った体をどうしてくれようか。強引に賢英の腕を掴んで抵抗を封じようとするけど、賢英は駄目ですと繰り返す。
 はぁ、仕方ない。
 首を軽く降って、頭を切り替える。
「腹が減ったな、賢英。食事に行くか」
 賢英が安堵したように私を見る。
「はい。お腹がすきました。ぺこぺこです」
「続きは帰ってからだな」
 賢英は何も言わなかったが、気にせず乱れた服を直してやる。賢英は私にされるままに大人しかった。帯を結びなおして賢英に手を差し出して立たせる。砂埃を払って全体を確認する。良し。
 月の光はあるけれど、暗くて足場の不安定な砂地だ。転ばないように腕を差し出すと、賢英が腕を絡めてくる。しっかり掴まったことを確認して、町の灯りに向かって、並んで歩き出した。


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