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後段
48 暗がり
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※47話、48話の二話更新です。
茶会から一月近くが過ぎて、夏至の祭天が近づいてきた。宮殿内はそのための準備でにわかに活気づいている。
その準備に明け暮れた今日、いくばくかの疲れを感じながら私室に籠っていた。新しく設えた執務室は以前のそれと大きく内装を変えてはいるが、過ごしやすさに変わりはない。安全性と仕事のし易さが十分に考慮された空間に、侠舜の配慮の跡がうかがえた。あれがいなくては私の仕事の効率は大きく落ちる。得難い友人だ。
その新しい部屋で一人椅子に腰掛け考えに耽る。気づくと、玻璃燈の明かりもつけない暗い部屋に月明かりが差し込み、その白い手が私の足を濡らしている。
こうして一人静かに暗闇の中にいるとあの塔を思い出してしまう。夜の闇に救いのように、格子を通して落ちた月明かりの中で眠った日々。
以前賢英が子供の頃暗闇が怖かったと言っていたが、あの時、私は上手く笑えていただろうか。
椅子に腰かけたまま目を閉じると、思考と思考の隙間で楽しくもない想像が思い浮かぶ。それを繰り返し頭から追い出しながら、これからのことを注意深く組み立てていく。出来るだけはっきりと最善の未来を思い描こうと試みる。まだ上手くはできないけれど。
それはまるで堤防に針で穴を開けるような試みだと思う。けれど、どれほど無謀なことかもしれなくても、それでもやり遂げたいと思う自分がいる。蟻の一穴と言う言葉もある。そう信じて準備をしなくてはならない。皆が私を助けてくれるのだから。
誰もいないことを良いことに、いつの間にか椅子に背をだらしなく預けながら考えている。今は行儀の悪さも忘れよう。
そういえば、先日雲嵐が新しい家族の元から戻り、昨日仕事に復帰した。予定よりも滞在期間が伸びたがそれは織り込み済みだった。雲嵐の新しい家族の治める山東州は国境にあって鉄を産出する小さな鉱山をいくつか有する。そして昨年、分割の際にもめにもめた場所でもある。州自体の広さはさほどでもないが、土地としては要所となるため、信頼のおける者を候に据えたかった。
そして、その候補として私が推薦し山東州に封ぜられたのが朱家だった。かの家は父の後宮拡大政策に最初に苦言を呈して、その地位をはく奪された家でもある。
他者におもねることなく正義を貫こうとする性質を見込んで、そして父の不義理に対する謝罪の意味も込めての抜擢だった。
その朱家に養子として迎えられる雲嵐は出発前、納得のいかない顔をしていたのを覚えている。どうして書類上の関係でしかない間柄の家に仕事を休んでまで滞在するのか、理解に苦しむという顔だった。
けれど、都に戻ってきたとき、その顔に以前は見られなかったなにかがあったように思う。親に捨てられた雲嵐に新しい親ができるというのは、悪いことではなかったと思いたい。
そしてこれが最も重要かつ釈然としないことなのだが、賢英が雲嵐の復帰に際してこれ以上ないくらいに喜んでいた。しかしまぁ良い。許そう。私は寛大な男なのだから。
それから。
ここ数日の出来事を思い返そう。四人の妃に機嫌伺に行ってきて、いくつかの収穫と一つの問題が持ち上がった。これが今一番の懸案事項だった。
最初に李麗君のところを訪れて、一つ収穫があった。
あれの家は人事と行政をつかさどる仕事についている者が多い。それ故、最近の李家の動向を少しでも把握しておきたかった。賢英の件もあり、特に注意しなくてはならない。
四家の中で最も書類の偽装を行いやすいのは李家だ。そして、順当に考えれば手を下したのも李家である可能性が高いが、証拠がないまま判断するのは危険かもしれない。他家にも手書きの書類を偽装をしようと思えば出来なくはないのだから。ただ李家のほうが他家の者よりも比較的容易な立場にいるというだけだ。
だから情報が欲しい。幸運なことに、麗君は機嫌を取るとなんでも考えなしに話すところがあるので扱いやすい。以前は機嫌を取って水を向ければ勝手に余計なことまで話してくれた。けれど、最近は徒労感以外には大した情報は得られなくなった。恐らく意図的に家の内部事情から遠ざけられている。それに本人だけが気づいていない。
そのことを思うと、知らされないことは自業自得ではあるが、家から軽んじられているということに一抹の憐れみを覚える。そして同時にそれはきっとあれにとっては幸せなのだろうとも思う。美しい衣服や宝飾品を身に着ける自分が皆から大事にされている、価値ある存在だという夢を見ている。
侠舜や潤なんかは麗君を悪くいうが、私自身はさほど悪い女ではないと思う。本当の悪とはもっと違うもののような気がする。あれは単純に子供なだけなのだ。根が素直で、今までただただ甘やかされて育ってきた少し我儘な女というのが私の麗君に対する評価だった。嫌味を言うのも私の仕事の邪魔をするのも腹立たしいが、結局はそれだけでしかない。
今回も話をしに行ったが、あれは相変わらずで、そして大した情報は案の定手に入らなかった。唯一、あやふやな話を、実家で何やら人を呼んで宴が何かをしたらしいということを事実と想像とが入り混じる中から拾い上げたに過ぎなかった。
できることなら事前に知りたかった。そうすれば手の者を紛れ込ませたり監視したりも出来ただろうが、恐らく向こうもそれを分かっているのだ。
翌日玲梨子のもとを訪問した。梨子からは特にこれといった情報は得られなかった。他愛のない会話をして帰り際に、賢英とお茶会がしたいと言われたくらいだった。あれは口が堅く、自分が話して聞かせたいと思うこと以外、失言することはまずない。定期的に玲家から報告は上げられてはいるが、できることなら報告に上がらない玲家の内部事情や西国に関する些細な情報を、あれを通じて手に入れたいと思っている。そして、残念ながら聞き出せたことは今までにほとんどなかった。
続いて別の日に紅花の所を訪れた。この日は事前に手紙で、話したいことがあると言われていたこともあって、警戒していた。
宮を訪れると子供らは乳母に連れられて外出しているらしく、辺りは静かだった。紅花は子供の話もそこそこに、本題に入った。
紅花からの情報は完全に青天の霹靂だった。
なんと私が延一族の会合に呼ばれることになっているのだという。まさかと思った。あれほど私のことを毛嫌いしている一族なのに。だからこそ、この手の平返しの目的が何なのかを考えると頭が痛い。少し前から紅花の態度が軟化していることと関係があるだろうか。分からない。
そしてその知らせを携えて数日以内に使者が私の元にくるのだということも教えてくれた。この情報は彼女の侍女が偶然帰郷したときに聞いてきたことらしく、詳細については不明だった。
それでも私が心の準備を整えるのには十分だろうと、嬉々として話す紅花の声には押しつけがましい優しさがあった。
あまりに予想外の事態に私は会話もそこそこに彼女の宮を辞去した。よほど顔色に出ていたのだろう、侠舜に何事があったのかを聞かれた。
時間を置いて今こうして落ち着いて考えてみると、この不測の事態は渡りに船と言えなくもなかった。あちらの内部事情や一族の面々、所有する兵力など、言葉だけの報告ではわからないことを知る又とない機会とも言えた。特に私の場合は都から簡単には離れられない上に、彼らに疎まれている。私のほうから視察に行きたいと申し出ても警戒されるのが関の山だ。折角赴いても何も得るものがないのでは意味がない。なのに向こうから声をかけられるとは。危険ではあるが、誘いに乗るのも悪くないだろうと思う。あちらも私が呼び出しに従ってのこのこやってくると思えば、警戒も薄れるだろうし、実際に情報を得られる機会がこんなに早く訪れたと思えば丁度良い。
ただ、あの男と、あの一族と対峙するにはかなりの胆力がいる。それが私の心に重くのしかかる。
それから徐雪華のもとを訪れ、次いで墨瑞芳のところを回った。今後のために、どうしてもこの二人との面会は外すことができなかった。
後日、紅花が言った通り手紙を携えた延家の使者が私に目通りを願い出てきた。やってきたのは紅花の弟とその侍従だった。父親本人が来ないというのは想像できたが、まさか跡継ぎが名代としてわざわざ来るとは想像していなかった。いや、私に目通りを願うのだからそれくらいの地位の者がくるのは当然なのだが、なんだかんだと言い訳を並べ立てて、適当な下っ端がくると思っていた。しかもこの弟が終始嫌な笑顔を顔に張り付けているのも不快だった。どういう風に私のことを聞いているのかがすぐに察せられた。
私はそのことに気づかぬふりをして、書状を受け取り、はるばる遠くから来た事を労い、返事をするまでの数日を宮殿で滞在して過ごすことを許可した。紅花の弟はしきりになにかを知りたがっている風だった。
使者が来てから三日目の今日、私は返事を渡して使者を帰した。賽は投げられた。
けれど。
どうしたら良いのか、考えはそこへ帰ってきてしまう。
日時は未定だが、延一族の土地に赴くことはすでに決定している。そこは揺るがない。問題は賢英だった。
私がいない間宮に一人で残すのは心配だった。しかし、だからと言って賢英を向こうへ連れていくこともできない。なのに私には選択肢が無い。
どうしようか……。
月明りが忍び込む室内で、答えのない問いを繰り返した。ただ夜だけが更けていった。
※次からまた話が動くと思います。
茶会から一月近くが過ぎて、夏至の祭天が近づいてきた。宮殿内はそのための準備でにわかに活気づいている。
その準備に明け暮れた今日、いくばくかの疲れを感じながら私室に籠っていた。新しく設えた執務室は以前のそれと大きく内装を変えてはいるが、過ごしやすさに変わりはない。安全性と仕事のし易さが十分に考慮された空間に、侠舜の配慮の跡がうかがえた。あれがいなくては私の仕事の効率は大きく落ちる。得難い友人だ。
その新しい部屋で一人椅子に腰掛け考えに耽る。気づくと、玻璃燈の明かりもつけない暗い部屋に月明かりが差し込み、その白い手が私の足を濡らしている。
こうして一人静かに暗闇の中にいるとあの塔を思い出してしまう。夜の闇に救いのように、格子を通して落ちた月明かりの中で眠った日々。
以前賢英が子供の頃暗闇が怖かったと言っていたが、あの時、私は上手く笑えていただろうか。
椅子に腰かけたまま目を閉じると、思考と思考の隙間で楽しくもない想像が思い浮かぶ。それを繰り返し頭から追い出しながら、これからのことを注意深く組み立てていく。出来るだけはっきりと最善の未来を思い描こうと試みる。まだ上手くはできないけれど。
それはまるで堤防に針で穴を開けるような試みだと思う。けれど、どれほど無謀なことかもしれなくても、それでもやり遂げたいと思う自分がいる。蟻の一穴と言う言葉もある。そう信じて準備をしなくてはならない。皆が私を助けてくれるのだから。
誰もいないことを良いことに、いつの間にか椅子に背をだらしなく預けながら考えている。今は行儀の悪さも忘れよう。
そういえば、先日雲嵐が新しい家族の元から戻り、昨日仕事に復帰した。予定よりも滞在期間が伸びたがそれは織り込み済みだった。雲嵐の新しい家族の治める山東州は国境にあって鉄を産出する小さな鉱山をいくつか有する。そして昨年、分割の際にもめにもめた場所でもある。州自体の広さはさほどでもないが、土地としては要所となるため、信頼のおける者を候に据えたかった。
そして、その候補として私が推薦し山東州に封ぜられたのが朱家だった。かの家は父の後宮拡大政策に最初に苦言を呈して、その地位をはく奪された家でもある。
他者におもねることなく正義を貫こうとする性質を見込んで、そして父の不義理に対する謝罪の意味も込めての抜擢だった。
その朱家に養子として迎えられる雲嵐は出発前、納得のいかない顔をしていたのを覚えている。どうして書類上の関係でしかない間柄の家に仕事を休んでまで滞在するのか、理解に苦しむという顔だった。
けれど、都に戻ってきたとき、その顔に以前は見られなかったなにかがあったように思う。親に捨てられた雲嵐に新しい親ができるというのは、悪いことではなかったと思いたい。
そしてこれが最も重要かつ釈然としないことなのだが、賢英が雲嵐の復帰に際してこれ以上ないくらいに喜んでいた。しかしまぁ良い。許そう。私は寛大な男なのだから。
それから。
ここ数日の出来事を思い返そう。四人の妃に機嫌伺に行ってきて、いくつかの収穫と一つの問題が持ち上がった。これが今一番の懸案事項だった。
最初に李麗君のところを訪れて、一つ収穫があった。
あれの家は人事と行政をつかさどる仕事についている者が多い。それ故、最近の李家の動向を少しでも把握しておきたかった。賢英の件もあり、特に注意しなくてはならない。
四家の中で最も書類の偽装を行いやすいのは李家だ。そして、順当に考えれば手を下したのも李家である可能性が高いが、証拠がないまま判断するのは危険かもしれない。他家にも手書きの書類を偽装をしようと思えば出来なくはないのだから。ただ李家のほうが他家の者よりも比較的容易な立場にいるというだけだ。
だから情報が欲しい。幸運なことに、麗君は機嫌を取るとなんでも考えなしに話すところがあるので扱いやすい。以前は機嫌を取って水を向ければ勝手に余計なことまで話してくれた。けれど、最近は徒労感以外には大した情報は得られなくなった。恐らく意図的に家の内部事情から遠ざけられている。それに本人だけが気づいていない。
そのことを思うと、知らされないことは自業自得ではあるが、家から軽んじられているということに一抹の憐れみを覚える。そして同時にそれはきっとあれにとっては幸せなのだろうとも思う。美しい衣服や宝飾品を身に着ける自分が皆から大事にされている、価値ある存在だという夢を見ている。
侠舜や潤なんかは麗君を悪くいうが、私自身はさほど悪い女ではないと思う。本当の悪とはもっと違うもののような気がする。あれは単純に子供なだけなのだ。根が素直で、今までただただ甘やかされて育ってきた少し我儘な女というのが私の麗君に対する評価だった。嫌味を言うのも私の仕事の邪魔をするのも腹立たしいが、結局はそれだけでしかない。
今回も話をしに行ったが、あれは相変わらずで、そして大した情報は案の定手に入らなかった。唯一、あやふやな話を、実家で何やら人を呼んで宴が何かをしたらしいということを事実と想像とが入り混じる中から拾い上げたに過ぎなかった。
できることなら事前に知りたかった。そうすれば手の者を紛れ込ませたり監視したりも出来ただろうが、恐らく向こうもそれを分かっているのだ。
翌日玲梨子のもとを訪問した。梨子からは特にこれといった情報は得られなかった。他愛のない会話をして帰り際に、賢英とお茶会がしたいと言われたくらいだった。あれは口が堅く、自分が話して聞かせたいと思うこと以外、失言することはまずない。定期的に玲家から報告は上げられてはいるが、できることなら報告に上がらない玲家の内部事情や西国に関する些細な情報を、あれを通じて手に入れたいと思っている。そして、残念ながら聞き出せたことは今までにほとんどなかった。
続いて別の日に紅花の所を訪れた。この日は事前に手紙で、話したいことがあると言われていたこともあって、警戒していた。
宮を訪れると子供らは乳母に連れられて外出しているらしく、辺りは静かだった。紅花は子供の話もそこそこに、本題に入った。
紅花からの情報は完全に青天の霹靂だった。
なんと私が延一族の会合に呼ばれることになっているのだという。まさかと思った。あれほど私のことを毛嫌いしている一族なのに。だからこそ、この手の平返しの目的が何なのかを考えると頭が痛い。少し前から紅花の態度が軟化していることと関係があるだろうか。分からない。
そしてその知らせを携えて数日以内に使者が私の元にくるのだということも教えてくれた。この情報は彼女の侍女が偶然帰郷したときに聞いてきたことらしく、詳細については不明だった。
それでも私が心の準備を整えるのには十分だろうと、嬉々として話す紅花の声には押しつけがましい優しさがあった。
あまりに予想外の事態に私は会話もそこそこに彼女の宮を辞去した。よほど顔色に出ていたのだろう、侠舜に何事があったのかを聞かれた。
時間を置いて今こうして落ち着いて考えてみると、この不測の事態は渡りに船と言えなくもなかった。あちらの内部事情や一族の面々、所有する兵力など、言葉だけの報告ではわからないことを知る又とない機会とも言えた。特に私の場合は都から簡単には離れられない上に、彼らに疎まれている。私のほうから視察に行きたいと申し出ても警戒されるのが関の山だ。折角赴いても何も得るものがないのでは意味がない。なのに向こうから声をかけられるとは。危険ではあるが、誘いに乗るのも悪くないだろうと思う。あちらも私が呼び出しに従ってのこのこやってくると思えば、警戒も薄れるだろうし、実際に情報を得られる機会がこんなに早く訪れたと思えば丁度良い。
ただ、あの男と、あの一族と対峙するにはかなりの胆力がいる。それが私の心に重くのしかかる。
それから徐雪華のもとを訪れ、次いで墨瑞芳のところを回った。今後のために、どうしてもこの二人との面会は外すことができなかった。
後日、紅花が言った通り手紙を携えた延家の使者が私に目通りを願い出てきた。やってきたのは紅花の弟とその侍従だった。父親本人が来ないというのは想像できたが、まさか跡継ぎが名代としてわざわざ来るとは想像していなかった。いや、私に目通りを願うのだからそれくらいの地位の者がくるのは当然なのだが、なんだかんだと言い訳を並べ立てて、適当な下っ端がくると思っていた。しかもこの弟が終始嫌な笑顔を顔に張り付けているのも不快だった。どういう風に私のことを聞いているのかがすぐに察せられた。
私はそのことに気づかぬふりをして、書状を受け取り、はるばる遠くから来た事を労い、返事をするまでの数日を宮殿で滞在して過ごすことを許可した。紅花の弟はしきりになにかを知りたがっている風だった。
使者が来てから三日目の今日、私は返事を渡して使者を帰した。賽は投げられた。
けれど。
どうしたら良いのか、考えはそこへ帰ってきてしまう。
日時は未定だが、延一族の土地に赴くことはすでに決定している。そこは揺るがない。問題は賢英だった。
私がいない間宮に一人で残すのは心配だった。しかし、だからと言って賢英を向こうへ連れていくこともできない。なのに私には選択肢が無い。
どうしようか……。
月明りが忍び込む室内で、答えのない問いを繰り返した。ただ夜だけが更けていった。
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