皇帝の寵愛

たろう

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前段

29 主上と賢英

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 名付けの当日は快晴だった。

 幸運にもあれからすぐに皇都では雪が止み、心配したほどの被害とはならなかった。国土の北と西、河北州や白州を始めとする各州には年明けから物資の手配をし、支援を始めていたのも良かった。
 送られてくる定期報告を見る限り、勿論完全に安心することはできないが、今のところ用意していた策は問題なく機能しているといえる。例年にない大雪にでもならない限り対応できるだろう。北の諸侯たちが私の指示通りに采配を振るっていれば、という条件付きではあるが。
 諸侯や官が物資を秘密裏に接収したり横流しで金に変えたりはままある。そうならないように逐次民衆に配布した物資の量の報告を上げさせることにしている。人口から算出して手配した必要物資の量と死者の数から適切に民衆へ分配されたかどうかを確認できるようにもした。他の州と比較してあまりにも被害が大きいようならば、誰かが自分の懐に物資を横領していることが考えられる。その時にはそれ相応の対応をするだけだ。
 しかし、今はまだ様子見で諸侯の出方を窺う以外にできることはないだろう。
 私は紙束を片付けると仕事に一区切りをつけて立ち上がった。


 私が行くと雪の取り除かれた広場で、賢英が丁度馬で早駆けの練習をしていた。温かそうな毛皮に包まれて、雛鳥のようだ。可愛らしい。
 一目見て賢英はかなり乗馬が上達したことがわかった。以前見た時よりも力の入れ方に無理がない。その証拠に姿勢が美しい。暁明の指導の賜物だろう。私の采配の賜物でもある。
 私に気づいて馬を止めるとこちらに小さく手を振って見せた。
 賢英の顔を見ると何故かほっとした気持ちになり、自然顔がほころぶのが自分でも分かる。

――笑った顔の方が素敵だと思いますよ。

 懐かしい声がした気がした。もう何年も思い出すことのなかった声。
 ひたひたと心の裡に満ちてくるものがあった。
 暁明に轡を取られながら、賢英がしなやかな動作で馬を降り、表情を取り繕ってこちらへやってくるのが見えた。すぐに私は顔に力を入れて、表情を切り替える。
 笑顔を作って賢英を見ると、こちらを見ていた。一瞬怪訝そうな顔をしたように見えたが違ったようだ。微かに笑みを浮かべたまま近づいてくる。私も小さく手を挙げて見せた。
 賢英が嬉しいという気持ちを隠そうとして隠しきれていない顔をした。駆け出しそうになるのを変に誤魔化そうとして歩き方がぎこちない。そこが愛らしい。これで私のことを好いているか分からないというのだから、呆れてしまう。
 素直に認めてしまえば楽だろうに。根が真面目すぎるのだ。私に対して誠実であろうとしている結果なのだということは理解している。だから私も賢英に対しては誠実でありたい。
 初めて見た時から身長が伸びて互いの目線の高さが近づき、残っていた幼さはもう失われた。中身はまだまだ子供ではあるが、その落差が魅力となっていることに本人だけが気づいていない。そして外見の幼さが失われた分だけ艶めかしさは増したように思われる。そのすっかり大人びた男らしい顔をこちらに向けて、喜び以上の熱意を込めた視線で私を見つめてくる。そこには全く情欲や計算高い下心のようなものは窺えない。
 幾分逞しくなったしなやかな身体つき。寒さで僅かに紅潮した精悍な顔つき。
 ……無理かもしれない。
 参った。今すぐにでも寝室に連れ去りたい。

「今日はお忙しい中お越しいただきありがとうございます。侠舜から聞きました。寒さで多くの人が犠牲にならないよう手を尽くされ、とてもお忙しかったと。そんな時に手紙を出してしまい申し訳なく思っていました。」
「気にするな。以前から準備はしていたし、心配したほどの雪にはならなかった。ましてお前が手紙を出した時には、数日降り続くなど予想できるはずもなかったのだ。」
「はい。そうおっしゃって頂けると心が軽くなります。」
「例年はこの時期は何日も雪が降り続き、人が雪に閉じ込められ移動も制限されてしまうのだが、今年は今のところ天候が穏やかなおかげで、人の流れも物の流れもある。北の方も以前から準備していたお陰で、今のところひどい事態にはなっていないようだ。逆に場所によってはいつもと比べても犠牲は少ないくらいだ。今年は運が良い。だから気に病む必要は全くないのだ。それよりも、お前はしばらく見ない間に馬の扱いが上達したな。見違えたぞ。」
 私が鷹揚に頷き、上達したことを褒めそやすと、気恥ずかしいのか照れながらそれを誤魔化すように私を厩舎へと誘う。賢英が手袋をした手で私の手を自然に取る。
「私もまだ仔馬には会っていないのです。」
 そう言いながら賢英が私を引っ張る。私の手を。それは思いのほか大きな手に思えた。
 暁明の牝馬が産んだ仔馬を連れて来ているらしい。生まれて一月と少しだと言う。賢英に引かれて厩舎へ行くと、暁明が件の仔馬を連れてきた。見るとしなやかな肢体の月毛をもつ雄の仔馬だった。美しい。
 物怖じしない性格のようで、初めて見る私たち二人の匂いを順番に、興味深げに嗅いで検めた。けれど、すぐに興味を失ったようで、一つくしゃみをして母馬の元へ戻って行った。
 賢英は興味深そうに親子を見つめている。
「何か候補はあるのか?」
「はい。いくつかは雲嵐と考えてきたのですが、主上も一緒に考えていただければと。私は馬といえば、授業で乗る白馬の雪しか知らなくて。何か名付けの決まりのようなものはあるのでしょうか。」
「特には無い。私の馬は全身黒尽くめの青毛で名は黒曜というのだが、毛色や特徴、生まれた日の天候や性格に因んだ名が付けられることが多い。勿論人と同じように願いを込めた名も付けられることもある。」
「そうなのですね。黄色の月毛の珍しい馬と暁明先生から聞いていたので、そのまま月はどうかと。ほかには、雄の仔馬だとも聞いていたので子豪はどうかと考えてきたのですが、他人の馬の名を単純に決めてしまっても良いものかと思うと、なかなか難しくて。主上は何かお考えはございますか?」
「む。暁明からまだ聞いていなかったのか?これはお前の馬になる。性格も良いし丈夫そうなので、私から馬を与える予定がないなら、暁明からお前に贈りたいと申し出があったのだ。」
 そうなのですかと驚いて、賢英が少し離れて待機している暁明の方を振り向いた。こちらに気づいた暁明が手をひらひらと振っていた。
「後で礼を言うと良い。」
「はい。……それならば主上。お願いがあるのですが。」
 こちらを窺う風に見るので一つ頷いて先を促した。何でも言うと良い。
「主上に名前を付けていただきたいのです。是非に。」
「簡単なことだ。しかし、私がつけるのは構わないが、お前の持ち物になる馬だぞ。自分で名付けた方が愛着も湧くのではないか?」
「はい。ですが、だからこそ僕は主上に名を頂きたいです。駄目ですか?」
「お前の馬になるのに、本当に良いのか?」
「主上に名付けてもらった馬が良いのです。」
 見上げる瞳に期待の色が浮かぶのが分かる。
 私はそれに応えるべく頭を働かせた。何か気の利いた名を。
「わかった。少し時間をもらおう。」
 色か。珍しい毛色だ。性格か。物怖じしない豪胆さはなかなかだ。足の速い馬に育つような名がよいか。
 私の悩む横で賢英が手に餌を持って馬を呼ぶ。
 人参に釣られて母馬と仔馬が近寄って来た。しきりに匂いを嗅いで確かめてから、母馬が食べる。賢英は器用に餌をやる。私も人参を一本受け取り与えようとすると、コツがあるのだと、手のひらに立てて人参を握らされた。
 母馬はせわしなく口を動かしてほおばる。面白い。
 仔馬の方はまだ乳以外を与えられる時期ではないらしく、暁明から忠告があった。私たちは好奇心旺盛な仔馬を避けるようにして母馬に餌を与えた。ところが、母馬に気を取られている間に、賢英の手袋を仔馬が舐め回していたらしく、よだれでひどいことになってしまった。賢英は困ったように笑っていた。
 他愛もないことがこんなにも楽しい。
 よだれで濡れてしまった手袋を脱がせて、素手で賢英の手を握り込む。温かい。
 賢英が少し恥ずかしそうにはにかむ。

 脳裏に閃くものがあった。
 白い……。
 頭を振って追い払う。

「天佑。」

「天佑はどうだろうか。天がお前を導くよう願いを込めて。」
 思い出してはいけない。
 沈黙。
 隣の顔を見るとこちらを見つめながら少し考える風。
「ありがとうございます。天佑。良い名です。それにしたいと思います。」
 賢英が天佑と仔馬に呼びかけたが、両耳を動かしただけで、こちらを見もしなかった。自分の名だと言うことを分かっていない。
 それから暁明を呼んだ。暁明は承知していると言うように、近づいてくると話を進めていった。これから朝夕の雪の簡単な世話が賢英の日課になる。自身の馬を賢英が世話をしたほうが良いと暁明から提案を受けていた。私は承諾した。
 けれど、天佑が乳離れして実際に移ってくるのは秋頃になるため、それまでは乗馬で慣れている雪の世話をしながら、日々の作業に慣れていく手筈になっている。これも事前に暁明から提案があった。
 賢英が嬉しそうに暁明に作業の詳細を聞いている。私はその様子を側で眺めていた。仲が良すぎるのではないだろうか。


「今日は私のわがままにお付き合いいただきありがとうございました。」
「よい。私も息抜きになった。」
「また、手紙を書いても良いですか?」
「もちろんだ。返事は必ず出そう。」
 私は自分の筆無精を思い出しながら言った。
 私が見ると、賢英が柵の中を見ている。
 名をもらったばかりの馬が、見られていることに気付いていない風に、ぶるると体を震わせた。
「天佑が、私が乗れるほどに大きくなったら一緒にどこかへ出掛けませんか。きっと楽しいです。それに主上の黒曜という馬も見てみたいです。」
 一つ案が思い浮かぶ。
「悪くはないが、あの馬が人を乗せて遠出ができるようになるを待っていたら来年になってしまうぞ。」
「そうなんですか……。」
「だが、そうだな。出かけるというのは良いな。ぜひ馬の件とは別に二人で一緒に遠出をしよう。どこが良いだろうか。」
 賢英の目が輝いたように見えた。
 実際素晴らしいことのように思えた。最上の景色の見られる場所……。
 記憶を掘り起こす。
——青海湖はどうでしょうか。景色もよく涼しいので避暑地として人気だそうですよ。
「少し遠いが美しい湖がある。夏にそこへ行こう。小舟に乗って遊ぶのも悪くない。どうだろう。」
「素敵だと思います。」
「いや、なんなら季節ごとでもいい。そうだな、早いうちに一度出かけよう。」
 どこかもっと良い場所は。
——梅の花が盛りだそうです。
「梅の花。そうだな、梅が咲いたら離宮へ行くか。」
 しまった。これでは湖と大差ないではないか。
「梅ですか?……急すぎはしませんか?私は構いませんが、主上のご予定は大丈夫でしょうか。」
「問題ない。それよりも何代か前の皇帝が作らせたその離宮には紅梅白梅だけを集めた庭園がある。私も一度行ったことがあるが、あの美しさは是非見ておいたほうが良い。」
 賢英の年ごろなら景色を眺めるのは退屈ではないだろうか?
「いや、別に梅でなくとも良いのだ。まだ肌寒い時期に出かけてお前に障りがあったら大変だ。それに少しつまらないかもしれない。」
 他に何処かなかったか。まだ行ったことのないような。
 紅葉狩り。秋ではないか。遅すぎる。いや、それよりもそこは以前連れて行って私が台無しにした。ええい、馬鹿者め。
 景色を眺める以外にできそうなことは……。何も思いつかない。
 浮きたつ気持ちが萎んでいく。
「そうだ。お前に一つ離宮を贈ろう。お前は自分の宮を持っていない。宮殿内に新たに作らせるのは無理だが、何処か風光明媚な鄙の地ならば。夏の暑さの凌げる場所が良くはないか?」
 素晴らしい案のように思われた。
「お前は池が好きだったな。宮の周りに川を引き込んで、橋を巡らせよう。大きな池に鯉を放ち、池の上まで張り出した露台を作らせれば、室内から池を見下ろせる上に涼しげだ。夏に咲く睡蓮や花を植えさせて、楽師の一団や旅芸人、旅芝居の一座を招いて宴を開くのも良い。」
「え?」
「そういえば、皇都で最近観劇がもてはやされているそうではないか。完成の暁にはその一座を呼んで余興をさせるのも良いな。」
「お、お待ちください、主上!私に離宮などとんでもありません!欲してもおりません。どうかお考え直しを。それに一緒に出かけると言う話ではありませんでしたか!何故離宮を建てる話になったのです。」
 慌てて賢英が言い募る。
 私は自分の考えを中断され些か気分を害したがすぐに思い直す。
 そうだ。賢英は金にものを言わせた何かを欲しがらないやつだった。難しい。
 私の毛皮を掴みながらじっとこちらを見つめる。
「主上が連れて行ってくれるところなら、どんな場所でも楽しいと思います。梅の花、とても楽しみです。」
 そう言って賢英が微笑んだ。
 それだけで心が軽くなる。
「そうか。」
「はい、楽しみです。」
 別の何かが胸の奥を満たしていくような感覚があった。
「そうだ、間もなく春分の儀式がある。お前は儀式には参加できぬが、この前と同じように揃いで衣装を仕立てさせよう。春らしい柔らかな色のものがいい。この前のは似合っていたが地味すぎた。」
 私は何をこんなにも浮ついているのだろうか。
「それから……。」
 外出用の衣装も作らせよう。
 そうつらつらと考えていると、暁明が終わりを告げに来た。次の予定が押している。
「もうそんな時間か。」
 仕事以外の時間はあっという間だ。
「仕方ない。続きは今度話そう。」
 馬の名を決めるという重要事項は無事終わった。次の予定もたてられた。行事に託けて新しい衣装を作らせる約束も取り付けた。女たちばかりに作り賢英に作ってやらないのは、これを軽んじているように見られる場合がある。それは良くない。
 賢英が神妙な顔で頷く。
「今日はありがとうございました。とても楽しい一時でした。」
 そうか。
「私も楽しかった。また呼んでくれ。遠出の件、追って詳細は知らせよう。」
 本心から楽しいと、楽しみだと思っていた。
 こんなにも。

「ああ、そうだ。賢英。」
 広げられた手紙を思い出しながら呼びかけた。賢英が小首を傾げる。
「黄茉莉からだ。今度茶会を開きたいそうだ。私のところに文があった。」
「茶会ですか?」
「ああ。お前を誘いっても良いかと書いて寄越してきた。あれは近く後宮を出る。以前から降嫁が決まっていた。宮を出る前にお前と一度だけでも茶会をしたいのだそうだ。気に入られたものだな。」
「はあ。」
 賢英が曖昧に頷く。
「茉莉は気性も穏やかで気配りのできる女だ。お前に害をなすようなことはしない。だから私としては許可を出しても良いと思っている。それにあれの最後の願いだ。叶えてやりたいと思う。会ってやってはくれぬか?」
「わかりました。私に否やはありません。それに、月階の節会では心配をお掛けしてしまったようでしたので、少し気にかかっていました。直接謝る機会が得られて嬉しく思います。」
「そうか。ありがたく思う。この件も追って詳細を知らせる。」
「はい。」
「では。」
 そう言うと私は踵を返して宮殿へと戻った。日はだいぶ傾いていた。


——またどこかへ連れて行ってください。
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