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第一章 出会い
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その日は早朝からちらついていた雪が昼頃まで降り続いていた。
この街に来て初めての雪だった。ここいらではあまり雪は降らない。おじいさんおばあさんのところでも、滅多に雪は降らなかった。
天気のせいだろう。今日は客が少ない。
冷たい風が一陣吹き抜けて、僕はぶるりと体を震わせた。スタンはなんでもないと言う顔をして、僕の横に立っている。
子供らが寒さもものともせず、はしゃいでいる。その歓声が耳をくすぐる。
男の子は少ない雪をかき集めて雪玉を作っている。それをしり目に女の子達は唄を歌いながら雪だるまを作っている。いつのまにか、雪玉のぶつけ合いが始まる。男の子達は耳馴染みのない掛け声を掛け合いながら全力で駆け回っている。そういう穏やかな光景。
そんな折、男性が一人切羽詰まった様子で僕の方へ駆け寄ってきた。
「あ、あの!」
「はい?」
肩で息をしている。かなり急いでやってきたようで、呼吸が辛そうだ。
僕らはその人の呼吸が落ち着くのをじっと待った。
「子供の!場所を!占って欲しいのだがッ」
酷い慌てようだ。はぐれてしまったのかな。
「迷子ですか?」
「そ、そうだ!ちょっと目を離した隙にいなくなって!じっとしてろって言ったのにッ」
「それはご心配ですね。この近くで見失われたのですか?」
「いや、この先の噴水の辺りだ。もしかしたらこっちに来てるかもと思ったんだが姿が見えなくて、そういえば占い師がいたと思い出して!」
「居場所を占えば良いのですね。当たるかはわかりませんよ?」
「わかってる。でも、もう心当たりはあらかた捜したんだ。家にも戻ってみた。でも!でも!どこにもいなかった。大人しい子で、普段は勝手にふらふら歩き回る子じゃないんだが……俺は、俺は!」
そう言って泣き出す。彼は子供を深く愛している。
「わかりました。協力させてください。お代は結構です。何かその子の持ち物はお持ちではないですか?」
「あぁ、ありがとう。ええと、ここに……」
そう言って上着のポケットをまさぐると、可愛らしいリボンが出てきた。
「あの子が居た場所に、これが落ちていたんだ。あの子が今日外出時に俺が髪に結んでやった」
「良い品ですね」
「ああ、誕生日のプレゼントに俺が贈ったもので、とても気に入っていた。たまたま広場で屋台を出していた知り合いが見かけて拾ってくれて」
「お預かりしても?」
「あぁ。これで捜せるか?」
「やってみましょう。リボンの一端を私が握るので、もう一端をあなたがお持ちください」
僕らはリボンを介して互いに向かい合って立つ。
「これからお子さんの特徴を幾つか質問するので、頭の中に詳細に思い浮かべて下さい」
「分かった」
「お嬢さんのお名前は?」
「アン」
「髪の色は」
「濃い茶色だ」
「目の色は」
「緑」
「おいくつですか」
「数えで十一歳になった」
「性格は?」
「少し引っ込み思案だが優しい子だ。困っている人をみると誰にでも手を差し伸べようとするような」
「動物は好きですか」
「好きだと思う。うちでは飼っていないが、近所の犬猫とよく遊んでいた」
「家はこの街のどの辺りですか」
「東側だ。楡の木通りの側」
「今日はなぜお二人でこちらへ?」
「アンにせがまれて。ここしばらくあの子は病気で寝込んでいたから、病気が治ってしばらくぶりに一緒に外出したいと言い出して。私もアンが無事恢復したのが嬉しくて、それくらいのお願いなら叶えてあげたいと思って一緒に来たんだ。そしたらいつの間にか居なくなっていて」
「わかりました」
ふうと息をつく。
「では、このリボンをどうぞ」
「はい」
「今から噴水広場に戻ってください。そこで、このリボンを今と同じように、片方を垂らしながら握っていてください」
「わかった」
「そのリボンが風に吹かれて靡く方向へ進んでください」
「それで?」
「それだけです。間に合えば、お子さんのところにたどり着きます」
「そんな!馬鹿にしてるのか!」
いきり立つ男性。当然の反応だと思う。
「本気です。あなたの彼女への愛と、娘さんのあなたへの愛が引き合えば、道は繋がります。信じる信じないはあなた次第です。もし、少しでもお子さんが見つかる希望にすがる心持ちがあるのなら、お早めに行動をすることをお勧めします」
「わかった。けどなぁ!見つからなかったらぶんなぐってやるからな!」
「ええ、お待ちしています」
そういうと、逡巡するように視線をさ迷わせ、噴水のある方へ走り出した。こけつまろびつ、彼は走っていく。その必死な姿を僕は見えなくなるまで目で追いかけた。
すると、風に乗って子どもたちの童歌が聞こえてきた。繰り返される単調なリズム。
りんごが一つ木から落ちた転がって転がって路地に入った
あなたはだあれきこりさん?
りんごが一つ木から落ちた転がって転がって海に落ちた
あなたはだあれだいくさん?
さよならさよなら手を振ってお船に乗って遠い国
明日にはきっと遠い国……
男性の後姿が人混みに紛れて見えなくなった。
それから、いくつもの教会の鐘の音を聞いた。寒空の下、僕らはただひたすら客の到着を待っていた。
けれど、結局今日は全然人が来なかった。占いの売り上げは天気に左右されすぎる。
そろそろ帰ろうか。僕はそうスタンに声をかけるけれど、スタンは返事を返さなかった。
どうしたのだろうと思って、隣に立つ男の顔を見上げると、スタンは気もそぞろという風に立っている。顔をあちこちに動かしながら、男の帰りを待っている。
だいぶ日が落ちて、もうすぐ夜が来る。
鐘楼の鐘が鳴って仕事の終わりを告げられた。
僕がスタンを促して宿に戻ろうとしたとき、後ろから大声で呼ばれた。嬉しそうな声だった。
振り返るとさっきの男性が、小さな女の子と一緒にやってきた。女の子は疲れたのか抱きかかえられたまま眠っている。安心しきっているその表情に、不吉な影は何もみえない。
「見つかった!見つかった!ありがとう!」
父親が僕に感謝を述べる。繰り返し繰り返し。
良かった。スタンの顔もほころぶ。
「お代を」
「結構です。それよりも、もう遅い。早く家に連れて行ってあげてください」
「ありがとうございます。なんとお礼を言っていいか。行ったこともない路地に迷い込んだようで。一人であんな遠くまで行く子ではなかったんですけど、見つかって良かった、親切な人が保護してくださっていて」
「そうですか。ええ、本当に良かったです。さぁ、もう家に帰らないと。奥様がお待ちでしょうから。それにまた風邪をひいたら大変ですよ」
「はい!ありがとうございました!」
「次は手を放してはいけませんよ」
「そうします!こんなに遅く帰ったら妻にどやされるぞ……」
それだけ言うと男は女の子を抱えたまま歩き出す。足取り軽く。最初とは打って変わって晴れやかな顔で。
両手に抱えきれない愛を抱きしめて。
「僕らも帰ろう。心残りは無くなったから」
「はい」
そう言って歩き出した僕らの後から先ほどの男性が声をかけた。
「あ、そうだ。すみません。伝え忘れがありました」
「なんでしょう」
僕が振り向く。
「親切な方が、娘を保護してくださっていた人なんですけど、すばらしい占いだということで、今度占ってもらいたいと言っていました」
「そうですか。お待ちいたしております」
そう言って男は嬉しそうに帰っていった。
「誰か聞かなくてよかったのですか?」
「うん。どうせわかることだからね」
僕らはそろって歩き出す。冷たい風が身に染みる。手足が冷たくなっているのが分かる。
「見つかって良かったですね」
スタンが心からそう思っているという風に僕に声をかける。
「本当に」
この街に来て初めての雪だった。ここいらではあまり雪は降らない。おじいさんおばあさんのところでも、滅多に雪は降らなかった。
天気のせいだろう。今日は客が少ない。
冷たい風が一陣吹き抜けて、僕はぶるりと体を震わせた。スタンはなんでもないと言う顔をして、僕の横に立っている。
子供らが寒さもものともせず、はしゃいでいる。その歓声が耳をくすぐる。
男の子は少ない雪をかき集めて雪玉を作っている。それをしり目に女の子達は唄を歌いながら雪だるまを作っている。いつのまにか、雪玉のぶつけ合いが始まる。男の子達は耳馴染みのない掛け声を掛け合いながら全力で駆け回っている。そういう穏やかな光景。
そんな折、男性が一人切羽詰まった様子で僕の方へ駆け寄ってきた。
「あ、あの!」
「はい?」
肩で息をしている。かなり急いでやってきたようで、呼吸が辛そうだ。
僕らはその人の呼吸が落ち着くのをじっと待った。
「子供の!場所を!占って欲しいのだがッ」
酷い慌てようだ。はぐれてしまったのかな。
「迷子ですか?」
「そ、そうだ!ちょっと目を離した隙にいなくなって!じっとしてろって言ったのにッ」
「それはご心配ですね。この近くで見失われたのですか?」
「いや、この先の噴水の辺りだ。もしかしたらこっちに来てるかもと思ったんだが姿が見えなくて、そういえば占い師がいたと思い出して!」
「居場所を占えば良いのですね。当たるかはわかりませんよ?」
「わかってる。でも、もう心当たりはあらかた捜したんだ。家にも戻ってみた。でも!でも!どこにもいなかった。大人しい子で、普段は勝手にふらふら歩き回る子じゃないんだが……俺は、俺は!」
そう言って泣き出す。彼は子供を深く愛している。
「わかりました。協力させてください。お代は結構です。何かその子の持ち物はお持ちではないですか?」
「あぁ、ありがとう。ええと、ここに……」
そう言って上着のポケットをまさぐると、可愛らしいリボンが出てきた。
「あの子が居た場所に、これが落ちていたんだ。あの子が今日外出時に俺が髪に結んでやった」
「良い品ですね」
「ああ、誕生日のプレゼントに俺が贈ったもので、とても気に入っていた。たまたま広場で屋台を出していた知り合いが見かけて拾ってくれて」
「お預かりしても?」
「あぁ。これで捜せるか?」
「やってみましょう。リボンの一端を私が握るので、もう一端をあなたがお持ちください」
僕らはリボンを介して互いに向かい合って立つ。
「これからお子さんの特徴を幾つか質問するので、頭の中に詳細に思い浮かべて下さい」
「分かった」
「お嬢さんのお名前は?」
「アン」
「髪の色は」
「濃い茶色だ」
「目の色は」
「緑」
「おいくつですか」
「数えで十一歳になった」
「性格は?」
「少し引っ込み思案だが優しい子だ。困っている人をみると誰にでも手を差し伸べようとするような」
「動物は好きですか」
「好きだと思う。うちでは飼っていないが、近所の犬猫とよく遊んでいた」
「家はこの街のどの辺りですか」
「東側だ。楡の木通りの側」
「今日はなぜお二人でこちらへ?」
「アンにせがまれて。ここしばらくあの子は病気で寝込んでいたから、病気が治ってしばらくぶりに一緒に外出したいと言い出して。私もアンが無事恢復したのが嬉しくて、それくらいのお願いなら叶えてあげたいと思って一緒に来たんだ。そしたらいつの間にか居なくなっていて」
「わかりました」
ふうと息をつく。
「では、このリボンをどうぞ」
「はい」
「今から噴水広場に戻ってください。そこで、このリボンを今と同じように、片方を垂らしながら握っていてください」
「わかった」
「そのリボンが風に吹かれて靡く方向へ進んでください」
「それで?」
「それだけです。間に合えば、お子さんのところにたどり着きます」
「そんな!馬鹿にしてるのか!」
いきり立つ男性。当然の反応だと思う。
「本気です。あなたの彼女への愛と、娘さんのあなたへの愛が引き合えば、道は繋がります。信じる信じないはあなた次第です。もし、少しでもお子さんが見つかる希望にすがる心持ちがあるのなら、お早めに行動をすることをお勧めします」
「わかった。けどなぁ!見つからなかったらぶんなぐってやるからな!」
「ええ、お待ちしています」
そういうと、逡巡するように視線をさ迷わせ、噴水のある方へ走り出した。こけつまろびつ、彼は走っていく。その必死な姿を僕は見えなくなるまで目で追いかけた。
すると、風に乗って子どもたちの童歌が聞こえてきた。繰り返される単調なリズム。
りんごが一つ木から落ちた転がって転がって路地に入った
あなたはだあれきこりさん?
りんごが一つ木から落ちた転がって転がって海に落ちた
あなたはだあれだいくさん?
さよならさよなら手を振ってお船に乗って遠い国
明日にはきっと遠い国……
男性の後姿が人混みに紛れて見えなくなった。
それから、いくつもの教会の鐘の音を聞いた。寒空の下、僕らはただひたすら客の到着を待っていた。
けれど、結局今日は全然人が来なかった。占いの売り上げは天気に左右されすぎる。
そろそろ帰ろうか。僕はそうスタンに声をかけるけれど、スタンは返事を返さなかった。
どうしたのだろうと思って、隣に立つ男の顔を見上げると、スタンは気もそぞろという風に立っている。顔をあちこちに動かしながら、男の帰りを待っている。
だいぶ日が落ちて、もうすぐ夜が来る。
鐘楼の鐘が鳴って仕事の終わりを告げられた。
僕がスタンを促して宿に戻ろうとしたとき、後ろから大声で呼ばれた。嬉しそうな声だった。
振り返るとさっきの男性が、小さな女の子と一緒にやってきた。女の子は疲れたのか抱きかかえられたまま眠っている。安心しきっているその表情に、不吉な影は何もみえない。
「見つかった!見つかった!ありがとう!」
父親が僕に感謝を述べる。繰り返し繰り返し。
良かった。スタンの顔もほころぶ。
「お代を」
「結構です。それよりも、もう遅い。早く家に連れて行ってあげてください」
「ありがとうございます。なんとお礼を言っていいか。行ったこともない路地に迷い込んだようで。一人であんな遠くまで行く子ではなかったんですけど、見つかって良かった、親切な人が保護してくださっていて」
「そうですか。ええ、本当に良かったです。さぁ、もう家に帰らないと。奥様がお待ちでしょうから。それにまた風邪をひいたら大変ですよ」
「はい!ありがとうございました!」
「次は手を放してはいけませんよ」
「そうします!こんなに遅く帰ったら妻にどやされるぞ……」
それだけ言うと男は女の子を抱えたまま歩き出す。足取り軽く。最初とは打って変わって晴れやかな顔で。
両手に抱えきれない愛を抱きしめて。
「僕らも帰ろう。心残りは無くなったから」
「はい」
そう言って歩き出した僕らの後から先ほどの男性が声をかけた。
「あ、そうだ。すみません。伝え忘れがありました」
「なんでしょう」
僕が振り向く。
「親切な方が、娘を保護してくださっていた人なんですけど、すばらしい占いだということで、今度占ってもらいたいと言っていました」
「そうですか。お待ちいたしております」
そう言って男は嬉しそうに帰っていった。
「誰か聞かなくてよかったのですか?」
「うん。どうせわかることだからね」
僕らはそろって歩き出す。冷たい風が身に染みる。手足が冷たくなっているのが分かる。
「見つかって良かったですね」
スタンが心からそう思っているという風に僕に声をかける。
「本当に」
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