94 / 246
書籍化記念
6. 安全教室
しおりを挟む
騎士ローランドの仲間たちと魔物の戦いは、魔物同士も戦い始める大乱戦になった。
オレは魔物たちと追いかけっこを楽しんでいたけど、なぜか魔物と協力した魔法使いに捕まえられてしまった。「捕まえたぞー!」とオレを高々とかかげ、たくさんの拍手をもらった魔法使いがご満悦だったから、まあいいんだけど。
そして、なんだかよく分からない全員参加の勝ち抜き戦が始まって、騎士ローランドが勝って終わった。
ものすごく遠回りしたけど、最後は台本どおりにしてくれたらしい。
観客の興奮も最高潮の中、大トリの登場だ。
「さて、最後は賢者です。賢者は、騎士団第三部隊の部隊長カエルラです。対する魔物は、我らがウィオラス小隊の隊長ウィオラスです。水の賢者対、氷の魔物。さあ、賢者は無事に魔物を倒すことができるのか? 皆さん、賢者への応援をお願いします!」
部隊長さんがフードを降ろして、水色の髪をさらすと、大きな歓声が上がった。有名な水の騎士と氷の騎士の登場とあって、大人たちも舞台に釘づけだ。
賢者はウィオの予定だったから、セリフもなしにして、戦闘以外は何もしないに台本にしていたけど、昨日の練習をたまたま見に来た部隊長さんにお願いしたら出てくれることになったのだ。
じゃあ派手にしちゃおうってことで、相手の魔物をウィオにして、さらに順番も変えて賢者が大トリになってるけど、もはや誰も気にしていない。
その中で始まったのは、戦闘ではなく、魔法の披露だ。
ウィオが氷魔法で魔物の氷像を出現させると、部隊長さんが水魔法で氷を砕いてみせる。派手だから、子どもたちの食いつきがすごい。
十分な距離は取ってあるけど、戦いに興奮した子どもたちが身を乗り出してくるので、もしものときのために客席との間に結界を張った。
そのときに気付いたけど、客席の後ろに近衛団長さんがいる。ってことは、あのフードをかぶっている人は王様だな。
次から次へと作り出される魔物の氷像を、部隊長さんが砕いていくので、みんな舞台に釘づけで、王様には気づいていない。
しばらくウィオが作った氷像を部隊長さんが魔法や剣で砕いていたが、ウィオが狼の魔物であるロボの氷像を三体作ったところで、部隊長さんが攻撃をやめた。
「この魔物は、街道に現れることがあります。足が速いですが、木登りはあまり得意ではないので、出会ったら高いところに登りましょう」
そう言って、剣でバッサリと氷像を斬ると、今度はウィオが大きな芋虫のような魔物の氷像を出現させた。
いつのまにやら即席の魔物対策教室が始まっていた。オレが考えた脚本じゃないから、部隊長さんとウィオで決めたのかな。古代の知識を持つ賢者っていう設定に先生役はぴったりだ。
「この魔物は足が遅いので、走って逃げて、近くの家や馬車に入って隠れましょう」
「はーい!」
さっきまでの派手な戦闘のおかげで、子どもたちも魔物から逃げ方も飽きずに聞いてくれている。交通安全教室みたいだ。
しばらくいろんな魔物の氷像を出しては、逃げ方の説明が続いた。
最後に、ウィオがいろんな種類の魔物の氷像を出して、それを部隊長さんが水魔法で一気に砕くと、子どもたちが大きな歓声が上がった。クライマックスにふさわしい派手さで、会場が今までで一番盛り上がっている。
この後ウィオが倒れれば終わりなんだけど、ちゃんと倒されたフリができるかな、と見守っていたら、部隊長さんがこっちを見た。
「アリシャンドラ、とどめを」
『ギャオ!』
台本にないけど、呼ばれたから行こう。ウィオを倒せばいいんだよね。
部隊長さんの肩に飛び乗って、大きく息を吸って、雪を吹き出した。ピューーーー!
それを見て、ウィオがパタッと倒れてくれた。雪はウィオのところまで届いてないけど、意図は分かってくれたようだ。演技としては赤点をつけられそうだけど、たくさんの氷魔法を披露したから、大目に見てあげて。
「ついに、魔物は賢者とアリシャンドラによって倒されました! みなさん、大きな拍手を!」
わーっと上がった歓声と拍手に、部隊長さんが手をあげてこたえている。
ウィオも魔物役を頑張ったよ。倒れたままなので、起こしにいこう。
『終わったよ。起きて。後ろで王様が見てるよ』
「だから、部隊長がルジェを呼んだのか」
ああ、なるほど。部隊長さんは王様に気付いて、オレの見せ場を作ってくれたのか。
出演者全員が舞台に並んだところで、中心に立つローランドの肩に乗って尻尾を振ると、観客からたくさん拍手が飛んでくる。
「獅子、よくやったぞ」という声も聞こえるから、部隊長さんの目論見は成功だ。
ありがとう。みんな、ありがとう。演技もできて台本も書けるお利口な飼い狐のルジェくんを覚えておいてね。
「やがて、街が出来上がり、街の人たちは騎士ローランドと獅子のアリシャンドラに感謝して、ローランドを新しい国の王として選びました」
賢者役の部隊長さんが、紙の王冠をローランド役の騎士にかぶせると、周りの騎士たちが「よっ、王様」とはやし立てる。それを見て、客席からも「王様ー!」と掛け声が飛んでいる。
実は客席の後ろに本物の王様がいるけど、ローランド役の騎士はしばらくはあだ名が王様になりそうだね。
せっかくの大団円、紙吹雪の代わりに空に向かって雪を吹き出すと、ウィオも小さな氷の欠片を降らせてくれて、キラキラしている。他の騎士たちもファイアーボールを頭上に打ち上げたりと、舞台上がとてもにぎやかだ。
騎士たちは子どもたちが喜んでいるのを見て笑顔だ。子どもたちは口々に楽しかったと言ってくれているから、きっと帰ったらチャンバラごっこをするだろう。それから、魔法ごっこも。「僕は騎士」とか「私は賢者」とかやるはず。
後から聞いたところ、お城での再演を希望する声も出ていたらしい。でもそれは、騎士の仕事ではないと騎士団長さんが断ってくれたんだとか。
よかった。あれは、子どもたちに騎士を身近に感じてもらう企画であって、貴族に見せるためのものじゃない。神獣であるオレが出ているからと再演を希望した人もいるだろうし。
そんな思惑はさておき、好評だったのは本当で、魔物の特徴を分かりやすく子どもたちに教えたのが高く評価されていた。遠征先で子どもたちに見せてはどうかという話が出ているらしい。
それはいいかも。第三部隊の遠征先は、魔物の被害にあっているところだ。王都にいる子どもたちよりも、魔物の知識が必要だろう。実際に魔物と戦っている騎士の話なら、子どもたちも興味を持つはずだ。
こうして、オレのデビュー舞台は、大成功のうちに幕を閉じた。
肩書に、脚本家と役者が加わったよ。本番は脚本からだいぶ変わっちゃったけど、アドリブもできるくらいしっかりした脚本が作れていたってことで、合格でしょう。
舞台の依頼、待ってます! 連絡は侯爵家まで。報酬は美味しいものがいいな♪
――――――――――――
みなさまの応援のおかげで、書籍が無事発売となりました。
ご購入いただいた方もいらっしゃって、感謝の念がつきません。本当にありがとうございます。
次からは、学園編の連載を開始いたします。
オレは魔物たちと追いかけっこを楽しんでいたけど、なぜか魔物と協力した魔法使いに捕まえられてしまった。「捕まえたぞー!」とオレを高々とかかげ、たくさんの拍手をもらった魔法使いがご満悦だったから、まあいいんだけど。
そして、なんだかよく分からない全員参加の勝ち抜き戦が始まって、騎士ローランドが勝って終わった。
ものすごく遠回りしたけど、最後は台本どおりにしてくれたらしい。
観客の興奮も最高潮の中、大トリの登場だ。
「さて、最後は賢者です。賢者は、騎士団第三部隊の部隊長カエルラです。対する魔物は、我らがウィオラス小隊の隊長ウィオラスです。水の賢者対、氷の魔物。さあ、賢者は無事に魔物を倒すことができるのか? 皆さん、賢者への応援をお願いします!」
部隊長さんがフードを降ろして、水色の髪をさらすと、大きな歓声が上がった。有名な水の騎士と氷の騎士の登場とあって、大人たちも舞台に釘づけだ。
賢者はウィオの予定だったから、セリフもなしにして、戦闘以外は何もしないに台本にしていたけど、昨日の練習をたまたま見に来た部隊長さんにお願いしたら出てくれることになったのだ。
じゃあ派手にしちゃおうってことで、相手の魔物をウィオにして、さらに順番も変えて賢者が大トリになってるけど、もはや誰も気にしていない。
その中で始まったのは、戦闘ではなく、魔法の披露だ。
ウィオが氷魔法で魔物の氷像を出現させると、部隊長さんが水魔法で氷を砕いてみせる。派手だから、子どもたちの食いつきがすごい。
十分な距離は取ってあるけど、戦いに興奮した子どもたちが身を乗り出してくるので、もしものときのために客席との間に結界を張った。
そのときに気付いたけど、客席の後ろに近衛団長さんがいる。ってことは、あのフードをかぶっている人は王様だな。
次から次へと作り出される魔物の氷像を、部隊長さんが砕いていくので、みんな舞台に釘づけで、王様には気づいていない。
しばらくウィオが作った氷像を部隊長さんが魔法や剣で砕いていたが、ウィオが狼の魔物であるロボの氷像を三体作ったところで、部隊長さんが攻撃をやめた。
「この魔物は、街道に現れることがあります。足が速いですが、木登りはあまり得意ではないので、出会ったら高いところに登りましょう」
そう言って、剣でバッサリと氷像を斬ると、今度はウィオが大きな芋虫のような魔物の氷像を出現させた。
いつのまにやら即席の魔物対策教室が始まっていた。オレが考えた脚本じゃないから、部隊長さんとウィオで決めたのかな。古代の知識を持つ賢者っていう設定に先生役はぴったりだ。
「この魔物は足が遅いので、走って逃げて、近くの家や馬車に入って隠れましょう」
「はーい!」
さっきまでの派手な戦闘のおかげで、子どもたちも魔物から逃げ方も飽きずに聞いてくれている。交通安全教室みたいだ。
しばらくいろんな魔物の氷像を出しては、逃げ方の説明が続いた。
最後に、ウィオがいろんな種類の魔物の氷像を出して、それを部隊長さんが水魔法で一気に砕くと、子どもたちが大きな歓声が上がった。クライマックスにふさわしい派手さで、会場が今までで一番盛り上がっている。
この後ウィオが倒れれば終わりなんだけど、ちゃんと倒されたフリができるかな、と見守っていたら、部隊長さんがこっちを見た。
「アリシャンドラ、とどめを」
『ギャオ!』
台本にないけど、呼ばれたから行こう。ウィオを倒せばいいんだよね。
部隊長さんの肩に飛び乗って、大きく息を吸って、雪を吹き出した。ピューーーー!
それを見て、ウィオがパタッと倒れてくれた。雪はウィオのところまで届いてないけど、意図は分かってくれたようだ。演技としては赤点をつけられそうだけど、たくさんの氷魔法を披露したから、大目に見てあげて。
「ついに、魔物は賢者とアリシャンドラによって倒されました! みなさん、大きな拍手を!」
わーっと上がった歓声と拍手に、部隊長さんが手をあげてこたえている。
ウィオも魔物役を頑張ったよ。倒れたままなので、起こしにいこう。
『終わったよ。起きて。後ろで王様が見てるよ』
「だから、部隊長がルジェを呼んだのか」
ああ、なるほど。部隊長さんは王様に気付いて、オレの見せ場を作ってくれたのか。
出演者全員が舞台に並んだところで、中心に立つローランドの肩に乗って尻尾を振ると、観客からたくさん拍手が飛んでくる。
「獅子、よくやったぞ」という声も聞こえるから、部隊長さんの目論見は成功だ。
ありがとう。みんな、ありがとう。演技もできて台本も書けるお利口な飼い狐のルジェくんを覚えておいてね。
「やがて、街が出来上がり、街の人たちは騎士ローランドと獅子のアリシャンドラに感謝して、ローランドを新しい国の王として選びました」
賢者役の部隊長さんが、紙の王冠をローランド役の騎士にかぶせると、周りの騎士たちが「よっ、王様」とはやし立てる。それを見て、客席からも「王様ー!」と掛け声が飛んでいる。
実は客席の後ろに本物の王様がいるけど、ローランド役の騎士はしばらくはあだ名が王様になりそうだね。
せっかくの大団円、紙吹雪の代わりに空に向かって雪を吹き出すと、ウィオも小さな氷の欠片を降らせてくれて、キラキラしている。他の騎士たちもファイアーボールを頭上に打ち上げたりと、舞台上がとてもにぎやかだ。
騎士たちは子どもたちが喜んでいるのを見て笑顔だ。子どもたちは口々に楽しかったと言ってくれているから、きっと帰ったらチャンバラごっこをするだろう。それから、魔法ごっこも。「僕は騎士」とか「私は賢者」とかやるはず。
後から聞いたところ、お城での再演を希望する声も出ていたらしい。でもそれは、騎士の仕事ではないと騎士団長さんが断ってくれたんだとか。
よかった。あれは、子どもたちに騎士を身近に感じてもらう企画であって、貴族に見せるためのものじゃない。神獣であるオレが出ているからと再演を希望した人もいるだろうし。
そんな思惑はさておき、好評だったのは本当で、魔物の特徴を分かりやすく子どもたちに教えたのが高く評価されていた。遠征先で子どもたちに見せてはどうかという話が出ているらしい。
それはいいかも。第三部隊の遠征先は、魔物の被害にあっているところだ。王都にいる子どもたちよりも、魔物の知識が必要だろう。実際に魔物と戦っている騎士の話なら、子どもたちも興味を持つはずだ。
こうして、オレのデビュー舞台は、大成功のうちに幕を閉じた。
肩書に、脚本家と役者が加わったよ。本番は脚本からだいぶ変わっちゃったけど、アドリブもできるくらいしっかりした脚本が作れていたってことで、合格でしょう。
舞台の依頼、待ってます! 連絡は侯爵家まで。報酬は美味しいものがいいな♪
――――――――――――
みなさまの応援のおかげで、書籍が無事発売となりました。
ご購入いただいた方もいらっしゃって、感謝の念がつきません。本当にありがとうございます。
次からは、学園編の連載を開始いたします。
2,313
お気に入りに追加
7,445
あなたにおすすめの小説
今、目の前で娘が婚約破棄されていますが、夫が盛大にブチ切れているようです
シアノ
恋愛
「アンナレーナ・エリアルト公爵令嬢、僕は君との婚約を破棄する!」
卒業パーティーで王太子ソルタンからそう告げられたのは──わたくしの娘!?
娘のアンナレーナはとてもいい子で、婚約破棄されるような非などないはずだ。
しかし、ソルタンの意味ありげな視線が、何故かわたくしに向けられていて……。
婚約破棄されている令嬢のお母様視点。
サクッと読める短編です。細かいことは気にしない人向け。
過激なざまぁ描写はありません。因果応報レベルです。
お前は要らない、ですか。そうですか、分かりました。では私は去りますね。あ、私、こう見えても人気があるので、次の相手もすぐに見つかりますよ。
四季
恋愛
お前は要らない、ですか。
そうですか、分かりました。
では私は去りますね。
【完結】忌み子と呼ばれた公爵令嬢
美原風香
恋愛
「ティアフレア・ローズ・フィーン嬢に使節団への同行を命じる」
かつて、忌み子と呼ばれた公爵令嬢がいた。
誰からも嫌われ、疎まれ、生まれてきたことすら祝福されなかった1人の令嬢が、王国から追放され帝国に行った。
そこで彼女はある1人の人物と出会う。
彼のおかげで冷え切った心は温められて、彼女は生まれて初めて心の底から笑みを浮かべた。
ーー蜂蜜みたい。
これは金色の瞳に魅せられた令嬢が幸せになる、そんなお話。
【完結】妹に全部奪われたので、公爵令息は私がもらってもいいですよね。
曽根原ツタ
恋愛
ルサレテには完璧な妹ペトロニラがいた。彼女は勉強ができて刺繍も上手。美しくて、優しい、皆からの人気者だった。
ある日、ルサレテが公爵令息と話しただけで彼女の嫉妬を買い、階段から突き落とされる。咄嗟にペトロニラの腕を掴んだため、ふたり一緒に転落した。
その後ペトロニラは、階段から突き落とそうとしたのはルサレテだと嘘をつき、婚約者と家族を奪い、意地悪な姉に仕立てた。
ルサレテは、妹に全てを奪われたが、妹が慕う公爵令息を味方にすることを決意して……?
【完結】「政略結婚ですのでお構いなく!」
仙桜可律
恋愛
文官の妹が王子に見初められたことで、派閥間の勢力図が変わった。
「で、政略結婚って言われましてもお父様……」
優秀な兄と妹に挟まれて、何事もほどほどにこなしてきたミランダ。代々優秀な文官を輩出してきたシューゼル伯爵家は良縁に恵まれるそうだ。
適齢期になったら適当に釣り合う方と適当にお付き合いをして適当な時期に結婚したいと思っていた。
それなのに代々武官の家柄で有名なリッキー家と結婚だなんて。
のんびりに見えて豪胆な令嬢と
体力系にしか自信がないワンコ令息
24.4.87 本編完結
以降不定期で番外編予定
お兄様の指輪が壊れたら、溺愛が始まりまして
みこと。
恋愛
お兄様は女王陛下からいただいた指輪を、ずっと大切にしている。
きっと苦しい片恋をなさっているお兄様。
私はただ、お兄様の家に引き取られただけの存在。血の繋がってない妹。
だから、早々に屋敷を出なくては。私がお兄様の恋路を邪魔するわけにはいかないの。私の想いは、ずっと秘めて生きていく──。
なのに、ある日、お兄様の指輪が壊れて?
全7話、ご都合主義のハピエンです! 楽しんでいただけると嬉しいです!
※「小説家になろう」様にも掲載しています。
【短編】婚約破棄?「喜んで!」食い気味に答えたら陛下に泣きつかれたけど、知らんがな
みねバイヤーン
恋愛
「タリーシャ・オーデリンド、そなたとの婚約を破棄す」「喜んで!」
タリーシャが食い気味で答えると、あと一歩で間に合わなかった陛下が、会場の入口で「ああー」と言いながら膝から崩れ落ちた。田舎領地で育ったタリーシャ子爵令嬢が、ヴィシャール第一王子殿下の婚約者に決まったとき、王国は揺れた。王子は荒ぶった。あんな少年のように色気のない体の女はいやだと。タリーシャは密かに陛下と約束を交わした。卒業式までに王子が婚約破棄を望めば、婚約は白紙に戻すと。田舎でのびのび暮らしたいタリーシャと、タリーシャをどうしても王妃にしたい陛下との熾烈を極めた攻防が始まる。
正妃である私を追い出し、王子は平民の女性と結婚してしまいました。…ですが、後になって後悔してももう遅いですよ?
久遠りも
恋愛
正妃である私を追い出し、王子は平民の女性と結婚してしまいました。…ですが、後になって後悔してももう遅いですよ?
※一話完結です。
ゆるゆる設定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。