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番外編
4. 作文
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私の家には狐の使役獣がいます。
騎士をやめて冒険者になった、ウィオラス叔父様の使役獣です。
狐の名前はルジェです。
ルジェは、銀色でふわふわで可愛いです。
ご飯を美味しそうに食べます。果物が好きです。
弟たちと一緒に庭を走り回り、花壇を荒らして執事に怒られることもあります。
だけどルジェは優しいです。私が熱を出したときは、そばについていてくれます。
私も大きくなったらルジェのような優しい使役獣が欲しいです。
「ウィオラス、エウリーチェが学校の課題にこれを出そうとしているんだが、どう思う?」
「兄上、何か問題がありますか?」
「ここの、花壇を荒らして執事に怒られる、というのは……」
「事実です」
お姉ちゃんが学校に出す作文にオレのことを書いたけど、その内容がちょっとよろしくないってことね。
まあ確かにね。事実しか書いてないけど、神獣様が執事に怒られるって言うのはどうなんだと心配するお父さんの気持ちもわかる。
『その部分だけ消せばいい?』
「そんなことできるのか?」
『できるよ。オレ神獣様だもん』
花壇のくだりを消して、弟たちと一緒に庭を走り回ります、に変えた。これで大丈夫でしょう。
大人の都合で書き換えちゃってごめんね。先生が読んだら元に戻るから、許してね。
~2年後~
私の家には、ルジェという名前の狐がいます。
ウィオラス叔父上の使役獣です。
よく庭で寝転がっていて、あまり働いていません。
でもルジェは、私と弟と一緒に遊んでくれます。
ルジェを捕まえるために、弟と協力して追いかけるのが楽しいです。
ルジェは穴を掘るのが好きです。
弟と虫の巣穴を観察していると、ルジェが穴を掘り始めます。
一度掘り出すと、夢中になって掘り続けます。
そして執事に怒られます。
仲良しなので私たちも一緒に怒られてあげます。
私も大きくなったらルジェのような使役獣が欲しいです。
「ウィオラス、オリュフェスが学校の課題にこれを出そうとしているんだが……」
『前にお姉ちゃんが書いてたやつだよね。あれからもう2年かあ。時がたつのは早いね』
「そうなんだけどね。内容がちょっとね……」
「兄上、ほぼ事実です」
どれどれ、読んでみよう。ふむふむ。ふむふむ。むー。
ひどいなあ。仲良しだから一緒に怒られてくれてるだなんて。弟くんたちだって、巣穴の奥を観察しようって掘ってるから怒られてるのに。
これは、断固抗議だ。
『弟くんたちが怒られてるのは、弟くんたちも掘っちゃいけないところを掘ってるからだよ!オレのせいじゃないよ!』
「ルジェ、その前にまず、掘ってはいけないところを掘っていることを反省しようか」
『それは……ごめんなさい』
「やはりこれは書き直させる」
「兄上、オリュフェスはルジェのことをよく見ていると感心しました。怒らないでやってください」
「あー、うん、そうなんだけど、これはやっぱりダメだよ。エウリーチェがルジェくんのことを書いたから別のことにするように、って言うよ」
まあねえ。
子どもたちの前ではただの使役獣のフリをしているから、作文がこうなっちゃうのは分かるよ。
でもこれだとオレの神獣としての威厳がなくなっちゃうもんねえ。
え、そんな威厳、元からないって?
言ったの誰?そんなこと言うと神罰下すよ?!
----------
(子どもの作文は、読みにくいので漢字にしています)
騎士をやめて冒険者になった、ウィオラス叔父様の使役獣です。
狐の名前はルジェです。
ルジェは、銀色でふわふわで可愛いです。
ご飯を美味しそうに食べます。果物が好きです。
弟たちと一緒に庭を走り回り、花壇を荒らして執事に怒られることもあります。
だけどルジェは優しいです。私が熱を出したときは、そばについていてくれます。
私も大きくなったらルジェのような優しい使役獣が欲しいです。
「ウィオラス、エウリーチェが学校の課題にこれを出そうとしているんだが、どう思う?」
「兄上、何か問題がありますか?」
「ここの、花壇を荒らして執事に怒られる、というのは……」
「事実です」
お姉ちゃんが学校に出す作文にオレのことを書いたけど、その内容がちょっとよろしくないってことね。
まあ確かにね。事実しか書いてないけど、神獣様が執事に怒られるって言うのはどうなんだと心配するお父さんの気持ちもわかる。
『その部分だけ消せばいい?』
「そんなことできるのか?」
『できるよ。オレ神獣様だもん』
花壇のくだりを消して、弟たちと一緒に庭を走り回ります、に変えた。これで大丈夫でしょう。
大人の都合で書き換えちゃってごめんね。先生が読んだら元に戻るから、許してね。
~2年後~
私の家には、ルジェという名前の狐がいます。
ウィオラス叔父上の使役獣です。
よく庭で寝転がっていて、あまり働いていません。
でもルジェは、私と弟と一緒に遊んでくれます。
ルジェを捕まえるために、弟と協力して追いかけるのが楽しいです。
ルジェは穴を掘るのが好きです。
弟と虫の巣穴を観察していると、ルジェが穴を掘り始めます。
一度掘り出すと、夢中になって掘り続けます。
そして執事に怒られます。
仲良しなので私たちも一緒に怒られてあげます。
私も大きくなったらルジェのような使役獣が欲しいです。
「ウィオラス、オリュフェスが学校の課題にこれを出そうとしているんだが……」
『前にお姉ちゃんが書いてたやつだよね。あれからもう2年かあ。時がたつのは早いね』
「そうなんだけどね。内容がちょっとね……」
「兄上、ほぼ事実です」
どれどれ、読んでみよう。ふむふむ。ふむふむ。むー。
ひどいなあ。仲良しだから一緒に怒られてくれてるだなんて。弟くんたちだって、巣穴の奥を観察しようって掘ってるから怒られてるのに。
これは、断固抗議だ。
『弟くんたちが怒られてるのは、弟くんたちも掘っちゃいけないところを掘ってるからだよ!オレのせいじゃないよ!』
「ルジェ、その前にまず、掘ってはいけないところを掘っていることを反省しようか」
『それは……ごめんなさい』
「やはりこれは書き直させる」
「兄上、オリュフェスはルジェのことをよく見ていると感心しました。怒らないでやってください」
「あー、うん、そうなんだけど、これはやっぱりダメだよ。エウリーチェがルジェくんのことを書いたから別のことにするように、って言うよ」
まあねえ。
子どもたちの前ではただの使役獣のフリをしているから、作文がこうなっちゃうのは分かるよ。
でもこれだとオレの神獣としての威厳がなくなっちゃうもんねえ。
え、そんな威厳、元からないって?
言ったの誰?そんなこと言うと神罰下すよ?!
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(子どもの作文は、読みにくいので漢字にしています)
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