『きれいだからプレゼントにいいと思うんだけど、みんな嫌がるんだよね』by ルジェ

気軽に配るととんでもない騒動がおきそうだと分かっている良識ある人たちに嫌がられているので、大人しくしていてね。

「ルジェ様、どうぞこちらにお座りください」
『ありがとう。ふかふかの座布団だねえ』
「ルジェ様のために、あちらこちらから集まりました」
『じゃあ、頑張らないとね。せーのっと。あ、あれ、あれれ、ひやー！』
「ルジェ様！」
「ルジェ、何を遊んでいるんだ？　こんなに座布団を散らかして、シェリスのじゃまをするな」
『違うよ！　オレのために用意された座布団に座ろうと思ったら、重ねすぎて倒れちゃったんだよ』
「お座りいただきたかったのは、厳選したこちらの一枚の上だったのですが……」
『あれ？　そうだったの？　座布団タワーのほうに挑戦しちゃったよ』

「1枚、2枚、……、134枚。やっぱり134枚です」
「前回確認した時は133枚だったと記録がある。ということは……」
「1枚多い。なんでだ……？」
「もう一度数え直せー！」
「10回数えています！」

「ルジェくん、宝物庫のドラゴンの鱗が1枚増えているらしいんだけど、心当たりはあるかな？」
『あ、このあいだ遊んでたら、割れちゃったんだ』
「それで1枚増えちゃったのか。在庫確認していた者たちが倒れそうになっていたから、先に教えてほしかったなあ」
『ごめんなさい』

「先輩、顔色悪いですけど、大丈夫ですか？」
「最近、鱗を数えている夢を見て、すぐに起きてしまうんだ」
「分かるわ。俺は足りなくて怒られたところで目が覚めるよ」
「だけど、何をしても割れない鱗を割るって、すごいな」
「食いしん坊の狐と見せかけているけど、やっぱり本物ってことだよなあ」

「ちなみに、何をして遊んでいたのかな？」
『フライングディスクしてたら、鱗同士がぶつかって、片方が割れちゃった』
「周りを巻き込まないように気をつけてね」

『早とちりして、自分からばらしちゃった。しょぼん』
「よしよし、ルジェくん。可愛いねえ」
『ちょっと軽くて飛ばされちゃっただけなんだ。お父さん、それだけは分かって』
「うんうん、分かってるよ。負けたわけじゃないんだよね」
『オレ、ドラゴンより強いんだよ。あんな引きこもりに負けないんだよ』
「ルジェくんは強くて優しいね。それに、もふもふで手触りもいい」
『でしょー。もっと触っていいよ！』

「あれ？」
「どうした」
「あの塔の上、あんな飾りあったか？」
「ん？　うーん、あったような、なかったような」
「ふわふわしているから、なんか布でもひっかかってるのかな」
「明日もあったら報告するか」
『ここでしばらくシャチホコしてるのに、なんで誰も気づいてくれないのー！！！』

『可愛いは正義！　美味しいも正義！　食欲の秋を楽しんでね～♪』 by ルジェ

みんなにばれちゃったので、影の人たちの記憶を消しても、もう遅いですね。
美味しいものを食べて、ぜーんぶ忘れましょう。料理長さん、よろしく！

(自称)名探偵さんには、ちょっと謎が難しかったようです。
いやなことは美味しいご飯を食べて、忘れましょう。
久しぶりに帰ってきたルジェのために料理長さんが張り切って好物をつくってくれているから、恥ずかしい思いも飛んでいくではず！

お土産話もしなければいけないし、お土産を見せびらかしたいし、料理長のご飯も食べないといけないし、ひなの行き先も決めないといけないし、久しぶりのお屋敷はやることがいっぱい！
でもまずは、お風呂でのんびり～♪

久しぶりのお屋敷で、執事さんの甘やかしフルコースの歓迎を受けました♪
ご機嫌でお客さんを迎えたのに、いたずらが成功しなくて、疑問がいっぱい。

火の子が家族に心を開いているのがうれしいルジェは、ご機嫌でお屋敷へ移動中。
もうすぐ会えるね。きっと火の子だけでなくお義姉さんもよろこぶでしょう。
ルジェも久しぶりのお屋敷、みんなにも会いたいし、料理長さんのご飯と、執事さんのお風呂も楽しみ！

『執着じゃないよ。美味しいものを食べるのは、人生の目標の一つだよ。幸せのために、ちょっぴり貪欲なだけだよ』by ルジェ

火の子も赤色の髪ですから、赤色コンビで似合いそうですね。ひなの行き先候補がまた一つ。

珍しい素材を見ると、価値よりも、まずは特性が気になってしまう研究者のさが。
新たな発見には、多少の危険もつきもの。気にせず、レッツ、チャレンジ！

薄くて硬いものを口の中に入れたなら、予想できる結果だったと思いますが、好奇心が勝ちました。
いつだって、最優先は美味しいご飯！

「キャンディーちゃん、大好きだって。みんなに愛されて、俺も鼻が高いよ」
『ワン！　ワンワン！』
「うれしいんだねえ。でもそんなにはしゃいだら、またあんよが痛くなるよ」
『キャイン』
「痛めちゃったの？　よーしよし、痛いの痛いの飛んでいけー」
『キューン』
「まだ痛い？　痛いの痛いの、遠くに飛んでいけー！」
『クーン』
「ダメかあ。帰りは抱っこしてあげるから、安心してね」
『ワン！』

ドラゴンは呼んでない。勝手に来ただけ。騒動を起こしたわけじゃない！
お利口な飼い狐としては、そこだけはちゃんと主張しておかないといけないところ。
まあ、どんなに主張しても、副隊長さんに怒られるのは確定だと思うけどねー。

とんでもないものが持ち帰られて、まさかドラゴンが取り返しにこないよね、という不安と、存在を知った人間が盗みにこないよね、という心配で、きっと特別部隊の騎士たちは胃の痛い思いをしているでしょう。
「宝物庫」という名の門外不出のものを入れておく倉庫になりそうな予感。
雛の行方と名前を早く決めてあげたい！

身内しかいないので、ウィオもルジェも気を抜きすぎですね。
ルジェにとって爪はただの爪でしかなく、だれの爪なのかということを気にしている周りとの温度差が……。
お兄さんたち、頑張ってー。

憧れのドラゴンであり、畏怖のドラゴンでもあり。
ルジェの下僕ドラゴン（？）でもありますね。

『へっぽこ引きこもりドラゴンでしょ！』by ルジェ

誰も引き取り手がなかった場合は、お姫様が育ててくれそうです。
好奇心旺盛で、全力で楽しめるお姫様は、きっとルジェと気が合いますね。
お兄さんが頭を抱えているかも！？

順番に一つずつ解決していかないとですね。
まずは、みんなが「なんてものを持って帰ってきたんだ！」と心の中で思っている爪ですね

『悪のドラゴン、覚悟しろ！』
『え？　え？？』
『お前は人類の敵。勇者ウィオラス様の剣の錆になれ！』
『よく分からないけど、ごめんなさい！　尻尾でも爪でも、どうぞ！』
『ごほっ、げほっ』
「ルジェ、大丈夫か？」
『ちょっとー、いきなりお腹見せないでよ。土埃で汚れちゃったじゃないか』
『す、すみません！』
『それから、ここはブレスで抵抗するところでしょう。ちゃんと演技してよ。ウィオも勇者っぽく攻撃しなきゃ』
「そもそも、これはなんの遊びだ？」

懐くと別れがつらくなるし、あちこち連れまわすのもかわいそうなので、早く飼い主が決まるといいですね。
副隊長さんは受け入れてくれるでしょうか？
食パンくんは、たくさんの干し肉をもらって、うきうきしながらアチェーリに帰りました。また来てね！