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3年目 オルデキア西部・マトゥオーソ編
17. 王都観光
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お花に囲まれたお風呂に入れてもらい、美味しいご飯を食べて、眠れるか心配しながらもぐっすりゆっくり眠った翌日。
美味しい朝ご飯で始まった今日は、王都観光だ。なんと、客室係のお兄さんが王都を案内してくれるのだ。客室係っていうか、滞在中の執事って感じなんだろう。
昨日、果物を受け取るために部屋に戻ってきた客室係のお兄さんは、支配人を連れてきた。今泊まっている王族に出したいから買い取りたいと交渉にきたのだ。
商会の人たちのために取ってきたものだけど、独占したことが後で知られたら、商会の人たちの立場も悪くなる。ウィオは、全部で十二個あるうちの二個だけ売った。それ以上あげちゃうとほんのちょびっとしか行き渡らなくなるので、なるべく商会の人たちに食べてもらいたいウィオと、王族に提供したい宿の間の、いくつで手を打つかっていう話し合いだった。権力が絡んだ人間関係、難しいよ。
『ギルドの号令で収穫してても、そんなに手に入らないの?』
「ガストーのギルドが主導して収穫しているが、やはり入手量は少ないのか?」
「ええ。毎年同じところに実がならないので難しいと聞いています」
人間の嗅覚で探せるほどに香りが強くなっているということは完熟だから、王都まで輸送するには熟れすぎだ。やっぱり、嗅覚に頼らず地図を作るのがいいと思う。薬草と違って木は、種が飛んだからって新たに生えてきて収穫できるなんて十年単位じゃないと起こらないだろうし。何年かたてば、すべての木を網羅できるでしょう。オレが思いつくくらいだから、すでに手は打ってあるかな。
商会の人を招いての食事会は、王族が帰った後に開くそうだ。警備や人手の都合だ。でも帰ってからなら、うっかり酔っぱらって侵入しちゃったら斬られた、なんて心配もないからいいね。
さて、王都観光の最初の目的地は王城だ。定番コースは王城、教会、屋台がある中央広場と市場らしいんだけど、教会は抜いてもらった。オルデキアの教会とも仲良くしていないのに、他国の教会に行っちゃうと、どんな面倒が起きるか分からない。
ウィオは王城も断ろうとしたけど、楽しそうだからオレが行きたいとお願いした。といっても普通の人も入れるところまでだから、こっちは問題ないはず。
王城について、案内されたのは、お城への入り口の門に近い庭園だ。
季節は春。色んな花が咲いて、緑があふれているから、視界がカラフルだ。オレはお花の間を自分の足で散策している。お花いっぱい、るんるん、らんらん。
あたりを見渡すと、お城を見に来た庶民もいるけど、お城に用事があってきたついでに寄ったっていう下級貴族っぽい人もいる。ベンチに座って談笑している人たちが、オレを見つけて手を振ってくれたので、尻尾を振り返す。お天気もいいし、お花見日和だねえ。
「この噴水は、謁見の間のある中央宮殿の入り口にある像を彫刻したデュバルが作製したものです。前王朝の時代に作製され、今のマトゥオーソ王朝に入ってから、この場所にうつされました。元は奥宮の庭に置かれていたそうです」
客室係のお兄さんが、ウィオに噴水の説明をしているので、オレも聞こう。
噴水の周りの像は神話の世界を再現しているらしいけど、コインを投げ入れたら願いが叶いそうな噴水だ。
客室係のお兄さんの説明をふんふんと聞きながら見ていると、彫刻の中に犬がいるのを見つけた。毛並みまで再現されていて、牙をむいて今にも飛びかかりそうな迫力がある。すごいなあ。
おさわり禁止じゃないそうなので、隣に並んで同じポーズをとってみる。こういう像って、同じポーズを取りたくなるよね。どうかな、似てるかな?
「おかあさん、まねをしているよ」
「本当ね。可愛いねえ」
「ぼくもやる!」
見ていた親子から褒められたから、ちゃんと似ているらしい。少年も像のそばに来て、剣をかかげる人のまねをしている。
「ルジェ様、そちらは神に退治されたとされる狼です。坊ちゃまはその神様ですね。よく似ていらっしゃいますよ」
『キューン』
少年は褒められてご満悦だけど、オレは似ていないほうがよかったかも。まねる相手を間違えちゃった。退治しないでね。
お城の次は、教会の代わりに、名所をまわって観光するバスツアーならぬ馬車ツアーだった。すでに行ったことのある場所もあったけど、説明を聞くと、前は通り過ぎたところにも興味が出てくる。
昔から栄えている街だけあって、何でもない壁に彫刻がされていたり、絵が描かれていたり、機能を損なわない範囲で装飾がされている。それが時代とともにどう変遷してきたかを、実例を示しながら客室係のお兄さんが説明してくれるので、芸術はあまり分からないオレも興味深く見ることができた。
『オルデキアとは違う?』
「そうだな。オルデキアはあまりこういう装飾はないな」
オレが気づいていないだけじゃなくて、もともとないらしい。お兄さんによると、建物にたくさん装飾をほどこすのはこの国の特徴らしい。ふむふむ。
お勉強の後は、美味しいお昼ご飯だ。お城近くの高級なレストランを予約してくれていたので、そこで客室係のお兄さんにお世話をしてもらいながら、美味しいランチを食べた。
広場と市場はさわりだけだ。今日はちょっといい服を着ているので、屋台の人たちの反応がいつもと違うのだ。多分貴族だと思われてるんだろうけど、周りのお客さんたちもなんとなくオレたちから距離を取ろうとしているのを感じる。
やっぱり広場とか屋台は庶民の服で来ないとね。今日のスカーフは串焼きのたれで汚していいようなものじゃないから、おねだりもできないし。
お兄さんおススメの屋台も聞いたので、明日からはウィオと適当に歩いて散策しよう。
美味しい朝ご飯で始まった今日は、王都観光だ。なんと、客室係のお兄さんが王都を案内してくれるのだ。客室係っていうか、滞在中の執事って感じなんだろう。
昨日、果物を受け取るために部屋に戻ってきた客室係のお兄さんは、支配人を連れてきた。今泊まっている王族に出したいから買い取りたいと交渉にきたのだ。
商会の人たちのために取ってきたものだけど、独占したことが後で知られたら、商会の人たちの立場も悪くなる。ウィオは、全部で十二個あるうちの二個だけ売った。それ以上あげちゃうとほんのちょびっとしか行き渡らなくなるので、なるべく商会の人たちに食べてもらいたいウィオと、王族に提供したい宿の間の、いくつで手を打つかっていう話し合いだった。権力が絡んだ人間関係、難しいよ。
『ギルドの号令で収穫してても、そんなに手に入らないの?』
「ガストーのギルドが主導して収穫しているが、やはり入手量は少ないのか?」
「ええ。毎年同じところに実がならないので難しいと聞いています」
人間の嗅覚で探せるほどに香りが強くなっているということは完熟だから、王都まで輸送するには熟れすぎだ。やっぱり、嗅覚に頼らず地図を作るのがいいと思う。薬草と違って木は、種が飛んだからって新たに生えてきて収穫できるなんて十年単位じゃないと起こらないだろうし。何年かたてば、すべての木を網羅できるでしょう。オレが思いつくくらいだから、すでに手は打ってあるかな。
商会の人を招いての食事会は、王族が帰った後に開くそうだ。警備や人手の都合だ。でも帰ってからなら、うっかり酔っぱらって侵入しちゃったら斬られた、なんて心配もないからいいね。
さて、王都観光の最初の目的地は王城だ。定番コースは王城、教会、屋台がある中央広場と市場らしいんだけど、教会は抜いてもらった。オルデキアの教会とも仲良くしていないのに、他国の教会に行っちゃうと、どんな面倒が起きるか分からない。
ウィオは王城も断ろうとしたけど、楽しそうだからオレが行きたいとお願いした。といっても普通の人も入れるところまでだから、こっちは問題ないはず。
王城について、案内されたのは、お城への入り口の門に近い庭園だ。
季節は春。色んな花が咲いて、緑があふれているから、視界がカラフルだ。オレはお花の間を自分の足で散策している。お花いっぱい、るんるん、らんらん。
あたりを見渡すと、お城を見に来た庶民もいるけど、お城に用事があってきたついでに寄ったっていう下級貴族っぽい人もいる。ベンチに座って談笑している人たちが、オレを見つけて手を振ってくれたので、尻尾を振り返す。お天気もいいし、お花見日和だねえ。
「この噴水は、謁見の間のある中央宮殿の入り口にある像を彫刻したデュバルが作製したものです。前王朝の時代に作製され、今のマトゥオーソ王朝に入ってから、この場所にうつされました。元は奥宮の庭に置かれていたそうです」
客室係のお兄さんが、ウィオに噴水の説明をしているので、オレも聞こう。
噴水の周りの像は神話の世界を再現しているらしいけど、コインを投げ入れたら願いが叶いそうな噴水だ。
客室係のお兄さんの説明をふんふんと聞きながら見ていると、彫刻の中に犬がいるのを見つけた。毛並みまで再現されていて、牙をむいて今にも飛びかかりそうな迫力がある。すごいなあ。
おさわり禁止じゃないそうなので、隣に並んで同じポーズをとってみる。こういう像って、同じポーズを取りたくなるよね。どうかな、似てるかな?
「おかあさん、まねをしているよ」
「本当ね。可愛いねえ」
「ぼくもやる!」
見ていた親子から褒められたから、ちゃんと似ているらしい。少年も像のそばに来て、剣をかかげる人のまねをしている。
「ルジェ様、そちらは神に退治されたとされる狼です。坊ちゃまはその神様ですね。よく似ていらっしゃいますよ」
『キューン』
少年は褒められてご満悦だけど、オレは似ていないほうがよかったかも。まねる相手を間違えちゃった。退治しないでね。
お城の次は、教会の代わりに、名所をまわって観光するバスツアーならぬ馬車ツアーだった。すでに行ったことのある場所もあったけど、説明を聞くと、前は通り過ぎたところにも興味が出てくる。
昔から栄えている街だけあって、何でもない壁に彫刻がされていたり、絵が描かれていたり、機能を損なわない範囲で装飾がされている。それが時代とともにどう変遷してきたかを、実例を示しながら客室係のお兄さんが説明してくれるので、芸術はあまり分からないオレも興味深く見ることができた。
『オルデキアとは違う?』
「そうだな。オルデキアはあまりこういう装飾はないな」
オレが気づいていないだけじゃなくて、もともとないらしい。お兄さんによると、建物にたくさん装飾をほどこすのはこの国の特徴らしい。ふむふむ。
お勉強の後は、美味しいお昼ご飯だ。お城近くの高級なレストランを予約してくれていたので、そこで客室係のお兄さんにお世話をしてもらいながら、美味しいランチを食べた。
広場と市場はさわりだけだ。今日はちょっといい服を着ているので、屋台の人たちの反応がいつもと違うのだ。多分貴族だと思われてるんだろうけど、周りのお客さんたちもなんとなくオレたちから距離を取ろうとしているのを感じる。
やっぱり広場とか屋台は庶民の服で来ないとね。今日のスカーフは串焼きのたれで汚していいようなものじゃないから、おねだりもできないし。
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