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2年目 アチェーリ編
【閑話】アチェーリ赴任中のオルデキア王国外交事務官 上
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私はランシュ・ダリオロ。オルデキア王国で外交に携わっており、現在はアチェーリ王国に赴任している。
先日、上司から緊急に呼び出され、聞かされた話には驚いた。
オルデキアには神獣様が顕現されていらっしゃる。オルデキアのフォロン侯爵家三子のウィオラス殿と契約し、現在は冒険者とその使役獣として、周辺各国を回っていらっしゃる。
その神獣様が現在このアチェーリにいらっしゃっているのだが、ちょうど神獣様がいらっしゃる街で、使役獣の誘拐事件が発生したという。アチェーリの冒険者ギルドは、神獣様にオルデキアに戻っていただくように提案したが、使役獣の捜索に加わると断られたそうだ。
それで、私たちのところに話が回ってきた。神獣様のお怒りを買うことを恐れていて、できることなら私たちに押し付けてしまいたいのだろう。
アチェーリに赴任しているオルデキアの人間はたくさんいるのに、そこまで地位も高くない私に話がきたのは、昨年一時的にこの国に赴任していたフォロン侯爵家二子であるイリファスと仲が良かったからだ。
イリファスは神獣様の加護を受けているウィオラス殿の兄だ。イリファスは神獣様について、「ルジェくんは、普通の可愛い飼い犬だよ」と言っていたが、畏れ多くも相手は神獣様だぞ。飼い犬扱いできるか。しかも神獣様は犬じゃなくて狐だ。
私が聞いた神獣様に関する情報など、全く役に立たない。けれど上司も、誰かに責任を押し付けたいんだろう。仕方なく上司と二人、神獣様がいらっしゃる街へと向かうことになった。はあ。
神獣様は、使役獣の捜索をしている途中で、希少動物を誘拐しているグループに誘拐された。
神獣様が誘拐されるって、どういうことなの。その情報を知らせてくれたアチェーリの高官も、知らされた上司も真っ青になっていたけど、そんなこと起きていいの?
アチェーリ側にせかされて、あまり休憩も取らずに馬車をとばし、ウィオラス殿がギルドに誘拐を報告した街へと向かう途中に、さらに神獣様が違法オークションにかけられるという情報がもたらされた。
この国、終わったな。その場にいた誰もがそう思ったのが、顔に出ていた。
けれどそれは、攫われてしまった別の使役獣を助けるためにワザと捕まったのだと、続報で知らされた。
神獣様、私たちの心臓がもたないので、冒険小説の主人公のようなことはやめていただけませんかね。
救出には騎士団の全部隊があたっているので、アチェーリの王都の警護を手薄にしても、神獣様の救出を最優先させ、何としても神罰を回避するというアチェーリの本気を垣間見た気がする。
違法オークションの行われる街に着くと、代官の屋敷へと案内された。ウィオラス殿はここに泊まって、騎士団に協力されている。昨夜神獣様は、捕らわれているところから抜け出し、ここにいらっしゃって夕食をお召し上がりになり、また戻られたそうだ。なんで戻っちゃうの。
神獣様の居場所を監視していた騎士によって、今夜オークションが開催されることが分かり、騎士もウィオラス殿も会場へと出かけている。
我々のためにと用意された部屋で、久しぶりに馬車から解放されて揺れない地面を堪能していたところに、神獣様がお戻りになられたと連絡があった。
いよいよ初対面だ。緊張する。
神獣様のお怒りを解いてほしいと言われても、どうすればいいのか分からない。
相手は神だ。人知の及ばぬ相手だ。考えてもどうしようもないし、なるようにしかならないよな。上司がなんとかしてくれるだろう。
救出されてウィオラス殿と共に戻られた神獣様は、イリファスから聞いていたお姿とだいぶ違う。侯爵家がこだわりにこだわった特別な素材で作らせた石鹸とオイルで、毛並みは素晴らしく手触りは極上だとイリファスは言っていたが、ウィオラス殿の肩の上に乗っているのは、よれよれの毛玉だ。神獣様がこのようなお姿でいいのか?
神獣様からまずはお風呂に入れて毛の手入れをしてほしいという要望があったそうで、ウィオラス殿はいつものお手入れに使用している石鹸とオイルを取りに馬車へ行くために、一人だけで部屋を出た。ここで大人しくしておくように、くれぐれも勝手に出歩かないようにと神獣様に言って、神獣様をソファに残して。
ウィオラス殿から離れて神獣様だけになった部屋に緊張が走る中、全員が私を見ている。私が友人なのはイリファスであって、神獣様とは縁もゆかりもないのに。
ウィオラス殿はよれよれの毛玉をあまり人目にさらしたくないのかもしれないけど、一緒に連れて行ってほしかった。
上司までもが、私に神獣様のお相手をしろと目配せしてくる。宮仕えの辛さよ。仕方がない。緊張で手も足も震えているけど、相手は飼い犬だと思って頑張ろう。
まずは、お茶を勧めるか。
「何かお飲みになりますか?」
『キャン』
これは飲むということだろうか。そういえば、何がいいか、どうやって聞けばいいのだろう。
とりあえず水をすすめてみると、ぴちゃぴちゃと飲み始められた。そして飲み終わると口の周りをペロッとなめて、私の顔を見上げていらっしゃる。うん、確かに飼い犬みたいだ。
神獣様は「だれ?」と頭の上に文字が浮かんでいそうな表情で私を見ていらっしゃる。大変失礼ながら、全く神威が感じられない。珍しい銀色を除けば、その辺の野良犬ならぬ野良狐のようだ。しかも、毛がよれよれになっているので、銀色というよりは灰色に見えてしまう。
神獣様だよね? お名前を呼ぶのも憚られる、畏れ多い御方だよね? そう見えないのは毛がよれよれだからだよね?
神獣という高貴な身分と目の前の姿が一致しなくて、混乱してしまう。
「私はウィオラス殿の兄上のイリファスの友人なのですが、あー、えーっと、私の申し上げることはご理解されていますよね?」
『キャン』
普通に会話できるとイリファスは言っていたし、多分今のも返事だよな? でも本当に通じているかどうか、どうやって確かめればいいんだろう。
飼い犬だと思うなら、やっぱりあれかな。
「お手」
『キャン』
「おかわり」
『キャン』
おお、ちゃんと言葉は通じているらしい。お手とおかわりをしてくださった。
ちゃんとできたでしょう、というように誇らしげな表情で私を見上げる神獣様、可愛いなあ。
首のあたりを撫でると、もっとやってというふうに私の手に体重をかけてくる様は、まさに飼い犬だ。おー、よしよし、いい子いい子。賢いねえ。
「お、おい、ランシュ、神獣様に何をやっているっ。失礼だぞ!」
しまった。飼い犬ならともかく、神獣様相手にとんでもないことをしてしまった。私だけでなく、見ていた上司も、アチェーリの騎士も真っ青になっている。
神獣様は首をかしげていらっしゃるので、お怒りではなさそうだが、かといって許されることでもない。
「申し訳ございません!」
『クゥーン』
頭を下げた私の手に頭を擦り付けた後、手の甲をペロッと神獣様がなめられたが、これはどういう意味だろう。
「ルジェ、何をやっている」
『クーン、キュン、キャンキャン』
神獣様は部屋に戻ったウィオラス殿の肩に飛び乗り、何かを訴えていらっしゃる。
私の命もここまでか。神獣様を犬扱いした罪で、オルデキアの家族にまで累がおよんだりしないよな?
「ルジェと遊んでいただいてありがとうございます」
「あ、いえ、遊んでいたわけでは……。あの、その、神獣様にご無礼を」
「気にしていないと言っていますので」
ウィオラス殿によると、犬扱いしたこともお怒りではなく、イリファスの友人ということにご興味をお持ちになったらしい。よかった、首の皮一枚で繋がった。
これから神獣様とウィオラス殿はお風呂に入って食事をされるそうで、詳しい話は明日することになった。
神獣様が応接室を出られて、部屋の中の緊張が一気に解けた。
「お前、神獣様に『お手』って、何考えているんだ!」
「緊張してたんですっ。所長が私に押し付けたせいですよ!」
「神獣様のお相手なんてどうしていいか分からないじゃないか!」
「私もですよ! イリファスが『可愛い飼い犬』って言ってたのを思い出したら、ああなっちゃったんですよ。緊張したら自分でも謎の行動しちゃうことありますよね?! 神罰を受けるかと思いました……」
私たちの言い争いに、アチェーリの騎士が苦笑しているけれど、ここにいる全員が同じ心境なので、国も役職も越えて謎の一体感が生まれている。
お互いの国の利害をすり合わせようと、懐柔したり出し抜いたりするのは慣れていても、神の相手など何をどうしていいのか分からない。それは教会の仕事だ。騎士たちだって悪党や魔物との戦闘が仕事で、神獣様など管轄外だろう。
「オークション会場で、神獣様はどのようなご様子だったのですか?」
「客として潜入したものの報告によりますと、檻の中で楽しそうに雪を吹き出していらっしゃったそうですよ」
神獣様は潜入捜査もお楽しみになったようだし、目的である使役獣仲間を救出できさえすれば、人間社会のことにはあまりご興味がないのかもしれない。我々の尺度で測れる相手ではないのだ。考えるだけ無駄だな。
アチェーリの騎士によると、昨夜、オークションの関係者への処罰はアチェーリに一任するというウィオラス殿の言葉に、神獣様も同意されたそうだ。
その情報、先に教えてほしかった。だったら私たち、ここに来る必要なかったよね。
先日、上司から緊急に呼び出され、聞かされた話には驚いた。
オルデキアには神獣様が顕現されていらっしゃる。オルデキアのフォロン侯爵家三子のウィオラス殿と契約し、現在は冒険者とその使役獣として、周辺各国を回っていらっしゃる。
その神獣様が現在このアチェーリにいらっしゃっているのだが、ちょうど神獣様がいらっしゃる街で、使役獣の誘拐事件が発生したという。アチェーリの冒険者ギルドは、神獣様にオルデキアに戻っていただくように提案したが、使役獣の捜索に加わると断られたそうだ。
それで、私たちのところに話が回ってきた。神獣様のお怒りを買うことを恐れていて、できることなら私たちに押し付けてしまいたいのだろう。
アチェーリに赴任しているオルデキアの人間はたくさんいるのに、そこまで地位も高くない私に話がきたのは、昨年一時的にこの国に赴任していたフォロン侯爵家二子であるイリファスと仲が良かったからだ。
イリファスは神獣様の加護を受けているウィオラス殿の兄だ。イリファスは神獣様について、「ルジェくんは、普通の可愛い飼い犬だよ」と言っていたが、畏れ多くも相手は神獣様だぞ。飼い犬扱いできるか。しかも神獣様は犬じゃなくて狐だ。
私が聞いた神獣様に関する情報など、全く役に立たない。けれど上司も、誰かに責任を押し付けたいんだろう。仕方なく上司と二人、神獣様がいらっしゃる街へと向かうことになった。はあ。
神獣様は、使役獣の捜索をしている途中で、希少動物を誘拐しているグループに誘拐された。
神獣様が誘拐されるって、どういうことなの。その情報を知らせてくれたアチェーリの高官も、知らされた上司も真っ青になっていたけど、そんなこと起きていいの?
アチェーリ側にせかされて、あまり休憩も取らずに馬車をとばし、ウィオラス殿がギルドに誘拐を報告した街へと向かう途中に、さらに神獣様が違法オークションにかけられるという情報がもたらされた。
この国、終わったな。その場にいた誰もがそう思ったのが、顔に出ていた。
けれどそれは、攫われてしまった別の使役獣を助けるためにワザと捕まったのだと、続報で知らされた。
神獣様、私たちの心臓がもたないので、冒険小説の主人公のようなことはやめていただけませんかね。
救出には騎士団の全部隊があたっているので、アチェーリの王都の警護を手薄にしても、神獣様の救出を最優先させ、何としても神罰を回避するというアチェーリの本気を垣間見た気がする。
違法オークションの行われる街に着くと、代官の屋敷へと案内された。ウィオラス殿はここに泊まって、騎士団に協力されている。昨夜神獣様は、捕らわれているところから抜け出し、ここにいらっしゃって夕食をお召し上がりになり、また戻られたそうだ。なんで戻っちゃうの。
神獣様の居場所を監視していた騎士によって、今夜オークションが開催されることが分かり、騎士もウィオラス殿も会場へと出かけている。
我々のためにと用意された部屋で、久しぶりに馬車から解放されて揺れない地面を堪能していたところに、神獣様がお戻りになられたと連絡があった。
いよいよ初対面だ。緊張する。
神獣様のお怒りを解いてほしいと言われても、どうすればいいのか分からない。
相手は神だ。人知の及ばぬ相手だ。考えてもどうしようもないし、なるようにしかならないよな。上司がなんとかしてくれるだろう。
救出されてウィオラス殿と共に戻られた神獣様は、イリファスから聞いていたお姿とだいぶ違う。侯爵家がこだわりにこだわった特別な素材で作らせた石鹸とオイルで、毛並みは素晴らしく手触りは極上だとイリファスは言っていたが、ウィオラス殿の肩の上に乗っているのは、よれよれの毛玉だ。神獣様がこのようなお姿でいいのか?
神獣様からまずはお風呂に入れて毛の手入れをしてほしいという要望があったそうで、ウィオラス殿はいつものお手入れに使用している石鹸とオイルを取りに馬車へ行くために、一人だけで部屋を出た。ここで大人しくしておくように、くれぐれも勝手に出歩かないようにと神獣様に言って、神獣様をソファに残して。
ウィオラス殿から離れて神獣様だけになった部屋に緊張が走る中、全員が私を見ている。私が友人なのはイリファスであって、神獣様とは縁もゆかりもないのに。
ウィオラス殿はよれよれの毛玉をあまり人目にさらしたくないのかもしれないけど、一緒に連れて行ってほしかった。
上司までもが、私に神獣様のお相手をしろと目配せしてくる。宮仕えの辛さよ。仕方がない。緊張で手も足も震えているけど、相手は飼い犬だと思って頑張ろう。
まずは、お茶を勧めるか。
「何かお飲みになりますか?」
『キャン』
これは飲むということだろうか。そういえば、何がいいか、どうやって聞けばいいのだろう。
とりあえず水をすすめてみると、ぴちゃぴちゃと飲み始められた。そして飲み終わると口の周りをペロッとなめて、私の顔を見上げていらっしゃる。うん、確かに飼い犬みたいだ。
神獣様は「だれ?」と頭の上に文字が浮かんでいそうな表情で私を見ていらっしゃる。大変失礼ながら、全く神威が感じられない。珍しい銀色を除けば、その辺の野良犬ならぬ野良狐のようだ。しかも、毛がよれよれになっているので、銀色というよりは灰色に見えてしまう。
神獣様だよね? お名前を呼ぶのも憚られる、畏れ多い御方だよね? そう見えないのは毛がよれよれだからだよね?
神獣という高貴な身分と目の前の姿が一致しなくて、混乱してしまう。
「私はウィオラス殿の兄上のイリファスの友人なのですが、あー、えーっと、私の申し上げることはご理解されていますよね?」
『キャン』
普通に会話できるとイリファスは言っていたし、多分今のも返事だよな? でも本当に通じているかどうか、どうやって確かめればいいんだろう。
飼い犬だと思うなら、やっぱりあれかな。
「お手」
『キャン』
「おかわり」
『キャン』
おお、ちゃんと言葉は通じているらしい。お手とおかわりをしてくださった。
ちゃんとできたでしょう、というように誇らしげな表情で私を見上げる神獣様、可愛いなあ。
首のあたりを撫でると、もっとやってというふうに私の手に体重をかけてくる様は、まさに飼い犬だ。おー、よしよし、いい子いい子。賢いねえ。
「お、おい、ランシュ、神獣様に何をやっているっ。失礼だぞ!」
しまった。飼い犬ならともかく、神獣様相手にとんでもないことをしてしまった。私だけでなく、見ていた上司も、アチェーリの騎士も真っ青になっている。
神獣様は首をかしげていらっしゃるので、お怒りではなさそうだが、かといって許されることでもない。
「申し訳ございません!」
『クゥーン』
頭を下げた私の手に頭を擦り付けた後、手の甲をペロッと神獣様がなめられたが、これはどういう意味だろう。
「ルジェ、何をやっている」
『クーン、キュン、キャンキャン』
神獣様は部屋に戻ったウィオラス殿の肩に飛び乗り、何かを訴えていらっしゃる。
私の命もここまでか。神獣様を犬扱いした罪で、オルデキアの家族にまで累がおよんだりしないよな?
「ルジェと遊んでいただいてありがとうございます」
「あ、いえ、遊んでいたわけでは……。あの、その、神獣様にご無礼を」
「気にしていないと言っていますので」
ウィオラス殿によると、犬扱いしたこともお怒りではなく、イリファスの友人ということにご興味をお持ちになったらしい。よかった、首の皮一枚で繋がった。
これから神獣様とウィオラス殿はお風呂に入って食事をされるそうで、詳しい話は明日することになった。
神獣様が応接室を出られて、部屋の中の緊張が一気に解けた。
「お前、神獣様に『お手』って、何考えているんだ!」
「緊張してたんですっ。所長が私に押し付けたせいですよ!」
「神獣様のお相手なんてどうしていいか分からないじゃないか!」
「私もですよ! イリファスが『可愛い飼い犬』って言ってたのを思い出したら、ああなっちゃったんですよ。緊張したら自分でも謎の行動しちゃうことありますよね?! 神罰を受けるかと思いました……」
私たちの言い争いに、アチェーリの騎士が苦笑しているけれど、ここにいる全員が同じ心境なので、国も役職も越えて謎の一体感が生まれている。
お互いの国の利害をすり合わせようと、懐柔したり出し抜いたりするのは慣れていても、神の相手など何をどうしていいのか分からない。それは教会の仕事だ。騎士たちだって悪党や魔物との戦闘が仕事で、神獣様など管轄外だろう。
「オークション会場で、神獣様はどのようなご様子だったのですか?」
「客として潜入したものの報告によりますと、檻の中で楽しそうに雪を吹き出していらっしゃったそうですよ」
神獣様は潜入捜査もお楽しみになったようだし、目的である使役獣仲間を救出できさえすれば、人間社会のことにはあまりご興味がないのかもしれない。我々の尺度で測れる相手ではないのだ。考えるだけ無駄だな。
アチェーリの騎士によると、昨夜、オークションの関係者への処罰はアチェーリに一任するというウィオラス殿の言葉に、神獣様も同意されたそうだ。
その情報、先に教えてほしかった。だったら私たち、ここに来る必要なかったよね。
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