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二日目
明日の目的地
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「じゃあ、今日手に入れたアイテムは、全部仕舞っておくとして、明日向うところの予習をしておくか。ユウキ、俺の中から地図を出して広げて見せてくれ」
「う、うん」
ユウキは、アイテムを片づけて、リュッ君の中に入れると、入れ替わりに”落書き地図”を取り出した。そして、リュッ君と自分との間に地図を広げて、互いの頭を突き合わせて、その地図を見つめた。
「ああ、そうか」
リュッ君は、急に気付いたかのように一人ごちると、空中に顔を向けて、ぷっ!と、自分の体の中から☆アイテムを吐き出した。吐き出された☆は、赤い光をゆるく放ちながら、ユウキの顔の前にとどまって、青い☆と一定の距離を置きつつ、フワフワ、くるくると空中を踊った。
赤と青の二つの☆が、お互いの光であたりを照らして、”落書き地図”を浮かび上がらせる。
リュッ君とユウキが広げられた”落書き地図”を目で追って行く。そこには今まで二人が一緒に巡ってきた場所が描かれていた。
ユウキとリュッ君が初めて出会った“神社”から始まり、今日一日まわってきた“川”と”つり橋”、“遊園地”と、そして、おそらく、今自分達がいるであろう“神社”の場所も描かれている。そして、その”落書き地図”で、今の場所から一番近い☆は…。
「ダム…かな」
神妙な顔をして、リュッ君が呟く。
「リュッ君…これって湖?」
「ああ、そうだな…」
落書き地図を見つめてリュッ君が舌打ちをする。三つめの☆は灰色の大きな壁のようなものに阻まれた、青い湖のようなところの真ん中に黄色で描かれていた。一見すると、どうやらダム湖の真ん中に浮かんでいるようだ。
湖の真ん中ということは、そこにたどり着くために、船か何かを使う必要があるのだろうか?
「リュッ君?どうしたの?」
「ああ、いや、どうもしないが…」
ユウキに声を掛けられ慌てるリュッ君。今は自分が考えていることを話しても仕方が無いと、その場を取り繕うように、明るめに言った。
「ああ、明日は☆アイテムを取るのに一苦労だぞ。でも、あとは道すがら2個だけだから、もしかしたら明日には、家に帰れるかもしれないぞ!」
「ほんとに?」
目を輝かせてユウキがリュッ君に答える。
「ああ、そうだ!きっとやれる!だから、今日はさっさと飯を食って寝ちまおう。焚き火の点け方は憶えているな」
「うん!僕、薪拾ってくるね」
ぱっと顔を明るくして、はじけるように駆け出していくユウキ。気持ちが高揚しているのに合わせているのか、ユウキのまわりで浮かんでいる☆の動きも心なしか軽やかに見える。そんなユウキの後姿を見つめながら。リュッ君は別のことを考えていた。
この状況から脱出するためには、落書き地図に描かれた☆のアイテムを集めなければならない。
それは、こんな格好になってから、何故か自分が強く知っていることの一つだ。おそらく、全部そろわないと、ゴールでしっぺ返しを食らって、ユウキも自分も、ここからは出られないのだろう。それは、どういうことなのか、何故なのかはリュッ君にもさっぱり分からないが、それはもう、自分ではどうしようもない、今いるこの世界のルールなのだろう。
このダムは、どこかの河川につながっているのだろうか?それが分かれば、ここがどこかも分かるのだろうか?どんな規模のダムかは分からないが、あの遊園地みたいに、やはり管理者がいないとして、現実にそんなことありえるのだろうか…?そもそも、ここは本当に実在する現実の世界なのだろうか…。
だいたい、なんで俺は、こんななりなんだ?
自問自答するリュッ君だったが、考えるうちに、今自分が陥っているこの状況自体がばかばかしく思えてくる。自嘲気味に「考えても仕方がねえか?」とポツリとこぼすと、ふうっと、ため息を吐いた。
当面の問題はそれよりも、目の前に広げられた”落書き地図”だ。ユウキは、地図を広げたまま、重石もつけずに薪を取りに出かけてしまった。手も足も出ないリュッ君は、この大事な地図をどう片付けるか思案に暮れた。
リュッ君は、もぞもぞと体を動かし、地図に近づいていく。
「突風が吹かなきゃいいが…」
「う、うん」
ユウキは、アイテムを片づけて、リュッ君の中に入れると、入れ替わりに”落書き地図”を取り出した。そして、リュッ君と自分との間に地図を広げて、互いの頭を突き合わせて、その地図を見つめた。
「ああ、そうか」
リュッ君は、急に気付いたかのように一人ごちると、空中に顔を向けて、ぷっ!と、自分の体の中から☆アイテムを吐き出した。吐き出された☆は、赤い光をゆるく放ちながら、ユウキの顔の前にとどまって、青い☆と一定の距離を置きつつ、フワフワ、くるくると空中を踊った。
赤と青の二つの☆が、お互いの光であたりを照らして、”落書き地図”を浮かび上がらせる。
リュッ君とユウキが広げられた”落書き地図”を目で追って行く。そこには今まで二人が一緒に巡ってきた場所が描かれていた。
ユウキとリュッ君が初めて出会った“神社”から始まり、今日一日まわってきた“川”と”つり橋”、“遊園地”と、そして、おそらく、今自分達がいるであろう“神社”の場所も描かれている。そして、その”落書き地図”で、今の場所から一番近い☆は…。
「ダム…かな」
神妙な顔をして、リュッ君が呟く。
「リュッ君…これって湖?」
「ああ、そうだな…」
落書き地図を見つめてリュッ君が舌打ちをする。三つめの☆は灰色の大きな壁のようなものに阻まれた、青い湖のようなところの真ん中に黄色で描かれていた。一見すると、どうやらダム湖の真ん中に浮かんでいるようだ。
湖の真ん中ということは、そこにたどり着くために、船か何かを使う必要があるのだろうか?
「リュッ君?どうしたの?」
「ああ、いや、どうもしないが…」
ユウキに声を掛けられ慌てるリュッ君。今は自分が考えていることを話しても仕方が無いと、その場を取り繕うように、明るめに言った。
「ああ、明日は☆アイテムを取るのに一苦労だぞ。でも、あとは道すがら2個だけだから、もしかしたら明日には、家に帰れるかもしれないぞ!」
「ほんとに?」
目を輝かせてユウキがリュッ君に答える。
「ああ、そうだ!きっとやれる!だから、今日はさっさと飯を食って寝ちまおう。焚き火の点け方は憶えているな」
「うん!僕、薪拾ってくるね」
ぱっと顔を明るくして、はじけるように駆け出していくユウキ。気持ちが高揚しているのに合わせているのか、ユウキのまわりで浮かんでいる☆の動きも心なしか軽やかに見える。そんなユウキの後姿を見つめながら。リュッ君は別のことを考えていた。
この状況から脱出するためには、落書き地図に描かれた☆のアイテムを集めなければならない。
それは、こんな格好になってから、何故か自分が強く知っていることの一つだ。おそらく、全部そろわないと、ゴールでしっぺ返しを食らって、ユウキも自分も、ここからは出られないのだろう。それは、どういうことなのか、何故なのかはリュッ君にもさっぱり分からないが、それはもう、自分ではどうしようもない、今いるこの世界のルールなのだろう。
このダムは、どこかの河川につながっているのだろうか?それが分かれば、ここがどこかも分かるのだろうか?どんな規模のダムかは分からないが、あの遊園地みたいに、やはり管理者がいないとして、現実にそんなことありえるのだろうか…?そもそも、ここは本当に実在する現実の世界なのだろうか…。
だいたい、なんで俺は、こんななりなんだ?
自問自答するリュッ君だったが、考えるうちに、今自分が陥っているこの状況自体がばかばかしく思えてくる。自嘲気味に「考えても仕方がねえか?」とポツリとこぼすと、ふうっと、ため息を吐いた。
当面の問題はそれよりも、目の前に広げられた”落書き地図”だ。ユウキは、地図を広げたまま、重石もつけずに薪を取りに出かけてしまった。手も足も出ないリュッ君は、この大事な地図をどう片付けるか思案に暮れた。
リュッ君は、もぞもぞと体を動かし、地図に近づいていく。
「突風が吹かなきゃいいが…」
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