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メガネスーツ女子とジャガイモとトイレ問題
頁52:試練の結果とは 3
しおりを挟む「用があるならそっちから…」
「いやいやユッシーここは素直に行っとこうゼ?」
神々廻さんがまさかの諭し役に回った。渋々従う雪之進君。神々廻さんには意外と従順なのだろうか。羨ましい。う ら や ま し い……。
『汝が名を述べよ』
雰囲気が一気に変わった。有無を言わさぬ凄みと言うか巨大な存在感が辺り一面に圧し掛かっている。
感覚に素直な雪之進君はその迫力に何かを観念した様に見えた。
「…雪之進」
『よろしい。地球より生まれ出し『 』の子たる雪之進よ。偉大なる母の御名とスタ・アトの化身たる祭壇の使命において、汝に仮初めの赦しを与えん。其は敵対生物を断つ刃をして生命の守護者たり。其が歩む道の嚆矢、いずれ汝を至高へ誘う階の初段……、その名は──────【新・人・君】……!!!!』
ドガーーーンと雷鳴が轟いた気がした。気がしただけだが。
けれど雪之進君は突如立ち上がった濃い煙に覆われて見えなくなった。
「…【新人君】ってナニ…。台無しだよ」
「誰のせいですか」
「良かれと思って…」
「良くない」
「申し訳…」
名称って本当に大事なんだと思い知らされた。恐らくこれが映画などだったらここ一番の見せ場なのではないだろうか。地球の人達にとっては名称そのものの響きなんて特に何も感じはしないのかもしれないが。
「あ」
責任重大なカミサマが何か気付いた。
「どうしました?」
「や、戦闘職の共通職になったって事はサ…」
「え?」
その時、辺りを覆っていた白煙が急速に晴れていった。雪之進君は───!?
「ちょ…いやああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!?」
「忘れてたああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
「…?」
何の事か分からないという表情で我々の痴態を眺める雪之進君。
その全身にモザイクを纏って。
(次頁/53-1へ続く)
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