知識0から創る異世界辞典(ストラペディア)~チャラ駄神を添えて~

degirock/でじろっく

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メガネスーツ女子とジャガイモとトイレ問題

頁41:異世界御手洗事情とは 2

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 ◆◇◆◇◆◇






「…昨日の夜は暗かったし気持ち悪かったせいで気にして無かったケド」

 手を洗って戻って来た神々廻ししばさんが怪談を語る様なトーンで話し始めた。

「トイレとは名ばかりのあのスペース…そりゃもうエライ状態でさ…筆舌ヒツゼツに尽くしガタイ、とはまさにあの状態だったヨ」
「じゃあ話さなくてもいいです」
「何でそういう事言うのぉぉぉ!? ここからが面白いのに!!」

 面白いのかよ。

「みなまで説明されずとも予想はつきますので。…そうですね、昨夜話した『バタフライエフェクト』にもからむ事ですし、CPクリエイションポイントの使い方に慣れる意味でも最初のクリエイションはそれにしましょうか」
「え? 桶屋おけやとトイレが何か関係あるの?」

 まさか桶屋と略されるとは。まあ本人がそれで覚えやすいのであればいいか。

【辞典】ストラペディアに登録されていないので現在の世界での疫病えきびょうに関する知識がどの程度であるかは分かりませんが、トイレ…と言うより衛生と病気は密接な関係があります」
「なんかトイレが壮大な話になって来たネ…」

 壮大と言うよりは元の地球の歴史の一側面であるが。

「川の流れの一部を家の下に引き込んで天然の水洗トイレとする事で排泄物による汚染を防いで来た歴史などもありますね。たい肥として使用した時期もありますがこれは後に登場した化学肥料により不要とされ、不法投棄により汚染の原因となりました。まあその辺はこの星とは関係無いかもしれませんが、この地球ツヴァイ・アスのトイレ事情を見る限りでは確かに改善しなければいずれ疫病の原因になるかもしれません」

 これはあくまでも日本の例ではあるが。

「いずれ? 今で結構アレな感じなんだけド…」

 実際に目で見て来た光景を思い出したのだろうか、神々廻ししばさんがえづく。お願いだからここで吐かないで下さい。

「…口で説明するのもちょっと嫌なんですが…、現在の【辞典】ストラペディアの登録情報では排泄物を構成している物の名前で確定しているのが水だけしか無い為、排泄物が排泄物として十分に機能していないのでしょう。そのせいで不完全な処理でも汚染による病原菌発生も無く、同時に土にも分解されない状態なんだと思います」
「うぇぇ…無臭無色透明な感じのうんこなのにあの存在感…なんなん…」
「だからストレートに言わないで下さい!」

 まあ生理現象であるのに貴卑きひを押し付ける事こそこの世界においてはおかしな話なのかもしれないが…でも…ねぇ…?

「とにかく、世界にトイレ文化を先に根付かせることが出来れば汚染による疫病の蔓延まんえんなどを未然に防ぐことが出来るかもしれませんし…その…」
「そっか、みさラーもトイレ必要だしュペョ!?」
「うるさい!」

 言い切らせる前に脳天に手刀を叩き込んだ。








   (次頁/42-1へ続く)




    
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