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メガネスーツ女子とジャガイモとトイレ問題
頁40:星の名とは 2
しおりを挟む「どう、って…」
喧騒の只中の人々を遠めに見つめる彼。
「うん、ダサいよね」
「……ええと、馬鹿」
「また!?」
ガビーンという音が飛び出しそうな顔でこちらを見る。
「デザインはともかくとして…機能性が良くないんです。服としての最低限の雛形だけしか生み出されていないんだと思います」
「そういや服は認識出来てるよね。何でだろ」
「予想ですが…『人々は認識出来る』のと同じなのでは? 嫌な言い方をするのであれば、ミッション1において神々廻さんが生み出した人類は既にミッション2の対象から外れているか、もしくは今現在の世界の人と服は同一の物として誕生させられたのか…」
本当ならば元の地球の様に歴史があって人々はその命を子々孫々へ繋いで来た、と思いたいけれど…【辞典】によって支配されているこの星は或いは───
「ナルホド…メガネは顔の一部ですってのと同じ」
「違います。外せますから」
スイっと眼鏡を外して見せた。
「あ、そのまま」
「嫌です」
「そんなぁぁぁぁ」
また掛ける。
どちらも私でしょうに。男性の感覚はよく分からない。
「とまあ、脱線してしまいましたが、つまりはこの星の人々は気候の変動に対して基本である衣服での調整能力が不足している可能性があります。暑い国には暑い国なりの、寒い国には寒い国なりの装いや建築物が無ければ人は生きては行けないんです」
「てコトは…先に四季を【承諾】してこの星に気候が誕生した場合、春と秋くらいの気温の土地ならともかく真冬とかにイキナリなっちゃった土地の人達は…」
漸く話の意図が掴めた様だ。
「そう、意味も分からずに凍死するでしょうね、大勢」
理解が追い付いた神々廻さんが黙り込む。
「これはあくまでも一例にすぎませんし、意外に人々は死なないかもしれません。ですが希望的観測で試してみるにはあまりにもリスキーです。つまり、我々のミッションとは常に『そういう可能性』が隣にいる物だと肝に銘じて下さい」
神々廻さんに目だけで合図し、【辞典】を指差す。もう何を言わんとしてるかすぐに伝わるだろう。
《【ペナルティー】の中に『世界人口の一定数以上の減少』などが含まれている可能性もあります。声に出さないのはもし現在のペナルティー一覧にこの条件が含まれていなかった場合、会話を聴かれて後からちょ…ちょ…【超GOD】、に追加されるのを防止する為です。》
《 【OK印の妙なキャラ】 》
《うざ。》
《;ω;》
「そういう訳で、【承諾】については可能な限り話し合って進める様にしましょう」
「了か──────待て」
「えっ?」
(次頁/40-3へ続く)
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