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メガネスーツ女子と未知との遭遇
頁21:町成長イベントとは 2
しおりを挟む◇◆◇◆◇◆
再び先程の人目につきにくい場所。ここは村と外界の境界付近でもある。
「ちょっと、一体どういう事なんですか!?」
掴まれていた腕を振りほどくと神々廻さんに抗議した。
「オレちゃん分かっちゃったのヨね…」
ドヤ顔で自信満々に言う彼。
「何がですか」
「町成長イベントとは何か、って」
「っ! 本当ですか? もう!?」
「こんなの基本中の基本でショ」
何の基本なんだろう。
「現れたダンジョン、追加されたクエスト、おかしな挙動をするモンスター、そしてさっきの会話───」
顎の下に手を添えるポーズやめなさい…。そんなチャラい探偵いないから。
「謎は全て解けた…! じっちゃんの名にかk」
「前置きはいいから結論をどうぞ」
「決め台詞が大事なのに…」
ならせめて危なくないのにして下さい。
「つまりは簡単なシナリオよ。モンスターが発生して村が被害に遭いそうでみんな困ってる。でも戦えるのがひろしさんだけ。という事は?」
「という事は?」
いや、別にノリに乗った訳ではないです。
「オレちゃん達がその巣を攻略すればいいってコト!」
「ええ!?」
ウィンクしながらバァァァン!と擬音が飛び出しそうなポーズで私を指差す。なんか腹立つ。
「どうしてそれが村の成長に繋がるんですか? 理屈がおかしいでしょう!」
「ホラまた悪いクセ出た」
えっ?
「自分で言うのもアレだけどサ、この世界ってある意味イカれてるんだヨ? オレのせいだけどモンスターだっているし、こんな本ひとつに左右されちゃってるし」
そう言いつつバスケットボールの様に人差し指の先で本を水平回転させている。器用だな。
「それは───」
「みさリスの言うリクツが正しいってのも分かる。分かるけどサ、時にはイカれた世界に合わせて自分もイカれてみなきゃ本当の意味で理解するのって難しくね?」
むう…。確かに私にはこのファンタジーな世界のノリというか法則は予想もつかない。実際に本の機能についても私よりは彼の方が恐らくは理解している。既に何度もトンデモ体験をしている訳だし、彼の言う様に元の世界の常識や理屈が通じない部分も多々ある。そういう意味では彼の推理?が本当に正解なのかもしれない。
でも───何か引っかかる。『そうじゃなくない?』っていう気持ちがどうしても払拭出来ない。
それと私はリスじゃない。
「じゃ、行くよ!」
「え!? 何の準備もしないで!?」
「今のこの世界で準備する程の物なんて無いでショ? それに状況なんていくらでも変化するんだしそこは現場対応!」
…それ、私が言った台詞ですよね。(頁11参照)
根に持っていたのか。
「忘れてると思うけど、オレ達は死なないし【あの力】だってあるんだヨ? 油断しなければ大丈夫だって♪」
うーーーん。…まあ、確かに。ひろしさんが戦って怪我とかするよりは私達の方が最終的に無傷で済むだろう。
「…分かりました。でも絶対に油断は禁物ですからね!」
自分の予感に決着をつけられないまま、渋々彼の提案を吞んだ。
「分かってるって。オレだって痛いのは嫌だし」
それをあなたは私にどれだけ与えたと思ってるんですかね。…まあ今は黙っておくけれど。
「ではマップで方角を確認。よっしゃ、しゅっぱ~つ!」
「はいはい…」
本に表示された大陸地図の現在位置、方角を表す矢印を頼りに我々は村の境界線を外界へと越えたのであった。
本気で不安すぎる…。
(次頁/22ー1へ続く)
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