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現代の常識学
少女、襲撃される。
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「ぶえっくしょい!」
私は自分でも驚くほどの豪快なくしゃみをする。
「うるさいですね…もっと静かに出来ないのですか?」
少女が隣で呆れたようにため息をついてハンカチを差し出す。
「そんなツンツンしててもハンカチは貸してくれるんだね。」
私がそんなことを言って茶化しながら受け取ったハンカチで鼻をかんでいると少女が言う。
「たまたま持ってたから、渡しただけです。と言うか、そもそも風邪ひいてるのに外を出歩かないでください。貴方のそう言うところ、良くないと思いますよ。」
「まあまあ、良いじゃないか。どうせ寝てるだけなんなら、なんかやってた方が有意義でしょ?」
私がそう言うと少女は大きなため息をつきながら言う。
「はぁ…まあ、どうせ言っても聞かないとは思ってましたが、もう少し私を使っても良いのでは?一応、シェラ様の契約魔族ですし…」
「あはは!私が振り切っちゃうと身体がいくつあっても足りなくなっちゃうわよ?それに…」
私はティアラの方を向いて言う。
「私は出来ることは自分でやる主義なの!だから、本当にダメな時はよろしくね!」
ティアラは呆れたように肩をすくめながらも真剣な声で言う。
「シェラ様らしい考え方ですね。でも、私としてはもう少し使ってもらっても良いとは思いますよ。使われ過ぎても困りますが、シェラ様の場合は好奇心で暴走する悪癖もありますし、ある程度は使って…いえ、頼っていただきたいです。契約魔族としても、仲間としても…」
『一応、それなりに恩義は感じてますし…』
聞こえるか聞こえないかくらいの小さな声が聞こえた気がした。
「言われなくても私は十分頼ってるよ。ティアラも私の記憶があるんだから、心当たりの1つくらいはあるでしょ?」
嘘は言っていない。
私から指示を出すことはあまりないが、頼りにはしている。
例えば、私が好奇心で暴走してる時、ティアラが周りを見てくれるし、私の暴走を止めようともしてくれる。
まあ、今のところは私が止まったことはないけど、ティアラの一言で気がつくこともある。止まらないけど。
他にも洗濯とかも私は適当にすることが多いんだけど、ティアラはちゃんと服が長持ちするように丁寧に洗ったり、シワを伸ばしたりするんだ。
そう言う苦手なところを任せるのも悪くないでしょ?
「シェラ様の怠惰な部分を支えるのも信頼の1つ…ってことですか…」
ティアラは呆れたようにため息をつく。
「そういうこと。それにティアラも私の魔法を応用したりするでしょ?私が使わなくてもティアラのおかげで意義を与えることが出来る。魔法も魔族と似ているところがあるし、意義があると言うことはとても大事なんだ!だから、そう言う意味でもティアラのことは頼りにしてるんだよ。ティアラのおかげで魔法も生まれ変われるし、私よりも扱いやすくなってるからね♪私は生まれつき魔力が高いけど、ティアラはそうじゃないから魔法の効率化をしたりもするでしょ?それって力のある私では難しいことだし、持たざる者だからこその着眼点もある。そうして、魔法が蘇るのも素晴らしいことだし、素敵な事だと思うの!」
思わず熱く語る私を若干冷ややかな目で見つつもティアラは淡々と言う。
「はいはい。そうですか…っと、そろそろ目的地の付近に着きそうですね。」
少し先には馬車があり、その隣には金髪碧眼の髪の長い少女の姿が見える。
紺色の冒険者学園の制服が少女の魅力を引きたてる。
少女が私に気がついた様子で手を振る。
「シェラさーん!こっちですよ~」
「エリスちゃん、おっはよー!」
私たちは足早に少女の元へ向かい、少女とともに馬車に乗る。
ティアラがいつの間にかかけてた治療魔法で私の風邪は治っていた。
「エリスさん、遅れてしまってすみません…シェラ様が寝坊してしまったせいで今日もこの有様です。」
ティアラがそう言うとエリスが苦笑いしながら言う。
「あはは…お二人は本当に仲がよろしいのですね。ちょっと羨ましいです。」
「絶対にシェラ様のことだけは参考にしないでくださいね。これ以上の厄介者が増えるのは困りますので…」
エリスの言葉にティアラが困ったような表情をしながら言う。
「ティアラちゃん、さすがに厄介者扱いは酷くない?」
「屋敷での出来事、全部言いましょうか?」
「あれは私の知らない罠が沢山あったのが悪いのでノーカンでしょ!」
「鑑定までしたのに?」
「鑑定も万能じゃないからね。」
「はぁ…全く…天才的なアホとはこのことですね。危機管理能力を鍛え直すことを非常に強くおすすめ致します。」
ティアラが頭を抱えながら言うとエリスが興味深そうに聞く。
「あの…屋敷って、あのシェテラエンデ様のお屋敷のことですよね?」
「そうそう。私の前世でy…」
慌てた様子でティアラがシェラの口を塞ぐ。
『ちょっと!それは秘密にするって言ってたでしょう?!相手は王族だってこと忘れたんですか?!』
そうだった!あまりに自然に馴染んでたから忘れてた!
ティアラの慌てようにキョトン顔のエリスが言う。
「シェラさんの前世でなにかあったのですか?」
「あ…え、えーっと…そ、そう!私が昔書いてた小説の舞台が大賢者様の屋敷だったんだよ~って言おうとしてたんだ!」
『ああ、屋敷のメイドと王国騎士が結婚した実話を元にした小説のことですか…確かあの二人の子供も胸が大きかったですね。なのに、私は小さいのは納得出来ません。』
ティアラが凄く不満そうに…と言うか、不満を隠すことなく言う。
…現実にそんな難癖つける人初めて見たよ。
いや、私も人の事言えない立場だったか…
弟子の一人のカリアンと一緒にアレイシアの大きさに嫉妬してたし。
「なるほど…私も幼い頃はシェテラエンデ様を題材にした恋愛小説を書いてたことがあります。私は将来は冒険者になるのが夢でしたので、各地を旅したと言うシェテラエンデ様には憧れるものがあります。どんな未知の土地を渡り歩いて、どんな景色を見てきたのか…そこで何をしてきたのか…私はその全てを知りたいと思ってますし、何よりも強くて美しい女性に憧れない理由がありませんからね!」
目をキラキラと輝かせながら語るエリスの表情は非常に楽しそうなものだった。
「そ、そうだよね。私もそんな素敵な女性に憧れちゃうよ。」
『うわぁ…自己肯定感の高い人ですね~!私もそんな人に憧れちゃいますぅ!』
反撃出来ないとわかっているせいか、白々しくティアラが言う。
私がティアラを睨むとティアラは楽しそうに笑っていた。
「もし…もしもだよ?大賢者様の生まれ変わりが目の前に居たらどうする?」
ティアラが驚いた様子で目を見開いていた。
「そうですねぇ…」
エリスは少し考える。
「今、シェラさんと話してるみたいに楽しくお話したいです。今日は喫茶店で紅茶を飲んだとか、明日はあそこに行くんだとか…そんな話をしたいです。もちろん、シェテラエンデ様自身のことも知りたいですが、それよりも今のその人としての親交を深めたいです。百聞は一見にしかずと言いますし、知りたいことは実際に見ていけば良いですからね。」
楽しそうに語るエリスの眩しい笑顔に私は胸が暖かくなったような感情を感じる。
「そうだね。私もエリスちゃんと同じかも。」
私がそう言うとエリスの笑顔の輝きが増したように感じる。
『図らずとも計画通りってわけですね。私も何も知らなければ、エリスさんのように感じていたかもしれませんね。まあ、知ってても今のような付き合いになるだけですが。』
ティアラは大きな欠伸をしていた。
「そう言えば、今日は用事があるって聞いてたんだけど…」
シェラが言うとエリスは思い出したように地図を出しながら言う。
「そうでした!今日はこの辺りのダンジョンの調査を一緒にしようと思っていたんです。なんでも未知の素材で出来た人形のような物が見つかったと言う話でして…」
この時、一瞬だけ機巧少女のことを思い出した。
ディアも未知の素材で出来た存在だった。
これを知るのは私とカリヤとティアラだけだ。
そんなことを考えるとティアラは無関心っぽく振る舞いながら言う。
『シェラ様、これは間違いなくディアさんと何か関係がありますよね?』
『どうしてそう思ったの?』
『眼に映ったものをほんの少しだけ見たと言うのもありますが、ディアさんの時と同じ感覚があるのです。』
『なるほどね。それなら、ティアラちゃんの言う通りかもしれない。でも、私はまだ知らない何かを断定することはしないよ。』
『シェラ様なら、そう言うと思ってました。だから、私はこの前提条件の元に考察してみようと思います。』
私はニヤリと笑う。
「そうだね。気をつけて行動しないとね。」
私がそう言うと同時に馬車が止まる。
「魔力検知。囲まれたようです。」
ティアラが声を潜めながら言う。
周囲には賊らしき影が見えた。
「パァン!」と発砲音がすると同時に馬に乗っていた頭を撃ち抜かれた業者が血を吹いて地面に落ちる。
「これは…厄介なことになりましたね。」
エリスが嫌そうにこっそりと馬車の外の影を見る。
私はティアラの魔力感知で周囲の敵の位置を正確に特定する。
「やったか?」
男の声がする。
「なんてことはねぇ。一撃だ。」
おそらく操縦者を撃ったであろう男が言う。
私はティアラに言う。
『ティアラちゃん』
『わかってます。』
ティアラは小さく頷く。
傍から見ると別々の方向を向いたまま頷いている私とティアラの様子を見たエリスが首を傾げていたが、それどころではない。
私は馬車の中にあった布に魔法をかけて人形を作る。
3体作った人形は私たちに肌の質感や目の色、髪の色や質感、身体の特長の全てが一致する精度だ。
ティアラが言う。
「本当に見分けがつきませんね。」
私は命令をする。
「賊には殺られること。後はそのまま待機よ。」
私はティアラの能力で3人の存在を希釈する。
通常の擬態魔法などで姿を消すのと違い、自他ともにありとあらゆる干渉が不可能になるかわりに如何なる感知でも認識出来ないと言う隠れることにおいては最強の能力だ。
賊の男が馬車の中に入ってくるが、寝ている私たちを見てニヤリと笑う。
「ヘヘッ…こりゃ良いや。女は高く売れるし、ガキであれば尚更だな。」
人形が起きる。
「むぐぐ?!」
「危ねぇ危ねぇ…」
賊の男がシェラの口を塞ぐ。
人形と人形が目を開ける。
「おっと。動くんじゃねぇぞ。動けば頭が吹き飛ぶぜ?」
男がティアラとエリスに言う。
エリスが情けなく「ヒイッ…!」なんて声を出す。
ティアラは睨みつけながら言う。
「なんて卑劣な…」
ティアラが剣を抜いた瞬間だった。
「えっ…」
ティアラの頭が馬車の床に落ちる。
遅れて綺麗な赤が噴き出す。
ティアラの目がシェラと合う。
エリスは当然のことに驚いて声を出そうとするが、上手く声が出ない様子だった。
「だから言ったろ?動けば頭が吹き飛ぶってよお!」
いつの間にか縄でシェラを縛った男の剣には見覚えのある紋章があった。
「おっと。いけねぇ…」
シェラが紋章を見ていたのに気がついたのか、男はそれを隠すようにしまう。
「その紋章は…」
エリスが小さく呟くと男が言う。
「チッ…めんどうだな。」
男がマントを脱ぐ。
すると剣にあった紋章と同じ紋章の鎧が現れる。
「俺はグライベルの王国兵だ。お前らみたいな哀れな女を狙って襲うのさ!」
男がエリスの顔を舐めるように見る。
『許せない…』
私はティアラが飛びかかりそうになるのを宥める。
エリスが涙目で睨みながら言う。
「王国兵がこのようなことをして許されると思っているのですか!」
「ハハッ!こいつは面白ぇ!許されるも何も王様直々のご命令だぜ?恨むんなら、己の運の無さを恨むんだな!」
男がエリスに掴みかかった瞬間だった。
「へぇ?グライベルって、そんなに落ちぶれたんだ~」
ティアラが能力を解除したことにより、私の姿が見えるようになる。
「んな?!いつの間に!」
男が驚いていると背後にエリスが現れる。
「隙だらけですよ!」
エリスの剣が男の背中を斬り割く。
「がぁ!?」
男が倒れると同時に血溜まりができる。
人形の私たちが起き上がり、男を抑え込む。
「さてと…」
私は男に回復魔法をかけて背中の出血を止める。
「お前…俺の仲間はどうした!」
男が今にも飛びかかりそうな勢いで言う。
「さぁ?外で寝てんじゃない?」
私が指を「パチン!」と鳴らすと馬車の入口から見える外の景色が変わる。
「嘘だろ…」
男の視線の先には私の作り出した人形に抱えられた兵士たちの姿があった。
「良かったな。無事にお仲間さんに会えたぞ?」
私は見下ろす様に男を見る。
男は怒りに震えていたが、私の目を睨むとその表情が徐々に恐怖へ塗り替えられていく。
『なんて冷たい目なんでしょう…シェラ様にあんな目を向けられたら、常人なら失禁してしまいますね。』
ティアラはニコニコと微笑んだまま言う。
『うん。ティアラちゃんも怖い顔してるよ。』
『あら?心外ですわ。私は至って平常ですわよ?』
もちろん、顔は優しく微笑んでいるが、目が全く笑っておらず、確かな怒りを感じる視線だった。
「グライベルの兵士さん、貴方のお名前をお聞かせくださいな。」
エリスが優しげな声で言う。
表情も柔らかく雰囲気も優しいため、男が少し安心したかのような表情になる。
「名乗れねぇよ。俺にその権利はねぇんでな。」
私は人形を使って男の頭を鷲掴みにする。
「次、舐めた口聞いたら、その頭潰すぞ。」
男が恐怖で震える。
「もう一度だけ、聞きますね。貴方のお名前はなんですか?」
エリスが優しげな声で言う。
よく見ると目は冷徹そのものだったが、よく見ないと分からないほどには自然な優しい笑顔だった。
「…俺はライガです。グライベルの第二騎士団をやってます。」
男が観念した様子で言う。
「そう…ライガさんと仰るのですね。」
エリスは一枚の紙を取り出すとライガの情報を書き記す。
「もう一つ質問しますね。ライガさんの情報はこれで合ってますか?」
エリスが紙を見せるとライガの表情が一瞬で凍りつく。
【ライガ・ユーティアス 職業:王国軍軍団長】
家族構成:姉が1人、妹が2人、弟が5人。
両親は既に他界。
グライベル王家直属の軍団の長であり、表向きは「第二騎士団」の構成員の一人となっている。
国王命令で行商人や旅の馬車から金品の強奪や女性の誘拐を行っている。
誘拐した女性を奴隷として販売することで生計を立てている。
家庭環境は貧しいが、姉兄の仲は良い。
「…ライガさん?」
ライガはビクッと身体を震わせる。
「あ、あぁ…合ってます…」
「なら、良かったです。」
紙に書き記された情報はエリスの権能の1つ、記憶の巡り合わせの権能の効果によるものだ。
エリスには2つの権能があり、この権能は通常の能力とは違い、妨害や防御手段が無く、対抗するにはより力のある権能持ち以外では対抗出来ないとされる上位能力だ。
記憶の巡り合わせの権能は対象者のありとあらゆる情報を強制的に集約させる権能であり、簡単に言えば、対象者の情報を全て知ることが出来るのだ。
ちなみにシェラには権能は存在しないので、シェラが記憶の巡り合わせの権能を使われれば、大賢者の生まれ変わりであることもわかってしまうと言う大賢者でも対抗策を持ってないのが、権能と言う特殊能力なのだ。
エリスは立ち上がって私に言う。
「もういいですよ。」
私は頭部が修復されたティアラの姿をした人形の中にライガを閉じ込める。
ただし、顔は外が見えるようにしている。
位置的にはちょうど胸の辺りだ。
私は人形たちに指示を出す。
「皆、そいつらを取り込んじゃって!」
全ての人形がシェラの指示で兵士たちを完全に体の中に取り込み、その兵士たちの姿になる。
私たちを象った人形はライガを取り込んでいるティアラを象ったもの以外は元の布に戻る。
私はライガを馬車の外側に向かせる。
「よいしょっと…」
私が異空間から業者を出す。
「貴方には、まだ仕事があるわ。」
私がそう言うと業者が震える。
「まさか、アーミアのお抱え業者ともあろう方が賊と繋がっていたなんて思いもしませんでしたよ。」
エリスが残念そうに言う。
「仕方ないよ。エリスのおかげで彼女の娘はグライベルに捕らわれているってわかったんだしさ。」
私がそう言うと業者は震えた声で言う。
「お願いします!私のことはどう処分していただいてもかまいません!ですが、どうか娘の命だけはお助け下さい!お願いします!」
私はエリスを見る。
「貴方のしたことは到底許されることではありません。それが例え貴方の意思ではなくても…」
エリスが静かに諭すように言う。
「ですが、貴方の娘は助けることは約束しましょう。」
「ありがとうございます!ありがとうございます!」
私はライガにも聞こえるように言う。
「それでは、ヴェルエス大森林を通ってグライベルに向かいましょうか。業者さん、よろしくお願いしますね。」
私は兵士たちを取り込んだ人形を全て地面の中に待機させる。
全て生きているが、「仮死」状態にしているため、生き埋めとなっていても問題はない。
そもそも、仮死状態じゃなくても大丈夫なようにはしてあるのだけれど…
そんな人形の様子を見て業者が身震いをしながら、馬車を走らせる。
私はライガの耳元で囁くように言う。
「お前は交渉材料です。ま、意味が無いとは思いますが、出来ることなら平和的解決を望んでますからね。それなりには期待してますよ。」
ライガとその先に言葉は届くだろうか…
私は自分でも驚くほどの豪快なくしゃみをする。
「うるさいですね…もっと静かに出来ないのですか?」
少女が隣で呆れたようにため息をついてハンカチを差し出す。
「そんなツンツンしててもハンカチは貸してくれるんだね。」
私がそんなことを言って茶化しながら受け取ったハンカチで鼻をかんでいると少女が言う。
「たまたま持ってたから、渡しただけです。と言うか、そもそも風邪ひいてるのに外を出歩かないでください。貴方のそう言うところ、良くないと思いますよ。」
「まあまあ、良いじゃないか。どうせ寝てるだけなんなら、なんかやってた方が有意義でしょ?」
私がそう言うと少女は大きなため息をつきながら言う。
「はぁ…まあ、どうせ言っても聞かないとは思ってましたが、もう少し私を使っても良いのでは?一応、シェラ様の契約魔族ですし…」
「あはは!私が振り切っちゃうと身体がいくつあっても足りなくなっちゃうわよ?それに…」
私はティアラの方を向いて言う。
「私は出来ることは自分でやる主義なの!だから、本当にダメな時はよろしくね!」
ティアラは呆れたように肩をすくめながらも真剣な声で言う。
「シェラ様らしい考え方ですね。でも、私としてはもう少し使ってもらっても良いとは思いますよ。使われ過ぎても困りますが、シェラ様の場合は好奇心で暴走する悪癖もありますし、ある程度は使って…いえ、頼っていただきたいです。契約魔族としても、仲間としても…」
『一応、それなりに恩義は感じてますし…』
聞こえるか聞こえないかくらいの小さな声が聞こえた気がした。
「言われなくても私は十分頼ってるよ。ティアラも私の記憶があるんだから、心当たりの1つくらいはあるでしょ?」
嘘は言っていない。
私から指示を出すことはあまりないが、頼りにはしている。
例えば、私が好奇心で暴走してる時、ティアラが周りを見てくれるし、私の暴走を止めようともしてくれる。
まあ、今のところは私が止まったことはないけど、ティアラの一言で気がつくこともある。止まらないけど。
他にも洗濯とかも私は適当にすることが多いんだけど、ティアラはちゃんと服が長持ちするように丁寧に洗ったり、シワを伸ばしたりするんだ。
そう言う苦手なところを任せるのも悪くないでしょ?
「シェラ様の怠惰な部分を支えるのも信頼の1つ…ってことですか…」
ティアラは呆れたようにため息をつく。
「そういうこと。それにティアラも私の魔法を応用したりするでしょ?私が使わなくてもティアラのおかげで意義を与えることが出来る。魔法も魔族と似ているところがあるし、意義があると言うことはとても大事なんだ!だから、そう言う意味でもティアラのことは頼りにしてるんだよ。ティアラのおかげで魔法も生まれ変われるし、私よりも扱いやすくなってるからね♪私は生まれつき魔力が高いけど、ティアラはそうじゃないから魔法の効率化をしたりもするでしょ?それって力のある私では難しいことだし、持たざる者だからこその着眼点もある。そうして、魔法が蘇るのも素晴らしいことだし、素敵な事だと思うの!」
思わず熱く語る私を若干冷ややかな目で見つつもティアラは淡々と言う。
「はいはい。そうですか…っと、そろそろ目的地の付近に着きそうですね。」
少し先には馬車があり、その隣には金髪碧眼の髪の長い少女の姿が見える。
紺色の冒険者学園の制服が少女の魅力を引きたてる。
少女が私に気がついた様子で手を振る。
「シェラさーん!こっちですよ~」
「エリスちゃん、おっはよー!」
私たちは足早に少女の元へ向かい、少女とともに馬車に乗る。
ティアラがいつの間にかかけてた治療魔法で私の風邪は治っていた。
「エリスさん、遅れてしまってすみません…シェラ様が寝坊してしまったせいで今日もこの有様です。」
ティアラがそう言うとエリスが苦笑いしながら言う。
「あはは…お二人は本当に仲がよろしいのですね。ちょっと羨ましいです。」
「絶対にシェラ様のことだけは参考にしないでくださいね。これ以上の厄介者が増えるのは困りますので…」
エリスの言葉にティアラが困ったような表情をしながら言う。
「ティアラちゃん、さすがに厄介者扱いは酷くない?」
「屋敷での出来事、全部言いましょうか?」
「あれは私の知らない罠が沢山あったのが悪いのでノーカンでしょ!」
「鑑定までしたのに?」
「鑑定も万能じゃないからね。」
「はぁ…全く…天才的なアホとはこのことですね。危機管理能力を鍛え直すことを非常に強くおすすめ致します。」
ティアラが頭を抱えながら言うとエリスが興味深そうに聞く。
「あの…屋敷って、あのシェテラエンデ様のお屋敷のことですよね?」
「そうそう。私の前世でy…」
慌てた様子でティアラがシェラの口を塞ぐ。
『ちょっと!それは秘密にするって言ってたでしょう?!相手は王族だってこと忘れたんですか?!』
そうだった!あまりに自然に馴染んでたから忘れてた!
ティアラの慌てようにキョトン顔のエリスが言う。
「シェラさんの前世でなにかあったのですか?」
「あ…え、えーっと…そ、そう!私が昔書いてた小説の舞台が大賢者様の屋敷だったんだよ~って言おうとしてたんだ!」
『ああ、屋敷のメイドと王国騎士が結婚した実話を元にした小説のことですか…確かあの二人の子供も胸が大きかったですね。なのに、私は小さいのは納得出来ません。』
ティアラが凄く不満そうに…と言うか、不満を隠すことなく言う。
…現実にそんな難癖つける人初めて見たよ。
いや、私も人の事言えない立場だったか…
弟子の一人のカリアンと一緒にアレイシアの大きさに嫉妬してたし。
「なるほど…私も幼い頃はシェテラエンデ様を題材にした恋愛小説を書いてたことがあります。私は将来は冒険者になるのが夢でしたので、各地を旅したと言うシェテラエンデ様には憧れるものがあります。どんな未知の土地を渡り歩いて、どんな景色を見てきたのか…そこで何をしてきたのか…私はその全てを知りたいと思ってますし、何よりも強くて美しい女性に憧れない理由がありませんからね!」
目をキラキラと輝かせながら語るエリスの表情は非常に楽しそうなものだった。
「そ、そうだよね。私もそんな素敵な女性に憧れちゃうよ。」
『うわぁ…自己肯定感の高い人ですね~!私もそんな人に憧れちゃいますぅ!』
反撃出来ないとわかっているせいか、白々しくティアラが言う。
私がティアラを睨むとティアラは楽しそうに笑っていた。
「もし…もしもだよ?大賢者様の生まれ変わりが目の前に居たらどうする?」
ティアラが驚いた様子で目を見開いていた。
「そうですねぇ…」
エリスは少し考える。
「今、シェラさんと話してるみたいに楽しくお話したいです。今日は喫茶店で紅茶を飲んだとか、明日はあそこに行くんだとか…そんな話をしたいです。もちろん、シェテラエンデ様自身のことも知りたいですが、それよりも今のその人としての親交を深めたいです。百聞は一見にしかずと言いますし、知りたいことは実際に見ていけば良いですからね。」
楽しそうに語るエリスの眩しい笑顔に私は胸が暖かくなったような感情を感じる。
「そうだね。私もエリスちゃんと同じかも。」
私がそう言うとエリスの笑顔の輝きが増したように感じる。
『図らずとも計画通りってわけですね。私も何も知らなければ、エリスさんのように感じていたかもしれませんね。まあ、知ってても今のような付き合いになるだけですが。』
ティアラは大きな欠伸をしていた。
「そう言えば、今日は用事があるって聞いてたんだけど…」
シェラが言うとエリスは思い出したように地図を出しながら言う。
「そうでした!今日はこの辺りのダンジョンの調査を一緒にしようと思っていたんです。なんでも未知の素材で出来た人形のような物が見つかったと言う話でして…」
この時、一瞬だけ機巧少女のことを思い出した。
ディアも未知の素材で出来た存在だった。
これを知るのは私とカリヤとティアラだけだ。
そんなことを考えるとティアラは無関心っぽく振る舞いながら言う。
『シェラ様、これは間違いなくディアさんと何か関係がありますよね?』
『どうしてそう思ったの?』
『眼に映ったものをほんの少しだけ見たと言うのもありますが、ディアさんの時と同じ感覚があるのです。』
『なるほどね。それなら、ティアラちゃんの言う通りかもしれない。でも、私はまだ知らない何かを断定することはしないよ。』
『シェラ様なら、そう言うと思ってました。だから、私はこの前提条件の元に考察してみようと思います。』
私はニヤリと笑う。
「そうだね。気をつけて行動しないとね。」
私がそう言うと同時に馬車が止まる。
「魔力検知。囲まれたようです。」
ティアラが声を潜めながら言う。
周囲には賊らしき影が見えた。
「パァン!」と発砲音がすると同時に馬に乗っていた頭を撃ち抜かれた業者が血を吹いて地面に落ちる。
「これは…厄介なことになりましたね。」
エリスが嫌そうにこっそりと馬車の外の影を見る。
私はティアラの魔力感知で周囲の敵の位置を正確に特定する。
「やったか?」
男の声がする。
「なんてことはねぇ。一撃だ。」
おそらく操縦者を撃ったであろう男が言う。
私はティアラに言う。
『ティアラちゃん』
『わかってます。』
ティアラは小さく頷く。
傍から見ると別々の方向を向いたまま頷いている私とティアラの様子を見たエリスが首を傾げていたが、それどころではない。
私は馬車の中にあった布に魔法をかけて人形を作る。
3体作った人形は私たちに肌の質感や目の色、髪の色や質感、身体の特長の全てが一致する精度だ。
ティアラが言う。
「本当に見分けがつきませんね。」
私は命令をする。
「賊には殺られること。後はそのまま待機よ。」
私はティアラの能力で3人の存在を希釈する。
通常の擬態魔法などで姿を消すのと違い、自他ともにありとあらゆる干渉が不可能になるかわりに如何なる感知でも認識出来ないと言う隠れることにおいては最強の能力だ。
賊の男が馬車の中に入ってくるが、寝ている私たちを見てニヤリと笑う。
「ヘヘッ…こりゃ良いや。女は高く売れるし、ガキであれば尚更だな。」
人形が起きる。
「むぐぐ?!」
「危ねぇ危ねぇ…」
賊の男がシェラの口を塞ぐ。
人形と人形が目を開ける。
「おっと。動くんじゃねぇぞ。動けば頭が吹き飛ぶぜ?」
男がティアラとエリスに言う。
エリスが情けなく「ヒイッ…!」なんて声を出す。
ティアラは睨みつけながら言う。
「なんて卑劣な…」
ティアラが剣を抜いた瞬間だった。
「えっ…」
ティアラの頭が馬車の床に落ちる。
遅れて綺麗な赤が噴き出す。
ティアラの目がシェラと合う。
エリスは当然のことに驚いて声を出そうとするが、上手く声が出ない様子だった。
「だから言ったろ?動けば頭が吹き飛ぶってよお!」
いつの間にか縄でシェラを縛った男の剣には見覚えのある紋章があった。
「おっと。いけねぇ…」
シェラが紋章を見ていたのに気がついたのか、男はそれを隠すようにしまう。
「その紋章は…」
エリスが小さく呟くと男が言う。
「チッ…めんどうだな。」
男がマントを脱ぐ。
すると剣にあった紋章と同じ紋章の鎧が現れる。
「俺はグライベルの王国兵だ。お前らみたいな哀れな女を狙って襲うのさ!」
男がエリスの顔を舐めるように見る。
『許せない…』
私はティアラが飛びかかりそうになるのを宥める。
エリスが涙目で睨みながら言う。
「王国兵がこのようなことをして許されると思っているのですか!」
「ハハッ!こいつは面白ぇ!許されるも何も王様直々のご命令だぜ?恨むんなら、己の運の無さを恨むんだな!」
男がエリスに掴みかかった瞬間だった。
「へぇ?グライベルって、そんなに落ちぶれたんだ~」
ティアラが能力を解除したことにより、私の姿が見えるようになる。
「んな?!いつの間に!」
男が驚いていると背後にエリスが現れる。
「隙だらけですよ!」
エリスの剣が男の背中を斬り割く。
「がぁ!?」
男が倒れると同時に血溜まりができる。
人形の私たちが起き上がり、男を抑え込む。
「さてと…」
私は男に回復魔法をかけて背中の出血を止める。
「お前…俺の仲間はどうした!」
男が今にも飛びかかりそうな勢いで言う。
「さぁ?外で寝てんじゃない?」
私が指を「パチン!」と鳴らすと馬車の入口から見える外の景色が変わる。
「嘘だろ…」
男の視線の先には私の作り出した人形に抱えられた兵士たちの姿があった。
「良かったな。無事にお仲間さんに会えたぞ?」
私は見下ろす様に男を見る。
男は怒りに震えていたが、私の目を睨むとその表情が徐々に恐怖へ塗り替えられていく。
『なんて冷たい目なんでしょう…シェラ様にあんな目を向けられたら、常人なら失禁してしまいますね。』
ティアラはニコニコと微笑んだまま言う。
『うん。ティアラちゃんも怖い顔してるよ。』
『あら?心外ですわ。私は至って平常ですわよ?』
もちろん、顔は優しく微笑んでいるが、目が全く笑っておらず、確かな怒りを感じる視線だった。
「グライベルの兵士さん、貴方のお名前をお聞かせくださいな。」
エリスが優しげな声で言う。
表情も柔らかく雰囲気も優しいため、男が少し安心したかのような表情になる。
「名乗れねぇよ。俺にその権利はねぇんでな。」
私は人形を使って男の頭を鷲掴みにする。
「次、舐めた口聞いたら、その頭潰すぞ。」
男が恐怖で震える。
「もう一度だけ、聞きますね。貴方のお名前はなんですか?」
エリスが優しげな声で言う。
よく見ると目は冷徹そのものだったが、よく見ないと分からないほどには自然な優しい笑顔だった。
「…俺はライガです。グライベルの第二騎士団をやってます。」
男が観念した様子で言う。
「そう…ライガさんと仰るのですね。」
エリスは一枚の紙を取り出すとライガの情報を書き記す。
「もう一つ質問しますね。ライガさんの情報はこれで合ってますか?」
エリスが紙を見せるとライガの表情が一瞬で凍りつく。
【ライガ・ユーティアス 職業:王国軍軍団長】
家族構成:姉が1人、妹が2人、弟が5人。
両親は既に他界。
グライベル王家直属の軍団の長であり、表向きは「第二騎士団」の構成員の一人となっている。
国王命令で行商人や旅の馬車から金品の強奪や女性の誘拐を行っている。
誘拐した女性を奴隷として販売することで生計を立てている。
家庭環境は貧しいが、姉兄の仲は良い。
「…ライガさん?」
ライガはビクッと身体を震わせる。
「あ、あぁ…合ってます…」
「なら、良かったです。」
紙に書き記された情報はエリスの権能の1つ、記憶の巡り合わせの権能の効果によるものだ。
エリスには2つの権能があり、この権能は通常の能力とは違い、妨害や防御手段が無く、対抗するにはより力のある権能持ち以外では対抗出来ないとされる上位能力だ。
記憶の巡り合わせの権能は対象者のありとあらゆる情報を強制的に集約させる権能であり、簡単に言えば、対象者の情報を全て知ることが出来るのだ。
ちなみにシェラには権能は存在しないので、シェラが記憶の巡り合わせの権能を使われれば、大賢者の生まれ変わりであることもわかってしまうと言う大賢者でも対抗策を持ってないのが、権能と言う特殊能力なのだ。
エリスは立ち上がって私に言う。
「もういいですよ。」
私は頭部が修復されたティアラの姿をした人形の中にライガを閉じ込める。
ただし、顔は外が見えるようにしている。
位置的にはちょうど胸の辺りだ。
私は人形たちに指示を出す。
「皆、そいつらを取り込んじゃって!」
全ての人形がシェラの指示で兵士たちを完全に体の中に取り込み、その兵士たちの姿になる。
私たちを象った人形はライガを取り込んでいるティアラを象ったもの以外は元の布に戻る。
私はライガを馬車の外側に向かせる。
「よいしょっと…」
私が異空間から業者を出す。
「貴方には、まだ仕事があるわ。」
私がそう言うと業者が震える。
「まさか、アーミアのお抱え業者ともあろう方が賊と繋がっていたなんて思いもしませんでしたよ。」
エリスが残念そうに言う。
「仕方ないよ。エリスのおかげで彼女の娘はグライベルに捕らわれているってわかったんだしさ。」
私がそう言うと業者は震えた声で言う。
「お願いします!私のことはどう処分していただいてもかまいません!ですが、どうか娘の命だけはお助け下さい!お願いします!」
私はエリスを見る。
「貴方のしたことは到底許されることではありません。それが例え貴方の意思ではなくても…」
エリスが静かに諭すように言う。
「ですが、貴方の娘は助けることは約束しましょう。」
「ありがとうございます!ありがとうございます!」
私はライガにも聞こえるように言う。
「それでは、ヴェルエス大森林を通ってグライベルに向かいましょうか。業者さん、よろしくお願いしますね。」
私は兵士たちを取り込んだ人形を全て地面の中に待機させる。
全て生きているが、「仮死」状態にしているため、生き埋めとなっていても問題はない。
そもそも、仮死状態じゃなくても大丈夫なようにはしてあるのだけれど…
そんな人形の様子を見て業者が身震いをしながら、馬車を走らせる。
私はライガの耳元で囁くように言う。
「お前は交渉材料です。ま、意味が無いとは思いますが、出来ることなら平和的解決を望んでますからね。それなりには期待してますよ。」
ライガとその先に言葉は届くだろうか…
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