元チート大賢者の転生幼女物語

こずえ

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記憶の断片

少女、絡まれる。

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「よし。今日もバッチリ!」

私は袖に白いリボンの着いた淡いピンクのキャミソールにホットパンツ姿の自分を鏡で見て言う。

「しかし、こうして見ると生まれ変わった私も可愛いよね。まさに完璧で究極って感じ!」

「完璧で究極の大賢者様は身支度が遅いのじゃ。」

私は突然背後から聞こえた声に驚いて振り返る。

「アレイアちゃん!?いつからそこに!?」

シャタルアは大きなあくびをしながら言う。

「シェラがとか言ってた時からじゃな。」

「それ初めから居たじゃん!めっちゃ恥ずかしいんだけどぉ?!」

実はここまでに2時間は経ってたのだが、シェラは服を選ぶのに夢中になってた為、全く気がついていなかったのだ。

カリヤが部屋に入ってきて言う。

「シェラさん…準備出来たの?」

カリヤはカリヤで薄いシャツに短パンと言う真夏の男子みたいな格好をしていた。

若干透けてるので、絶対にこのままではダメなやつだと思う。

「ちょっと待って!カリヤ、その姿で街に出ようとしてない?!」

「ダメ?」

カリヤはコテンと首を傾げながら言う。

「ダメも何も昨日あげた下着も着てないじゃない!」

私が勢いよく言うとカリヤがちょっと申し訳なさそうにしながら言う。

「暑いからこれくらいが良いんだけど…後、あれはキツくて入らなかったよ。」

「えっ…私の持ってる中で一番大きくて、私が着るとブカブカなのに…」

私がショックで肩を落としているとシャタルアが追い打ちをかけるように言う。

「カリヤちゃんはシェラと違って、そこそこ大きいもんな。良ければ、我のでも使う?って言っても、ちょっと前の小さい時のやつだけど…」

「うぅ…チクチク言葉はんたーい!言葉の暴力はんたーい!」

私は泣き真似をしながらシャタルアに抗議する。

「シェラが遅いのが悪いのじゃ。少しくらいチクチクしたって文句はあるまい?」

シャタルアが冷たい声で言う。

「服、着替えないくせに…」

私がボソッと言うと食い気味にシャタルアが言う。

「いや、着替えておるぞ!?同じ服が多いだけじゃからな!?」

「ほんと?たまにちょっと臭う時あるけど…」

「え?マジで…3日に1度は洗ってるのに…」

シャタルアはかなりショックを受けた様子でガックシと肩と顔を落としていた。

「じゃあ、今日はアレイアちゃんとカリヤの服を買うついでに武器も買いに行こうか!後はギルドに寄って…それからそれから…」

私がそんな感じで計画しているとカリヤが少し困った様子で言う。

「あ、えっと…ギルドには早く行った方が良くない?」

「それもそうね!じゃあ、アレイアちゃんの下着を剥ぎ取って行きましょうか!」

私が笑顔で手をワキワキさせながら、シャタルアに近づくとシャタルアが勢いよく言う。

「いや、我の下着を剥ぎ取ろうとするんじゃないのじゃ!後、その気持ち悪い手の動きもやめるのじゃ!」

「お?またチクチク言葉を吐いたわね?可愛い美少女に向かって気持ち悪いだなんて重罪よ!」

私がビシッとそう言うとカリヤが少し考えながらノリノリで言う。

「えっと…死刑じゃー?」

「うっそ…カリヤちゃんもそっち側?!」

シャタルアはガーンと言う音が聞こえそうな表情をする。



「さてと…」

私の目の前には全裸にされたシャタルアとシャタルアの少し小さな下着を着たカリヤが居た。

「ほんとに身ぐるみ全部剥がされるとは思わなかったのじゃ…」

シャタルアはどことなく遠くを見ているような目をしていた。

「まあ、ちょっと臭ってたってのもあるけど、さすがにずっと同じものを着てるのももったいないでしょ?」

「やっぱり、臭ってたんかい!」

私の言葉にシャタルアが勢いよく反応する。

「少し熟成された臭いがした。」

「めちゃくちゃ最悪なやつじゃないか!」

そんな漫才をして、シャタルアの服を選ぶ。

「あの…シェラさん?下着がキツいんですけど…特に胸が…」

シャタルアがなんか困った顔してるけど、私は気にしない素振りで言う。

「仕方ないでしょ。アレイアちゃんの服が魔法を受け付けないし、洗濯の魔道具で洗うしか無いもん。文句ある?」

「…ないです。」

シャタルアはしょんぼりしていた。

「ま、これから買いに行くし、それまでは我慢しなさいな。さすがにいくら脳筋裸族の魔族でも下着はつけないとダメでしょ?」

「脳筋裸族って…なかなかの言われようじゃのう。まあ、否定はせんが…」

私の言葉に呆れたようにシャタルアは言う。


魔族は強い肉体こそ正義!って考えのヒトが多いのだ。

故に身体を隠すような服などを着るのを嫌がる傾向にある。

ちなみにシャタルアはシェテラエンデの教育のおかげで、普通の魔族よりは服を着る。

その為、他の魔族からはかなり異端児扱いされているんだそう。

ただし、実力は序列2位なので、とんでもなく強いわけではある。

序列1位はシャタルアと同じ自分の領地を持たない魔王で名前も偽名を名乗っており、何処にいるか分からないんだそう。

その名はクラーケンだが、イカの魔族ではないらしい。

ややこしい名前しやがって…


「シェラさん…ギルド…行こ!」

カリヤが嬉しそうに尻尾をピンと立てて、私の右腕にしがみつく。

「はいはい。わかってるわよ。ついでだから、アレイアちゃんも着いてきなよ。」

「ついでって…まあ、良いのじゃが。」

私たちはそんなやり取りをしながら家を出る。

「あ、そうだ。結界張っとかないと…」

念の為に結界を張る。

「相変わらず、シェラは結界を張るのが好きじゃのう。」

変身魔法で角を消して人間と同じ姿になったシャタルアが言う。

「知らない間に誰かに入られたくないし、それに防御魔法の良いトレーニングになるのよ?」

私はそう言ってギルドに向かい始める。

シャタルアも着いてくる。

カリヤは少し先で食べ物を見ていた。

「防御魔法のトレーニングねぇ…我ら魔…我らの種族ではなかなか使わないものなんだけどねぇ…」

シャタルアが思わずと言いかけて、別の言葉に言い換える。


魔族と人間が共に暮らせるようにはなったが、まだまだ高位の魔族は恐れられる存在なのだ。

もちろん、魔族が武を尊ぶ種族であるが故に武力行使が多いためでもある。


「いざと言う時に使える手札はある方が良いからね。それに寝込みを襲われないようにするにも使えるし、わりと便利なのよ?」

「ああ、寝てても守れるって、そう言うことだったのじゃな。」

私の言葉に納得したようにシャタルアは言う。

「まあ、自立魔法陣とかあるから、それだけでは無いんだけどね。」

そんな話をしていたら、ギルドの前に着く。

「シェラさん、食べ物貰ってきた。」

両手一杯に食べ物を抱えたカリヤが言う。

「それじゃあ、後でお礼言いに行かないとね。」

「うん!」

それらをバックの中に入れて、ギルドの中に入る。

「うわぁ…キラキラ…いっぱいだぁ…!」

色とりどりの輝くステンドグラスが陽の光を受けて室内を彩る。

私は2人を連れて受付に向かう。

「すみません。適性検査を受けに来たんですけど…」

受付の犬の獣人の女性が嬉しそうに微笑みながら尻尾を振って言う。

「あら、シェラちゃん、いらっしゃい!それで、適性検査を受けるのはどの子なの?」

「メイリーンさん、こんにちは!今日はこっちのカリヤに適性検査を受けさせていただこうと思ってまして…」


女性の名前はメイリーン、このギルドの受付嬢の中でも若くて愛想が良くて可愛いと評判の受付嬢だ。

実は私が初めてここに来た時の受付も彼女だった。

彼女はエールから話を聞いている為、私の秘密を知る人物である。

そして、彼女はエールによって、私の専属の受付嬢になっているのだ。


「そうなの?じゃあ、カリヤちゃんも私が担当しちゃお!ささ、こっちだよ!」

メイリーンがカリヤを右手を持って奥の部屋に連れて行こうとするが…

「ヒッ!」

カリヤが驚いて飛び退いてしまった。

「あ…その…ごめんなさい…」

驚いて目を丸くしていたメイリーンの様子を見てカリヤが謝る。

「すごい…私、一応Aランクの資格があるのに、油断してたとは言え、その私が反応出来ない速さだった…」

メイリーンは手を胸の前でギュッとすると言う。

「シェラちゃん!私とパーティ組みましょう!私、ワクワクが止まらないです!」

「おいおい。それは困るなぁ?」

メイリーンが興奮した様子で言うとガラのわるそうなハゲ…スキンヘッドの大男がやってくる。

「貴方は…誰でしたっけ?」

メイリーンは尻尾を下げて首を傾げる。

「おいおい。俺様はBランクの強くてイケメンなブァレス様だっていつも言ってるじゃないか、メイリーンちゃん。」

ブァレスはメイリーンの肩に手を触れようとする。

一瞬、メイリーンが後退りする。

私はメイリーンが嫌がってると思い、防御魔法を使って彼の手を止めて彼の前に立つ。

「テメェ…邪魔すんじゃねぇ!」

「メイリーンさんが嫌がっています。貴方に触れる資格はありません。」

私が言うとブァレスは顔を真っ赤にして言う。

「このガキ…ぶち殺してやる!」

そう言うといきなり背中に背負っていた大斧を叩きつけて来る。

私はメイリーンを抱えながら、その攻撃を避ける。

私たちがいたところの床にはかなり深い衝撃の跡が着いていた。

(なんて馬鹿力なのかしら…)

ブァレスはメイリーンを見て言う。

「チッ、逃げ足だけは早いガキだ。メイリーンちゃん!君の為に俺様、戦うよ!待っててね!」

メイリーンは心底嫌そうな表情をしていた。

私はメイリーンに防御魔法をかけて、周囲の野次馬にも被害が出ないように結界を展開する。

「メイリーンさん、彼を落ち着かせる為に戦います。よろしいですか?」

「えぇ、思いっきりやっちゃって!」

ブァレスの振り下ろされた大斧を強化した身体で受け止めて言う。

「了解しました。」

私はそのままブァレスの大斧を風の魔力でブァレスごと吹き飛ばす。

「グッ…ちったぁやるようだな!」

「そうでしょう?まあ、貴方は言うほどでは無いと思いますね。」

「このガキ…やっぱりぶっ殺す!」

ブァレスが身体強化技能ウォークライを発動する。

ブァレスから殺気が放たれているが、私にとっては弱い犬が吠えているだけだ。

私は左手を前に突き出して指を曲げて言う。

「ならば、本気で来なさいな!」

私が言うと野次馬たちの中から賭け事をする声が出る。

カリヤとシャタルアは受付の前でじっとしていた。

「後悔させてやる!ブレイブスラッシュ!」

強化された身体と技能スキルによってより破壊力の増した大斧が横薙ぎに振るわれる。

「このまま受け止めても面白いですが…」

私は腰を落として頭を低くする事で大斧の攻撃を避ける。

野次馬たちの中から驚きの声が出る。

「この!」

ブァレスが瞬時に私を蹴り飛ばそうとする。

私はそれを見切って体を戻す勢いで後ろに飛ぶ。

蹴りが空振り、ブァレスが一瞬よろめく。

「そこだ!」

私はブァレスの一瞬の隙をついて、着地と同時に足をバネのように使って突進し、ブァレスの体に体当たりをする。

「オガッ!?」

ブァレスは間抜けな声を出して倒れると同時に大斧を落とす。

私はブァレスが動き始める前に大斧を拾って、その刃を彼の首元に突きつける。

「これ以上の抵抗はやめなさい。さもなくば、死にますよ。」

私の殺気を込めた言葉にブァレスは泡を吹いて気絶してしまった。

「うわ…こいつ、失禁してるじゃん…最悪なんですけどー!」

私はブァレスの失禁水を回避する。

結界を解除するとギルド内が様々な声で大騒ぎになる、

「くっせぇ!」「うわっ!押すな!」「誰か!清掃員呼んで!」
「ひー!負けたァ!」「よっしゃあ!俺の勝ちだ!」
「あの子強いな!」「ブラボー!」
「技能も魔法も無しで倒しやがった!?」

私が受付の前まで戻るとメイリーンが飛びつくように抱きしめる。

「シェラちゃん、すっごーい!ほんとに強くて可愛くて最っ高だよ!あいつ、すっごく執拗いし、臭いから嫌だったんだけど、シェラちゃんのおかげでスッキリしたよ!ありがとう!」

「あはは…メイリーンさんを守る事に注力しすぎちゃいました。」

「あ~ん!そんな事言われると照れちゃう~!こうなったら、絶対に私とパーティ組んで貰うからね!ランクが決まったら、真っ先にパーティ申請しちゃうよ!」

そんな感じでワイワイとしていたら、ギルドの扉が開く。

「なんだなんだぁ?!やけに騒がしいじゃねぇか!」

「おー!エールが帰ってきたぞー!」
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