元チート大賢者の転生幼女物語

こずえ

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記憶の断片

少女、冒険者になる。

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私は深く息を吸い、静かに言う。

「今の私はシェラ・アルフェルンと言う名の…ただの10歳の少女です。そして、先程の魔法は古代魔法の一種でもある弾幕魔法バレット光球ライトです。生活魔法のライトと違い、殺傷性…攻撃の効力があります。」

嘘は言っていない。

そもそも、なのだ。

生活魔法はその性質上、封印魔法ロストでも封印する事は不可能であり、如何なる魔法阻害効果も受け付けない代わりに、攻撃の効力は全くないものなのだ。

それは例え、大賢者シェテラエンデであっても覆されることはない。

それがこの世界の理、絶対的なルールだ。

全知全能の神でもこの理からは逃れる事は不可能である。

つまり、当然ただの生まれ変わりであるシェラにも生活魔法では攻撃が出来ないわけだ。

ティアは何も言わずに私に近づく。

「ティア!」

エールが剣を抜こうとする。

おそらく、洗脳魔法コンフューズだと思ったのだろう。

そして、ティアは私の目の前で立ち止まって言う。

「今まで忘れてたけど、シェラはあのシェテラエンデ様の一族の一人なんだ。そりゃあ、強いに決まってるさ。それに…」

ティアが私の左肩に手を置いて、エールを見る。

「シェラは年齢のわりに魔物の前でもリラックスしてるし、例えシェテラエンデ様との直接的な繋がりがなくても、その実力は本物だ。あの魔法の効力からもシェラがその気になれば、私もお前も一瞬であのゴブリンどものように消せるはずだ。そんな相手を敵にしたく無いだろう?まずはじっくりと話を聞いてからだ。その後で判断すればいい。」

「ティアさん…」

エールが渋々と言いたげに武器から手を離す。

「話は聞いてやる。だが、俺の判断はそう簡単には変わらんぞ。」

私は少しだけ深呼吸をする。

「では、私の事をもう少し詳しくお話します…実は私はシェ…」

私が言いきる前に大きな揺れが起き、私たちはその場で周りを警戒しながら、ティアとエールが私を連れてダンジョンから脱出しようとするが、間に合いそうもなかった。

「ティアさん、エールさん、こっちに来てください!」

私はシェテラエンデの時に作った特別な空間への入口を開ける。

2人が駆け込んできて、私が入口を閉じた瞬間にとてつもなく大きなミミズのような何かが真上に登っていくのを見た。

絶対不可侵の空間の中からはある程度外が見えるようにしているのだ。

「今のは…ミミズかしら?」

私がポツリと呟くとエールが言う。

「おいおい…こんなところでAランクモンスターのが出るなんて聞いてねぇぞ…一旦撤退した方が…」

「第一の門…解錠…」

私は始まりの王の扉を開く。

その力はありとあらゆるものの心を奮い立たせ、傷を癒し、身体能力をあげる能力がある。

ティアが焦った様子で言う。

「お、おい!いくら、お前が強くてもソロであんなのに勝てるわけ…」

私は真剣な顔でティアを見る。

「まず初めに、一つだけ嘘をついていました。ごめんなさい。私はただの少女ではありません。シェテラエンデそのものです。詳しい事は後で話します。終わるまでここで待っててください。」

「あ、おい!」

エールの声を置き去りにして、私は空間の扉を開けると即座に飛び出して、大地を喰らうモノミミズに軽く火の玉を投げる。

軽く注意を引くつもりで投げた火の玉だったが、思いのほか焼けてしまったようでミミズが痛そうに身を捻って、こちらを向く。

「やい!デカミミズ!この大賢者様が相手してやるぞ!!」

『ギャアアアアアアス!』

私が挑発するとミミズが咆哮をあげる。

私の小さな身体が吹っ飛びそうになるが、魔力でなんとか耐える。

「やっぱ…小さいと軽いから、門を解錠してても飛ばされそうになるわね。」

私は大地を喰らうモノだいちをくらうものと対峙する。

大地を喰らうモノが魔力を貯め始めるのを感じる。

「そこだっ!魔破壊ブレイク!」

大地を喰らうモノの身体が内側から爆発する。

『ギャアアアアアアアアアア?!』

大地を喰らうモノは何が起きたのか訳が分からない様子だった。

それもそのはずだ。

この魔法は相手の魔力を利用した耐性無視レジスト・スルーの絶対必中の爆裂魔法なのだ。

これは一歩間違えば自分さえも爆発させてしまう危険な魔法であるが故に私が後世に受け継がなかった私だけの魔法なのだ。

その危険度はこの星は当然の事ながら、この世界そのものを破壊する事も可能なほどに危険過ぎる魔法なのだ。

だから、この世の誰もこの魔法の発動の方法を知らないし、五大神官の私の弟子たちも知らない魔法なのだ。

大地を喰らうモノは苦しそうに悶える。

「これでおしまい!紅蓮に燃え盛れ!火球フレイム!」

私の振り払った右手から火の玉が一直線に飛んでいき、大地を喰らうモノを一瞬で焼き尽くす。

私は魔破壊と火球によって溶けかけた大地を喰らうモノの魔石を手に持って言う。

ただし、その影響はほとんど魔破壊の効力の影響だと言っても過言ではない。

「危ない危ない…また魔石を壊しちゃうところだったわ。ちょっと溶けてるけど…」

空間の中から出てきたティアが言う。

「シェテラエンデ様…いや、シェラの力は凄いな。現状最高ランクのA級冒険者が束になってかかっても倒せるか分からない程の相手を一瞬で跡形もなく焼き尽くすんだもんなぁ…そのうえ、A級モンスターの魔石すら溶かしかけてるもんな。」

ほんとに少女の身体で記憶を取り戻してから、魔力感覚が狂ってる気がする。

おそらくだが、この少女の身体は前世の私をも軽々と超える魔力を持っていると言っても過言ではないんじゃないかな?

…まあ、私の時代には、この程度なら初心者向けモンスターみたいな扱いだったんだけどね。

魔法も初級魔法しか使ってこないし、身体も柔らかいから、基本的には倒しやすいんだ。

後から空間から出てきたエールが頭を掻きながら言う。

「さっきは無礼な対応して悪かったな。だが、なんで今のシェテラエンデ様がそんなちっこい姿なのか説明はしてもらうぜ。それと嘘をついた理由も…な。」

「嘘をついた理由は余計な混乱を防ぐ為よ。それに対応については仕方ないわ。でも、そうね…」

私は深呼吸する。

これはシェテラエンデとは全く関係ない、普通の少女シェラの癖だ。

大事な話の時はよくこうしていた。

「私自身も具体的な事は全くわからないのだけれど、転生したみたいなの…転生については、私もわからないから、とにかくシェテラエンデの家に行く事が今の私の目的なの。私の…いや、大賢者たちが遺した物があるかもしれないし、そこで少しでもなにかわかればいいと思ってたのよね。」

そこまで言って、私は「あ!そうそう…」と思い出す。

「今の私はただのシェラです。だから、そのように扱って下さいね。それと、私がシェテラエンデの生まれ変わりである事は秘密にしてください。嘘をついた理由として述べたように余計な混乱を招きたく無いですし、今の私はただのシェラと言う名の少女ですから…絶対に誰にも言っちゃダメですよ。」

私は最後に二人に念を押す。

エールが恐る恐る言う。

「もし言ってしまったら、どうするんだ?」

私は何も考えずに笑顔で言う。

「人を見る目はあるつもりです♪」

何故かティアとエールが生唾を飲む音が聞こえたが、多分気のせいだろう。

私は残りのゴブリンの魔石を集めて、ついでにその場に居たヘビのような見た目のAランクモンスターの尾鳴りの蛇を倒して、ティアとエールと共にギルドに戻る。



大地を喰らうモノと尾鳴りの蛇の魔石を出すと受付の女性が信じられないものを見たと言う様子で言う。

「…失礼ですけど、これはほんとにシェラさんが一人で倒したものですか?」

私の代わりにエールが答える。

「もちろんだ。俺もティアもその現場をこの目で見た。お前さんもその大地を喰らうモノの魔石の状態を見れば、よくわかるだろ?」

「え、えぇ…だから、私もとても驚いているのですけど…」

二人のやり取りを聞いて周りの冒険者達がザワつくがエールがひと睨みすると静かになる。

受付の女性が私に言う。

「シェラさんの試験自体は合格ですが、通常はこのような事はありませんので、所属階級をここのギルド長のエールや他ギルド長とも相談して決めるように手配します。」

エールはにやりと笑って言う。

「当然、こいつは文句無しのCランクだ!本当は最高ランクのAランクにしたいところだが、Bランク以上になるには条件があるからな。その条件さえなければ、1000年前まであったとされる伝説のXランクでも差し支えないはずだぜ。ほとんどの者はこの大地を喰らうモノの魔石で賛成するだろうが、全員の賛成が必要だからの説得はめんどくさそうだな。」

「あの…」

私がそう言うとエールが私を見る。

「他の冒険者の皆さんの視線が…」

エールが周りの冒険者達を睨むと冒険者達は一斉に顔を逸らす。

しかし、皆、この異例の事態の元凶に興味があるようだった。

「それはすまなかった。」

エールはそう言うと思い出したように真っ白なカードを取り出す。

「こいつはギルドカードと言って、シェラが冒険者である事を証明するものだ。もちろん、持ったら所持者の魔力に応じて内容が変化する様になっているから無くさないようにしてくれ。」

私はギルドカードを持つ。

ちなみに冒険者の階級は小さい順にF→E→D→C→B→A→S→X→Zとなっているんだそう。

ただし、現在使われているのはAランクが最高ランクでその上のSは100年に一度くらいは到達出来る可能性が高い者が現れるそうだが、Xランクに限っては1000年以上も現れてないそうだ。

モンスターの階級も同様で現在はF~Aランクである。

ちなみに大英雄で大賢者だった最盛期のシェテラエンデでもXランクなので、Zランクになるには自力で現人神あらひとかみになるくらいは余裕で出来るレベルにならないといけないと聞いたことがある。

大賢者の頭脳を持ってしても、Zランクについてはそれくらいの情報しか分からないほどに高いランクなのだ。

ギルドカードが白い光を放ってに変化して内容が刻印される。

名前:シェラ・アルフェルン(水属性)
称号:期待の超新星
年齢:10歳(秘匿)
性別:女(秘匿)
冒険者ランク:
職業:無し

「これが…ギルドカード…なのでしょうか…」

エールが説明する。

「それがシェラのギルドカードだ。青色に変わったのは、シェラの魔力が水属性だからだな。秘匿の文字がついてるところはシェラと俺たちギルドの関係者以外には見る事が出来ない情報だ。今はランクが未定だから、ランクのところは空欄になっていると思うが、後で俺が刻印する様になっているから、今日はゆっくり休んで5日…いや、3日後まで待ってくれ。」

魔力には生まれつき、属性がある事が多いんだそう。


その属性が適正属性となり、対応する属性の効力を跳ね上げ、逆に水なら火に強いと言った反発属性や水に強い土属性のような逆属性は効力が激減するとの事。

ちなみに各属性については以下の通りに相性が定められている。

火属性→風属性に強く、水属性と空間属性に弱い。反発属性は風、逆属性は水。

水属性→火属性に強く、土属性と空間属性に弱い。反発属性は火、逆属性は土。

土属性→水属性に強く、風属性と空間属性に弱い。反発属性は水、逆属性は風。

風属性→土属性に強く、火属性と空間属性に弱い。反発属性は土、逆属性は火。

空間属性→全属性に強く、時属性に弱い。反発属性と逆属性は無し。

時属性→空間属性と互いに弱点をつきあう。反発属性と逆属性は無し。

次に職業については、冒険者としての職業…通称ジョブについていると対応したステータスに職業補正が乗って、ステータスが変化するらしい。

例えば、私だと魔道士になれば、今よりももっと魔法の効力を上げられるが、肉弾戦に弱くなると言う感じで様々な補正がかかるらしい。

また冒険者の職業につくには冒険者に正式に登録された後に職業を選ぶか、転職の申請をして特定の条件をクリアする必要があるらしいが、この辺りについては職業につく時に詳しく教えるとの事だ。

余談だが、シェテラエンデの時代では職業は存在し無かったシステムなので、こう言った誓約をかけることに長けた者が居たのだろうと思う。

少なくとも、シェテラエンデの時代には誰も思いつかなかった事だ。


「それとこいつも渡しておこう。」

エールはそう言って金色に輝くカードを取り出す。

私はそれを受け取ってポーチに入れる。

「そいつはマネーカードって言ってな。自動で所持者のお金の管理をしてくれる優れものだ。試験突破の報酬金とモンスター討伐の報酬金もそこに入っているぞ。このカードは五大神官のグレイス様が開発したカードだそうだ。その中でもそれはグレイス様が使用していたものだな。まあ、俺よりシェラの方が有効に使えるだろうからな。」

後で知ったが、エールはグレイスの一番弟子でその実力はA級の中でも最高峰の実力なんだそう。

グレイスは大雑把な龍族ドラゴンであるにもかかわらずかなりお金に厳しかったんだよね。

私はこのマネーカード?なるものの存在は知らなかったけど、こういう事を考えるのはアイツの得意分野だし、自分のものは黄金にするのもアイツらしいや。

そんな事を思いながら、私は笑顔で言う。

「ありがとうございます!大事にします!」

私は所持金を確認する。

シェラ・アルフェルン
総資産:121006500ゴルド
履歴:不明な所持金(+3000ゴルド)
冒険者試験突破(+3500ゴルド)
大地を喰らうモノの討伐報酬金(+110000000ゴルド)
尾鳴りの蛇の討伐報酬金(+11000000ゴルド)

「へあ?!」

思わず驚いて変な声が出てしまった。

お金に関しては全くの無知の私でも知ってるのが、1000万ゴルドですら、国家予算と同等レベルの金額であり、それが1億2000万ゴルド以上あるのだ。

今までの10年間はもちろんだが、前世でも見たことの無い金額なのだから、無理は無い話だろう。

まあ、そもそも前世ではゴルドなんて、私たちの中ではグレイス以外は興味を示さない物だったしね。

グレイスはいろんな商売や取引でゴルドを集めるのが好きだったし、純粋にゴルドのやり取りを楽しんでいたんだ。

他の弟子たちは欲しいものは自力か物々交換で手に入れてたんだ。

私は弟子たちや村人からの贈物でまかなったり、足りなければ自分で育てたり、狩りに行ったりして素材の確保とかしてたんだ。

そんな私の様子を見てエールが言う。

「それくらいお前は凄い事をやっただけさ。本来なら、もっと支払われてもおかしくないのだがな。」

「本来なら?」

私が首を傾げるとエールが言う。

「あぁ…国防軍と冒険者以外が倒すと高ランクであるほど報酬金の割合が少なくなるんだ。これは一獲千金を狙って命知らずの討伐を防ぐ事や密猟の防止、さらには反社会的勢力に大金が渡るのを防ぐ目的がある為だな。だから、シェラも冒険者試験中は冒険者では無いから、指定のモンスター以外は報酬金が少なくなっているんだ。ちなみに大地を喰らうモノは10倍ほどは高くなるぞ。」

「そ、そうだったんデスネ…」

それでも余裕で国家予算レベルのお金にはなるのだから、恐ろしい世界である。

これだけでも一生どころか三生くらい遊んで暮らせるほどの大金だが、これより多くなると考えるだけで頭がおかしくなりそうなので考える事はやめた。

そして、そんな私にエールがさらにとんでもない発言をする。

「そうそう。お前には特別に俺から家をプレゼントしてやるぜ。命を救ってもらったお礼さ。気にせず遠慮なく使ってくれ。」

私はもう驚きすぎて放心状態になる。

「オ、オウチマデ…モラッチャッタ…」

そんな私の様子を見てティアが言う。

「エール、一度に与え過ぎだ。シェラの頭が処理しきれなくて変な喋り方になっちまってるだろ。」

「おう。なら、家を見たら、今度はぶっ倒れそうだな!ガッハッハッ!」

もちろんこの後、その家に着いてからも驚きのあまりしばらく放心状態になるのだった。
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