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とりま、転生する。
腹が減ってはなんとやら。
しおりを挟む「おい、このままじゃ本当に全員消滅するぞ!
また魔力石が盗まれてた、、、
もうここ数日で5回目だぞ、、、!」
もはや服とも言えないボロ布を纏った骸骨が、カタカタと骨を鳴らしながら訴える。
もう何日も魔力を供給していないその体は、全身骨がむき出しであるとはいえ更に痩せ細ったような印象を受ける。
元は眼球がはめられていた大きな穴から除く青白い光は小刻みに揺れていた。
「もうどうしようも無いのだ、、、
どんな手を尽くそうとも我々が不死屍であり、それが他種族の畏怖の対象となるのは変えられぬ必然なのだ。」
「だからってこのまま消滅してもいいのか、!
死体にも五感はあるし腹も減る!
不死屍で年をとらないと言っても子供もいるんだ
これ以上ひもじい思いはさせられない!!」
「分かってる、、、!!
だが魔法陣に魔力を使ってしまった今、俺たちにできるのは残りの魔法石を守っていくことだけなんだ、、!」
言い争いに使うエネルギーこそ無駄であると察したのか、はたまたこの問題自体に終着点がないと勘付いたのか、不意に沈黙が訪れる。
表情こそ読み取れないものの、骨の軋む音がやりきれない気持ちを増長させていた。
村の面々の姿と倉庫の隅に追いやられるほど残り少ない魔法石の映像がぐるぐると頭を回り続ける。
もういよいよ本当に、消滅に向けての備えをしておくべきではないかと一抹の不安がよぎる。
と、その時。
不死屍の片方_______
村長であるアルドが首から下げているペンダントが青白く光り出した。
それは新たな長、救世主の到来を告げる合図だった。
_______まだ、まだ俺達は死んではいない、、!
アルドともう片方の不死屍、コールは互いに顔を見合わせ、弾かれたように魔法陣を描いた方角へ走り出した。
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