ディバイン・レガシィー -箱庭の観測者-

月詠来夏

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【巨大聖戦編】第7章「誰がための選定」

181話 Division

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 *

 ランタン一つだけが灯された部屋には、小さな窓が一つだけある。外は月も出ていない夜だった。周りは深い森で囲まれており、他に点在する家は総じてボロボロだ。
 黒い杖を持った銀髪銀目の大人──預言者と、白いドレスの観測者の少女──ノーファは、そんなボロボロな家の一つに身を潜めていた。

「ミストリューダは、もうほとんど無力化されてしまいました。申し訳ございません」
「ああ、別に構わないよ。目的は達成されたからね、もうじき解体しようと思っていたところだ」

 預言者はカビまみれのベッドに腰を下ろし、ノーファからの報告を聞いているところだった。報告を大方聞き終わっても、預言者の感情が動く様子はなかった。

「元々、ミストリューダはアイリスを殺すために作った組織だった。私の予想よりも大規模に発展したが、ここからは他の構成員の存在意義はないに等しい。あとは我々だけで動いた方がスムーズだろう」
「そうですか。よかったですわ、預言者様」
「ああ、これ以降は『預言者』と呼ばなくて結構だ。あれはミストリューダで私の権威を高めるためのものだったからね。これからは────」
「わかっていますわ。我々観測者の生みの親、虚無を崇拝する悪魔の……ニール様」

 ノーファはニコリと笑い、ドレスをつまんで礼をした。預言者──否、ニールは微笑みを返し、再び無表情に戻った。

「ところで……憂鬱たる罪科はどこにいるんだ?」
「シファですか? 置いてきてしまいましたわ。それより本題を」

 弟を心配する素振りなど一切見せないノーファに対し、ニールが何か言うこともなかった。ニールは促された通り、話題を変える。

「防壁の一つであったアイリスの殺害に成功したことで、計画の狂いは修正できた。次世代の最高神が生まれたのも想定内。薬、及びクリフォトの黒刃の実験も終了しているはずだが、どうだ?」
「薬の実験は神隠し事件ですでに。黒刃も回収済みですわ。三本のうち一本だけですが……」
「回収していないのはリコリスの分と、ピオーネの分か? 私にしか生み出せないものだから作るのが手間かかるね……まあいい、魔物なら私の手ですぐ量産できるからな」

 少しだけ申し訳なさそうな顔をしても、ノーファはすぐにけろっと笑顔を取り戻す。それに反して、ニールは僅かに眉をひそめた。

「しかし、古代では想定していなかった要素がいくつか表出しているようだ。その例として、ユキア・アルシェリア。彼女をアストラルで殺そうとしても、第二代永世翔華神の魂に吸われ活性化してしまう。つまり、彼女を黒幽病にして殺すことはできないんだ」

 落ち着き払っていたノーファが、はっと息を飲んだ。
 生誕祭で初めて会ったときのユキアより、人間の箱庭の塔で対峙したときのユキアの方が明らかに戦闘力が増していた。それも、彼女が「戦女神化」と呼ぶ力を使わずとも、ノーファの攻撃を防ぐほどの力を発揮していた。その力がどこから来ているかノーファは知らなかったが、彼女の中に宿る魂が原因なのだろうと悟った。

「そ、そんなことがあったのですか? あれは本当に弱い女神ですよ?」
「だからこそ、今まで私たちは必要以上に警戒していなかった。これからはそうも行かないだろうね」

 黒い杖を床につき、ゆっくりと立ち上がったニールを見上げるノーファ。微笑みは絶やさずにニールの話を聞いているが、動揺は隠しきれていない。
 ニールは杖を片手に、部屋を無意味に歩き回り始める。

「それから、『アーケンシェンの右目』。あれの存在自体は百年前から把握していたが、『蒼銀の断罪者セルリアン・コンヴィクター』に宿ったものは近々厄介になるかもしれない。まだ覚醒していないのが救いだな」
「それより、一つ気になることがあるのですが。クレー……クロウリーを再び蘇らせたのはなぜですか?」
「おや、やっぱり気づいていたか。理由は色々あるけれど、一番は『右目』の権能が確固たるものか確かめたかったんだ。彼が完全に死ぬことがないのは『自己反魂』の権能のせいだからね」

 そう言いながら立ち止まったニールは、自分のそばに佇む幼い少女を見下ろす。見つめていたら吸い込まれそうな銀目と、楕円の模様が刻まれた翠の瞳がかち合った。

「さて、向こうにはまだ『保険』が存在するらしい。調査はもうできているか?」
「もちろんでございますわ。あのお方が封印されている場所、デウスプリズンですね」
「左様。まあ、今度はそんなに難しくないさ。邪魔する奴ら諸共、すべてを壊してしまえばいい。君の得意分野だろう、虚飾を重ねし宥免?」
「ええ、お任せくださいな。わたくしは誰よりも優秀な、真なる神の子ですので」

 ニールはふっと小さく笑い、ノーファの頭を優しく撫でた。目を閉じながら笑うノーファから手を離し、彼女に背を向ける。

「くふふ……我らが神、ヴァニタス様。お会いできる日はもうすぐそこに迫っています。今しばらく、お待ちくださいませ……」

 祈るような口ぶりでありながら、歪な笑い声を上げる。人の寄り付かぬ地で、人ならざる二人の企みを知る術はない。

 *

 冷たい雨が降り注ぐ街に、夕暮れが訪れようとしていた。灰色の雲は暗い橙色に染まり、太陽から離れるにつれて黒い雲が増えていく。
 閑散とした大通りの建物の屋根に、一人の少年が傘も差さずに座り込んでいる。×の模様を宿した金色の瞳を隠さんと、いつも以上に藍色のフードを深く被っている。顔以外の身体を覆っている包帯や装束が雨に濡れても、少年──シファは呆然とした顔のまま動き出さない。

「葬式……か。おれら観測者には無縁なものだな」

 街から遠く離れた場所で、黒い塊が蠢いている。最初は一か所に固まって動かなかったのだが、時間が経つにつれて塊がバラバラに散らばっていったのが見えた。
 シファはズボンのポケットを探り、あるものを取り出そうとする。だが、目的のものが見つからない。

「あれ……薬がない。切らしたか? 姉さんにもらわないと……」

 もうすぐ神たちが戻ってくるかもしれないと踏み、シファは立ち上がって路地裏に飛び降りた。雨音だけが響く狭い道を、行く宛もなく歩き始めた。
 何も考えず、俯きがちに路地裏をさまよっていると、にゃあと小さな鳴き声が聞こえてきた。俯いた顔を上げたとき、灰色の猫が水たまりを踏んで現れたのに気づいて立ち止まる。

「……動物か。珍しいな」

 猫はまた鳴き声を上げて、自分に近づいてきた。特に警戒している様子もなく元気に歩み寄ってきたので、シファはその場にしゃがみ込んで小さく笑いかけた。

「おまえも独りなのか? おれと同じだね」

 包帯に包まれた指を出してやると、猫が頬をすり寄せてきた。直で触れなくとも感触が僅かに伝わってきて、心地よさに浸りしんみりとした気持ちになる。
 しばらく、猫と戯れていたときだった。猫が鳴く回数が、どんどん増えていくのに気づいた。

「……どうしたの?」

 不思議に思いながらも、猫は自らシファに触れてきた。戯れれば戯れるほど、猫の動きが鈍り、ぎこちないものになっていった。鳴き声も弱々しくなっていき、元気を失っていっているのがわかった。
 だが、慌てて指を引っ込めたときには、もう遅かった。灰色の毛で覆われた身体にいくつもの真っ黒な染みが生まれ、みるみる広がっていき始めた。
 にゃー、にゃーと鳴き続ける猫は、他でもないシファを見上げている。

「────あ、っ……あぁ……っ!?」

 シファは猫の異変に気付き、目を見張った。
 猫の身体に生まれた染みは、やがて灰色の毛を一本も残さずボロ炭のような姿に変貌させる。身体が雨に当たってバラバラに崩れた頃には、鳴き声は聞こえなくなった。
 助けを求めるかのように鳴いていた猫の亡骸を、見開かれた金色の瞳で凝視する。身体が震えていることすらも、動揺のあまり背後から急に接近した気配すらも気づけなかった。
 突然、女性の腕がシファを背中から捕らえる。

「シファ様……ノルンが来ないの……」

 子供の身体にのしかかる重さから、抱きついてきた相手がかなり弱っていることを悟る。

「目的は、達成したんですよね……? ノーファ様はどこですか……? あたし、願いを……」
「おれに近づくな!!」

 大声ともに、抱きついてきた人物を突き飛ばした。振り返った先には水たまりがあり、そこに茶髪のポニーテールの女性が倒れている。人前に出ることも疎みたくなるほどやせ細っている女性が、ミストリューダではピオーネと呼ばれていた構成員、トルテだと気づくのに時間は要さなかった。

「……嘘吐き……ノルンも、シファ様も、ノーファ様も……アイリス様もアーケンシェンも、ユキアちゃんもみんな嘘吐き!! こんな苦しむはめになるなら、あの日に死んでしまえばよかった!!!」

 誰も聞いたことがないような大声で叫ばれ、シファは座り込んだまま立ち上がることができなかった。
 自分が突き飛ばしたトルテもまた、先程まで触れ合っていた猫と同じ末路を辿ろうとしている。むしろ、猫よりも早く黒い染みが広がり、あっという間に身体全体が黒く侵食された。

「……でも……でもやっと、レオーネのところに、いける────」

 掠れるような言葉を最後に、彼女は物言わぬ真っ黒な欠片になり果てた。
 震えが止まる気配もなく、自分の両手を疑いの目で見下ろす。指の包帯を恐る恐る外しても、そこにあるのは人間と同じ肌の色だ。
 周りを見ようとしたとき、いつの間にか自分が真っ黒な瘴気に覆われようとしていることに気づいた。雨が降っているせいで気づけなかったのだ。

「こちらの味方にならないから、目の前で命が死に絶えるのよ。いい加減学習したらどうなの?」

 トルテだった残骸の先に気配を感じた。まとめあげられた暗めの金色の髪と、濃い紫の瞳の女性が近づいてきている。艶やかな漆黒のマーメイドドレスをまとっており、トルテよりも年上の見た目に思える。
 今のシファには、誰かが自分に近づいてくるという行為が耐えられなかった。

「やめろっ!! おまえ死にたいのか!?」
「別に。アナタが狼狽えているところを見る方が、滑稽で面白いわ」

 怒鳴っても遠ざかるどころか、黒い残骸を黒いヒールで踏みつけるほど遠慮なしに近づいた。
 女性の身体に変化は見られない。シファは少しずつ落ち着いてきて、普段通り小馬鹿にした態度で振る舞い始める。

「おまえ、確かミラージュって偽神だろ。ピオーネのスイーツを食ったって、姉さんが言ってた」
「ああ、そうだった。今の、『ミラージュ』って名前だったわ」

 あっけらかんとした女性の言葉に引っかかる部分があるものの、特に何も尋ねない。女性が何か言いたげにシファを見下ろしていることに気づいたからだ。

「本来の観測者は、目に見えないアストラルが身体から常時溢れ続けている。だけど『非星幽化エーテライズ』を施された観測者であるあの兄妹は、弱体化する代わりにアストラルを完全にコントロールできる。だから神や人間と自由に触れ合えるってこと、もう忘れたのかしら?」
「……おれだって、姉さんの薬さえあれば」
「今はないんでしょう? 薬の効果が切れてしまったから、アナタは意図せず仲間を殺したの」

 女性が目を細め、邪悪な魔女のように口の端を持ちあげて微笑んだ。シファは言い返すこともできず、唇を噛み締める。

「無様ねぇ、シファ。姉には見捨てられ、仲間は死んでいく。アナタはひとりぼっちねぇ」
「────うるさい!! 何様だよクソババア!!」

 顔を怒りで歪め、金色のカードを召喚し立ち上がる。カードを女性めがけて投げたが、どこからともなく現れた青い鏡の欠片が女性の周りを囲んだ。欠片に当たったカードは、なぜかシファに向かって再び放たれる。
 カードを当てたことで宿ったエネルギーが相殺され、反射されたカードは地面に落ちる。

「それにしても、アナタはこの身体でもババア呼ばわりするの? 口だけでなく目も腐っているのね」
「は? 何言ってんだよおまえ、おれを知ってんのか!?」
「まだ気づかない? ワタシはアナタが殺した女よ」

 シファと女性の間に距離が生まれた。薄く青い光をまとった鏡の欠片を周囲に浮遊させる女性は、手袋に包まれた指を口元に運びながら微笑みかけた。

「四番目の原初神にして、水鏡の魔女とも呼ばれた女神がワタシ……ライラン・アンヘルベルよ。思い出してくれたかしら?」

 雨が降り続けるキャッセリアでは、死者を悼む時間が流れ続けている。そんな中、事件の終結によってもたらされた新たな戦いが、誰もあずかり知らぬところで幕を開けようとしていた。
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