76 / 185
【神間陰謀編】第4章「懐かしき故郷と黒い影」
75話 夜道
しおりを挟む
中央都市の郊外南部には、一般神の住宅街がある。白塗りの一軒家がいくつも立ち並んでおり、昼夜問わず比較的静かな場所だ。
もっと繁華街に近づけば、住宅の数が減る代わりに大きめの屋敷が増える。アルバトスやステラ、シュノーやレノはその辺りに住んでいるが、あちらはいわゆる「高級住宅街」だ。私が住むような場所はあくまで質素な住宅街であり、繁華街から離れている分静かで過ごしやすいわけである。
メアや、シオンとソルも近くにそれぞれの家を持っている。だが、今の私はとにかく休みたかった。まっすぐ家に帰り、慣れ親しんだ家でゆっくり休むつもりだ。
「はー。早く帰ってお風呂入りたい……」
住宅街に入ってすぐのところに、小さな公園がある。ここを通りかかる頃には既に真っ暗になっており、月明かりと銀色の街灯が道を照らしていた。
公園の方に目を向ける。昔、ここで遊んでたこともあったな────なんてぼんやりと思っていた。
誰もいないはずの夜の公園から、誰かの気配がした。
よく見ると、ブランコに子供が座り込んでいた。大きく漕ぐこともせず、ただ座って俯いているだけ。街灯に淡く照らされたシルエットに、私は胸が熱くなった。
「…………ユキ?」
向こうが私に気づいたのか、そう小さく呟いた。やっぱり、そうだ。
私は公園にずかずかと足を踏み入れ、ブランコに座る彼の前に立ち塞がった。少し怯えながら私のことを見上げている。
「やっと見つけた!! 今までどこに行ってたの!?」
「えっ、いや……その、ごめん……」
「こっちは心配してたんだよ!? ヴィータもみんなも、あんたのことずっと……!!」
言葉の途中で、目からぽろぽろ涙がこぼれてきた。身体が熱くなって、前が見えなくなる。
そこからうまく喋れずに震えていると、向こうが慌てて立ち上がったのがわかった。
「な、泣かないでよユキ……心配かけてごめんよ……」
「バカ……。おかえり、アスタ」
涙を拭うと、困ったように笑うあどけない顔がそこにあった。
「ただいま、ユキ」
公園から離れ、家路につく。この時間帯は人通りも少なく、歩いているのは私たちだけだった。
アスタは私についてくるばかりで、何も話そうとしない。
「ヴィータに会わなくていいの? あんたのことを探すって躍起になってたよ」
「うーん……正直、今はあまり会いたくないんだ。色々と気まずくて」
冷静になると、無理もないかと思う。再会したと思ったら、いきなり頬を引っぱたかれたのだ。私だったら怖くて会いに行けない。
「それより、ボク本当に家に行っていいの?」
「だって、行くところないんでしょ。仕方ないじゃない。その代わり、変なことしないでよ」
「だいじょーぶ! おとなしくしてるよ」
ほんとかなぁ、と思いつつ閑静な住宅街を歩く。
やがて、とても懐かしい我が家が見えてきた。周囲の白い家とあまり変わらない、質素な一軒家だ。庭も狭くて装飾品もほとんど置かれていないが、事件で離れていた間もほとんど変化はなかったようだ。
「ほら、ここだよ」
「わーい! お邪魔しまーす」
家の鍵を開けて、照明をつける。
自分の家に帰ってきたのも、思えば久々の話だ。匂いも雰囲気も、いなくなる前のままだ。その安心感がとても心地よかった。
「コートは玄関にかけておいてね」
「わかった!」
アスタは、一番上に着ていた薄橙色の上着を脱いでコート掛けにかけた。半袖のふわっとした上着を脱いだ彼は、本当に頼りない身体つきをしていると感じた。
家に入ってすぐに風呂を沸かす。人間の箱庭では燃料を使って燃やすところがほとんどだったが、キャッセリアでは魔法でほぼ瞬間的に湧かせる。アスタに先に入ってもらい、その間に彼の部屋着を用意する。
「わ、懐かしいこれ」
タンスの奥を探してみたら、一つだけ星柄の子供用のパジャマが残っていた。これ、ノインが私と出会った頃に押し付けてきた奴だな。奥にしまい込んだままになっていたせいで、僅かに古びた匂いがした。
仕方ないからこれにしよう。風呂の前に部屋着を置いておく。リビングの机に座って待っていると、部屋着を着て戻ってきた。サイズはなんとぴったりだ。
「……やっぱりあんた、ちっちゃいんだね」
「むぅ~、仕方ないでしょ~。まあ、気に入ったからいいけどね!」
はいはい、と適当にあしらって、私も風呂に入る。準備を終えて、身体を流し湯船に浸かる。お湯が少し熱い気がした。
ゆっくり浸かるつもりだったのに、家の中にいるもう一人の存在がちらついてリラックスしきれない。必要以上に警戒しすぎている可能性も否めないのだけれど。
ストーカーじみているが、いつも私を助けてくれる謎の子供という認識は変わっていない。これからもあいつはそうであり続けるのだろうか。
「……一体何してたんだろ、あいつ」
色々と考えてしまうし、やはりリフレッシュは諦めた方がよさそうだった。
風呂から上がり、部屋着に着直した。
リビングに向かうと、アスタは本当におとなしくテーブルに座っていた。私はまっすぐにキッチンに向かい、夕食のメニューを決める。食べられる食材はまだ残ってるはずなのだが、何せ最後に食料調達したのが一週間くらい前だからなぁ……。
結果、残っていた食材をかき集めて、シチューを作ることにした。二人分にしては少ない量になったが、漂う香りも味も悪くはない。
皿に盛り付けて運び、アスタの前に片方置いた。
「わぁ~、シチューだ! 美味しそう、いただきます!」
熱いから気をつけてと言う前に、アスタはシチューを頬張った。作りたてのシチューを口にしても笑顔は崩れることなく、ニコニコしながら味わっている。心配して損した。
「ふふっ、ユキの作ったシチュー、すっごく美味しいよ! 料理上手なんだね」
「ほんと?」
自分で食べてみても、何の変哲もないシチューでしかなかった。むしろ、少し味が薄いかもと思ってしまう。
それでも、アスタは満面の笑みで料理を食べていた。ほっぺたが落っこちそう、みんなにも食べてほしい、そんな褒め言葉を繰り返しながら。
静かに食べてほしいと思う反面、無邪気に喜ぶ彼を微笑ましいと感じていた。
シチューを食べ終わってから、二人分のコップに自作のレモンジュースを注ぐ。グラスを差し出して、もう一度テーブルを挟んで向かい合う形で座る。アスタは「ありがとう」と言ってジュースを口にした。
だんだん彼の方も落ち着いてきたのか、ゆっくりとジュースを味わっている。
「……結局、あんたはあれからどこに行ってたわけ?」
そろそろ本題に入ろうと思った。
一瞬顔をこわばらせたアスタだったが、グラスから口を離して一呼吸おいた。
「クロウリーの姿が見えなかったから、探してたんだ。結局捕まえられなかったけど」
「確かに、あいつどこに行ったんだろう。クリムも見失って、そのままこっちに戻ってきちゃったし」
あの状況下で冷静な判断を下すのは、誰であろうと難しいことだっただろう。それでも犯人が野放しになっている状態なのは、どうしても不安を拭うことができない。
アスタは表情を険しくして、俯いた。星の模様が刻まれた瞳が、前髪に隠れて見えなくなった。
「クレー……いや。クロウリーは、殺されたよ」
「────え?」
「エンゲルに殺されたんだ。その様子を、ボクはずっと見ていた」
そんな、バカな────
あまりにも衝撃が強くて、しばらく空いた口が塞がらなかった。
もっと繁華街に近づけば、住宅の数が減る代わりに大きめの屋敷が増える。アルバトスやステラ、シュノーやレノはその辺りに住んでいるが、あちらはいわゆる「高級住宅街」だ。私が住むような場所はあくまで質素な住宅街であり、繁華街から離れている分静かで過ごしやすいわけである。
メアや、シオンとソルも近くにそれぞれの家を持っている。だが、今の私はとにかく休みたかった。まっすぐ家に帰り、慣れ親しんだ家でゆっくり休むつもりだ。
「はー。早く帰ってお風呂入りたい……」
住宅街に入ってすぐのところに、小さな公園がある。ここを通りかかる頃には既に真っ暗になっており、月明かりと銀色の街灯が道を照らしていた。
公園の方に目を向ける。昔、ここで遊んでたこともあったな────なんてぼんやりと思っていた。
誰もいないはずの夜の公園から、誰かの気配がした。
よく見ると、ブランコに子供が座り込んでいた。大きく漕ぐこともせず、ただ座って俯いているだけ。街灯に淡く照らされたシルエットに、私は胸が熱くなった。
「…………ユキ?」
向こうが私に気づいたのか、そう小さく呟いた。やっぱり、そうだ。
私は公園にずかずかと足を踏み入れ、ブランコに座る彼の前に立ち塞がった。少し怯えながら私のことを見上げている。
「やっと見つけた!! 今までどこに行ってたの!?」
「えっ、いや……その、ごめん……」
「こっちは心配してたんだよ!? ヴィータもみんなも、あんたのことずっと……!!」
言葉の途中で、目からぽろぽろ涙がこぼれてきた。身体が熱くなって、前が見えなくなる。
そこからうまく喋れずに震えていると、向こうが慌てて立ち上がったのがわかった。
「な、泣かないでよユキ……心配かけてごめんよ……」
「バカ……。おかえり、アスタ」
涙を拭うと、困ったように笑うあどけない顔がそこにあった。
「ただいま、ユキ」
公園から離れ、家路につく。この時間帯は人通りも少なく、歩いているのは私たちだけだった。
アスタは私についてくるばかりで、何も話そうとしない。
「ヴィータに会わなくていいの? あんたのことを探すって躍起になってたよ」
「うーん……正直、今はあまり会いたくないんだ。色々と気まずくて」
冷静になると、無理もないかと思う。再会したと思ったら、いきなり頬を引っぱたかれたのだ。私だったら怖くて会いに行けない。
「それより、ボク本当に家に行っていいの?」
「だって、行くところないんでしょ。仕方ないじゃない。その代わり、変なことしないでよ」
「だいじょーぶ! おとなしくしてるよ」
ほんとかなぁ、と思いつつ閑静な住宅街を歩く。
やがて、とても懐かしい我が家が見えてきた。周囲の白い家とあまり変わらない、質素な一軒家だ。庭も狭くて装飾品もほとんど置かれていないが、事件で離れていた間もほとんど変化はなかったようだ。
「ほら、ここだよ」
「わーい! お邪魔しまーす」
家の鍵を開けて、照明をつける。
自分の家に帰ってきたのも、思えば久々の話だ。匂いも雰囲気も、いなくなる前のままだ。その安心感がとても心地よかった。
「コートは玄関にかけておいてね」
「わかった!」
アスタは、一番上に着ていた薄橙色の上着を脱いでコート掛けにかけた。半袖のふわっとした上着を脱いだ彼は、本当に頼りない身体つきをしていると感じた。
家に入ってすぐに風呂を沸かす。人間の箱庭では燃料を使って燃やすところがほとんどだったが、キャッセリアでは魔法でほぼ瞬間的に湧かせる。アスタに先に入ってもらい、その間に彼の部屋着を用意する。
「わ、懐かしいこれ」
タンスの奥を探してみたら、一つだけ星柄の子供用のパジャマが残っていた。これ、ノインが私と出会った頃に押し付けてきた奴だな。奥にしまい込んだままになっていたせいで、僅かに古びた匂いがした。
仕方ないからこれにしよう。風呂の前に部屋着を置いておく。リビングの机に座って待っていると、部屋着を着て戻ってきた。サイズはなんとぴったりだ。
「……やっぱりあんた、ちっちゃいんだね」
「むぅ~、仕方ないでしょ~。まあ、気に入ったからいいけどね!」
はいはい、と適当にあしらって、私も風呂に入る。準備を終えて、身体を流し湯船に浸かる。お湯が少し熱い気がした。
ゆっくり浸かるつもりだったのに、家の中にいるもう一人の存在がちらついてリラックスしきれない。必要以上に警戒しすぎている可能性も否めないのだけれど。
ストーカーじみているが、いつも私を助けてくれる謎の子供という認識は変わっていない。これからもあいつはそうであり続けるのだろうか。
「……一体何してたんだろ、あいつ」
色々と考えてしまうし、やはりリフレッシュは諦めた方がよさそうだった。
風呂から上がり、部屋着に着直した。
リビングに向かうと、アスタは本当におとなしくテーブルに座っていた。私はまっすぐにキッチンに向かい、夕食のメニューを決める。食べられる食材はまだ残ってるはずなのだが、何せ最後に食料調達したのが一週間くらい前だからなぁ……。
結果、残っていた食材をかき集めて、シチューを作ることにした。二人分にしては少ない量になったが、漂う香りも味も悪くはない。
皿に盛り付けて運び、アスタの前に片方置いた。
「わぁ~、シチューだ! 美味しそう、いただきます!」
熱いから気をつけてと言う前に、アスタはシチューを頬張った。作りたてのシチューを口にしても笑顔は崩れることなく、ニコニコしながら味わっている。心配して損した。
「ふふっ、ユキの作ったシチュー、すっごく美味しいよ! 料理上手なんだね」
「ほんと?」
自分で食べてみても、何の変哲もないシチューでしかなかった。むしろ、少し味が薄いかもと思ってしまう。
それでも、アスタは満面の笑みで料理を食べていた。ほっぺたが落っこちそう、みんなにも食べてほしい、そんな褒め言葉を繰り返しながら。
静かに食べてほしいと思う反面、無邪気に喜ぶ彼を微笑ましいと感じていた。
シチューを食べ終わってから、二人分のコップに自作のレモンジュースを注ぐ。グラスを差し出して、もう一度テーブルを挟んで向かい合う形で座る。アスタは「ありがとう」と言ってジュースを口にした。
だんだん彼の方も落ち着いてきたのか、ゆっくりとジュースを味わっている。
「……結局、あんたはあれからどこに行ってたわけ?」
そろそろ本題に入ろうと思った。
一瞬顔をこわばらせたアスタだったが、グラスから口を離して一呼吸おいた。
「クロウリーの姿が見えなかったから、探してたんだ。結局捕まえられなかったけど」
「確かに、あいつどこに行ったんだろう。クリムも見失って、そのままこっちに戻ってきちゃったし」
あの状況下で冷静な判断を下すのは、誰であろうと難しいことだっただろう。それでも犯人が野放しになっている状態なのは、どうしても不安を拭うことができない。
アスタは表情を険しくして、俯いた。星の模様が刻まれた瞳が、前髪に隠れて見えなくなった。
「クレー……いや。クロウリーは、殺されたよ」
「────え?」
「エンゲルに殺されたんだ。その様子を、ボクはずっと見ていた」
そんな、バカな────
あまりにも衝撃が強くて、しばらく空いた口が塞がらなかった。
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説
【完結】お父様に愛されなかった私を叔父様が連れ出してくれました。~お母様からお父様への最後のラブレター~
山葵
恋愛
「エリミヤ。私の所に来るかい?」
母の弟であるバンス子爵の言葉に私は泣きながら頷いた。
愛人宅に住み屋敷に帰らない父。
生前母は、そんな父と結婚出来て幸せだったと言った。
私には母の言葉が理解出来なかった。
(完結)私は家政婦だったのですか?(全5話)
青空一夏
恋愛
夫の母親を5年介護していた私に子供はいない。お義母様が亡くなってすぐに夫に告げられた言葉は「わたしには6歳になる子供がいるんだよ。だから離婚してくれ」だった。
ありがちなテーマをさくっと書きたくて、短いお話しにしてみました。
さくっと因果応報物語です。ショートショートの全5話。1話ごとの字数には偏りがあります。3話目が多分1番長いかも。
青空異世界のゆるふわ設定ご都合主義です。現代的表現や現代的感覚、現代的機器など出てくる場合あります。貴族がいるヨーロッパ風の社会ですが、作者独自の世界です。
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。
あなたの子ですが、内緒で育てます
椿蛍
恋愛
「本当にあなたの子ですか?」
突然現れた浮気相手、私の夫である国王陛下の子を身籠っているという。
夫、王妃の座、全て奪われ冷遇される日々――王宮から、追われた私のお腹には陛下の子が宿っていた。
私は強くなることを決意する。
「この子は私が育てます!」
お腹にいる子供は王の子。
王の子だけが不思議な力を持つ。
私は育った子供を連れて王宮へ戻る。
――そして、私を追い出したことを後悔してください。
※夫の後悔、浮気相手と虐げられからのざまあ
※他サイト様でも掲載しております。
※hotランキング1位&エールありがとうございます!
王が気づいたのはあれから十年後
基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。
妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。
仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。
側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。
王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。
王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。
新たな国王の誕生だった。
大切”だった”仲間に裏切られたので、皆殺しにしようと思います
騙道みりあ
ファンタジー
魔王を討伐し、世界に平和をもたらした”勇者パーティー”。
その一員であり、”人類最強”と呼ばれる少年ユウキは、何故か仲間たちに裏切られてしまう。
仲間への信頼、恋人への愛。それら全てが作られたものだと知り、ユウキは怒りを覚えた。
なので、全員殺すことにした。
1話完結ですが、続編も考えています。
断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた
兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる