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1章
011.魔物の標的
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若木を守ったあの日から、俺の周囲の状況は徐々に変わっていった。それまで静かだった土地に、少しずつ魔物が現れるようになったのだ。
最初に現れたのはまたしてもゴブリンだった。錆びた短剣を握り締め、前回と同じように若木を攻撃しようとしていた。俺は何とかポイズンリーフを活用して撃退することに成功したが、それで終わりではなかった。
次の日にはホーンラビット――鋭い角を持ったウサギのような魔物が現れ、その次にはウルフが襲来した。そしてさらに厄介だったのは、地中から現れるルートワームや、這い回るポイズンスネークだ。
特にポイズンスネークは強敵だった。毒に耐性があるためポイズンリーフが全く効かず、毒を使って木を弱らせてくる。だが、前日に生成された「パラライズリーフ」を使って動きを封じ、何とかゴブリンの持っていた短剣を使用して刺殺することができた。
ただ、不思議だったのはどの魔物も俺には見向きもしなかったことだ。彼らの標的は一貫して若木だった。
魔物たちが俺に攻撃を仕掛けていたら、生き延びるのは不可能だっただろう。今の俺には魔法も強力な武器もない。だから、若木に集中して攻撃してくれることは好都合だった。
運よくパラライズリーフのタネを生成できてポイズンスネークを撃退した俺だったが、その他にも次々と新しいタネが生まれ始めている。
────────────────────
【詳細を確認可能な植物】
・ウォーターウィード
・グローアッシュ
・スプラウト
・ヒールリーフ
・アップルン
・ポイズンリーフ
・オレン
・キャロ
・フレイバーベリー
・パラライズリーフ
・フレイムグラス
・マナウィード
・ルミナリーフ
(他は未解放)
────────────────────
それぞれの植物の効果は以下の通りだ。
────────────────────
オレン
黄色い小果実をつける植物。甘みが強く、乾燥地帯でも育つ。
キャロ
赤い色をした根菜植物。栄養価が高く、保存も効く。
フレイバーベリー
甘酸っぱいベリーで、食べると眼精疲労回復効果がある。
フレイムグラス
乾燥した草で火起こしに最適。燃焼力が強く、焚き火に重宝する。
マナウィード
魔力を回復させる効果を持つ植物。煎じて飲むことで効果を発揮する。
ルミナリーフ
光属性の力を持つ葉。用途は不明だが、眩しい光を放つ。
────────────────────
特にフレイムグラスは焚き火に欠かせない存在だ。乾燥した草は簡単に火を起こせるため、今もホーンラビットの肉を焼くのに重宝している。
「肉が食えるって……ありがてぇな」
ホーンラビットは小柄だが、肉は柔らかくジューシーだ。スプラウトややっと果実を実らせたアップルンと組み合わせることで、ようやくまともな食事ができるようになった。フレイムグラスで焚き火を起こし、焼き上げた肉を頬張ると、自然と笑みがこぼれる。
「生きてるって感じがするな……」
だが、魔物たちが若木を狙う理由はいまだに分からない。普通の木に見えるが、この異常な成長速度や魔物たちの執着を見る限り、何か特別な力を持っているのかもしれない。
「お前……何なんだ?」
若木に向かって問いかけても、答えが返ってくるはずもない。しかし俺は呟くのを止められなかった。
最初に現れたのはまたしてもゴブリンだった。錆びた短剣を握り締め、前回と同じように若木を攻撃しようとしていた。俺は何とかポイズンリーフを活用して撃退することに成功したが、それで終わりではなかった。
次の日にはホーンラビット――鋭い角を持ったウサギのような魔物が現れ、その次にはウルフが襲来した。そしてさらに厄介だったのは、地中から現れるルートワームや、這い回るポイズンスネークだ。
特にポイズンスネークは強敵だった。毒に耐性があるためポイズンリーフが全く効かず、毒を使って木を弱らせてくる。だが、前日に生成された「パラライズリーフ」を使って動きを封じ、何とかゴブリンの持っていた短剣を使用して刺殺することができた。
ただ、不思議だったのはどの魔物も俺には見向きもしなかったことだ。彼らの標的は一貫して若木だった。
魔物たちが俺に攻撃を仕掛けていたら、生き延びるのは不可能だっただろう。今の俺には魔法も強力な武器もない。だから、若木に集中して攻撃してくれることは好都合だった。
運よくパラライズリーフのタネを生成できてポイズンスネークを撃退した俺だったが、その他にも次々と新しいタネが生まれ始めている。
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【詳細を確認可能な植物】
・ウォーターウィード
・グローアッシュ
・スプラウト
・ヒールリーフ
・アップルン
・ポイズンリーフ
・オレン
・キャロ
・フレイバーベリー
・パラライズリーフ
・フレイムグラス
・マナウィード
・ルミナリーフ
(他は未解放)
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それぞれの植物の効果は以下の通りだ。
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オレン
黄色い小果実をつける植物。甘みが強く、乾燥地帯でも育つ。
キャロ
赤い色をした根菜植物。栄養価が高く、保存も効く。
フレイバーベリー
甘酸っぱいベリーで、食べると眼精疲労回復効果がある。
フレイムグラス
乾燥した草で火起こしに最適。燃焼力が強く、焚き火に重宝する。
マナウィード
魔力を回復させる効果を持つ植物。煎じて飲むことで効果を発揮する。
ルミナリーフ
光属性の力を持つ葉。用途は不明だが、眩しい光を放つ。
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特にフレイムグラスは焚き火に欠かせない存在だ。乾燥した草は簡単に火を起こせるため、今もホーンラビットの肉を焼くのに重宝している。
「肉が食えるって……ありがてぇな」
ホーンラビットは小柄だが、肉は柔らかくジューシーだ。スプラウトややっと果実を実らせたアップルンと組み合わせることで、ようやくまともな食事ができるようになった。フレイムグラスで焚き火を起こし、焼き上げた肉を頬張ると、自然と笑みがこぼれる。
「生きてるって感じがするな……」
だが、魔物たちが若木を狙う理由はいまだに分からない。普通の木に見えるが、この異常な成長速度や魔物たちの執着を見る限り、何か特別な力を持っているのかもしれない。
「お前……何なんだ?」
若木に向かって問いかけても、答えが返ってくるはずもない。しかし俺は呟くのを止められなかった。
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