89 / 96
── 2章 ミニック編 ──
088.ルナ
しおりを挟む
ゴダックの命令に従ってルナと呼ばれた狼獣人の奴隷の女の子が無言でミニックを部屋に案内していく。いつみても可愛い子だ。しかも狼耳。なんで耳がつくと可愛くなるんだろうね?
そういえば獣人は小人族のことを嫌ってるんだったよね。ルナも餌付けして多少当たりが弱くなったとはいえ、ミニックのことをよくは思っていないはず。
一応、彼女もステータスを確認しておこうかな?
────────────────────
名前:ルナ
種族:狼人族
職業:奴隷(違法)
状態:隷属(ゴダック)
技能:双剣技
魔法:風
恩恵:─
────────────────────
今回は職業と状態も出してもらう形で表示してもらった。
さすが獣人と言ったところか攻撃系の技能と使いやすそうな風の魔法持ちらしい。
職業はやっぱり奴隷になっている。と言うか違法? ルナも違法奴隷なのか。もしかするとゴダック商会って普通に違法奴隷も扱ってる闇商会なのかもしれない。ルナに聞いてみればわかるかな?
『ミニック。ルナにゴダック商会が違法奴隷を扱っているかどうかを聞いてみて?』
『え? 嫌なのです』
『なんでよ』
『不躾すぎるのです』
そうかな? 普通だと思うけど。
『いいから聞いて』
「……ゴダック商会って違法奴隷を扱っているのです?」
「なんですか急に」
「ごめんなさいなのです。聞いてみただけなのです」
「……なんでそう思ったんですか?」
ほら。普通に返してくれたじゃん。
『悪魔さんはなんでそう思ったのです?』
『ルナもミニックと同じで違法奴隷だから』
『そうなのです!?』
ミニックが目を白黒させて驚いている。
「どうしたんですか?」
「な、なんでもないのです。理由はルナが違法奴隷だからなのです」
「わたしが違法奴隷……なぜそう思ったのですか?」
「それは……説明するのが難しいのです」
「そうですか。すみません。先ほどの質問ですが、答えられないことになっているんです」
言えないことになっている。つまりはなんらかの方法で言動を縛っているってことだよね。違法奴隷を使っていると言っているようなものだ。
そこから沈黙が続く。ミニックよ。なんか会話を続けたらどうなの?
「……この前は美味しいご飯ありがとうございました」
「この前なのです? 別に大したことじゃないのです」
「それでもです。あんなに美味しい食べ物は久しぶりでした」
ルナが尻尾を振ってる。思い出して嬉しくなっているのかもしれない。
「これからもっと食べればいいのです」
「無理です。ゴダック様に使役されている間はそんないいもの食べることはできません」
悲しそうな顔でそういうルナ。
かわいそう。やっぱりルナの隷属もなんとかしてあげたいんだけど。ミニックと扱いが違うって? そんなの当たり前だよね。ゴダックに使役されてる女の子とかかわいそうすぎるじゃん。
……ん? 使役?
『そうか!』
『急にどうしたのです?』
『この状況、なんとかなるかもしれない!』
『……本当なのです?』
ミニックが訝しげにわたしにたずねてくる。
だけどまだ確定じゃないけどうまくいく予感がするんだよね。早速〈天与〉を確認しなければ!
────────────────────
天与:以前〈天授〉によって供与された技能、魔法、聖遺物を同等の天声ポイントで天の声保持者に供与することが可能。現在は以下のものが供与可能。
・魔力操作:50pt
・火付石:1pt
・アビスファイア:10pt
・付与:35pt
・ホーリーレイ:5pt
・聖右剣ホーリーレイヴァント、冥左剣シャドウリーパー:100pt
・ホーリースパーク:10pt
・ホーリーサンクチュアリ:100pt
・英雄模倣:1000pt
・アビスヒール:100pt
・精霊術:10pt
・鍛治:10pt
・使役:10pt
・ヴォイドインジュアリー:10pt
・ヴォイドイレイサー:10pt
・ヴォイドグラヴィティ:10pt
────────────────────
うん。やっぱりあるよね。〈使役〉という技能が。これをさらに確認!
────────────────────
技能:使役
他人の隷属状態を上書きする。人と魔物どちらにも使用可能。隷属状態を解除することもできる。胸に手を当てて念じることで発動可能。
────────────────────
やっぱりね! これってステータスの状態欄で出てた隷属っていう状態を上書きするってことだよね? これを使えば奴隷状態から解放できるんじゃない?
なんで気がつかなかったんだろう。やっぱりわたしは馬鹿なのかな?
早速〈天与〉を発動! 〈使役〉を選択してミニックに技能を覚えさせた。
『ミニック! 〈使役〉っていう技能を覚えたから使ってみて?』
『〈使役〉なのです? どう使うのです?』
『胸に手を当てて念じるだけみたい。早速やってみて?』
〈使役〉の画面をミニックに共有しながら催促した。ミニックは自分の胸にてを当てて〈使役〉を試そうとしているみたい。でも何も起こる様子はない。
『何も変わった様子はないのです』
『おかしいね。ちょっと確認してみる』
────────────────────
名前:ミニック
種族:小人族
職業:奴隷︎(違法)
状態:隷属(ゴダック)
技能:全銃技
天の声
収納
使役
魔法:無
恩恵:自由神の勇者の種
────────────────────
やっぱり隷属状態は解消されていない。もう一度〈使役〉の画面を確認する。
……そういうことか。
「他人の隷属状態を上書きする」と書いてある。多分自分自身には〈使役〉を使うことはできないみたい。そうなるとどうするべきか。
『ルナに使ってみて?』
『え! 嫌なのです!』
『なんでよ』
『セクハラになるのです!』
わたしはミニックがルナの胸に手を当てている場面を想像した。確かにミニックがそれをするとセクハラになる可能性がある。でも今はこれしか選択肢がないからやってもらうしかない。
『ルナを救うためだよ。ちゃんと説明すればわかってくれるって』
『……わかったのです』
ミニックは少し逡巡したがすぐに決心したような顔になる。
「ルナさんは奴隷から解放されたいのです?」
「なんですか? できるなら解放されたいですけど」
「それならなんとかできるかもしれないのです。試してみてもいいのです?」
「そんなことできるんですか!? もしできるならお願いしたいですが……」
「わかったのです。で、では失礼するのです!」
「っ! 何をするんですか!!」
ミニックがルナの胸に手を当てた。薄暗い光がルナを包み込む。多分これはうまく発動しているよね?
────────────────────
名前:ルナ
職業:─
状態:通常
────────────────────
『成功したみたい! 隷属状態から通常に戻ってる』
『よかったのです』
「やっぱり小人族は信用なりません!! こんなことをするなんて!!」
「これで隷属状態から解放されたはずなのです。確認してみるのです」
「そんなことを言ってはぐらかすつもりですか!! そんな簡単に奴隷から解放されるわけが……。あれ? 奴隷紋がなくなってる?」
ルナは自身の胸を確認して驚きの声を上げた。ミニックへの怒りはどこかへ飛んでいってしまったみたい。
「本当にそんなことが……」
「これでルナは自由なのです」
ルナは静かに涙を流してしばらくその場に立ち尽くしていた。
そういえば獣人は小人族のことを嫌ってるんだったよね。ルナも餌付けして多少当たりが弱くなったとはいえ、ミニックのことをよくは思っていないはず。
一応、彼女もステータスを確認しておこうかな?
────────────────────
名前:ルナ
種族:狼人族
職業:奴隷(違法)
状態:隷属(ゴダック)
技能:双剣技
魔法:風
恩恵:─
────────────────────
今回は職業と状態も出してもらう形で表示してもらった。
さすが獣人と言ったところか攻撃系の技能と使いやすそうな風の魔法持ちらしい。
職業はやっぱり奴隷になっている。と言うか違法? ルナも違法奴隷なのか。もしかするとゴダック商会って普通に違法奴隷も扱ってる闇商会なのかもしれない。ルナに聞いてみればわかるかな?
『ミニック。ルナにゴダック商会が違法奴隷を扱っているかどうかを聞いてみて?』
『え? 嫌なのです』
『なんでよ』
『不躾すぎるのです』
そうかな? 普通だと思うけど。
『いいから聞いて』
「……ゴダック商会って違法奴隷を扱っているのです?」
「なんですか急に」
「ごめんなさいなのです。聞いてみただけなのです」
「……なんでそう思ったんですか?」
ほら。普通に返してくれたじゃん。
『悪魔さんはなんでそう思ったのです?』
『ルナもミニックと同じで違法奴隷だから』
『そうなのです!?』
ミニックが目を白黒させて驚いている。
「どうしたんですか?」
「な、なんでもないのです。理由はルナが違法奴隷だからなのです」
「わたしが違法奴隷……なぜそう思ったのですか?」
「それは……説明するのが難しいのです」
「そうですか。すみません。先ほどの質問ですが、答えられないことになっているんです」
言えないことになっている。つまりはなんらかの方法で言動を縛っているってことだよね。違法奴隷を使っていると言っているようなものだ。
そこから沈黙が続く。ミニックよ。なんか会話を続けたらどうなの?
「……この前は美味しいご飯ありがとうございました」
「この前なのです? 別に大したことじゃないのです」
「それでもです。あんなに美味しい食べ物は久しぶりでした」
ルナが尻尾を振ってる。思い出して嬉しくなっているのかもしれない。
「これからもっと食べればいいのです」
「無理です。ゴダック様に使役されている間はそんないいもの食べることはできません」
悲しそうな顔でそういうルナ。
かわいそう。やっぱりルナの隷属もなんとかしてあげたいんだけど。ミニックと扱いが違うって? そんなの当たり前だよね。ゴダックに使役されてる女の子とかかわいそうすぎるじゃん。
……ん? 使役?
『そうか!』
『急にどうしたのです?』
『この状況、なんとかなるかもしれない!』
『……本当なのです?』
ミニックが訝しげにわたしにたずねてくる。
だけどまだ確定じゃないけどうまくいく予感がするんだよね。早速〈天与〉を確認しなければ!
────────────────────
天与:以前〈天授〉によって供与された技能、魔法、聖遺物を同等の天声ポイントで天の声保持者に供与することが可能。現在は以下のものが供与可能。
・魔力操作:50pt
・火付石:1pt
・アビスファイア:10pt
・付与:35pt
・ホーリーレイ:5pt
・聖右剣ホーリーレイヴァント、冥左剣シャドウリーパー:100pt
・ホーリースパーク:10pt
・ホーリーサンクチュアリ:100pt
・英雄模倣:1000pt
・アビスヒール:100pt
・精霊術:10pt
・鍛治:10pt
・使役:10pt
・ヴォイドインジュアリー:10pt
・ヴォイドイレイサー:10pt
・ヴォイドグラヴィティ:10pt
────────────────────
うん。やっぱりあるよね。〈使役〉という技能が。これをさらに確認!
────────────────────
技能:使役
他人の隷属状態を上書きする。人と魔物どちらにも使用可能。隷属状態を解除することもできる。胸に手を当てて念じることで発動可能。
────────────────────
やっぱりね! これってステータスの状態欄で出てた隷属っていう状態を上書きするってことだよね? これを使えば奴隷状態から解放できるんじゃない?
なんで気がつかなかったんだろう。やっぱりわたしは馬鹿なのかな?
早速〈天与〉を発動! 〈使役〉を選択してミニックに技能を覚えさせた。
『ミニック! 〈使役〉っていう技能を覚えたから使ってみて?』
『〈使役〉なのです? どう使うのです?』
『胸に手を当てて念じるだけみたい。早速やってみて?』
〈使役〉の画面をミニックに共有しながら催促した。ミニックは自分の胸にてを当てて〈使役〉を試そうとしているみたい。でも何も起こる様子はない。
『何も変わった様子はないのです』
『おかしいね。ちょっと確認してみる』
────────────────────
名前:ミニック
種族:小人族
職業:奴隷︎(違法)
状態:隷属(ゴダック)
技能:全銃技
天の声
収納
使役
魔法:無
恩恵:自由神の勇者の種
────────────────────
やっぱり隷属状態は解消されていない。もう一度〈使役〉の画面を確認する。
……そういうことか。
「他人の隷属状態を上書きする」と書いてある。多分自分自身には〈使役〉を使うことはできないみたい。そうなるとどうするべきか。
『ルナに使ってみて?』
『え! 嫌なのです!』
『なんでよ』
『セクハラになるのです!』
わたしはミニックがルナの胸に手を当てている場面を想像した。確かにミニックがそれをするとセクハラになる可能性がある。でも今はこれしか選択肢がないからやってもらうしかない。
『ルナを救うためだよ。ちゃんと説明すればわかってくれるって』
『……わかったのです』
ミニックは少し逡巡したがすぐに決心したような顔になる。
「ルナさんは奴隷から解放されたいのです?」
「なんですか? できるなら解放されたいですけど」
「それならなんとかできるかもしれないのです。試してみてもいいのです?」
「そんなことできるんですか!? もしできるならお願いしたいですが……」
「わかったのです。で、では失礼するのです!」
「っ! 何をするんですか!!」
ミニックがルナの胸に手を当てた。薄暗い光がルナを包み込む。多分これはうまく発動しているよね?
────────────────────
名前:ルナ
職業:─
状態:通常
────────────────────
『成功したみたい! 隷属状態から通常に戻ってる』
『よかったのです』
「やっぱり小人族は信用なりません!! こんなことをするなんて!!」
「これで隷属状態から解放されたはずなのです。確認してみるのです」
「そんなことを言ってはぐらかすつもりですか!! そんな簡単に奴隷から解放されるわけが……。あれ? 奴隷紋がなくなってる?」
ルナは自身の胸を確認して驚きの声を上げた。ミニックへの怒りはどこかへ飛んでいってしまったみたい。
「本当にそんなことが……」
「これでルナは自由なのです」
ルナは静かに涙を流してしばらくその場に立ち尽くしていた。
0
お気に入りに追加
50
あなたにおすすめの小説
白い結婚三年目。つまり離縁できるまで、あと七日ですわ旦那様。
あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
異世界に転生したフランカは公爵夫人として暮らしてきたが、前世から叶えたい夢があった。パティシエールになる。その夢を叶えようと夫である王国財務総括大臣ドミニクに相談するも答えはノー。夫婦らしい交流も、信頼もない中、三年の月日が近づき──フランカは賭に出る。白い結婚三年目で離縁できる条件を満たしていると迫り、夢を叶えられないのなら離縁すると宣言。そこから公爵家一同でフランカに考え直すように動き、ドミニクと話し合いの機会を得るのだがこの夫、山のように隠し事はあった。
無言で睨む夫だが、心の中は──。
【詰んだああああああああああ! もうチェックメイトじゃないか!? 情状酌量の余地はないと!? ああ、どうにかして侍女の準備を阻まなければ! いやそれでは根本的な解決にならない! だいたいなぜ後妻? そんな者はいないのに……。ど、どどどどどうしよう。いなくなるって聞いただけで悲しい。死にたい……うう】
4万文字ぐらいの中編になります。
※小説なろう、エブリスタに記載してます
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。
ご都合主義のハッピーエンドのSSです。
でも周りは全くハッピーじゃないです。
小説家になろう様でも投稿しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
孤高の英雄は温もりを求め転生する
モモンガ
ファンタジー
『温もりが欲しい』
それが死ぬ間際に自然とこぼれ落ちた願いだった…。
そんな願いが通じたのか、彼は転生する。
意識が覚醒すると体中がポカポカと毛布のような物に包まれ…時々顔をザラザラとした物に撫でられる。
周りを確認しようと酷く重い目蓋を上げると、目の前には大きな猫がいた。
俺はどうやら猫に転生したみたいだ…。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる