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── 2章 ミニック編 ──
078.隠しエリア
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ミニックがチョッキを着た2速歩行のウサギを追いかけて巣穴に潜った。その巣穴は小さな洞窟の形をしているけどミニックは小さいのでなんとか通ることができている。
「急がないと。急がないと」
ウサギはどんどん巣穴の奥の方へと進んでいく。ミニックが追いつこうとするがウサギはつかず離れずの位置をキープしていて捕まりそうにない。
わたしは追いかけながらウサギを〈天眼〉で確認した。
────────────────────
種族:ワンダーラビット
状態:通常
チョッキを着た2速歩行で歩くウサギ型魔物。Eランク。ウサギたちが魅了されるにんじんを持った者のもとに現れ、ダンジョンの隠しエリアに導く案内人。倒したときのドロップアイテムはない。
────────────────────
ワンダーラビットという魔物みたい。いやそれよりも他の記述の方が気になるんだけど。
ウサギを魅了させるにんじんってロイヤルゴールドキャロットのこと? そういえばこのダンジョンで出会うウサギの魔物は魅了状態になってたよね。それがあのニンジンのせいだったのかも。もしかするとウサギに群がられたのもあのニンジンのせい?
それに隠しエリア? ダンジョンにそんなものがあるのは初耳なんですが。よし。このままあのウサギについていこう。だってワクワクしちゃう。女の子だもん。
巣穴の奥の方は末広がりにだんだんと広がっていく。不意に大きな広間に出た。その中央には2メートルがありそうな筋肉質のウサギが二つの足で立っていた。その手に持っているのは、金のマイク?
「ふー間に合った。あっ!」
呟いたワンダーラビットから巨大なウサギがロイヤルゴールドキャロットを取り上げた。
「「あーぼくのにんじん(なのです)!」」
ロイヤルゴールドキャロットが巨大なウサギの口の中に消えていく。その光景にミニックとワンダーラビットの声が重なった。
怒ったような顔になったワンダーラビットが巨大なウサギに突っ込んでいく。しかし巨大なウサギの拳による一撃で吹き飛ばされた。そのままワンダーラビットが黒い煙になって消えていく。いったい何をしたかったんだろう。ワンダーラビットは。
まあそれは置いといて、ひとまずここがダンジョンの隠しエリアでいいみたいだね。そしてあの巨大なウサギがエリアボス的なものなのだろう。さてあのウサギは何者かな?
────────────────────
種族:ジャイアンラビット
状態:通常
2速歩行の巨大ウサギ型魔物。Cランク。強大な肉体から放たれる攻撃も強力だが、それ以上にひどい歌声から放たれる不可視の音波攻撃や音波によるバリアが強力。某猫型ロボットに出てくるガキ大将とはなんの繋がりもないので注意。ミラクルヴォイスマイクをドロップする。
────────────────────
なるほど。通常攻撃のほかに音による攻撃や防御に注意ってことね。不可視の攻撃はかなり厄介だ。それにいつの間にか出口は無くなってしまっている。出るにはあいつを倒すしかないってことらしいね。
だけど状態が迷宮歪形ではないからダンジョン主の扱いではない普通の魔物みたいだね。倒してしまってもいいというのは僥倖だ。
某猫型うんぬんについてはノーコメントで。
『ミニック。倒すよ』
『強そうなのです』
『言ってないで先制攻撃して』
バン!
わたしに叱咤されたビビりミニックが銃弾を放つ。しかしジャイアンラビットの眉間に向かっていくそれは頭に当たった瞬間弾かれてしまう。シルバーラビットと同様通常の弾丸は通らないらしい。
「ギュ~ギュ~♪」
ミニックに気がついたジャイアンラビットが歌(?)を歌い出す。その音波は耳を塞ぎたくなるほどひどい音色だ。実際ミニックは耳を塞いでうずくまっている。
「ギュー!!」
続けてジャイアンラビットが奇声を発する。音波による轟音の攻撃だ。その攻撃がしゃがんでいたミニックの頭の上をかするように通り抜け後ろの壁に大穴を開ける。
かなりの威力だ。ミニックがあたったらただでは済まないだろう。即死レベルの攻撃だ。絶対当たっちゃダメなやつだね。
『ミニック。ヴォイドサウンドを自分に使って!』
『わかったのです』
ミニックが立ち上がり精神集中を始める。ミニックが自分に使うことであのうるさい音は聞こえなくなるはずだ。そうすればとりあえずは普通に戦うことができる。
「ヴォイドサウンドなのです!」
ミニックが魔法を発動する。するとわたしにもジャイアンラビットの歌声が聞こえなくなった。嬉しい誤算だ。ミニックとは念話で話すから、今は音は必要ないからね。
ジャイアンラビットが何か叫ぶような仕草をする。音波による攻撃がミニックに放たれた。
『しゃがんで』
『!』
またも頭上を攻撃が掠めていく。またも間一髪だった。そこでわたしは違和感を覚える。
『攻撃見えてる?』
『見えないのです。厄介なのです』
やっぱりそうか。ミニックにはあれが見えてないらしい。わたしが言葉をかけるまで避ける動作をしてなかったからおかしいと思ったんだよね。〈天眼〉でも音波攻撃は不可視だと書いてあった。だけど不可視のはずの攻撃がわたしには見えてるみたいだ。理由はわからない。だけど今はそれがありがたい。
ミニックが再度魔力を練り始める。ジャイアンラビットは音波攻撃を連続で使ってくることはないみたい。今のうちに魔力が乗った弾丸であのデカブツを倒す!
ミニックの弾丸が撃ち放たれた。その弾丸はジャイアンラビットの眉間に向かっていって……。
音波によるバリアに阻まれた。バリアだけが虚無に消し去られる。
『何が起こったのです?』
『音波のバリアにあたって阻まれた! 右によけて!』
何が起こったかわかっていないミニックに状況を伝えてジャイアンラビットが放ってきた音波攻撃をミニックにかわさせる。しかしこのままだとかわし損ねたミニックがやられてしまうのも時間の問題だ。
『回避の指示だけお願いするのです!』
そういうとミニックが精神集中を始めた。何かするみたいだね。
わたしにはいい案が浮かばないからここはミニックに任せることにしよう。
ジャイアンラビットの音波攻撃をかわしながら少しずつ魔力を練り込んでいく。ミニックの持つニュートラルアークデュオの双方に魔力が溜まっていく。
なるほど。そういうことか。確かにそれなら倒すことができるかもしれない。
ミニックが何事か言葉を発した。おそらく魔法の詠唱だと思う。双銃から弾丸が2発放たれジャイアンラビットに向かっていく。弾丸が音波のバリアに阻まれて……次弾がジャイアンラビットの頭を消失させた。
ミリ秒の時間差で放たれた弾丸の片方がバリアを消し去り、もう一発が頭を貫いたのだ。
『やったのです!』
『うん。よく頑張った』
ミニックもだいぶ度胸がついてきたというか泣くようなことはほとんどなくなったよね。今回の作戦も自分で考えついたしミニックの成長はきちんと評価してあげてもいいと思う。
ジャイアンラビットは頭のない体をビクビクと震わせた後、黒い煙になって消え去っていた。後には魔石と黄金色のマイクだけが残っていた。
<天命ポイントが更新されました>
「急がないと。急がないと」
ウサギはどんどん巣穴の奥の方へと進んでいく。ミニックが追いつこうとするがウサギはつかず離れずの位置をキープしていて捕まりそうにない。
わたしは追いかけながらウサギを〈天眼〉で確認した。
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種族:ワンダーラビット
状態:通常
チョッキを着た2速歩行で歩くウサギ型魔物。Eランク。ウサギたちが魅了されるにんじんを持った者のもとに現れ、ダンジョンの隠しエリアに導く案内人。倒したときのドロップアイテムはない。
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ワンダーラビットという魔物みたい。いやそれよりも他の記述の方が気になるんだけど。
ウサギを魅了させるにんじんってロイヤルゴールドキャロットのこと? そういえばこのダンジョンで出会うウサギの魔物は魅了状態になってたよね。それがあのニンジンのせいだったのかも。もしかするとウサギに群がられたのもあのニンジンのせい?
それに隠しエリア? ダンジョンにそんなものがあるのは初耳なんですが。よし。このままあのウサギについていこう。だってワクワクしちゃう。女の子だもん。
巣穴の奥の方は末広がりにだんだんと広がっていく。不意に大きな広間に出た。その中央には2メートルがありそうな筋肉質のウサギが二つの足で立っていた。その手に持っているのは、金のマイク?
「ふー間に合った。あっ!」
呟いたワンダーラビットから巨大なウサギがロイヤルゴールドキャロットを取り上げた。
「「あーぼくのにんじん(なのです)!」」
ロイヤルゴールドキャロットが巨大なウサギの口の中に消えていく。その光景にミニックとワンダーラビットの声が重なった。
怒ったような顔になったワンダーラビットが巨大なウサギに突っ込んでいく。しかし巨大なウサギの拳による一撃で吹き飛ばされた。そのままワンダーラビットが黒い煙になって消えていく。いったい何をしたかったんだろう。ワンダーラビットは。
まあそれは置いといて、ひとまずここがダンジョンの隠しエリアでいいみたいだね。そしてあの巨大なウサギがエリアボス的なものなのだろう。さてあのウサギは何者かな?
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種族:ジャイアンラビット
状態:通常
2速歩行の巨大ウサギ型魔物。Cランク。強大な肉体から放たれる攻撃も強力だが、それ以上にひどい歌声から放たれる不可視の音波攻撃や音波によるバリアが強力。某猫型ロボットに出てくるガキ大将とはなんの繋がりもないので注意。ミラクルヴォイスマイクをドロップする。
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なるほど。通常攻撃のほかに音による攻撃や防御に注意ってことね。不可視の攻撃はかなり厄介だ。それにいつの間にか出口は無くなってしまっている。出るにはあいつを倒すしかないってことらしいね。
だけど状態が迷宮歪形ではないからダンジョン主の扱いではない普通の魔物みたいだね。倒してしまってもいいというのは僥倖だ。
某猫型うんぬんについてはノーコメントで。
『ミニック。倒すよ』
『強そうなのです』
『言ってないで先制攻撃して』
バン!
わたしに叱咤されたビビりミニックが銃弾を放つ。しかしジャイアンラビットの眉間に向かっていくそれは頭に当たった瞬間弾かれてしまう。シルバーラビットと同様通常の弾丸は通らないらしい。
「ギュ~ギュ~♪」
ミニックに気がついたジャイアンラビットが歌(?)を歌い出す。その音波は耳を塞ぎたくなるほどひどい音色だ。実際ミニックは耳を塞いでうずくまっている。
「ギュー!!」
続けてジャイアンラビットが奇声を発する。音波による轟音の攻撃だ。その攻撃がしゃがんでいたミニックの頭の上をかするように通り抜け後ろの壁に大穴を開ける。
かなりの威力だ。ミニックがあたったらただでは済まないだろう。即死レベルの攻撃だ。絶対当たっちゃダメなやつだね。
『ミニック。ヴォイドサウンドを自分に使って!』
『わかったのです』
ミニックが立ち上がり精神集中を始める。ミニックが自分に使うことであのうるさい音は聞こえなくなるはずだ。そうすればとりあえずは普通に戦うことができる。
「ヴォイドサウンドなのです!」
ミニックが魔法を発動する。するとわたしにもジャイアンラビットの歌声が聞こえなくなった。嬉しい誤算だ。ミニックとは念話で話すから、今は音は必要ないからね。
ジャイアンラビットが何か叫ぶような仕草をする。音波による攻撃がミニックに放たれた。
『しゃがんで』
『!』
またも頭上を攻撃が掠めていく。またも間一髪だった。そこでわたしは違和感を覚える。
『攻撃見えてる?』
『見えないのです。厄介なのです』
やっぱりそうか。ミニックにはあれが見えてないらしい。わたしが言葉をかけるまで避ける動作をしてなかったからおかしいと思ったんだよね。〈天眼〉でも音波攻撃は不可視だと書いてあった。だけど不可視のはずの攻撃がわたしには見えてるみたいだ。理由はわからない。だけど今はそれがありがたい。
ミニックが再度魔力を練り始める。ジャイアンラビットは音波攻撃を連続で使ってくることはないみたい。今のうちに魔力が乗った弾丸であのデカブツを倒す!
ミニックの弾丸が撃ち放たれた。その弾丸はジャイアンラビットの眉間に向かっていって……。
音波によるバリアに阻まれた。バリアだけが虚無に消し去られる。
『何が起こったのです?』
『音波のバリアにあたって阻まれた! 右によけて!』
何が起こったかわかっていないミニックに状況を伝えてジャイアンラビットが放ってきた音波攻撃をミニックにかわさせる。しかしこのままだとかわし損ねたミニックがやられてしまうのも時間の問題だ。
『回避の指示だけお願いするのです!』
そういうとミニックが精神集中を始めた。何かするみたいだね。
わたしにはいい案が浮かばないからここはミニックに任せることにしよう。
ジャイアンラビットの音波攻撃をかわしながら少しずつ魔力を練り込んでいく。ミニックの持つニュートラルアークデュオの双方に魔力が溜まっていく。
なるほど。そういうことか。確かにそれなら倒すことができるかもしれない。
ミニックが何事か言葉を発した。おそらく魔法の詠唱だと思う。双銃から弾丸が2発放たれジャイアンラビットに向かっていく。弾丸が音波のバリアに阻まれて……次弾がジャイアンラビットの頭を消失させた。
ミリ秒の時間差で放たれた弾丸の片方がバリアを消し去り、もう一発が頭を貫いたのだ。
『やったのです!』
『うん。よく頑張った』
ミニックもだいぶ度胸がついてきたというか泣くようなことはほとんどなくなったよね。今回の作戦も自分で考えついたしミニックの成長はきちんと評価してあげてもいいと思う。
ジャイアンラビットは頭のない体をビクビクと震わせた後、黒い煙になって消え去っていた。後には魔石と黄金色のマイクだけが残っていた。
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