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── 2章 ミニック編 ──
076.小人族とべトール連邦
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魔石とドロップの査定が終わり冒険者ギルドを後にした。ちなみに魔石が534個で5340ニクル、ウサギ肉が216個で2160ニクル、合計で7500ニクルだった。
7500ニクル。充分多いはずの金額なんだけど、それまでにもらった21万ニクルと比べると少なく感じてしまうね。よくよく考えると7500ニクルは7万5千円くらいの価値があるはずなので、1日にして金銭感覚がバグってしまったのかもしれない。
月影の耳飾りの〈鑑定〉の後にギルマスのアイリスから防具屋の場所も教えてもらったので今はそこに向かっている。
だけどアイリスが言うにはミニックにはあまりオススメしないお店らしい。
防具の質が悪いとかなのかな? 有名な鍛冶師の弟子がやっている店と言っていたからそんなことはないと思うんだけど。
この街には防具屋はそこしかないらしいし今のままよりは防御力は上がると思うので妥協して向かっている。
『本当にいくのです?』
『行くよ? 防具なしで旅は厳しいからね』
『でもなのです』
ミニックは行きたくないらしい。アイリスの話を聞いてからずっとこんな感じ。またうじうじ病が始まったみたいだね。ミニックの足取りが重い。
鉄製の黒い扉を前にミニックが立ち止まった。灰色の石造りの店で看板に盾と鎧のマークが添えられている。ここが教えてもらった防具屋のようだ。
『着いたみたいだね』
『着いてしまったのです』
『入るよ!』
『もうどうとでもなれなのです!』
ミニックが扉を開けた。店の奥には店主が座ていたがミニック気がつくとすぐにこちらに向かってくる。わたしはその姿を見て少しびっくりする。
びっくりしたのは店主の風貌だ。がっちりした体格に低めの身長、しっかりとたくわえられた長い髭。ドワーフだ。本物のドワーフに違いない。
────────────────────
名前:ガルフ
種族:ドワーフ族
技能:鍛冶
魔法:火
恩恵:─
────────────────────
やっぱりそうだ。あまりにわたしが想像するドワーフと一致するので驚いてしまった。
そういえばスタリアの街にきてからも小人族以外に亜人、獣人は見ていなかったかもしれない。もしかすると冒険者ギルドにはいたのかもしれないけどそこまでちゃんと見なかったから。
その間にもドワーフのガルフはミニックの方へ向かってくる。そしてミニックの前に立つと冷たい目で見下ろして口を開いた。
「お前は小人族だな」
「そ、そうなのです」
「出ていけ!! お前らに渡す防具はない!!」
扉から締め出された。まだ何もしてないんだけど!?
『だから嫌だったのです』
ミニックはこうなることが予想できていたみたい。でもわたしには意味がわからない。
『どういうこと?』
『これが小人族の扱いなのです』
ミニックが言うには小人族はべトール連邦の亜人獣人に嫌われているらしい。なんでも昔べトール連邦がハギア帝国に滅ぼされそうになったとき逃げ出したのが小人族なのだそうだ。それ以来小人族は亜人獣人から差別を受け、べトール連邦の人族が住む州でひっそりと暮らしているらしい。
『これから旅をするんだから亜人族にも会うと思うけどそれは大丈夫なの?』
『分かってるのです。でもまだ心の準備ができてなかったのです』
なるほど。ミニックにはちょっと悪いことをしてしまった。思うにわたしはこの国について知らなすぎるのかもしれない。本来ならアイリスの言葉で勘付けることもわからないくらいに。
『ミニック。図書館ってある?』
『ないのです。だけど冒険者ギルドには資料室があるはずなのです』
『じゃあ今日はその資料室で勉強させて? べトール連邦について調べたいから』
『分かったのです。ギルドに戻るのです』
◇◇◇
「やはり防具屋からは追い出されましたか?」
アイリスがミニックに声をかけてくる。いつも思うんだけど暇なのかな? ギルドマスターなんだからそんなことないはずなんだけど。
「そうなのです。今日はこの後資料室を使わせてほしいのです」
「わかりました。部屋まで案内しますね」
アイリスの案内でミニックが大きな部屋に通される。そこには60歳くらいの丸眼鏡をかけたおじいさんが椅子に座って本の整理をしていた。
「ファーランさん。こちらミニックさんです。資料室を使いたいとのことなのでお願いしても良いですか?」
「おお、小人族か? ギルドの資料室にくるとは珍しい。あいわかった。こちらは任せて仕事に戻りなさい」
「よろしくお願いします」
ここが資料室らしい。確かに壁に備え付けられた本棚にはたくさんの本が所狭しと置かれている。
アイリスが部屋から出ていくとファーラン爺さんが話しかけてくる。
「それで、どんな本を探しているのかな?」
「べトール連邦について書かれた本が読みたいのです」
「ならあっちの棚じゃな。べトール連邦の基本的内容についての本は下から2段目の左端に置いてある」
「ありがとうございますなのです」
「わからないことがあればまた聞きにきなさい」
ミニックがおすすめされた本を取り出してページを一枚ずつめくっていく。
その本によるとべトール連邦は49の州に分かれていてそれぞれを州長が治めているらしい。州長には州によって決まった種族が就任することができ、州によって統治形態も多種多様に変わる。一つの国というより多数の国が集まったような国家形態だね。
州の間はべトール連邦国民が自由に行き来することができてさまざまな種族が混在するサラダボウルなんだとか。
そして、今いる街、スタリアは人族が治めるアラバという州に属していて州民は人族と小人族が多くを占めているらしい。
ちなみに小人族が治める州はなかった。昔はあったみたいなんだけどハギア帝国の襲撃にあったときにちょうど隣接していた小人族の土地が奪われてなくなってしまったみたい。
そしてわたしは今、本を読みながら本題であるトロン王国へ行くための道程を考えている。
『トロン王国へ最短距離で行こうとすると立ち寄る州は全部亜人獣人が治める州になるね。遠回りすれば大半を人族が治めている州を通っていくこともできそうだけど』
『でもかなり遠回りになるのです』
『まあそうだね』
『それにアルトさんの情報を得るのに人族だけの情報だと偏る場合があるかもなのです』
ミニックは遠回りすることに反対らしい。ミニックが亜人族の州を通るのは嫌じゃないかと思って調べようと思ったんだけど。
まあ、ミニックがいいというなら最短距離で進むことにしようかな。
『じゃあとりあえずこれくらいで調べ物はいいかな?』
『わかったのです。宿に戻ってご飯を食べるのです』
いいよなー。わたしも久しぶりにご飯が食べたくなってくるよ。
7500ニクル。充分多いはずの金額なんだけど、それまでにもらった21万ニクルと比べると少なく感じてしまうね。よくよく考えると7500ニクルは7万5千円くらいの価値があるはずなので、1日にして金銭感覚がバグってしまったのかもしれない。
月影の耳飾りの〈鑑定〉の後にギルマスのアイリスから防具屋の場所も教えてもらったので今はそこに向かっている。
だけどアイリスが言うにはミニックにはあまりオススメしないお店らしい。
防具の質が悪いとかなのかな? 有名な鍛冶師の弟子がやっている店と言っていたからそんなことはないと思うんだけど。
この街には防具屋はそこしかないらしいし今のままよりは防御力は上がると思うので妥協して向かっている。
『本当にいくのです?』
『行くよ? 防具なしで旅は厳しいからね』
『でもなのです』
ミニックは行きたくないらしい。アイリスの話を聞いてからずっとこんな感じ。またうじうじ病が始まったみたいだね。ミニックの足取りが重い。
鉄製の黒い扉を前にミニックが立ち止まった。灰色の石造りの店で看板に盾と鎧のマークが添えられている。ここが教えてもらった防具屋のようだ。
『着いたみたいだね』
『着いてしまったのです』
『入るよ!』
『もうどうとでもなれなのです!』
ミニックが扉を開けた。店の奥には店主が座ていたがミニック気がつくとすぐにこちらに向かってくる。わたしはその姿を見て少しびっくりする。
びっくりしたのは店主の風貌だ。がっちりした体格に低めの身長、しっかりとたくわえられた長い髭。ドワーフだ。本物のドワーフに違いない。
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名前:ガルフ
種族:ドワーフ族
技能:鍛冶
魔法:火
恩恵:─
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やっぱりそうだ。あまりにわたしが想像するドワーフと一致するので驚いてしまった。
そういえばスタリアの街にきてからも小人族以外に亜人、獣人は見ていなかったかもしれない。もしかすると冒険者ギルドにはいたのかもしれないけどそこまでちゃんと見なかったから。
その間にもドワーフのガルフはミニックの方へ向かってくる。そしてミニックの前に立つと冷たい目で見下ろして口を開いた。
「お前は小人族だな」
「そ、そうなのです」
「出ていけ!! お前らに渡す防具はない!!」
扉から締め出された。まだ何もしてないんだけど!?
『だから嫌だったのです』
ミニックはこうなることが予想できていたみたい。でもわたしには意味がわからない。
『どういうこと?』
『これが小人族の扱いなのです』
ミニックが言うには小人族はべトール連邦の亜人獣人に嫌われているらしい。なんでも昔べトール連邦がハギア帝国に滅ぼされそうになったとき逃げ出したのが小人族なのだそうだ。それ以来小人族は亜人獣人から差別を受け、べトール連邦の人族が住む州でひっそりと暮らしているらしい。
『これから旅をするんだから亜人族にも会うと思うけどそれは大丈夫なの?』
『分かってるのです。でもまだ心の準備ができてなかったのです』
なるほど。ミニックにはちょっと悪いことをしてしまった。思うにわたしはこの国について知らなすぎるのかもしれない。本来ならアイリスの言葉で勘付けることもわからないくらいに。
『ミニック。図書館ってある?』
『ないのです。だけど冒険者ギルドには資料室があるはずなのです』
『じゃあ今日はその資料室で勉強させて? べトール連邦について調べたいから』
『分かったのです。ギルドに戻るのです』
◇◇◇
「やはり防具屋からは追い出されましたか?」
アイリスがミニックに声をかけてくる。いつも思うんだけど暇なのかな? ギルドマスターなんだからそんなことないはずなんだけど。
「そうなのです。今日はこの後資料室を使わせてほしいのです」
「わかりました。部屋まで案内しますね」
アイリスの案内でミニックが大きな部屋に通される。そこには60歳くらいの丸眼鏡をかけたおじいさんが椅子に座って本の整理をしていた。
「ファーランさん。こちらミニックさんです。資料室を使いたいとのことなのでお願いしても良いですか?」
「おお、小人族か? ギルドの資料室にくるとは珍しい。あいわかった。こちらは任せて仕事に戻りなさい」
「よろしくお願いします」
ここが資料室らしい。確かに壁に備え付けられた本棚にはたくさんの本が所狭しと置かれている。
アイリスが部屋から出ていくとファーラン爺さんが話しかけてくる。
「それで、どんな本を探しているのかな?」
「べトール連邦について書かれた本が読みたいのです」
「ならあっちの棚じゃな。べトール連邦の基本的内容についての本は下から2段目の左端に置いてある」
「ありがとうございますなのです」
「わからないことがあればまた聞きにきなさい」
ミニックがおすすめされた本を取り出してページを一枚ずつめくっていく。
その本によるとべトール連邦は49の州に分かれていてそれぞれを州長が治めているらしい。州長には州によって決まった種族が就任することができ、州によって統治形態も多種多様に変わる。一つの国というより多数の国が集まったような国家形態だね。
州の間はべトール連邦国民が自由に行き来することができてさまざまな種族が混在するサラダボウルなんだとか。
そして、今いる街、スタリアは人族が治めるアラバという州に属していて州民は人族と小人族が多くを占めているらしい。
ちなみに小人族が治める州はなかった。昔はあったみたいなんだけどハギア帝国の襲撃にあったときにちょうど隣接していた小人族の土地が奪われてなくなってしまったみたい。
そしてわたしは今、本を読みながら本題であるトロン王国へ行くための道程を考えている。
『トロン王国へ最短距離で行こうとすると立ち寄る州は全部亜人獣人が治める州になるね。遠回りすれば大半を人族が治めている州を通っていくこともできそうだけど』
『でもかなり遠回りになるのです』
『まあそうだね』
『それにアルトさんの情報を得るのに人族だけの情報だと偏る場合があるかもなのです』
ミニックは遠回りすることに反対らしい。ミニックが亜人族の州を通るのは嫌じゃないかと思って調べようと思ったんだけど。
まあ、ミニックがいいというなら最短距離で進むことにしようかな。
『じゃあとりあえずこれくらいで調べ物はいいかな?』
『わかったのです。宿に戻ってご飯を食べるのです』
いいよなー。わたしも久しぶりにご飯が食べたくなってくるよ。
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