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── 2章 ミニック編 ──
070.冒険者ギルド
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「小人族の坊主。今ギルドは忙しい。用事がないなら今は引っ込んでな」
ミニックがギルドの中に入った途端、冒険者の男に呼び止められて行手を塞がれた。左目から頬にかけて稲妻型のに走る古傷と綺麗に刈り取られたスキンヘッドというかなり強面な男だ。2メートルくらいはありそうな巨体に大斧を背負ったいかにも歴戦の戦士ですと言いたげな男が手を腰に当ててミニックを睥睨している。
もしかして冒険者ギルドでチンピラに絡まれるというテンプレイベント発生かな? それにしては目の前の冒険者が強そうなんですけど? めっちゃ睨んでくるんですけど?
「な、何かあったのです?」
ミニックが強面の男の顔を見上げる。ビビってるのが丸わかりの震えた声だね。まあ確かに怖いからしょうがない。
「聞こえなかったのか? 引っ込んでな」
「よ、用ならあるのです。冒険者登録をしにきたのです」
「だから後にしろって言ってんだ」
「おいおい、ボーダン。脅かしてやんなよ。そんな言い方じゃ伝わるもんも伝わんねーよ? お前の顔はただでさえ怖いんだからよ」
ミニックが受付の方へ進もうとすると他の男がビールを片手に強面の男に声をかけた。そのビールの男がミニックに目を向ける。
「悪いな小人族の少年。ボーダンは口と顔は悪いが悪いやつじゃないんだ」
「悪口言ってんじゃね──」
「ちょっと黙ってろ。今は持ち込まれた魔石のせいでちょっと立て込んでてな。今行っても登録はできないだろうからちょっと待ってな。にしてもあいつら。めんどくせー魔石を持ち込みやがって」
どうやら、その面倒な魔石とやらが持ち込まれたせいで受付が今忙しいらしい。ボーダンという強面の男はそれをミニックに教えようとしていただけのようだ。もうちょっと言い方があるとは思うけど悪いやつではないらしい。まったく。テンプレと勘違いしちゃったじゃないか。紛らわしい。
というか誰だよ。そんな面倒な魔石を持ち込んだやつ。ミニックが冒険者登録できないじゃないか。魔石が換金できなかったりとかミニックって運悪くない? 〈天運〉さん? ちゃんと仕事してます?
「面倒な魔石なのです?」
「ああ。どうやらゴブリンジェネラルの魔石らしい。それが本当なら近くに大きなゴブリンの集落があるってことだ。その討伐に駆り出されるかも知れねえな」
冒険者たちが口々に愚痴っているのはそのことらしい。聞いているところによるとどうやらゴブリンの集落の討伐はあまり割りのいい仕事ではないらしい。
それにしてもゴブリンジェネラルの魔石かー。どこかで聞いたことがあるような気がするね。
「ほら」
男はあれだよみたいなジェスチャーで受付の方を親指で指差した。そこには複数の人々。
……とそれに囲まれたカイレンたち〈ヴェイルウォーク〉の面々。
すっとぼけようとしたけどダメでした。そうだよね。ついさっき持ち込まれたゴブリンジェネラルの魔石じゃあね。無関係とはいかないよね。
「カイレン、なのです?」
「おっ? 知り合いか?」
「さっきまで一緒にいたのです」
ここからだと微妙に会話が聞き取れないから近づいて聞き耳を立てることにする。ちょうど受付の裏から一人の受付嬢が魔石を持って戻ってくるところだった。
「──本当にゴブリンジェネラルの魔石のようですね」
「だから、さっきからそうだと言っている! 街を少し出たところでゴブリンの群れに襲われた! これはゴブリンジェネラルの魔石だと!」
「ゴブリンジェネラルはあなたがたのランクでは対処が難しいはずなので疑うのは仕方がありません。しかし群れだったんですね? ではなぜ魔石がこれだけしかないのですか?」
「ミニックに助けてもらったんです。他の魔石はミニックが持っています」
「ミニックさんとは? 冒険者ですか?」
「いえ。まだ冒険者ではないらしいです。でもそろそろ来るかもしれません。あ、噂をすれば! ミニック! ちょっとこっちきて!」
案の定ミニックがリアナに呼ばれてしまった。
「呼ばれてるようなので行ってくるのです」
「おう。……大丈夫か? 震えてるみたいだが?」
「だ、大丈夫なのです」
ミニックからしたら騒動の渦中に入っていくのは腰が引けるのかもしれない。まだちょっと震えながら受付の前まで歩いていく。
「あなたがミニックさん、ですか? 小人族ですね。冒険者ではないと聞きましたが?」
受付嬢が訝しげな目をミニックに向けている。
「そうなのです。今日冒険者登録をしにきたのです」
「そうですか。しかし今は魔石の確認をしたいのです。あるのであれば出していただいてよろしいですか?」
「分かったのです」
ミニックがゴブリンの魔石を取り出す。その数23個。受付嬢がちょっと驚いた表情をあげるが「お借りしますね」というなり魔石が鑑定にあげられる。
すぐに鑑定の結果は出たようで「ゴブリンの魔石で間違いありません。上位種のEランクの魔石も4つ含まれています」という声が鑑定士の方から聞こえてくる。
「そうですか。魔石を確認させていただきありがとうございます。ミニックさんと〈ヴェイルウォーク〉の皆さんはここで話を聞かせていただいてよろしいですか?」
「わかりました」
「わかったのです」
後ろからは「マジか」「本当だったか」「つーかあのチビがあれだけの魔物を倒したのか?」「あいつ小人族だろ?」「なんか震えてるみたいだけど」など冒険者が口々に話しているのが聞こえる。
ミニックたちは代表してカイレンが話をすることにしたようだ。
「とは言っても、さっき話したことがほとんどだ。俺たちがゴブリンに囲まれていたところをミニックに助けてもらった。その後、上位種を含めたゴブリンたちが後からやってきたんだがそれも4人で倒した。それだけだ。ほぼ全てのゴブリンをミニックが瞬殺したのはびっくりしたけどな」
「そうですか。……瞬殺。ミニックさん。話に齟齬はありますか?」
「特にないのです。あ、ゴブリンジェネラルは3人に助けてもらったから倒せたのです」
「それも、盾を使えなくしたらすぐ倒してたけどね。ミニックのあの武器ははっきり言ってずるいと思う」
受付嬢の目がきらりと光る。あれはそう。獲物を見つけたときの目だね。
「お話はわかりました。やはりゴブリンの集落ができている可能性が高いですね。しかもジェネラルが出てくるレベルとなると相当大きい集落になりそうです。みなさん! 今すぐ冒険者に調査依頼を出してください!」
受付嬢の一声でギルド職員の全員がキビキビと動き出した。なんで受付嬢が仕切ってるのかはよくわからないけど。
「ところでミニックさん。冒険者登録をしたいとのことでしたね?」
「そうなのです」
「こちらの要求を聞いていただければ登録料を無料にしてもいいですよ」
「本当なのです!?」
「それに冒険者ランクもGランクからではなくEランクからのスタートにすることも考えます。魔石の買取をしてもいいです」
それが本当なら結構嬉しい。お金を作ってきたと言っても500ニクルしかないからね。このままじゃ宿に泊まるお金すらないし。
でもそれは一介の受付嬢が決められることなのかな? 後でギルドマスターに確認するとか?
「それで要求とはなんなのです?」
「それはこのギルドで今一番強いBランク冒険者のボーダンさんと戦ってもらうことです」
ミニックがギルドの中に入った途端、冒険者の男に呼び止められて行手を塞がれた。左目から頬にかけて稲妻型のに走る古傷と綺麗に刈り取られたスキンヘッドというかなり強面な男だ。2メートルくらいはありそうな巨体に大斧を背負ったいかにも歴戦の戦士ですと言いたげな男が手を腰に当ててミニックを睥睨している。
もしかして冒険者ギルドでチンピラに絡まれるというテンプレイベント発生かな? それにしては目の前の冒険者が強そうなんですけど? めっちゃ睨んでくるんですけど?
「な、何かあったのです?」
ミニックが強面の男の顔を見上げる。ビビってるのが丸わかりの震えた声だね。まあ確かに怖いからしょうがない。
「聞こえなかったのか? 引っ込んでな」
「よ、用ならあるのです。冒険者登録をしにきたのです」
「だから後にしろって言ってんだ」
「おいおい、ボーダン。脅かしてやんなよ。そんな言い方じゃ伝わるもんも伝わんねーよ? お前の顔はただでさえ怖いんだからよ」
ミニックが受付の方へ進もうとすると他の男がビールを片手に強面の男に声をかけた。そのビールの男がミニックに目を向ける。
「悪いな小人族の少年。ボーダンは口と顔は悪いが悪いやつじゃないんだ」
「悪口言ってんじゃね──」
「ちょっと黙ってろ。今は持ち込まれた魔石のせいでちょっと立て込んでてな。今行っても登録はできないだろうからちょっと待ってな。にしてもあいつら。めんどくせー魔石を持ち込みやがって」
どうやら、その面倒な魔石とやらが持ち込まれたせいで受付が今忙しいらしい。ボーダンという強面の男はそれをミニックに教えようとしていただけのようだ。もうちょっと言い方があるとは思うけど悪いやつではないらしい。まったく。テンプレと勘違いしちゃったじゃないか。紛らわしい。
というか誰だよ。そんな面倒な魔石を持ち込んだやつ。ミニックが冒険者登録できないじゃないか。魔石が換金できなかったりとかミニックって運悪くない? 〈天運〉さん? ちゃんと仕事してます?
「面倒な魔石なのです?」
「ああ。どうやらゴブリンジェネラルの魔石らしい。それが本当なら近くに大きなゴブリンの集落があるってことだ。その討伐に駆り出されるかも知れねえな」
冒険者たちが口々に愚痴っているのはそのことらしい。聞いているところによるとどうやらゴブリンの集落の討伐はあまり割りのいい仕事ではないらしい。
それにしてもゴブリンジェネラルの魔石かー。どこかで聞いたことがあるような気がするね。
「ほら」
男はあれだよみたいなジェスチャーで受付の方を親指で指差した。そこには複数の人々。
……とそれに囲まれたカイレンたち〈ヴェイルウォーク〉の面々。
すっとぼけようとしたけどダメでした。そうだよね。ついさっき持ち込まれたゴブリンジェネラルの魔石じゃあね。無関係とはいかないよね。
「カイレン、なのです?」
「おっ? 知り合いか?」
「さっきまで一緒にいたのです」
ここからだと微妙に会話が聞き取れないから近づいて聞き耳を立てることにする。ちょうど受付の裏から一人の受付嬢が魔石を持って戻ってくるところだった。
「──本当にゴブリンジェネラルの魔石のようですね」
「だから、さっきからそうだと言っている! 街を少し出たところでゴブリンの群れに襲われた! これはゴブリンジェネラルの魔石だと!」
「ゴブリンジェネラルはあなたがたのランクでは対処が難しいはずなので疑うのは仕方がありません。しかし群れだったんですね? ではなぜ魔石がこれだけしかないのですか?」
「ミニックに助けてもらったんです。他の魔石はミニックが持っています」
「ミニックさんとは? 冒険者ですか?」
「いえ。まだ冒険者ではないらしいです。でもそろそろ来るかもしれません。あ、噂をすれば! ミニック! ちょっとこっちきて!」
案の定ミニックがリアナに呼ばれてしまった。
「呼ばれてるようなので行ってくるのです」
「おう。……大丈夫か? 震えてるみたいだが?」
「だ、大丈夫なのです」
ミニックからしたら騒動の渦中に入っていくのは腰が引けるのかもしれない。まだちょっと震えながら受付の前まで歩いていく。
「あなたがミニックさん、ですか? 小人族ですね。冒険者ではないと聞きましたが?」
受付嬢が訝しげな目をミニックに向けている。
「そうなのです。今日冒険者登録をしにきたのです」
「そうですか。しかし今は魔石の確認をしたいのです。あるのであれば出していただいてよろしいですか?」
「分かったのです」
ミニックがゴブリンの魔石を取り出す。その数23個。受付嬢がちょっと驚いた表情をあげるが「お借りしますね」というなり魔石が鑑定にあげられる。
すぐに鑑定の結果は出たようで「ゴブリンの魔石で間違いありません。上位種のEランクの魔石も4つ含まれています」という声が鑑定士の方から聞こえてくる。
「そうですか。魔石を確認させていただきありがとうございます。ミニックさんと〈ヴェイルウォーク〉の皆さんはここで話を聞かせていただいてよろしいですか?」
「わかりました」
「わかったのです」
後ろからは「マジか」「本当だったか」「つーかあのチビがあれだけの魔物を倒したのか?」「あいつ小人族だろ?」「なんか震えてるみたいだけど」など冒険者が口々に話しているのが聞こえる。
ミニックたちは代表してカイレンが話をすることにしたようだ。
「とは言っても、さっき話したことがほとんどだ。俺たちがゴブリンに囲まれていたところをミニックに助けてもらった。その後、上位種を含めたゴブリンたちが後からやってきたんだがそれも4人で倒した。それだけだ。ほぼ全てのゴブリンをミニックが瞬殺したのはびっくりしたけどな」
「そうですか。……瞬殺。ミニックさん。話に齟齬はありますか?」
「特にないのです。あ、ゴブリンジェネラルは3人に助けてもらったから倒せたのです」
「それも、盾を使えなくしたらすぐ倒してたけどね。ミニックのあの武器ははっきり言ってずるいと思う」
受付嬢の目がきらりと光る。あれはそう。獲物を見つけたときの目だね。
「お話はわかりました。やはりゴブリンの集落ができている可能性が高いですね。しかもジェネラルが出てくるレベルとなると相当大きい集落になりそうです。みなさん! 今すぐ冒険者に調査依頼を出してください!」
受付嬢の一声でギルド職員の全員がキビキビと動き出した。なんで受付嬢が仕切ってるのかはよくわからないけど。
「ところでミニックさん。冒険者登録をしたいとのことでしたね?」
「そうなのです」
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「それに冒険者ランクもGランクからではなくEランクからのスタートにすることも考えます。魔石の買取をしてもいいです」
それが本当なら結構嬉しい。お金を作ってきたと言っても500ニクルしかないからね。このままじゃ宿に泊まるお金すらないし。
でもそれは一介の受付嬢が決められることなのかな? 後でギルドマスターに確認するとか?
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