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── 1章 アルト編 ──
048.崩壊
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セリスが無事に元の姿に戻り、アルトたちはダンジョン主の部屋から出ようとしていた。
「姫!」
待ち構えたようにシルヴァがセリスの方に近寄ろうとする。あ、なにかに阻まれて立ち入れないみたいだ。見えない壁にぶつかって頭を押さえている。
……じゃない! アルトがお兄ちゃんってどういうこと!?
『アルトがお兄ちゃんってどういうこと!?』
『そのままの意味ですけど?』
『だってアルトは女の子だよね!?』
『……まだ気がついていなかったんですね』
アルトが今にもため息をつきそうな顔をしている。
『ぼくは男です』
衝撃の事実!! アルトが男の娘だった? えっみんなはもう気がついてた? そんな馬鹿な!!
『嘘だ! だったらなんでドレスアーマーを嬉々として着てるの!?』
「これは不可抗力です!! というよりも嬉々として着てなんかいません!!」
「アルト? 何叫んでる?」<アルト? そんなに大きな声で何を叫んでるの?>
「おにいちゃんどうしたの?」
「あ、え、ごめんなさい。なんでもないです」
アルトが恨みがましい目でこちらを睨んでくる。だからなんでわたしがいるところがわかるの? 超能力?
「間違いなく姫です」
いつの間にか横にいたシルヴァがセリスの手をとっていた。執事服を着た柔和な顔の美青年が12歳くらいの少女の手を取る図。これって大丈夫かな? ぎりぎり事案じゃない? わたしには判断つきません。
「なんかやだ」
「グフ!!」
なんか漫才をやっている。セリスがシルヴァの手を振り払ってアルトの手を握った。セリスが嫌だったらそれは事案認定してもいいのではないだろうか?
「そんなことよりこの揺れはダンジョン崩壊ですよね?」
「そんなことより? ……ええ。おそらくダンジョンの主がいなくなったことによって崩壊が始まっているのでしょう。しばらくしたらみなさんは転移されると思います。わたしは転移されないでしょうけど。それより姫はなぜここに? ダンジョンの主が姫だと気がついた時は助からないと思ったのですが」
やっぱりシルヴァはセリスがダンジョン主になっていることに気がついていたみたい。それなら言ってくれればよかったのに。
「魔法で回復したら戻りました」
と言ってもホーリーヒールとアビスヒールの重ねがけだけどね。
「そんなことが……。いやしかし姫が人型に戻っているのも事実です。ありがとうございます」
「いえ。ぼくの妹でもありますし」
「うん。おにいちゃん好き!」
「なんと羨まし……。ん? おにいちゃんですか?」
そう言いながらアルトの服装を見つめる。
シルヴァもそう思うよね!? これでもアルトは男の子らしいですよ。全然見えないけど! でもそのことには触れない方がいいかも。アルトの顔がすごいことになってるから。
「ごほん! それより時間もないですしこれからのことを話しておきたいのですが」
咳払いしてシルヴァが話を進めようとする。
揺れるダンジョンの中でいうことか?と思うけどシルヴァは転移されないみたいだからね? 今のうちに話しておきたいのだろう。
「あ、その前にいいですか? セリスに尻尾が生えてるんですけどこれってダンジョン主になっていた後遺症だったりしませんか?」
「いえ。いたって普通ですよ。姫は龍人族の血が流れてますから。尻尾は当然あります」
〈天眼〉で確認して知ってはいたけどセリスは龍人族と魔王の子供らしい。……魔王はちょっと節操なさすぎなのでは?
「……そうなんですね。でもそうするとこの国で生活するのはちょっと難しいかもしれません」
「はい。ですのでわたしが魔王国まで姫を送ろうと思うのですが」
「嫌だ! おにいちゃんと一緒にいる!」
「ですが」
「シルヴァ嫌い」
「グフ!!」
シルヴァがセリスの言葉によってかなりのダメージを負ったようだ。口から血まで吐き出してる。SSSランクの幻獣を傷つけるなんてセリスは実は最強なんじゃないかな?
「おにいちゃんについてく!」
「だけどぼくについてくると嫌な目に遭うかもしれないよ」
「大丈夫! だっておにいちゃんが守ってくれるでしょ?」
「もちろん守るけど」
いつの間にかアルトの口調がですます調じゃなくなってる。というかなんでセリスがこの国で生活するのが大変なんだろう?
『アルト? どういうこと?』
『え? ああ。トロン王国は純人国家なので人族以外は暮らしにくいんです』
『なるほど? もしかして奴隷になったりするってこと?』
『いえ。トロンでは亜人獣人の奴隷すらいないですね。目に入れるのも嫌、という人が多いですから』
そんなに? それはなんというか、筋金入りだ。
「姫。わがままを言ってはいけません」
やっと復活したシルヴァがセリスを嗜める。
「やだ。シルヴァは邪な目をしてる」
「そんなことはありません。わたしはただ姫を可愛く思うあまり頭を撫で回したり手をすりすりしたいだけです」
シルヴァがなんかやばいことを言い出した。あの最初に会ったときに感じたあの威圧感はどうした? それはもうただの不審者です!
「キモい」<気持ち悪いね>
「ぼくもそれはちょっとどうかと思います」
「そんな」
シルヴァよ。心外だという顔をするな。これが不審者を見た人の普通の反応だよ。いやむしろぬるいくらいかも。
「ぼくがセリスを見ていますので」
「……それではわたしは姫が戻ったことを急ぎ魔王に知らせに行くことにします。あなたがたも魔王国に向かってください」
「いや! 帰らない!」
「魔王が聞いたら号泣しそうですね」
さっきまで血の涙を流していたシルヴァがいうことではないと思うけど?
そんなシルヴァは上を向くといまだ揺れ動くダンジョンの天井を素手でぶち抜いた。どデカい穴がダンジョン35階層分を撃ち抜いて外の光が差し込んでくる。……いやいや、どんな馬鹿力だよ。
「では、魔王国に行ってきますね」
「はい。空を飛んでいくんですか?」
「いえ。魔王城に転移します」
「それってぼくたちを一緒に連れていくことって──」
「できません。わたしの転移は一人用なので。まあ姫の無事を伝えたらすぐに戻ってきますよ」
「戻ってこないで」
「カハッ!」
シルヴァは血を吐きながらよろよろとダンジョンの外へ向かって浮かんでいった。
「……どうする?」<……ぼくたちはどうするの?>
シルヴァが去ったあと、おもむろにノーアがアルトに問いかける。
「どうするって転移を待つんじゃないんですか?」
「ダンジョン核」<ダンジョン核を取っといたほうがいいんじゃない?>
「……なるほど。念の為とっておいた方がいいかもしれません」
アルトたちがボス部屋の中に戻る。その部屋の奥にはさっきまではなかった扉が設置されていた。
『なんでダンジョン核を取っておいた方がいいの?』
『ダンジョンを攻略した証というのもありますけど、どちらかというと利益の補填ですね』
アルトいわくダンジョンの近くには大抵迷宮都市が造られるらしい。それはダンジョンの資源をあてにしているからだ。
しかしダンジョンは攻略してしまうとなくなってしまう。そうすると以降ダンジョン探索で発生したはずの富も得られなくなってしまう。迷宮都市としてはそれでは困る。
一方、通常ダンジョンのダンジョン核には創造神の神気が込められていることがわかっている。これは勇者召喚にも使われる高密度なエネルギーだ。創造神の神気が得られるのは今のところダンジョン核のみなので法外な価格がつけられるという。迷宮都市はそこに目をつけた。ダンジョン攻略を冒険者たちに許す代わりにダンジョン核は迷宮都市の所有物とすることに決めた。これはダンジョンのある国で法律として定められている事項であり、違反すると当然処罰される。
『なのでダンジョン攻略者は都市にダンジョン核を献上する決まりなんです』
なお、迷宮都市は大抵ダンジョン核を王家または教会に売って都市を維持する資金にするらしい。
『それだとダンジョンの攻略者は他の探索者たちからは恨まれそうだね』
今までダンジョンでの収入をあてにしていた探索者たちも困るだろうけど全く補填がないことになるからね。
『実際恨まれます。ダンジョン産のドロップアイテムを売り買いしている商人とかにもですけど』
扉を開くと石でできた台の上にソフトボール大の緑と赤がマーブル状に入り混じった色合いの水晶が置かれていた。アルトがその水晶を静かに手に取る。
アルトたちの周りに光が差した。ダンジョン核を取ったことで転移が始まったみたいだね。
ダンジョン内からアルトたちの姿が消えていく。
<天命ポイントが更新されました>
「姫!」
待ち構えたようにシルヴァがセリスの方に近寄ろうとする。あ、なにかに阻まれて立ち入れないみたいだ。見えない壁にぶつかって頭を押さえている。
……じゃない! アルトがお兄ちゃんってどういうこと!?
『アルトがお兄ちゃんってどういうこと!?』
『そのままの意味ですけど?』
『だってアルトは女の子だよね!?』
『……まだ気がついていなかったんですね』
アルトが今にもため息をつきそうな顔をしている。
『ぼくは男です』
衝撃の事実!! アルトが男の娘だった? えっみんなはもう気がついてた? そんな馬鹿な!!
『嘘だ! だったらなんでドレスアーマーを嬉々として着てるの!?』
「これは不可抗力です!! というよりも嬉々として着てなんかいません!!」
「アルト? 何叫んでる?」<アルト? そんなに大きな声で何を叫んでるの?>
「おにいちゃんどうしたの?」
「あ、え、ごめんなさい。なんでもないです」
アルトが恨みがましい目でこちらを睨んでくる。だからなんでわたしがいるところがわかるの? 超能力?
「間違いなく姫です」
いつの間にか横にいたシルヴァがセリスの手をとっていた。執事服を着た柔和な顔の美青年が12歳くらいの少女の手を取る図。これって大丈夫かな? ぎりぎり事案じゃない? わたしには判断つきません。
「なんかやだ」
「グフ!!」
なんか漫才をやっている。セリスがシルヴァの手を振り払ってアルトの手を握った。セリスが嫌だったらそれは事案認定してもいいのではないだろうか?
「そんなことよりこの揺れはダンジョン崩壊ですよね?」
「そんなことより? ……ええ。おそらくダンジョンの主がいなくなったことによって崩壊が始まっているのでしょう。しばらくしたらみなさんは転移されると思います。わたしは転移されないでしょうけど。それより姫はなぜここに? ダンジョンの主が姫だと気がついた時は助からないと思ったのですが」
やっぱりシルヴァはセリスがダンジョン主になっていることに気がついていたみたい。それなら言ってくれればよかったのに。
「魔法で回復したら戻りました」
と言ってもホーリーヒールとアビスヒールの重ねがけだけどね。
「そんなことが……。いやしかし姫が人型に戻っているのも事実です。ありがとうございます」
「いえ。ぼくの妹でもありますし」
「うん。おにいちゃん好き!」
「なんと羨まし……。ん? おにいちゃんですか?」
そう言いながらアルトの服装を見つめる。
シルヴァもそう思うよね!? これでもアルトは男の子らしいですよ。全然見えないけど! でもそのことには触れない方がいいかも。アルトの顔がすごいことになってるから。
「ごほん! それより時間もないですしこれからのことを話しておきたいのですが」
咳払いしてシルヴァが話を進めようとする。
揺れるダンジョンの中でいうことか?と思うけどシルヴァは転移されないみたいだからね? 今のうちに話しておきたいのだろう。
「あ、その前にいいですか? セリスに尻尾が生えてるんですけどこれってダンジョン主になっていた後遺症だったりしませんか?」
「いえ。いたって普通ですよ。姫は龍人族の血が流れてますから。尻尾は当然あります」
〈天眼〉で確認して知ってはいたけどセリスは龍人族と魔王の子供らしい。……魔王はちょっと節操なさすぎなのでは?
「……そうなんですね。でもそうするとこの国で生活するのはちょっと難しいかもしれません」
「はい。ですのでわたしが魔王国まで姫を送ろうと思うのですが」
「嫌だ! おにいちゃんと一緒にいる!」
「ですが」
「シルヴァ嫌い」
「グフ!!」
シルヴァがセリスの言葉によってかなりのダメージを負ったようだ。口から血まで吐き出してる。SSSランクの幻獣を傷つけるなんてセリスは実は最強なんじゃないかな?
「おにいちゃんについてく!」
「だけどぼくについてくると嫌な目に遭うかもしれないよ」
「大丈夫! だっておにいちゃんが守ってくれるでしょ?」
「もちろん守るけど」
いつの間にかアルトの口調がですます調じゃなくなってる。というかなんでセリスがこの国で生活するのが大変なんだろう?
『アルト? どういうこと?』
『え? ああ。トロン王国は純人国家なので人族以外は暮らしにくいんです』
『なるほど? もしかして奴隷になったりするってこと?』
『いえ。トロンでは亜人獣人の奴隷すらいないですね。目に入れるのも嫌、という人が多いですから』
そんなに? それはなんというか、筋金入りだ。
「姫。わがままを言ってはいけません」
やっと復活したシルヴァがセリスを嗜める。
「やだ。シルヴァは邪な目をしてる」
「そんなことはありません。わたしはただ姫を可愛く思うあまり頭を撫で回したり手をすりすりしたいだけです」
シルヴァがなんかやばいことを言い出した。あの最初に会ったときに感じたあの威圧感はどうした? それはもうただの不審者です!
「キモい」<気持ち悪いね>
「ぼくもそれはちょっとどうかと思います」
「そんな」
シルヴァよ。心外だという顔をするな。これが不審者を見た人の普通の反応だよ。いやむしろぬるいくらいかも。
「ぼくがセリスを見ていますので」
「……それではわたしは姫が戻ったことを急ぎ魔王に知らせに行くことにします。あなたがたも魔王国に向かってください」
「いや! 帰らない!」
「魔王が聞いたら号泣しそうですね」
さっきまで血の涙を流していたシルヴァがいうことではないと思うけど?
そんなシルヴァは上を向くといまだ揺れ動くダンジョンの天井を素手でぶち抜いた。どデカい穴がダンジョン35階層分を撃ち抜いて外の光が差し込んでくる。……いやいや、どんな馬鹿力だよ。
「では、魔王国に行ってきますね」
「はい。空を飛んでいくんですか?」
「いえ。魔王城に転移します」
「それってぼくたちを一緒に連れていくことって──」
「できません。わたしの転移は一人用なので。まあ姫の無事を伝えたらすぐに戻ってきますよ」
「戻ってこないで」
「カハッ!」
シルヴァは血を吐きながらよろよろとダンジョンの外へ向かって浮かんでいった。
「……どうする?」<……ぼくたちはどうするの?>
シルヴァが去ったあと、おもむろにノーアがアルトに問いかける。
「どうするって転移を待つんじゃないんですか?」
「ダンジョン核」<ダンジョン核を取っといたほうがいいんじゃない?>
「……なるほど。念の為とっておいた方がいいかもしれません」
アルトたちがボス部屋の中に戻る。その部屋の奥にはさっきまではなかった扉が設置されていた。
『なんでダンジョン核を取っておいた方がいいの?』
『ダンジョンを攻略した証というのもありますけど、どちらかというと利益の補填ですね』
アルトいわくダンジョンの近くには大抵迷宮都市が造られるらしい。それはダンジョンの資源をあてにしているからだ。
しかしダンジョンは攻略してしまうとなくなってしまう。そうすると以降ダンジョン探索で発生したはずの富も得られなくなってしまう。迷宮都市としてはそれでは困る。
一方、通常ダンジョンのダンジョン核には創造神の神気が込められていることがわかっている。これは勇者召喚にも使われる高密度なエネルギーだ。創造神の神気が得られるのは今のところダンジョン核のみなので法外な価格がつけられるという。迷宮都市はそこに目をつけた。ダンジョン攻略を冒険者たちに許す代わりにダンジョン核は迷宮都市の所有物とすることに決めた。これはダンジョンのある国で法律として定められている事項であり、違反すると当然処罰される。
『なのでダンジョン攻略者は都市にダンジョン核を献上する決まりなんです』
なお、迷宮都市は大抵ダンジョン核を王家または教会に売って都市を維持する資金にするらしい。
『それだとダンジョンの攻略者は他の探索者たちからは恨まれそうだね』
今までダンジョンでの収入をあてにしていた探索者たちも困るだろうけど全く補填がないことになるからね。
『実際恨まれます。ダンジョン産のドロップアイテムを売り買いしている商人とかにもですけど』
扉を開くと石でできた台の上にソフトボール大の緑と赤がマーブル状に入り混じった色合いの水晶が置かれていた。アルトがその水晶を静かに手に取る。
アルトたちの周りに光が差した。ダンジョン核を取ったことで転移が始まったみたいだね。
ダンジョン内からアルトたちの姿が消えていく。
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