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── 1章 アルト編 ──
036.冥府を纏うドラゴンの眷属
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スカイライトワイバーンを倒した後の道すがら。6階層の静かな岩肌の道のりを二人は歩いて進んでいた。
『全然魔物が出てこないね?』
『はい。静かすぎます。本来ならもっと魔物が現れてもいいはずです』
アルトたちは最初のスカイライトワイバーンの討伐のあと1時間ほど進んでいたが、魔物は一体も現れなかった。5階層までだったら少なくとも4、5回ほどは魔物と遭遇しているはずだ。明らかに魔物との遭遇回数が減っている。
不意にノーアが立ち止まった。ノーアがアルトの方に手をかざし、もう片方の手で指を唇にあてて静寂を促している。ノーアはいつもの眠そうな顔が消え、表情が真剣なものに変わっていた。
「どうしました?」
ただごとではない雰囲気を感じ取ったのか、アルトはノーアにゆっくり近づき小声で状況を確認しようとする。
「やばい」<やばい雰囲気がする>
ノーアが進む方向を指差している。確かに何かいる。
それはまだかろうじてに見えるくらいの小さな影に過ぎなかったが、ここからでもわかる圧を発してる。
わたしは少し近づいて魔物を確認しようとした。わたしはアルトから50メートルは離れることができるので、そこまでなら気づかれずに近づくことができる。
近づいて確認すると竜の仮面を被った少女のように見えた。頭からは龍が持つようなツノが生え、黒いローブを身に包んでいる。長く流れる髪は背中まで伸び、暗い夜空を思わせる黒色をしている。
────────────────────
種族:冥府を纏うドラゴンの眷属(分身体)
冥府のエネルギーを纏うドラゴンの眷属である人型の魔物。推定Sランク。冥府のエネルギーを利用して攻撃や防御を行う。影や闇の中を自由に行動、瞬間移動し敵の攻撃をかわしたり、急襲したりする。暗闇を操り敵の動きを妨害し、周囲の暗黒を深めることで視界を奪い去る。冥府を纏うドラゴンの眷属は6体おり、それぞれの眷属が冥府の召喚を行うことで瞬時にお互いを呼び出すことができる。弱点は聖属性。
────────────────────
『人型の魔物。グレゴリオの言っていたやつ』
『Sランクに届くかもっていう魔物ですか?』
『うん』
「ノーアさんの見立てはどうですか?」
アルトは眷属の詳細をノーアに共有して意見を求めた。勝算があるかどうかの確認だ。だけどノーアは首を横にふる。その目線はいつもと違って険しく光っている。
「無理」<あれは無理>
「そうですか」
『セイさんはどう思いますか?』
『無理だと思う。少なくとも今の力じゃ返り討ちに合う』
『そうですか。どうしましょう?』
『わたしは一度引き返したほうがいいと思う』
一度ダンジョンを出て立て直しをした方がいいと思う。一度力をつけてから再度挑戦すればいい。ハモニス教会が阻んでくるなら国外へ逃げ延びて時期を伺う。その時にはダンジョンの異変もおさまっているかもしれないし。
だけどアルトは少し考えて首を横に振った。あくまで先へ進むつもりのようだ。
「〈隠密〉でやり過ごすことはできますか?」
「真横は無理。バレる」<真横を通り抜けるのは無理。絶対にバレる>
『進むなら迂回するしかないと思う』
だけど、迂回するにしても右は山岳、左は崖でここまでは一本道だった。どちらも通るのは困難そう。
「ノーアさん。左側から迂回して──」
「待つ! 消えた!」<待って! 魔物が消えた!>
そう言うや否や、竜仮面の少女、〈冥府を纏うドラゴンの眷属〉がいきなりアルトの背後に現れた! 眷属はそのままアルトに高速の手刀を振り下ろす。アルトは接近にいち早く気がついたノーアに突き飛ばされ間一髪手刀から逃れた。しかし勢い余って地面に転がってしまう。
まずい! 気がつかれてた!?
『あいつがきた! 逃げて!』
アルトはノーアに手を引かれすぐに立ち上がるとダンジョンの進行方向に向かって走り出した。
眷属はそれを見守るようにゆらりと立ったままだったが、水に入り込むように自身の影に入り込んだ。そして次の瞬間、影から眷属が現れノーアに襲いかかる。気配を察知したノーアが顔に傷をつけながらもぎりぎりのところでその攻撃をかわす。
影を移動する技か!
『アルト! あいつは影を移動してくる!』
『そんなのどうすれば』
『ホーリーライトでアルトたちを包める? 影が薄くなれば二人の影に対しては影移動ができなくなるかも!』
『やってみます!』
「ホーリーライト!」
一拍おいて発動した魔法の光がアルトたちを包み込む。走るアルトたちを追随して光を放ち続けている。
眷属が走り出した。やっぱり影移動ができなくなったか! しかし眷属の迫るスピードの方がアルトたちよりも速い。
『ダメ! 追いつかれる!』
『……迎撃します』
『ダメ! 危険だよ!』
『やってみないとわかりません!』
「ノーアさん。先に行ってて下さい!」
「何?」<何する気?>
アルトが振り返り眷属の手刀に聖右剣ホーリーレイヴァントを合わせる。その瞬間、アルトが後方に吹き飛ばされた。やはり力の差は歴然か。眷属がアルトに向かってゆっくり歩いてくる。ノーアが駆け寄ろうとするのがスローモーションで見える。走馬灯?
アルトはここでまた死ぬのか。何が失敗だった? 眷属を見たときすぐに引き返させるべきだった? グレゴリオが帰ろうと誘った時に一緒に戻るべきだった? それともアーサーがイレギュラーが出たと言ったとき? その前の騎士たちを見たとき? そもそもダンジョンに向かわせるべきではなかった? もっと強くアルトを止めておけばよかった?
「……まだです」
アルトの言葉にわたしの思考は止まった。
アルトは異空間から冥左剣シャドウリーパーを取り出し立ち上がる。双剣を構えたアルトと眷属が顔を合わせて対峙した。
……数秒の時が経った。
冥府を纏うドラゴンの眷属が影の中へ消えていく。アルトたちはまた影移動かと身構えるが眷属が再度現れることはなかった。
「……見逃されたんでしょうか?」
「そう」<そうみたい>
少しの間立ち尽くしていたアルトたちは狐につつまれるような表情をしてそう言いあった。なぜ眷属が二人を見逃したのかを疑問に感じているみたいだ。
わたしはどちらかというと安堵の気持ちが大きい。またアルトを死なせてしまうところだった。ちょっと気が抜けすぎてしまっていたかもしれない。ずっと緊張しているのはだめだけど、それと緊張感がなくなることは別問題だ。
「来る。別の魔物」<向こうから別の魔物がくる>
「わかりました」
ノーアが魔物の気配を察知して、アルトたちは考えるのを一旦止めたようだ。
魔物の正体を探るため、ゆっくりと歩き出す。
<天命ポイントが更新されました>
『全然魔物が出てこないね?』
『はい。静かすぎます。本来ならもっと魔物が現れてもいいはずです』
アルトたちは最初のスカイライトワイバーンの討伐のあと1時間ほど進んでいたが、魔物は一体も現れなかった。5階層までだったら少なくとも4、5回ほどは魔物と遭遇しているはずだ。明らかに魔物との遭遇回数が減っている。
不意にノーアが立ち止まった。ノーアがアルトの方に手をかざし、もう片方の手で指を唇にあてて静寂を促している。ノーアはいつもの眠そうな顔が消え、表情が真剣なものに変わっていた。
「どうしました?」
ただごとではない雰囲気を感じ取ったのか、アルトはノーアにゆっくり近づき小声で状況を確認しようとする。
「やばい」<やばい雰囲気がする>
ノーアが進む方向を指差している。確かに何かいる。
それはまだかろうじてに見えるくらいの小さな影に過ぎなかったが、ここからでもわかる圧を発してる。
わたしは少し近づいて魔物を確認しようとした。わたしはアルトから50メートルは離れることができるので、そこまでなら気づかれずに近づくことができる。
近づいて確認すると竜の仮面を被った少女のように見えた。頭からは龍が持つようなツノが生え、黒いローブを身に包んでいる。長く流れる髪は背中まで伸び、暗い夜空を思わせる黒色をしている。
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種族:冥府を纏うドラゴンの眷属(分身体)
冥府のエネルギーを纏うドラゴンの眷属である人型の魔物。推定Sランク。冥府のエネルギーを利用して攻撃や防御を行う。影や闇の中を自由に行動、瞬間移動し敵の攻撃をかわしたり、急襲したりする。暗闇を操り敵の動きを妨害し、周囲の暗黒を深めることで視界を奪い去る。冥府を纏うドラゴンの眷属は6体おり、それぞれの眷属が冥府の召喚を行うことで瞬時にお互いを呼び出すことができる。弱点は聖属性。
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『人型の魔物。グレゴリオの言っていたやつ』
『Sランクに届くかもっていう魔物ですか?』
『うん』
「ノーアさんの見立てはどうですか?」
アルトは眷属の詳細をノーアに共有して意見を求めた。勝算があるかどうかの確認だ。だけどノーアは首を横にふる。その目線はいつもと違って険しく光っている。
「無理」<あれは無理>
「そうですか」
『セイさんはどう思いますか?』
『無理だと思う。少なくとも今の力じゃ返り討ちに合う』
『そうですか。どうしましょう?』
『わたしは一度引き返したほうがいいと思う』
一度ダンジョンを出て立て直しをした方がいいと思う。一度力をつけてから再度挑戦すればいい。ハモニス教会が阻んでくるなら国外へ逃げ延びて時期を伺う。その時にはダンジョンの異変もおさまっているかもしれないし。
だけどアルトは少し考えて首を横に振った。あくまで先へ進むつもりのようだ。
「〈隠密〉でやり過ごすことはできますか?」
「真横は無理。バレる」<真横を通り抜けるのは無理。絶対にバレる>
『進むなら迂回するしかないと思う』
だけど、迂回するにしても右は山岳、左は崖でここまでは一本道だった。どちらも通るのは困難そう。
「ノーアさん。左側から迂回して──」
「待つ! 消えた!」<待って! 魔物が消えた!>
そう言うや否や、竜仮面の少女、〈冥府を纏うドラゴンの眷属〉がいきなりアルトの背後に現れた! 眷属はそのままアルトに高速の手刀を振り下ろす。アルトは接近にいち早く気がついたノーアに突き飛ばされ間一髪手刀から逃れた。しかし勢い余って地面に転がってしまう。
まずい! 気がつかれてた!?
『あいつがきた! 逃げて!』
アルトはノーアに手を引かれすぐに立ち上がるとダンジョンの進行方向に向かって走り出した。
眷属はそれを見守るようにゆらりと立ったままだったが、水に入り込むように自身の影に入り込んだ。そして次の瞬間、影から眷属が現れノーアに襲いかかる。気配を察知したノーアが顔に傷をつけながらもぎりぎりのところでその攻撃をかわす。
影を移動する技か!
『アルト! あいつは影を移動してくる!』
『そんなのどうすれば』
『ホーリーライトでアルトたちを包める? 影が薄くなれば二人の影に対しては影移動ができなくなるかも!』
『やってみます!』
「ホーリーライト!」
一拍おいて発動した魔法の光がアルトたちを包み込む。走るアルトたちを追随して光を放ち続けている。
眷属が走り出した。やっぱり影移動ができなくなったか! しかし眷属の迫るスピードの方がアルトたちよりも速い。
『ダメ! 追いつかれる!』
『……迎撃します』
『ダメ! 危険だよ!』
『やってみないとわかりません!』
「ノーアさん。先に行ってて下さい!」
「何?」<何する気?>
アルトが振り返り眷属の手刀に聖右剣ホーリーレイヴァントを合わせる。その瞬間、アルトが後方に吹き飛ばされた。やはり力の差は歴然か。眷属がアルトに向かってゆっくり歩いてくる。ノーアが駆け寄ろうとするのがスローモーションで見える。走馬灯?
アルトはここでまた死ぬのか。何が失敗だった? 眷属を見たときすぐに引き返させるべきだった? グレゴリオが帰ろうと誘った時に一緒に戻るべきだった? それともアーサーがイレギュラーが出たと言ったとき? その前の騎士たちを見たとき? そもそもダンジョンに向かわせるべきではなかった? もっと強くアルトを止めておけばよかった?
「……まだです」
アルトの言葉にわたしの思考は止まった。
アルトは異空間から冥左剣シャドウリーパーを取り出し立ち上がる。双剣を構えたアルトと眷属が顔を合わせて対峙した。
……数秒の時が経った。
冥府を纏うドラゴンの眷属が影の中へ消えていく。アルトたちはまた影移動かと身構えるが眷属が再度現れることはなかった。
「……見逃されたんでしょうか?」
「そう」<そうみたい>
少しの間立ち尽くしていたアルトたちは狐につつまれるような表情をしてそう言いあった。なぜ眷属が二人を見逃したのかを疑問に感じているみたいだ。
わたしはどちらかというと安堵の気持ちが大きい。またアルトを死なせてしまうところだった。ちょっと気が抜けすぎてしまっていたかもしれない。ずっと緊張しているのはだめだけど、それと緊張感がなくなることは別問題だ。
「来る。別の魔物」<向こうから別の魔物がくる>
「わかりました」
ノーアが魔物の気配を察知して、アルトたちは考えるのを一旦止めたようだ。
魔物の正体を探るため、ゆっくりと歩き出す。
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