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── 1章 アルト編 ──
023.対抗策と崩壊
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ウッドランドドラゴンが緑色のエネルギーを集中させていく。ブレスの兆候だ。
アルトとセイソンはウッドランドドラゴンの様子が変わったことで警戒するように身構えている。
『ブレスがくる! 逃げて!』
わたしがそう言うと同時に激しい植物の暴風が放たれた。急速に成長した植物の塊や植物の蔓が暴風より早くアルトたちに向かう。アルトとセイソンはそれを避けるが唯一アリアが拘束されるように捕まった。草木を切り裂くような葉刃の暴風がアリアに到着しようとしている。
『逃げて!』
思わずわたしはもう一度叫ぶ。しかしアルトはそれを無視してアリアの元へ向かう。
「ホーリーバリア」
アルトが光の盾を生成した。
あれ? 明らかに魔法の発動が速い。
今まで何秒でできていたかははっきり覚えていないけど、今はものの3秒ほどで魔法が完成している。だけど嬉しい誤算だ。
光の盾はアルトたちとブレスとを隔てるように三日月状に生成された。放たれる無数の葉刃をギリギリのところで仕切ることに成功したが全てを防ぎ切ることはできない。
「アリアさん! 離れていてください!」
「でも!」
「魔法を使えないアリアさんでは足手まといです」
「……わかったわ」
アリアがウッドランドドラゴンから距離を取るように離れていく。
セイソンも辛うじてブレスから逃れたようだ。しかし身体中に傷が付き肩で息をしており、表情は苦痛と疲労で歪んでいる。
『さてどうしようか』
わたしは思わず声を出してしまった。
今もウッドランドドラゴンはブレスを放とうとしているが、現状アルトはなぜかはわからないがホーリーバリアを3秒ほどで使用することができる。つまりブレスを防ぐことができる。他の攻撃手段も同様だ。防ぐかかわすかすれば問題ない。
逆にウッドランドドラゴンにもアルトの攻撃手段は効いていない。虎の子のホーリーレイと全剣技の合わせ技もほとんどダメージを与えられなかった。
ウッドランドドラゴンがブレスを放つ。アルトがホーリーバリアでブレスを防ぐ。
現状、千日手か? いや、まだ試していない魔法がある。アビスファイアだ。
『アビスファイアを使おう』
『アビスファイア、ですか?』
そういえば死に戻りしてからはアルトには伝えてなかった気がする。
『そう。アビスファイア。冥属性の魔法だね』
「冥属性、ですか」
あれ? アルトが念話じゃなくて声に出している。何かあった?
アルトは少し考えるようにしてから頷く。
『セイさんを信じます』
『うん? わかった』
なんか言葉が重い気がする。
『どう使えばいいですか?』
『冥府の炎を呼び出す感じだね』
『冥府の炎……わかりました』
アルトが集中を始める。かまいたちが押し寄せてくるが今は無視だ。
「アビスファイア」
アルトの手元には深淵のような暗黒の炎が宿り、その炎は不気味な光を放ちながら躍動していく。
やっぱり魔法の発動が早い気がする。前回のアルトと比べて明らかに短い時間で発動している。
アビスファイアはアルトの手元から放たれ、空を裂いてウッドランドドラゴンに向かった。植物を操りそれをガードしようとするが、植物の守りを突破して冥府の炎がウッドランドドラゴンの弱点に衝突する。
ギィーーヤァーー!!
ウッドランドドラゴンは不協和音の悲鳴を奏で始めた。効いている。明らかに体をよじる動きが大きくなっている。
『次! もう一発!』
「アビスファイア!」
次弾の炎がウッドランドドラゴンに向かう。
前回の炎は植物を纏わりつかせて炎を消したようだ。そしてさらに分厚い植物の壁でアビスファイアを阻む。
くそ! もう対抗策を編み出してきた。
わたしはほぞを噛むような気持ちになるが、それはあちらも同じようだ。
『アルト! 畳み掛けて!』
わたしは続けてアビスファイアを撃つように指示した。
『〈付与〉アビスファイア!』
しかしアルトはいつの間にか両方に握った剣にアビスファイアを付与した。その瞬間、剣身に深淵のような黒い炎が舞い上がる。アビスファイアの不気味な輝きが、双剣全体を覆い、武器からは闇のエネルギーが漏れ出ているように見えた。
まじか! その手があった!
アルトがウッドランドドラゴンに迫る。ウッドランドドラゴンはアルトを恐れたのか植物の壁を出して行く手を阻もうとする。だがアルトはそれをバターを切るかのように十字に両断する。アルトは跳び上がりウッドランドドラゴンの体に飛び乗り背中に生える木々を切断し始めた。ウッドランドドラゴンは激痛に耐えかねたように、その大きな口から深い悲鳴を発する。
ウッドランドドラゴンがアルトを振り落とそうともがく。しかしアルトは片方の剣を木に突き刺し木々を次々と切り倒していく。あと3本。2本。1本、ラスト!
アルトは背中から飛び降りた。
ウッドランドドラゴンはアルトに燃え盛る炎のような目線を向けてくる。明らかに怒りの目だ。弱点の木々を半壊されたときでさえ怒りを感じることの無かったあいつが今は怒っている。
『これであいつの再生能力は無くなったはず! 本体を攻撃して!』
『わかりました!』
アルトが畳み掛けるように攻撃しようとする。それに応戦するようにウッドランドドラゴンが尾の棘をアルトにぶつけようとする。
あれ!? 〈天眼〉さん!? そんな攻撃は聞いてないんだけど!?
わたしの心配を無視するようにアルトは漆黒の双剣で尾を切り落とした。ウッドランドドラゴンがバランスを崩し地面に大きな振動とともに崩れ落ちた。尾が無くなった体ではどうにもならないらしく立ち上がることができない。
「終わりです」
アルトは一言そういうとウッドランドドラゴンの首を切り落とした。スパンと小気味良い音とともに頭と体が永遠にさよならを告げる。しばらくしてその動きが止まりバタンと胴体が崩れ落ちた。
◇◇◇
一瞬の余韻を残してから、アルトが魔石回収へと向かった。
アルトがウッドランドドラゴンの胴体を解体していくと、そこからは拳大の魔石とその近くにあった丸い緑の玉のようなものを取り出す。
ちなみに丸い緑の玉のようなものは〈緑の結晶球〉と言うもので、植物の生命力や成長を促進する力が宿っているらしい。なんかすごそうな気もするけどアルトには必要なさそうだ。
『どうして回収したの?』
『綺麗だったので。ダメでしょうか?』
ちょっと恥ずかしそうにいうアルトがかわいい。
アルトが魔石と〈緑の結晶球〉を回収して少したつとダンジョンが揺れ始めた。
『何?』
『ダンジョンの崩壊ですね』
『アルトがウッドランドドラゴンを討伐したから?』
それにしては崩壊するタイミングにラグがあるような?
『いえ。多分他の冒険者パーティーがダンジョン核を取得したんだと思います』
『ああ、なるほど』
アルトの討伐は関係ないみたい。ちなみにダンジョン核が取得されるとダンジョン内の魔物は消滅するらしい。あれ、だとすると頑張ってあのドラゴンを倒した意味は?
『というか、呑気に話してるけど大丈夫!?』
『えっ? ああ。大丈夫ですよ。ダンジョンが崩壊する時は中にいる人は外に転送されますから。ほら、噂をすれば。これが転送の光です』
アルトの下に魔法陣が浮かび上がった。周りにまばゆい光が満ち始めアルトを包み込んでいく。その浮かべる顔には達成感が溢れ出ており、傷だらけでなお、その美しさに磨きをかけていた。
わたしはそれに見入るように見つめて──。
<天命ポイントが更新されました>
アルトとわたしが転送されていく。
……だから、もう少し空気を読んでください。天命さん。
アルトとセイソンはウッドランドドラゴンの様子が変わったことで警戒するように身構えている。
『ブレスがくる! 逃げて!』
わたしがそう言うと同時に激しい植物の暴風が放たれた。急速に成長した植物の塊や植物の蔓が暴風より早くアルトたちに向かう。アルトとセイソンはそれを避けるが唯一アリアが拘束されるように捕まった。草木を切り裂くような葉刃の暴風がアリアに到着しようとしている。
『逃げて!』
思わずわたしはもう一度叫ぶ。しかしアルトはそれを無視してアリアの元へ向かう。
「ホーリーバリア」
アルトが光の盾を生成した。
あれ? 明らかに魔法の発動が速い。
今まで何秒でできていたかははっきり覚えていないけど、今はものの3秒ほどで魔法が完成している。だけど嬉しい誤算だ。
光の盾はアルトたちとブレスとを隔てるように三日月状に生成された。放たれる無数の葉刃をギリギリのところで仕切ることに成功したが全てを防ぎ切ることはできない。
「アリアさん! 離れていてください!」
「でも!」
「魔法を使えないアリアさんでは足手まといです」
「……わかったわ」
アリアがウッドランドドラゴンから距離を取るように離れていく。
セイソンも辛うじてブレスから逃れたようだ。しかし身体中に傷が付き肩で息をしており、表情は苦痛と疲労で歪んでいる。
『さてどうしようか』
わたしは思わず声を出してしまった。
今もウッドランドドラゴンはブレスを放とうとしているが、現状アルトはなぜかはわからないがホーリーバリアを3秒ほどで使用することができる。つまりブレスを防ぐことができる。他の攻撃手段も同様だ。防ぐかかわすかすれば問題ない。
逆にウッドランドドラゴンにもアルトの攻撃手段は効いていない。虎の子のホーリーレイと全剣技の合わせ技もほとんどダメージを与えられなかった。
ウッドランドドラゴンがブレスを放つ。アルトがホーリーバリアでブレスを防ぐ。
現状、千日手か? いや、まだ試していない魔法がある。アビスファイアだ。
『アビスファイアを使おう』
『アビスファイア、ですか?』
そういえば死に戻りしてからはアルトには伝えてなかった気がする。
『そう。アビスファイア。冥属性の魔法だね』
「冥属性、ですか」
あれ? アルトが念話じゃなくて声に出している。何かあった?
アルトは少し考えるようにしてから頷く。
『セイさんを信じます』
『うん? わかった』
なんか言葉が重い気がする。
『どう使えばいいですか?』
『冥府の炎を呼び出す感じだね』
『冥府の炎……わかりました』
アルトが集中を始める。かまいたちが押し寄せてくるが今は無視だ。
「アビスファイア」
アルトの手元には深淵のような暗黒の炎が宿り、その炎は不気味な光を放ちながら躍動していく。
やっぱり魔法の発動が早い気がする。前回のアルトと比べて明らかに短い時間で発動している。
アビスファイアはアルトの手元から放たれ、空を裂いてウッドランドドラゴンに向かった。植物を操りそれをガードしようとするが、植物の守りを突破して冥府の炎がウッドランドドラゴンの弱点に衝突する。
ギィーーヤァーー!!
ウッドランドドラゴンは不協和音の悲鳴を奏で始めた。効いている。明らかに体をよじる動きが大きくなっている。
『次! もう一発!』
「アビスファイア!」
次弾の炎がウッドランドドラゴンに向かう。
前回の炎は植物を纏わりつかせて炎を消したようだ。そしてさらに分厚い植物の壁でアビスファイアを阻む。
くそ! もう対抗策を編み出してきた。
わたしはほぞを噛むような気持ちになるが、それはあちらも同じようだ。
『アルト! 畳み掛けて!』
わたしは続けてアビスファイアを撃つように指示した。
『〈付与〉アビスファイア!』
しかしアルトはいつの間にか両方に握った剣にアビスファイアを付与した。その瞬間、剣身に深淵のような黒い炎が舞い上がる。アビスファイアの不気味な輝きが、双剣全体を覆い、武器からは闇のエネルギーが漏れ出ているように見えた。
まじか! その手があった!
アルトがウッドランドドラゴンに迫る。ウッドランドドラゴンはアルトを恐れたのか植物の壁を出して行く手を阻もうとする。だがアルトはそれをバターを切るかのように十字に両断する。アルトは跳び上がりウッドランドドラゴンの体に飛び乗り背中に生える木々を切断し始めた。ウッドランドドラゴンは激痛に耐えかねたように、その大きな口から深い悲鳴を発する。
ウッドランドドラゴンがアルトを振り落とそうともがく。しかしアルトは片方の剣を木に突き刺し木々を次々と切り倒していく。あと3本。2本。1本、ラスト!
アルトは背中から飛び降りた。
ウッドランドドラゴンはアルトに燃え盛る炎のような目線を向けてくる。明らかに怒りの目だ。弱点の木々を半壊されたときでさえ怒りを感じることの無かったあいつが今は怒っている。
『これであいつの再生能力は無くなったはず! 本体を攻撃して!』
『わかりました!』
アルトが畳み掛けるように攻撃しようとする。それに応戦するようにウッドランドドラゴンが尾の棘をアルトにぶつけようとする。
あれ!? 〈天眼〉さん!? そんな攻撃は聞いてないんだけど!?
わたしの心配を無視するようにアルトは漆黒の双剣で尾を切り落とした。ウッドランドドラゴンがバランスを崩し地面に大きな振動とともに崩れ落ちた。尾が無くなった体ではどうにもならないらしく立ち上がることができない。
「終わりです」
アルトは一言そういうとウッドランドドラゴンの首を切り落とした。スパンと小気味良い音とともに頭と体が永遠にさよならを告げる。しばらくしてその動きが止まりバタンと胴体が崩れ落ちた。
◇◇◇
一瞬の余韻を残してから、アルトが魔石回収へと向かった。
アルトがウッドランドドラゴンの胴体を解体していくと、そこからは拳大の魔石とその近くにあった丸い緑の玉のようなものを取り出す。
ちなみに丸い緑の玉のようなものは〈緑の結晶球〉と言うもので、植物の生命力や成長を促進する力が宿っているらしい。なんかすごそうな気もするけどアルトには必要なさそうだ。
『どうして回収したの?』
『綺麗だったので。ダメでしょうか?』
ちょっと恥ずかしそうにいうアルトがかわいい。
アルトが魔石と〈緑の結晶球〉を回収して少したつとダンジョンが揺れ始めた。
『何?』
『ダンジョンの崩壊ですね』
『アルトがウッドランドドラゴンを討伐したから?』
それにしては崩壊するタイミングにラグがあるような?
『いえ。多分他の冒険者パーティーがダンジョン核を取得したんだと思います』
『ああ、なるほど』
アルトの討伐は関係ないみたい。ちなみにダンジョン核が取得されるとダンジョン内の魔物は消滅するらしい。あれ、だとすると頑張ってあのドラゴンを倒した意味は?
『というか、呑気に話してるけど大丈夫!?』
『えっ? ああ。大丈夫ですよ。ダンジョンが崩壊する時は中にいる人は外に転送されますから。ほら、噂をすれば。これが転送の光です』
アルトの下に魔法陣が浮かび上がった。周りにまばゆい光が満ち始めアルトを包み込んでいく。その浮かべる顔には達成感が溢れ出ており、傷だらけでなお、その美しさに磨きをかけていた。
わたしはそれに見入るように見つめて──。
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