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── 1章 アルト編 ──
018.魔物排出型ダンジョン
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それから五日間くらいの間、アルトたち〈アークライト〉の面々は増加する魔物の間引きをして過ごしていた。
フォレストリザードやストーンハートベアはもちろんのこと、Dランクのシルバーファング(銀色をした狼型の魔物)やモスリーパー(鎌を両腕につけた蛾型の魔物)、Cランクのツインフォークスパイダー(二股に分かれた大きな爪を持つクモ型の魔物)とさまざまな魔物をたくさん討伐した。
とは言ってもアルトはそこまで活躍という活躍はしていない。というのもノーアの剣にホーリーレイを〈付与〉したのをみたセイソンが「俺にもやらせろ」とねだり魔物が出るたびにセイソンとノーアに〈付与〉することになったからだ。
アルトは完全にホーリーレイ付与機と化していた。
でも、アルトの鉄の剣には今のところ〈付与〉ができないからしょうがないかも。
ちなみにアリアはアルト以上に何もしていない。
「わたし、何もやることがないわ」
と、たそがれたようになっていたのは印象的だった。
ああ、アリアといえばアルトに馴れ馴れしく触ることが無くなった。やっぱりあのことがあって気まずいのかな? ノーアとセイソンは普通に接してるように見えるけどね。
夜は宿屋で魔法の練習。
アルトが聖魔法をもっと使えるようになりたいというので、練習をさせることにしたのだ。
最初はホーリーヒールの魔法を練習することにした。
どこからその魔法名を知ったのかって? 〈天眼〉でステータスの聖魔法を『まだ使えない魔法を知りたい』と思いながら確認したら見ることができた。魔法の一覧がずらっと表示される。その中で比較的初歩っぽい使い勝手が良さそうなホーリーヒールを選んだ、ということだ。
わたしはアルトにホーリーヒールの概要と前世の知識から予想される魔法のイメージを共有した。魔法の発現にはイメージが大切である、ということはアルトから聞いて確認済み。
アルトは暇があれば魔法の練習をしているが、まだホーリーヒールの魔法は習得できていない。でもこのまま練習すればおそらく習得できると思う。
また、新規の魔物を倒したことで天声ポイントが増えていた。〈付与〉のような間接的な行為でも〈戦闘で倒した〉のカウントに入るみたい。最終的に55ptになっていた。
定期的に確認していた結果、おそらくCランクの魔物の初回討伐で10pt、Dランクの魔物で5ptのポイントが入るようだった。あとは、初回以外の討伐でランダムで1pt。こちらはどうやら魔物のランクが高いほどポイントの付与率は高そうだということがわかった。
なお、アルトと相談して天声ポイントは温存することにした。あとはピンチの時はわたしが独断で〈天授〉を使ってもいいと言ってくれた。信頼されているようで少し嬉しくなるね。
他の冒険者たちが行っていた異変の調査だが、この五日間のうちに進展があった。森の奥の方に今までなかった洞穴と、そこから出てくるフォレストリザードが見つかったことが報告されたのだ。
一部その洞穴に潜った冒険者のいうことによるとキラーラビットやゴブリンなどの低ランクの魔物から最近発生するようになったフォレストリザード、ストーンハートベア、シルバーファング、モスリーパー、ツインフォークスパイダーの存在が確認されているという。
今回の異変はこの洞穴が原因だったと冒険者ギルドからは判断された。
ギルドマスターのヴァルモンド氏は今回発見した洞穴を〈魔物排出型ダンジョン〉と判断し、ダンジョン攻略隊を組むという声明を出した。
魔物排出型ダンジョンとはなんぞや、と思ってアルトに聞いてみたところ、この世界のダンジョンは通常のダンジョンと魔物排出型ダンジョンに分けられるらしい。
通常のダンジョンはダンジョンができてからも普段は特に外部に影響は及さず
魔物を外に出すことはないが、魔物排出型ダンジョンはできてからすぐに魔物を排出し始める厄介なダンジョンらしい。その性質から発見された場合すぐにダンジョンを攻略して崩壊させる必要があるという。
なお、通常ダンジョンと違って排出型のダンジョンはボスなどはおらず通常モンスターだけ出現するというのが常なのだとか。
このダンジョンの報告を受けて兼ねてから準備していた、ダンジョン迷宮都市として栄えているという隣の都市のヴァーディアンから高ランクの冒険者を招集することを正式に決めた。
現在はBランクの冒険者パーティーが1組、Cランクの冒険者パーティーが数組集まっていると聞く。少し待てばAランク以上の冒険者も来るというが、ダンジョン攻略作戦はすぐに始めるようだ。これ以上待つと街に魔物が押し寄せる〈氾濫〉が起こりかねないというのだから仕方がない。
あとは、アルトの頼んでいたサンドリアイト製の剣も完成した。金属部分が赤みを帯びたちょっと不思議な剣だ。あの日に注文できてなかったらダンジョン攻略に間に合わなかったとおやっさんに言われた。あの日のアリアはナイス判断だった。
長々と話したが今はその魔物排出型ダンジョンの近くにいる。ギルドが招集したダンジョン攻略隊に〈アークライト〉も編成されたからだ。
そこでアルトたちはある冒険者パーティーになんというか絡まれていた。
「だから、お前たちは魔物が外に出るのを防いでおけばいいんだよ! ダンジョン核は俺たちがもらう。Bランクパーティーの俺たち〈黒狼の影〉がな!」
彼らはダンジョン都市ヴァーディアンからきたBランクパーティーの〈黒狼の影〉というらしい。Bランクというからにはそれなりの強さがあるんだと思うけど、なんか子並感が拭えない。
「ダンジョン核は見つけたパーティーのもの。それがギルドの方針よ」
「うるせーんだよ、Cランク風情が! 黙って俺たちに従ってろ! それとも俺に奉仕でもするか? なら可愛がってやるぜ?」
反論するアリアに下びた表情を見せる〈黒狼の影〉のリーダーらしき男。つーかなんだこの下品な男。異世界の転生のテンプレといえばテンプレだけど、気持ち悪いったらありゃしない。
────────────────────
名前:グリン
種族:人族
────────────────────
見せんでいい。目が汚れる。
「まあ、そう煽るな。どうせこいつらにはダンジョン最奥まで行く力はない。放っておけばいい」
リーダー(仮)改め、グリンにそう言う〈黒狼の影〉のシーフ風の男。
「それもそうか。よしお前らさっさと中に入るぞ!」
「ちょっと! 待ちなさい!!」
アリアの静止を無視して〈黒狼の影〉はダンジョンに入っていった。
「なんだったんだ? あいつら」
「随分勝手な人たちでしたね」
「ん。不快」
思わず〈アークライト〉のメンバーから悪口が出る。
「あの。僕たちはこれからどうしましょうか」
男達がこちらを伺うように話しかけた。ダンジョン攻略の作戦に参加しているのは〈黒狼の影〉以外だとヴァーディアンから来たCランクの冒険者だけなので彼はそのパーティーリーダーというところだろう。本来は〈黒狼の影〉が指揮を取ることになっていたが、ギルドの方針を無視して先へ行ってしまった。そこで唯一の現地Cランク冒険者である〈アークライト〉に作戦を仰ぎに来たのだろう。
「事前の打ち合わせ通り、ダンジョンに入ったらパーティーごとに分かれてそれぞれダンジョン核を目指しましょう。魔物を残して進むと氾濫が怖いわ。殲滅しながら進むように。あとは1パーティーだけ出入り口に残っていてもらいましょう」
「わかりました。皆にはそう伝えておきます」
そう言うと大勢が集まるダンジョンの入り口付近に男達は向かっていく。
「それじゃあ私達も行きましょう」
アリアのその言葉に〈アークライト〉のメンバーは軽く頷いてダンジョンの入り口に近づいていく。
ダンジョンの中に入ると、森の中のような空間が広がっていた。ただ、外の森とは趣きが違う。木々や葉などの大きさがそれの何倍にも大きいのだ。アルト達冒険者の面々がまるで小人のように見える。
葉の隙間から差し込む光が、まるでここが外の世界なのではと錯覚させる。
「前から来ます。ゴブリン10、ホーンラビット5、シルバーファング2、モスリーパー3、それとツインフォークスパイダー1です」
ある冒険者が報告を上げる。
早速魔物達が姿を現すようだ。
フォレストリザードやストーンハートベアはもちろんのこと、Dランクのシルバーファング(銀色をした狼型の魔物)やモスリーパー(鎌を両腕につけた蛾型の魔物)、Cランクのツインフォークスパイダー(二股に分かれた大きな爪を持つクモ型の魔物)とさまざまな魔物をたくさん討伐した。
とは言ってもアルトはそこまで活躍という活躍はしていない。というのもノーアの剣にホーリーレイを〈付与〉したのをみたセイソンが「俺にもやらせろ」とねだり魔物が出るたびにセイソンとノーアに〈付与〉することになったからだ。
アルトは完全にホーリーレイ付与機と化していた。
でも、アルトの鉄の剣には今のところ〈付与〉ができないからしょうがないかも。
ちなみにアリアはアルト以上に何もしていない。
「わたし、何もやることがないわ」
と、たそがれたようになっていたのは印象的だった。
ああ、アリアといえばアルトに馴れ馴れしく触ることが無くなった。やっぱりあのことがあって気まずいのかな? ノーアとセイソンは普通に接してるように見えるけどね。
夜は宿屋で魔法の練習。
アルトが聖魔法をもっと使えるようになりたいというので、練習をさせることにしたのだ。
最初はホーリーヒールの魔法を練習することにした。
どこからその魔法名を知ったのかって? 〈天眼〉でステータスの聖魔法を『まだ使えない魔法を知りたい』と思いながら確認したら見ることができた。魔法の一覧がずらっと表示される。その中で比較的初歩っぽい使い勝手が良さそうなホーリーヒールを選んだ、ということだ。
わたしはアルトにホーリーヒールの概要と前世の知識から予想される魔法のイメージを共有した。魔法の発現にはイメージが大切である、ということはアルトから聞いて確認済み。
アルトは暇があれば魔法の練習をしているが、まだホーリーヒールの魔法は習得できていない。でもこのまま練習すればおそらく習得できると思う。
また、新規の魔物を倒したことで天声ポイントが増えていた。〈付与〉のような間接的な行為でも〈戦闘で倒した〉のカウントに入るみたい。最終的に55ptになっていた。
定期的に確認していた結果、おそらくCランクの魔物の初回討伐で10pt、Dランクの魔物で5ptのポイントが入るようだった。あとは、初回以外の討伐でランダムで1pt。こちらはどうやら魔物のランクが高いほどポイントの付与率は高そうだということがわかった。
なお、アルトと相談して天声ポイントは温存することにした。あとはピンチの時はわたしが独断で〈天授〉を使ってもいいと言ってくれた。信頼されているようで少し嬉しくなるね。
他の冒険者たちが行っていた異変の調査だが、この五日間のうちに進展があった。森の奥の方に今までなかった洞穴と、そこから出てくるフォレストリザードが見つかったことが報告されたのだ。
一部その洞穴に潜った冒険者のいうことによるとキラーラビットやゴブリンなどの低ランクの魔物から最近発生するようになったフォレストリザード、ストーンハートベア、シルバーファング、モスリーパー、ツインフォークスパイダーの存在が確認されているという。
今回の異変はこの洞穴が原因だったと冒険者ギルドからは判断された。
ギルドマスターのヴァルモンド氏は今回発見した洞穴を〈魔物排出型ダンジョン〉と判断し、ダンジョン攻略隊を組むという声明を出した。
魔物排出型ダンジョンとはなんぞや、と思ってアルトに聞いてみたところ、この世界のダンジョンは通常のダンジョンと魔物排出型ダンジョンに分けられるらしい。
通常のダンジョンはダンジョンができてからも普段は特に外部に影響は及さず
魔物を外に出すことはないが、魔物排出型ダンジョンはできてからすぐに魔物を排出し始める厄介なダンジョンらしい。その性質から発見された場合すぐにダンジョンを攻略して崩壊させる必要があるという。
なお、通常ダンジョンと違って排出型のダンジョンはボスなどはおらず通常モンスターだけ出現するというのが常なのだとか。
このダンジョンの報告を受けて兼ねてから準備していた、ダンジョン迷宮都市として栄えているという隣の都市のヴァーディアンから高ランクの冒険者を招集することを正式に決めた。
現在はBランクの冒険者パーティーが1組、Cランクの冒険者パーティーが数組集まっていると聞く。少し待てばAランク以上の冒険者も来るというが、ダンジョン攻略作戦はすぐに始めるようだ。これ以上待つと街に魔物が押し寄せる〈氾濫〉が起こりかねないというのだから仕方がない。
あとは、アルトの頼んでいたサンドリアイト製の剣も完成した。金属部分が赤みを帯びたちょっと不思議な剣だ。あの日に注文できてなかったらダンジョン攻略に間に合わなかったとおやっさんに言われた。あの日のアリアはナイス判断だった。
長々と話したが今はその魔物排出型ダンジョンの近くにいる。ギルドが招集したダンジョン攻略隊に〈アークライト〉も編成されたからだ。
そこでアルトたちはある冒険者パーティーになんというか絡まれていた。
「だから、お前たちは魔物が外に出るのを防いでおけばいいんだよ! ダンジョン核は俺たちがもらう。Bランクパーティーの俺たち〈黒狼の影〉がな!」
彼らはダンジョン都市ヴァーディアンからきたBランクパーティーの〈黒狼の影〉というらしい。Bランクというからにはそれなりの強さがあるんだと思うけど、なんか子並感が拭えない。
「ダンジョン核は見つけたパーティーのもの。それがギルドの方針よ」
「うるせーんだよ、Cランク風情が! 黙って俺たちに従ってろ! それとも俺に奉仕でもするか? なら可愛がってやるぜ?」
反論するアリアに下びた表情を見せる〈黒狼の影〉のリーダーらしき男。つーかなんだこの下品な男。異世界の転生のテンプレといえばテンプレだけど、気持ち悪いったらありゃしない。
────────────────────
名前:グリン
種族:人族
────────────────────
見せんでいい。目が汚れる。
「まあ、そう煽るな。どうせこいつらにはダンジョン最奥まで行く力はない。放っておけばいい」
リーダー(仮)改め、グリンにそう言う〈黒狼の影〉のシーフ風の男。
「それもそうか。よしお前らさっさと中に入るぞ!」
「ちょっと! 待ちなさい!!」
アリアの静止を無視して〈黒狼の影〉はダンジョンに入っていった。
「なんだったんだ? あいつら」
「随分勝手な人たちでしたね」
「ん。不快」
思わず〈アークライト〉のメンバーから悪口が出る。
「あの。僕たちはこれからどうしましょうか」
男達がこちらを伺うように話しかけた。ダンジョン攻略の作戦に参加しているのは〈黒狼の影〉以外だとヴァーディアンから来たCランクの冒険者だけなので彼はそのパーティーリーダーというところだろう。本来は〈黒狼の影〉が指揮を取ることになっていたが、ギルドの方針を無視して先へ行ってしまった。そこで唯一の現地Cランク冒険者である〈アークライト〉に作戦を仰ぎに来たのだろう。
「事前の打ち合わせ通り、ダンジョンに入ったらパーティーごとに分かれてそれぞれダンジョン核を目指しましょう。魔物を残して進むと氾濫が怖いわ。殲滅しながら進むように。あとは1パーティーだけ出入り口に残っていてもらいましょう」
「わかりました。皆にはそう伝えておきます」
そう言うと大勢が集まるダンジョンの入り口付近に男達は向かっていく。
「それじゃあ私達も行きましょう」
アリアのその言葉に〈アークライト〉のメンバーは軽く頷いてダンジョンの入り口に近づいていく。
ダンジョンの中に入ると、森の中のような空間が広がっていた。ただ、外の森とは趣きが違う。木々や葉などの大きさがそれの何倍にも大きいのだ。アルト達冒険者の面々がまるで小人のように見える。
葉の隙間から差し込む光が、まるでここが外の世界なのではと錯覚させる。
「前から来ます。ゴブリン10、ホーンラビット5、シルバーファング2、モスリーパー3、それとツインフォークスパイダー1です」
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