18 / 96
── 1章 アルト編 ──
017.異変への備え
しおりを挟む
「アルトの武器を新調しましょう!」
冒険者ギルドを出てすぐにアリアがこう言い出した。
なお今は日が暮れて暗くなっており、どう考えても店側に迷惑がかかるだろう時間帯だ。
「明日でいいんじゃね?」
「セイソンに賛成」
「ダメよ! アルトの短剣はボロボロなのよ。武器がない状態だと危険だわ」
セイソンとノーアは乗り気ではないが、アリアは強行するようだ。
「アルトはどんな武器がいい?」
「選んでいいんですか?」
「もちろんいいわよ」
「じゃあ中くらいの剣を2本でお願いしたいです」
「双剣ってことね! アルトに似合いそうね!」
『あと、付与で壊れないやつがいいね』
わたしは会話に割り込む。
「後は熱に強いといいですね。鉄製の短剣は付与に耐えられないかったので」
「なるほどね。ミスリル製……はまだちょっと早いかしら。それ以外に熱に強いとなるとちょうどいいのはサンドリアイト製かしらね。でもそうなるとオーダーになりそうね」
「俺は飲んでるわ」
「ん。帰って寝る」
離れていくセイソンとノーアをよそに、アリアはアルトを鍛冶屋に引き連れていく。
「おやっさん! アルトにちょうどいい剣を選んで!」
そう言って扉を開けると剣や槍などさまざまな武器が壁にラックに立てかけられている質実剛健といった店内だった。店員は見当たらない。
それもそのはずで扉にはクローズドと掲げられていた。アリアは無視したようだけど。
「なんだ。もう閉店だと書いておろうが」
スキンヘッドの厳ついおじさんが奥の扉からのそりと出てくる。
「熱に強い手ごろの中型の剣が欲しいんだけど。この子の丈に合ったものを二つね」
「話を聞かん娘だな。まあいい。熱に強くて手ごろとなるとサンドリアイト製になるがそうなると鉄と強度は変わらんぞ」
「それで大丈夫です」
「お前さんか? ちょっと手を貸せ。よし、あれを試してみろ。ちょっと持ってくる」
おやっさんは一度アルトの手を握り確かめるようにうなづくと、刃渡り50センチほどの剣を2本持ってきくる。
「どうだ? これくらいがちょうどいいと思うんだが」
「ちょっと振ってみてもいいですか?」
「ああ。あそこに試し切りの藁束がある。使ってくれ」
アルトは剣を一閃した。一瞬置いて切れた藁束がバサリと落ちる。
「お前さん。いい腕だな。振ってみてどうだった」
「ちょうどいいと思います」
「分かった。ああ。今振ってもらったのは鉄製だ。サンドリアイト製はオーダーメイドになる。今日のところは代わりにそいつを持ってけ」
「ありがとうございます。お代はいくらになりますか?」
「二本で頭金20,000ニクル、残りは納品後で100,000ニクルだな。その鉄の剣は数打ちだからお代はいい。納品の時に戻してくれ」
「なるほど。どれくらいで完成しますか?」
「まあ、一週間ってとこだな」
「わかりました。これ頭金の20,000ニクルです」
そう言って金貨2枚を手渡す。
「おう。じゃあまた一週間後だな」
「はい。よろしくお願いします」
アルトは鉄の剣を2本手に入れた。
◇◇◇
翌々日、〈アークライト〉の面々でギルドに向かう。
受付に行くと前々日にアリアに畳み掛けられて青い顔をしていた受付嬢が目の下にクマを作ってアルトたちに対応していた。
いわくアリアの一昨日の予想は的中していて、街道近辺にフォレストリザードやその他Cランク以下の魔物が出没しだしているとか。そしてその魔物たちを〈アークライト〉に駆除、ないし、間引きをおこなって欲しいらしい。
アリアは報酬を吊り上げる形で交渉して依頼を請け負ったようだ。強かだね。
周りを見るとギルド内は昨日よりも明らかに慌ただしくなっており、ギルド職員があちらこちらへと忙しなく動き回っている様子が目に映る。
冒険者たちの姿はいつもより明らかに少なく、そのほとんどが魔物の駆除や異変の調査に赴いているようだ。
今のところ、エーテルウッドにはフォレストリザードのようなCランクの魔物を倒せる冒険者パーティーは〈アークライト〉以外いない。そのためアルトたちは急いでグローブの森に向かうようだ。
◇◇◇
グローブの森に隣接する街道の道すがら。
アルトたちは駆け足になりながら、ある冒険者の男に話を聞いていた。
「そう。ストーンハートベアは街道まで出てきているのね?」
「ああ。俺はこのまま戻ってエーテルウッドへ応援を呼びに行く。だが〈アークライト〉が行ってくれるなら心強いな!」
「ええ。任せなさい」
「すまないがよろしく頼む!」
そう言って男は踵を返してエーテルウッドに向かって駆け出していく。
剣戟の響く音がここまで届いている。冒険者とストーンハートベアの闘っている音のようだ。アルトたちの駆ける足がさらに早くなる。
冒険者たちが魔物と戦っているところに辿り着いた。
あの魔物がストーンハートベアのようだ。岩と植物で覆われた巨大なクマのような姿をしており巨大な牙を剥き出し冒険者たちに爪で引き裂くように腕を振り回している。
冒険者たちは10名ほどの集団だった。ストーンハートベアをうまく抑えることには成功しているようだが、その岩に覆われた皮膚に阻まれてか、上手く有効打を与えられていない様子が窺える。
「私たちは〈アークライト〉! 一応聞くけど助太刀してもいいのかしら?」
「!! ああ! 頼む! 俺たちじゃあいつを始末できねぇ!」
「分かったわ」
アルトたちがストーンハートベアとの戦いに参戦する。
「セイソンは撹乱!」
「おう! 任せろ」
セイソンは颯爽とストーンハートベアに立ち向かってく。
その間にわたしはストーンハートベアのステータスを確認した。
岩に覆われた胸の中にあるハート型の岩が弱点のようだ。
「さて、どうしようかしらね? わたしの火魔法があればおそらくダメージは与えられるけど、やっぱり延焼が怖いし」
「アルト。〈付与〉」
「〈付与〉ですか」
「ん。わたしの剣につけて」
「なるほど。わかりました」
「アルトに頼る気?」
アルトが精神集中を始める。アリアは少し呆れ気味だが諦めたようだ。
わたしはノーアの剣が溶けてしまわないかとちょっと懸念したけど問題なさそうだった。なぜなら〈天眼〉さんが剣を調べてくれてミスリル製と分かったからね。ミスリル製ならちょっとのことでは壊れたりはしないだろう。〈天眼〉は物体にも使えるって何気に初めて知ったよ。
……えっ? 火付石《ひつけいし》? そんなもの知らん。
「〈付与〉、ホーリーレイ!」
アルトはノーアの剣に白光を付与する。
その瞬間ノーアは弾丸のようにストーンハートベアに突っ込んでいく。
『アルト! ストーンハートベアは胸の中にあるハート型の岩が弱点みたい! ノーアに伝えて!』
『わかりました!』
「ノーアさん! 弱点は胸です! 中にハート型の岩があるのでそこを狙ってください!」
「知ってる。セイソン!」
ノーアは弱点を知っていたようだ。余計なお世話だったね。
セイソンはノーアの掛け声に呼応されたようにストーンハートベアに槍を振り上げ体勢を無防備な直立の状態にさせた。
ズシャシャシャ!!
ノーアは光剣を縦に二回、横に二回振りする。
ストーンハートベアは胸に四角い風穴を開けて動きを止め、やがて力尽きるように倒れ込んだ。
ノーアのもう片方の手にはハート型の岩が握られていた。
……それって弱点を狙った意味なくない?
アルトも大概だけどノーアもかなり人外のようだね。
冒険者ギルドを出てすぐにアリアがこう言い出した。
なお今は日が暮れて暗くなっており、どう考えても店側に迷惑がかかるだろう時間帯だ。
「明日でいいんじゃね?」
「セイソンに賛成」
「ダメよ! アルトの短剣はボロボロなのよ。武器がない状態だと危険だわ」
セイソンとノーアは乗り気ではないが、アリアは強行するようだ。
「アルトはどんな武器がいい?」
「選んでいいんですか?」
「もちろんいいわよ」
「じゃあ中くらいの剣を2本でお願いしたいです」
「双剣ってことね! アルトに似合いそうね!」
『あと、付与で壊れないやつがいいね』
わたしは会話に割り込む。
「後は熱に強いといいですね。鉄製の短剣は付与に耐えられないかったので」
「なるほどね。ミスリル製……はまだちょっと早いかしら。それ以外に熱に強いとなるとちょうどいいのはサンドリアイト製かしらね。でもそうなるとオーダーになりそうね」
「俺は飲んでるわ」
「ん。帰って寝る」
離れていくセイソンとノーアをよそに、アリアはアルトを鍛冶屋に引き連れていく。
「おやっさん! アルトにちょうどいい剣を選んで!」
そう言って扉を開けると剣や槍などさまざまな武器が壁にラックに立てかけられている質実剛健といった店内だった。店員は見当たらない。
それもそのはずで扉にはクローズドと掲げられていた。アリアは無視したようだけど。
「なんだ。もう閉店だと書いておろうが」
スキンヘッドの厳ついおじさんが奥の扉からのそりと出てくる。
「熱に強い手ごろの中型の剣が欲しいんだけど。この子の丈に合ったものを二つね」
「話を聞かん娘だな。まあいい。熱に強くて手ごろとなるとサンドリアイト製になるがそうなると鉄と強度は変わらんぞ」
「それで大丈夫です」
「お前さんか? ちょっと手を貸せ。よし、あれを試してみろ。ちょっと持ってくる」
おやっさんは一度アルトの手を握り確かめるようにうなづくと、刃渡り50センチほどの剣を2本持ってきくる。
「どうだ? これくらいがちょうどいいと思うんだが」
「ちょっと振ってみてもいいですか?」
「ああ。あそこに試し切りの藁束がある。使ってくれ」
アルトは剣を一閃した。一瞬置いて切れた藁束がバサリと落ちる。
「お前さん。いい腕だな。振ってみてどうだった」
「ちょうどいいと思います」
「分かった。ああ。今振ってもらったのは鉄製だ。サンドリアイト製はオーダーメイドになる。今日のところは代わりにそいつを持ってけ」
「ありがとうございます。お代はいくらになりますか?」
「二本で頭金20,000ニクル、残りは納品後で100,000ニクルだな。その鉄の剣は数打ちだからお代はいい。納品の時に戻してくれ」
「なるほど。どれくらいで完成しますか?」
「まあ、一週間ってとこだな」
「わかりました。これ頭金の20,000ニクルです」
そう言って金貨2枚を手渡す。
「おう。じゃあまた一週間後だな」
「はい。よろしくお願いします」
アルトは鉄の剣を2本手に入れた。
◇◇◇
翌々日、〈アークライト〉の面々でギルドに向かう。
受付に行くと前々日にアリアに畳み掛けられて青い顔をしていた受付嬢が目の下にクマを作ってアルトたちに対応していた。
いわくアリアの一昨日の予想は的中していて、街道近辺にフォレストリザードやその他Cランク以下の魔物が出没しだしているとか。そしてその魔物たちを〈アークライト〉に駆除、ないし、間引きをおこなって欲しいらしい。
アリアは報酬を吊り上げる形で交渉して依頼を請け負ったようだ。強かだね。
周りを見るとギルド内は昨日よりも明らかに慌ただしくなっており、ギルド職員があちらこちらへと忙しなく動き回っている様子が目に映る。
冒険者たちの姿はいつもより明らかに少なく、そのほとんどが魔物の駆除や異変の調査に赴いているようだ。
今のところ、エーテルウッドにはフォレストリザードのようなCランクの魔物を倒せる冒険者パーティーは〈アークライト〉以外いない。そのためアルトたちは急いでグローブの森に向かうようだ。
◇◇◇
グローブの森に隣接する街道の道すがら。
アルトたちは駆け足になりながら、ある冒険者の男に話を聞いていた。
「そう。ストーンハートベアは街道まで出てきているのね?」
「ああ。俺はこのまま戻ってエーテルウッドへ応援を呼びに行く。だが〈アークライト〉が行ってくれるなら心強いな!」
「ええ。任せなさい」
「すまないがよろしく頼む!」
そう言って男は踵を返してエーテルウッドに向かって駆け出していく。
剣戟の響く音がここまで届いている。冒険者とストーンハートベアの闘っている音のようだ。アルトたちの駆ける足がさらに早くなる。
冒険者たちが魔物と戦っているところに辿り着いた。
あの魔物がストーンハートベアのようだ。岩と植物で覆われた巨大なクマのような姿をしており巨大な牙を剥き出し冒険者たちに爪で引き裂くように腕を振り回している。
冒険者たちは10名ほどの集団だった。ストーンハートベアをうまく抑えることには成功しているようだが、その岩に覆われた皮膚に阻まれてか、上手く有効打を与えられていない様子が窺える。
「私たちは〈アークライト〉! 一応聞くけど助太刀してもいいのかしら?」
「!! ああ! 頼む! 俺たちじゃあいつを始末できねぇ!」
「分かったわ」
アルトたちがストーンハートベアとの戦いに参戦する。
「セイソンは撹乱!」
「おう! 任せろ」
セイソンは颯爽とストーンハートベアに立ち向かってく。
その間にわたしはストーンハートベアのステータスを確認した。
岩に覆われた胸の中にあるハート型の岩が弱点のようだ。
「さて、どうしようかしらね? わたしの火魔法があればおそらくダメージは与えられるけど、やっぱり延焼が怖いし」
「アルト。〈付与〉」
「〈付与〉ですか」
「ん。わたしの剣につけて」
「なるほど。わかりました」
「アルトに頼る気?」
アルトが精神集中を始める。アリアは少し呆れ気味だが諦めたようだ。
わたしはノーアの剣が溶けてしまわないかとちょっと懸念したけど問題なさそうだった。なぜなら〈天眼〉さんが剣を調べてくれてミスリル製と分かったからね。ミスリル製ならちょっとのことでは壊れたりはしないだろう。〈天眼〉は物体にも使えるって何気に初めて知ったよ。
……えっ? 火付石《ひつけいし》? そんなもの知らん。
「〈付与〉、ホーリーレイ!」
アルトはノーアの剣に白光を付与する。
その瞬間ノーアは弾丸のようにストーンハートベアに突っ込んでいく。
『アルト! ストーンハートベアは胸の中にあるハート型の岩が弱点みたい! ノーアに伝えて!』
『わかりました!』
「ノーアさん! 弱点は胸です! 中にハート型の岩があるのでそこを狙ってください!」
「知ってる。セイソン!」
ノーアは弱点を知っていたようだ。余計なお世話だったね。
セイソンはノーアの掛け声に呼応されたようにストーンハートベアに槍を振り上げ体勢を無防備な直立の状態にさせた。
ズシャシャシャ!!
ノーアは光剣を縦に二回、横に二回振りする。
ストーンハートベアは胸に四角い風穴を開けて動きを止め、やがて力尽きるように倒れ込んだ。
ノーアのもう片方の手にはハート型の岩が握られていた。
……それって弱点を狙った意味なくない?
アルトも大概だけどノーアもかなり人外のようだね。
0
お気に入りに追加
50
あなたにおすすめの小説
白い結婚三年目。つまり離縁できるまで、あと七日ですわ旦那様。
あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
異世界に転生したフランカは公爵夫人として暮らしてきたが、前世から叶えたい夢があった。パティシエールになる。その夢を叶えようと夫である王国財務総括大臣ドミニクに相談するも答えはノー。夫婦らしい交流も、信頼もない中、三年の月日が近づき──フランカは賭に出る。白い結婚三年目で離縁できる条件を満たしていると迫り、夢を叶えられないのなら離縁すると宣言。そこから公爵家一同でフランカに考え直すように動き、ドミニクと話し合いの機会を得るのだがこの夫、山のように隠し事はあった。
無言で睨む夫だが、心の中は──。
【詰んだああああああああああ! もうチェックメイトじゃないか!? 情状酌量の余地はないと!? ああ、どうにかして侍女の準備を阻まなければ! いやそれでは根本的な解決にならない! だいたいなぜ後妻? そんな者はいないのに……。ど、どどどどどうしよう。いなくなるって聞いただけで悲しい。死にたい……うう】
4万文字ぐらいの中編になります。
※小説なろう、エブリスタに記載してます
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。
ご都合主義のハッピーエンドのSSです。
でも周りは全くハッピーじゃないです。
小説家になろう様でも投稿しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
孤高の英雄は温もりを求め転生する
モモンガ
ファンタジー
『温もりが欲しい』
それが死ぬ間際に自然とこぼれ落ちた願いだった…。
そんな願いが通じたのか、彼は転生する。
意識が覚醒すると体中がポカポカと毛布のような物に包まれ…時々顔をザラザラとした物に撫でられる。
周りを確認しようと酷く重い目蓋を上げると、目の前には大きな猫がいた。
俺はどうやら猫に転生したみたいだ…。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
若奥様は緑の手 ~ お世話した花壇が聖域化してました。嫁入り先でめいっぱい役立てます!
古森真朝
恋愛
意地悪な遠縁のおばの邸で暮らすユーフェミアは、ある日いきなり『明後日に輿入れが決まったから荷物をまとめろ』と言い渡される。いろいろ思うところはありつつ、これは邸から出て自立するチャンス!と大急ぎで支度して出立することに。嫁入り道具兼手土産として、唯一の財産でもある裏庭の花壇(四畳サイズ)を『持参』したのだが――実はこのプチ庭園、長年手塩にかけた彼女の魔力によって、神域霊域レベルのレア植物生息地となっていた。
そうとは知らないまま、輿入れ初日にボロボロになって帰ってきた結婚相手・クライヴを救ったのを皮切りに、彼の実家エヴァンス邸、勤め先である王城、さらにお世話になっている賢者様が司る大神殿と、次々に起こる事件を『あ、それならありますよ!』とプチ庭園でしれっと解決していくユーフェミア。果たして嫁ぎ先で平穏を手に入れられるのか。そして根っから世話好きで、何くれとなく構ってくれるクライヴVS自立したい甘えベタの若奥様の勝負の行方は?
*カクヨム様で先行掲載しております
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
元剣聖のスケルトンが追放された最弱美少女テイマーのテイムモンスターになって成り上がる
ゆる弥
ファンタジー
転生した体はなんと骨だった。
モンスターに転生してしまった俺は、たまたま助けたテイマーにテイムされる。
実は前世が剣聖の俺。
剣を持てば最強だ。
最弱テイマーにテイムされた最強のスケルトンとの成り上がり物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる