一話完結ミステリー

店のレビューと上がる要求

「人が倒れて……」
　通報を受け、警察車両がカフェの前に停まった。
　警部は店舗内に入った。
　誰もいない……
　おかしいと思い警部は店舗の外に出た。
　すると店舗横から刑事が警部を呼んだ。
　警部は刑事の横に駆け寄った。
　そこには倒れている男性とその横にいる通報したと思われる男性がいた。
　警部は倒れている男性の死亡を確認し、男性に事情聴取を始めた。
「遺体発見時のことを話していただけませんか？」
「は、はい……私は、この店の店長をしている高橋勉です……ごみを出そうと裏口からここに来たのですが、その時こちらの男性が倒れているのを見つけ、警察に通報しました……」
　事情聴取を終えた後、刑事が警部に伝えた。
「亡くなったのは高橋卓也さん、死因は、首を絞められたことによる窒息死だそうです」
「勉さん、この方はご存じですか？」
「高橋卓也……あっ思い出しました！何度かこの店を利用していただいたことがあります！」
「ではあなたの店の利用客だったということですね？」
　警部は勉に聞いた。
「はい、そうです」
　すると刑事が警部のもとに女性とともに駆け寄ってきた。
「はっはぁ……こちらの女性が、勉さんが拓也さんの遺体を運んでいるところを発見し、スマホで録画していたそうです……あなたがスマホで撮った動画、警部に見せていただけませんか？」
「は、はい」
　女性は警部のほうにスマホを向けた。
　スマホには勉が拓也の遺体を引きずって店の裏まで運んでいる様子が映されていた。
　警部は勉のほうを向いた。
「どういうことか、すべて話していただきましょうか？」
　勉は観念し、話始めた。
「あいつは、いわゆる迷惑客でした……そしてある時、値切りしないとあらゆるレビューサイトに悪評を書き込むと脅されて……どんどん要求がエスカレートしていって耐えれなくなって……すみません……」
　こうして勉は逮捕された。