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昔の記憶と忘却の憎悪
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「拓也が……拓也が……」
震えた声の通報を受け、小さなビルの前に警察車両が到着した。
「亡くなったのは加藤拓也さん、頭部を複数回殴られたことによる、出血死だと思われます。そして、あちらにいらっしゃるのが被害者のサークル仲間である、竹内司さん、今井浩之さん、西川進さんの三人です」
警部は刑事の話を聞くと、三人に事情聴取を始めた。
「遺体発見時、どのような状況で?」
警部が聞くと、司が話し始めた。
「はい、今日ここのあのスクリーンで映画を見ようと集合することになっていたんです。そしてここに来たら鍵が開いてて、もう、だれか先に来たのかと思って入ったら、拓也が倒れていて、その後話しかけてるときに、二人も来て、亡くなっているのを確認して、警察に通報したということです」
「ここの鍵はそれぞれ皆さん持っているのですか?」
警部は三人に聞いた。
「はい、みんな四人ともいつでもここが使えるよう合いかぎを四人分作って持ってます」
「なるほど……では、三人だれでもここへ入ることはできたと……」
「僕たちを疑っているんですか?」
三人は警部に聞いた。
「はい、容疑者として疑うのにあなたたちは十分です」
すると、刑事が警部のもとに駆け付けた。
「ここにある防犯カメラから、凶器を持った犯人の姿が写っていました。マスクはかぶっていたものの、鑑定の結果から……竹内司さんだと割り出されました」
二人は驚き、司のほうを向いた。
「そういやあいつ、防犯用にカメラを置いたって言ってたっけ……」
そうつぶやくと一呼吸おいて司は話し始めた。
「俺は昔……中学の頃、拓也……あいつにいじめられていたんです……俺はいじめにより中学の頃、不登校になり、転校、そして、大学でこの映画サークルに入った。拓也の名前を知った時、まさかとは思った。でも……まさかそんなわけないとも思った……みんな知っている通り優しかったから……でもあの会話を聞くまでは……」
~司が聞いていた電話している拓也の会話~
「えっ? なんて? 司? あぁ、あの? 司がどうした? 中学生の頃いじめてたって? そんなことあったか? ごめん覚えてないわそんな細かいこと………………………………」
「………あいつは、全く覚えていなかったんだ……おれは、あの時、あれだけ苦しんでたのに……このことを知ってからあいつが嬉しそうにしているたびに憎くなった……そしてもう限界で……あの顔をもう見たくなくなって……そして……」
司はそういうと黙り、前に出された両手に手錠がかけられた。
震えた声の通報を受け、小さなビルの前に警察車両が到着した。
「亡くなったのは加藤拓也さん、頭部を複数回殴られたことによる、出血死だと思われます。そして、あちらにいらっしゃるのが被害者のサークル仲間である、竹内司さん、今井浩之さん、西川進さんの三人です」
警部は刑事の話を聞くと、三人に事情聴取を始めた。
「遺体発見時、どのような状況で?」
警部が聞くと、司が話し始めた。
「はい、今日ここのあのスクリーンで映画を見ようと集合することになっていたんです。そしてここに来たら鍵が開いてて、もう、だれか先に来たのかと思って入ったら、拓也が倒れていて、その後話しかけてるときに、二人も来て、亡くなっているのを確認して、警察に通報したということです」
「ここの鍵はそれぞれ皆さん持っているのですか?」
警部は三人に聞いた。
「はい、みんな四人ともいつでもここが使えるよう合いかぎを四人分作って持ってます」
「なるほど……では、三人だれでもここへ入ることはできたと……」
「僕たちを疑っているんですか?」
三人は警部に聞いた。
「はい、容疑者として疑うのにあなたたちは十分です」
すると、刑事が警部のもとに駆け付けた。
「ここにある防犯カメラから、凶器を持った犯人の姿が写っていました。マスクはかぶっていたものの、鑑定の結果から……竹内司さんだと割り出されました」
二人は驚き、司のほうを向いた。
「そういやあいつ、防犯用にカメラを置いたって言ってたっけ……」
そうつぶやくと一呼吸おいて司は話し始めた。
「俺は昔……中学の頃、拓也……あいつにいじめられていたんです……俺はいじめにより中学の頃、不登校になり、転校、そして、大学でこの映画サークルに入った。拓也の名前を知った時、まさかとは思った。でも……まさかそんなわけないとも思った……みんな知っている通り優しかったから……でもあの会話を聞くまでは……」
~司が聞いていた電話している拓也の会話~
「えっ? なんて? 司? あぁ、あの? 司がどうした? 中学生の頃いじめてたって? そんなことあったか? ごめん覚えてないわそんな細かいこと………………………………」
「………あいつは、全く覚えていなかったんだ……おれは、あの時、あれだけ苦しんでたのに……このことを知ってからあいつが嬉しそうにしているたびに憎くなった……そしてもう限界で……あの顔をもう見たくなくなって……そして……」
司はそういうと黙り、前に出された両手に手錠がかけられた。
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