5 / 13
昔の記憶と忘却の憎悪
しおりを挟む
「拓也が……拓也が……」
震えた声の通報を受け、小さなビルの前に警察車両が到着した。
「亡くなったのは加藤拓也さん、頭部を複数回殴られたことによる、出血死だと思われます。そして、あちらにいらっしゃるのが被害者のサークル仲間である、竹内司さん、今井浩之さん、西川進さんの三人です」
警部は刑事の話を聞くと、三人に事情聴取を始めた。
「遺体発見時、どのような状況で?」
警部が聞くと、司が話し始めた。
「はい、今日ここのあのスクリーンで映画を見ようと集合することになっていたんです。そしてここに来たら鍵が開いてて、もう、だれか先に来たのかと思って入ったら、拓也が倒れていて、その後話しかけてるときに、二人も来て、亡くなっているのを確認して、警察に通報したということです」
「ここの鍵はそれぞれ皆さん持っているのですか?」
警部は三人に聞いた。
「はい、みんな四人ともいつでもここが使えるよう合いかぎを四人分作って持ってます」
「なるほど……では、三人だれでもここへ入ることはできたと……」
「僕たちを疑っているんですか?」
三人は警部に聞いた。
「はい、容疑者として疑うのにあなたたちは十分です」
すると、刑事が警部のもとに駆け付けた。
「ここにある防犯カメラから、凶器を持った犯人の姿が写っていました。マスクはかぶっていたものの、鑑定の結果から……竹内司さんだと割り出されました」
二人は驚き、司のほうを向いた。
「そういやあいつ、防犯用にカメラを置いたって言ってたっけ……」
そうつぶやくと一呼吸おいて司は話し始めた。
「俺は昔……中学の頃、拓也……あいつにいじめられていたんです……俺はいじめにより中学の頃、不登校になり、転校、そして、大学でこの映画サークルに入った。拓也の名前を知った時、まさかとは思った。でも……まさかそんなわけないとも思った……みんな知っている通り優しかったから……でもあの会話を聞くまでは……」
~司が聞いていた電話している拓也の会話~
「えっ? なんて? 司? あぁ、あの? 司がどうした? 中学生の頃いじめてたって? そんなことあったか? ごめん覚えてないわそんな細かいこと………………………………」
「………あいつは、全く覚えていなかったんだ……おれは、あの時、あれだけ苦しんでたのに……このことを知ってからあいつが嬉しそうにしているたびに憎くなった……そしてもう限界で……あの顔をもう見たくなくなって……そして……」
司はそういうと黙り、前に出された両手に手錠がかけられた。
震えた声の通報を受け、小さなビルの前に警察車両が到着した。
「亡くなったのは加藤拓也さん、頭部を複数回殴られたことによる、出血死だと思われます。そして、あちらにいらっしゃるのが被害者のサークル仲間である、竹内司さん、今井浩之さん、西川進さんの三人です」
警部は刑事の話を聞くと、三人に事情聴取を始めた。
「遺体発見時、どのような状況で?」
警部が聞くと、司が話し始めた。
「はい、今日ここのあのスクリーンで映画を見ようと集合することになっていたんです。そしてここに来たら鍵が開いてて、もう、だれか先に来たのかと思って入ったら、拓也が倒れていて、その後話しかけてるときに、二人も来て、亡くなっているのを確認して、警察に通報したということです」
「ここの鍵はそれぞれ皆さん持っているのですか?」
警部は三人に聞いた。
「はい、みんな四人ともいつでもここが使えるよう合いかぎを四人分作って持ってます」
「なるほど……では、三人だれでもここへ入ることはできたと……」
「僕たちを疑っているんですか?」
三人は警部に聞いた。
「はい、容疑者として疑うのにあなたたちは十分です」
すると、刑事が警部のもとに駆け付けた。
「ここにある防犯カメラから、凶器を持った犯人の姿が写っていました。マスクはかぶっていたものの、鑑定の結果から……竹内司さんだと割り出されました」
二人は驚き、司のほうを向いた。
「そういやあいつ、防犯用にカメラを置いたって言ってたっけ……」
そうつぶやくと一呼吸おいて司は話し始めた。
「俺は昔……中学の頃、拓也……あいつにいじめられていたんです……俺はいじめにより中学の頃、不登校になり、転校、そして、大学でこの映画サークルに入った。拓也の名前を知った時、まさかとは思った。でも……まさかそんなわけないとも思った……みんな知っている通り優しかったから……でもあの会話を聞くまでは……」
~司が聞いていた電話している拓也の会話~
「えっ? なんて? 司? あぁ、あの? 司がどうした? 中学生の頃いじめてたって? そんなことあったか? ごめん覚えてないわそんな細かいこと………………………………」
「………あいつは、全く覚えていなかったんだ……おれは、あの時、あれだけ苦しんでたのに……このことを知ってからあいつが嬉しそうにしているたびに憎くなった……そしてもう限界で……あの顔をもう見たくなくなって……そして……」
司はそういうと黙り、前に出された両手に手錠がかけられた。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
このブラジャーは誰のもの?
本田 壱好
ミステリー
ある日、体育の授業で頭に怪我をし早退した本前 建音に不幸な事が起こる。
保健室にいて帰った通学鞄を、隣に住む幼馴染の日脚 色が持ってくる。その中から、見知らぬブラジャーとパンティが入っていて‥。
誰が、一体、なんの為に。
この物語は、モテナイ・冴えない・ごく平凡な男が、突然手に入った女性用下着の持ち主を探す、ミステリー作品である。

【Vtuberさん向け】1人用フリー台本置き場《ネタ系/5分以内》
小熊井つん
大衆娯楽
Vtuberさん向けフリー台本置き場です
◆使用報告等不要ですのでどなたでもご自由にどうぞ
◆コメントで利用報告していただけた場合は聞きに行きます!
◆クレジット表記は任意です
※クレジット表記しない場合はフリー台本であることを明記してください
【ご利用にあたっての注意事項】
⭕️OK
・収益化済みのチャンネルまたは配信での使用
※ファンボックスや有料会員限定配信等『金銭の支払いをしないと視聴できないコンテンツ』での使用は不可
✖️禁止事項
・二次配布
・自作発言
・大幅なセリフ改変
・こちらの台本を使用したボイスデータの販売


カフェ・ノクターンの吸血鬼探偵 ~夜を統べる者は紅茶を嗜む~
メイナ
ミステリー
——夜の帳が降りるとき、静かに目を覚ます探偵がいる。
その男、ノア・アルカード。
彼は 吸血鬼(ヴァンパイア)にして、カフェ『ノクターン』のオーナー兼探偵。
深夜のカフェに訪れるのは、悩みを抱えた者たち——そして、時には「異形の者たち」。
「あなたの望みは? 夜の探偵が叶えてさしあげましょう」
神秘の紅茶を嗜みながら、闇の事件を解き明かす。
無邪気な黒猫獣人の少女 ラム を助手に、今日もまた、静かに事件の幕が上がる——。
🦇 「吸血鬼×探偵×カフェ」ミステリアスで少しビターな物語、開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる