錯乱錯綜

みかん

文字の大きさ
上 下
1 / 19

一話 住んでいる町

しおりを挟む
 この町には洋風の家が立ち並んでいる。
 町の周りには透明な結界が張ってある。
 結界をだれが張ったのかは不明のままだ。
 結界は何のためにあるのか。
 それはこの世界に突如現れたとされる魔物の存在があるからだ。
 魔物からの影響を防ぐため、結界が張られたというわけだ。
 その結界を張った方法は何なのか。
 結界ができた方法、張った者は誰か、その情報を知っている者はいない。
 この町に住んでいる人たちの人数は少ない。だからといって不便があるわけではない。人の影響が少ない分、自然も豊かで空地もたくさんあり、空地は子供たちの遊び場になっている。
 町の人たちの移動方法は徒歩と馬車だ。だが、だれもが馬車を使えるわけではない。自然にみな自分の足で移動している。
 住む場所はどうしているのか。民家はあったのだが魔物の影響を受けた時被害者がたくさん出て空き家となってしまった。その家は政府に管理された後、生存した、町に住んでいる住民へ配布された。今は町人全員に家は行きわたり皆そこでそれぞれ住んでいる。
 町は一つだけしかない……というわけではない。距離は離れているが町は点在している。また、その町それぞれすべてに結界が張られている。
 そんな町のひとつに住んでいる一人の十七歳である男の子、サジュンは日々最強の剣士を目指して日々進み続けていた。
 サジュンの両親はもういない。政府の魔物退治作戦に駆り出された後、両親が帰ってくることはなかった。
 祖父は亡くなったという情報は聞いていないが、生存しているのかもわからず、今はサジュン一人で過ごしている。
 サジュンは家を出てギルドに来た。
しおりを挟む

処理中です...