ゾンビ世界侵略

みかん

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十一話 ゾンビ 侵入 戦闘 勧誘

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「ふぅ……さて、どうしようか」
 隊長はその場に倒れこんだ武装集団の一人を見てつぶやく。
 すると一人の隊員が走ってきた。
 隊長のもとに来ると、荒げた息を整えるため呼吸をした。
「な……なんだ?」
 そんな焦った姿に何事かと隊長は質問した。
「基地の柵が破壊され……ゾンビが侵入しました!」
 隊員は大きな声で言った。
「なっ……」
 その場いた全員に衝撃が走った。
「くそっ! 弾薬はもう少ないんだぞ!」
 そう、先ほどの武装勢力との戦いで物資は枯渇していた。
 保管庫に行かないと物資の補給はできない。
 するとその場にいる全員の耳に低い唸り声が入ってきた。
 そう、この声の正体……
 もうあの時から聞き飽きるほど聞いてきた。ゾンビのうめき声であった。
 すると先ほど隊員が駆け込んできた入り口からゾンビが入ってきた。
 基地の施設内までゾンビが侵入してきたのだ。
「ここまで来るとは……」
「おい! いったん外に出るぞ!」
 五人と隊長、その場にいた隊員は全員、裏口から外に出た。
 外に出たは良いものの、外にもゾンビの姿はあった。
「くっ……どうすれば……」
 隊長は頭を悩ませる。
 その時だった。
 こちらに向かってきているゾンビがその場に倒れた。
「……? なんだ?」
 何が分かったのかわからない。
 すると上空から大きな音がした。
 ヘリだ。
 するとヘリから重装備を付けた軍隊がヘリからひもを伝って降りてきた。
 降りて来るや否や施設内に突入し、施設からは銃声が聞こえてきた。
 そして施設内にいるゾンビは一瞬にして全滅した。
 そして一瞬にして隊形が組まれ、施設をゾンビから守る隊形が組まれた。
 ここに至るまでほんとに一瞬の出来事であった。
 訓練量が尋常じゃないことは一目でわかった。
「……助けていただきありがとうございます」
 施設内に誘導された隊長は、礼をした。
「あの……あなた方は?」
 続けて質問をする。
「政府機関専門の特殊部隊です」
 なるほど……
 隊長はそう思った。
 あの洗練された動きも納得がいった。
「様々な任務に人一倍専念されている五人のグループがいるといううわさを聞きまして……。その方々へ訪問する予定だったのですが、ゾンビが基地に襲っているところを目撃したので、助けたということです」
 重装備を着た隊員はそういった。
「なるほど……」
 隊長は、浩たち五人を呼んだ。
「どうも……」
 浩たちは頭を下げた。
「あなたたちがその……」
「なるほど……」
 重装備を着た隊員は五人を見るやどこか納得した表情を浮かべた。
「君たち五人を政府機関護衛部隊に勧誘する」
 隊員はそういった。
「政府……護衛部隊?」
 浩は首をかしげた。
 四人もよくわかっていない。
「そうだ」
 隊員はたんたんとした口調で答えた。
「断れば……?」
 隊長は聞いた。
「断るなんて選択肢はない……むしろ断る必要は君たちにないだろ?」
 隊員はどこか試すような口調で言った。
「……わかりました」
 浩たちは顔を合わせた。
「政府機関護衛部隊に僕たち五人は入隊します」
 浩は言った。
「分かった……」
「二日後、迎えのヘリが来る」
「それまでに準備をしておくんだ」
 そういうと隊員はヘリに乗ってどこかに飛んで行った。
 そして三時間後、柵は修復された。
 幸い、周りのゾンビは政府機関護衛部隊によって減らされていた。
 柵の修復はスムーズに終わった。
 そして二日後、ヘリが来た。
「今までありがとうございました。ここは僕たちの故郷でもあります。どうかこの場所を守ってください」
 浩はそういい、五人は頭を下げた。
「正直……君たちがいなくなるのはこの基地にとっても大きな損失だ……。だが、これも部隊としての立派な任務だ。任務を全うしてくれ。これが私からの最後の任務だ」
 隊長はどこか寂しそうな顔でそう言った。
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