【完結】ハイスぺ副社長になった初恋相手と再会したら、一途な愛を心と身体に刻み込まれました

中山紡希

文字の大きさ
上 下
90 / 92
第六章

17

しおりを挟む

「あ、ゴム……」

陽介くんは動きを止めて、落胆したように小さく唸った。避妊具は寝室だ。すぐに取りに行くのかと思ったものの、彼は自身の先端を蜜口に宛てがったままゆるゆると前後に揺らした。
溢れた愛液を掬い取り、陰唇を先端で擦られる。

「あぁ……あっ……!」
「はぁ……はぁ……」

彼は滾り、熱っぽい息を吐いた。
私の秘部を肉棒の先端で上下に擦りつけて、切なげな表情を浮かべる。余裕を失くした彼の姿に、私の感度はさらに高まっていく。
私たちは淫らに互いの性器を擦り合わせて喘いだ。
挿れてもいないのに、脳裏には彼に貫かれて激しく腰を打ち付けられる自身の姿がありありと浮かび上がってくる。

「あんっ……陽介……くん、もう……無理……っ」
「はぁっ……だよね。俺も……」

これ以上我慢できないとばかりに、彼は私に覆いかぶさるようにして腰を振り始めた。肉棒全体で私の秘部をずりずりと擦られて、溢れた蜜がぐちゅぐちゅといやらしい音を立てる。

「やばっ……濡れすぎでしょ」
「やっ……あぁっ、だめっ、ああんっ」
「はぁ、このまま一思いにぶち込めたらいいのに」

彼はギリギリ残されている理性と強い欲望の間で必死に戦っているようだ。
私の頭の中はただひとつの欲求で埋め尽くされる。

「も、無理なのっ……、お願い、挿れて……っ!」

理性を手放した私は彼の腕に縋りつき叫んだ。彼はぴたりと動きを止める。

「ゴムは?」

冷静に尋ねられて恥ずかしさに顔が熱くなる。

「いいの……。私たちはもう夫婦だし……」

結婚してからも彼が避妊を欠かすことはなかった。もしかしたら、子供を望んでいないのかもしれない。それでも、私は自分の気持ちを素直に口にする。

「私ね、陽介くんの子供が欲しいの。陽介くんは……子供欲しくない?」

こんな風に自分の気持ちを言葉にして伝えられるようになったのは、愛する彼のお陰だ。

「結乃との子供だよ?欲しいに決まってる。ただ、結乃が望んでくれるまで待とうと思ってた」

結婚してからも、彼が子供の話を私にしてきたことはない。デリケートな話題だから、私が切り出すまで待っていてくれたようだ。彼はいつもそう。なによりも私の気持ちを優先してくれる。

「じゃあ、もう我慢しなくていいんだね」
「うん」

潤んだ瞳で彼を見上げた瞬間、彼は切っ先を蜜口に押し付けた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

あなたはカエルの御曹司様

さくらぎしょう
恋愛
大手商社に勤める三十路手前の綾子は、思い描いた人生を歩むべく努力を惜しまず、一流企業に就職して充実した人生を送っていた。三十歳目前にハイスペックの広報課エースを捕まえたが、実は女遊びの激しい男であることが発覚し、あえなく破局。そんな時に社長の息子がアメリカの大学院を修了して入社することになり、綾子が教育担当に選ばれた。噂で聞く限り、かなりのイケメンハイスぺ男性。元カレよりもいい男と結婚しようと意気込む綾子は、社長の息子に期待して待っていたが、現れたのはマッシュルーム頭のぽっちゃりした、ふてぶてしい男だった。  「あの……美人が苦手で。顔に出ちゃってたらすいません」  「まずその口の利き方と、態度から教育しなおします」 ※R15。キスシーン有り〼苦手な方はご注意ください。他サイトでも投稿。 約6万6千字

あまやかしても、いいですか?

藤川巴/智江千佳子
恋愛
結婚相手は会社の王子様。 「俺ね、ダメなんだ」 「あーもう、キスしたい」 「それこそだめです」  甘々(しすぎる)男子×冷静(に見えるだけ)女子の 契約結婚生活とはこれいかに。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

エリート警察官の溺愛は甘く切ない

日下奈緒
恋愛
親が警察官の紗良は、30歳にもなって独身なんてと親に責められる。 両親の勧めで、警察官とお見合いする事になったのだが、それは跡継ぎを産んで欲しいという、政略結婚で⁉

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

空から落ちてきた皇帝を助けたら近衛騎士&偽装恋人に任命されました~元辺境伯令嬢の男装騎士ですが、女嫌いの獣人皇帝から無自覚に迫られ大変です~

甘酒
恋愛
元辺境伯令嬢のビリー・グレイはわけあって性別を偽り、双子の兄の「ウィリアム」として帝国騎士団に籍を置いている。 ある日、ビリーが城内を巡視していると、自国の獣人皇帝のアズールが空から落下してくるところに遭遇してしまう。 負傷しつつビリーが皇帝の命を救うと、その功績を見込まれ(?)、落下事件の調査と、女避けのために恋人の振りをすることを命じられる。 半ば押し切られる形でビリーが引き受けると、何故かアズールは突然キスをしてきて……!? 破天荒な俺様系?犬獣人皇帝×恋愛経験皆無のツンデレ?男装騎士の恋愛ファンタジー 執筆済みのため、完結まで毎日更新! ※なんちゃってファンタジーのため、地球由来の物が節操なく出てきます ※本作は「空から落ちてきた皇帝を助けたら、偽装恋人&近衛騎士に任命されました-風使いの男装騎士が女嫌いの獣人皇帝に溺愛されるまで-」を大幅に改稿したものです。

おデブだった幼馴染に再会したら、イケメンになっちゃってた件

実川えむ
恋愛
子供のころチビでおデブちゃんだったあの子が、王子様みたいなイケメン俳優になって現れました。 ちょっと、聞いてないんですけど。 ※以前、エブリスタで別名義で書いていたお話です(現在非公開)。 ※不定期更新 ※カクヨム・ベリーズカフェでも掲載中

お見合いから始まる冷徹社長からの甘い執愛 〜政略結婚なのに毎日熱烈に追いかけられてます〜

Adria
恋愛
仕事ばかりをしている娘の将来を案じた両親に泣かれて、うっかり頷いてしまった瑞希はお見合いに行かなければならなくなった。 渋々お見合いの席に行くと、そこにいたのは瑞希の勤め先の社長だった!? 合理的で無駄が嫌いという噂がある冷徹社長を前にして、瑞希は「冗談じゃない!」と、その場から逃亡―― だが、ひょんなことから彼に瑞希が自社の社員であることがバレてしまうと、彼は結婚前提の同棲を迫ってくる。 「君の未来をくれないか?」と求愛してくる彼の強引さに翻弄されながらも、瑞希は次第に溺れていき…… 《エブリスタ、ムーン、ベリカフェにも投稿しています》

処理中です...