【完結】ハイスぺ副社長になった初恋相手と再会したら、一途な愛を心と身体に刻み込まれました

中山紡希

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第三章

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「大丈夫、俺は結乃しか目に入らないから」
「陽介くん……」
「もしも言葉だけじゃ足りないなら、身体で伝えるしかないね」

彼はソファに手をついて、グッと私の方へ体を近付ける。顔が近付き、互いの唇を触れ合わせる。チュッチュッとついばむ様なキスの後、私は声を上げた。

「あのっ、陽介くん!」
「うん?」

彼と付き合ってから約二か月間、身体の関係を持ったのはクラス会のあの日だけ。
軽いスキンシップはするものの、彼が私を抱くことはなかった。
口には出さなかったものの、それがずっと気になっていた。

「変なこと、聞いても良い?」
「もちろん」
「あのっ、私……初めての時変なことしちゃってた?」
「え。してないけど、なんで?」
「恋愛経験がないからよく分からないんだけど、あれから陽介くんとそういうことにならなかったから……」

デリケートな話題を口にするのは勇気がいった。
それでも、彼ならばきっと私と向き合ってくれると信じて切り出した。

「そっか。正直に話してくれてありがとう」

彼は困ったように苦笑いを浮かべた。

「じゃあ、俺も正直に言う。確かにあの日の後、そういうことにならないように、自分を戒めてた。それが逆に結乃を不安にさせてたか。ごめんな」
「でも、どうして?」

付き合い始めたなら、そういうことになるのは自然の流れだ。自身を戒める必要なんてないはず。

「全部が早急すぎたから。十年ぶりに会ってその日のうちに思い余って告白して、OKもらえて舞い上がって、感情を抑えきれずに結乃を抱いた。しかも、結乃は初めてだったのに。普通に考えて、最低じゃない?」
「そんなこと……。あの日、陽介くんに抱かれたのだって自分の意思だから」

強引にホテルに連れ込まれたわけでもない。
それにも関わらず、彼にそんな罪悪感を抱かせてしまったことに心を痛める。

「その後も、異動させたり結乃のことを振り回したから、自分の欲求ぐらいは抑えようと思って我慢してたんだ」

彼は私の頭を優しく撫でつけた。

「でも、もう我慢しなくていい?」

彼の言葉に私はこくりと頷く。

「……うん。で、でもその前にシャワーを浴びてきてもいい?」
「シャワーか……。うん、そうしよう」

意外にもすんなりと私の願いを受け入れてくれた彼に拍子抜けする。
すると、彼は私の手を掴んでにっこりと笑った。

「もう沸かしてあるから、一緒に入ろう」

押し問答を繰り返したものの、結局押し負けた私は彼と一緒にお風呂に入ることになった。
広々とした高級ホテルさながらの脱衣所でスルスルと服や下着を脱がされ、一糸纏わぬ姿で浴室に連れ込まれる。
裸を見られるのは二回目だけど、明るい場所で見られるのはやっぱり恥ずかしい。
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