上 下
28 / 92
第一章

27

しおりを挟む

「あっ、ああぁっ、ん……っああぁ!!」
「くっ……きつっ……。そんな締めるなって……」

愛する陽介くんに抱かれているという愉悦に心と体が満たされる。
下半身はすでにぐずぐずに蕩けて気持ち良くてたまらない。初めてのセックスで快感を得られるなんて考えてもいなかった。きっと相手が陽介くんでなければ、こうはならなかっただろう。

「あっ、ああっ……!」

律動は激しさを増し、最奥をゴンゴンッと突き上げる。

「くっ、はぁ……はぁ……」

彼の息遣いが荒くなり、目の奥にぎらついた男の欲望が垣間見えた。
理性を半分手放して本能で腰を振るその姿に、悦びに打ち震える。

「ああぁっ……、だっ……ダメっ、あぁぁ!!」

今までよりもさらに強烈な陶酔と快感にひと際大きな声で喘ぐと、彼が苦悶の表情を浮かべた。

「……っ」

絶頂が近いのかもしれない。腰を振りたくり、呼吸を速くする。
彼はベッドの上に投げ出された私の指に自身の指を絡め、シーツに押し付ける。
心も体も彼と繋がっている。痺れるような快感が全身を満たす。

「くっ……」

低く唸るのと同時に彼はぶるりと身体を震わせて、避妊具越しに大量の精を私の中にが放った。
荒い呼吸を整え、自身をずるりと引き抜く。その先端には、白濁した液がたっぷりと注がれた液溜まりがぶら下がっている。
心地の良い疲れと多幸感に満たされて頭がぼんやりする。
素早く避妊具の処理を終えた彼は、自分でやるからいいと断る私を押し切って、濡れた下半身を綺麗に拭ってくれた。

「おいで」

私の横に寝転び、彼は私の身体を抱き寄せておでこにチュッとキスを落とした。
彼と結ばれたという事実にこの上ない幸せに満たされ、目から涙が零れ落ちる。

「ごめんな、初めてなのに無理させた」

彼は申し訳なさそうに私の目の下の涙を指で拭う。

「違うの、陽介くんとこうなれたことが嬉しくて……。今も信じられない。まるで夢みたい」
「それは、こっちの台詞。今、俺の腕の中に結乃がいるって思うだけで、たまらない気持ちになる」
「陽介くん……」

目が合い、私たちは互いの気持ちを確かめ合うように唇を重ね合わせた。

「これからは、ずっと一緒にいよう」
「うん」

彼の言葉に私は大きく頷いた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

副社長氏の一途な恋~執心が結んだ授かり婚~

真木
恋愛
相原麻衣子は、冷たく見えて情に厚い。彼女がいつも衝突ばかりしている、同期の「副社長氏」反田晃を想っているのは秘密だ。麻衣子はある日、晃と一夜を過ごした後、姿をくらます。数年後、晃はミス・アイハラという女性が小さな男の子の手を引いて暮らしているのを知って……。

絶倫彼は私を離さない~あぁ、私は貴方の虜で快楽に堕ちる~

一ノ瀬 彩音
恋愛
私の彼氏は絶倫で、毎日愛されていく私は、すっかり彼の虜になってしまうのですが そんな彼が大好きなのです。 今日も可愛がられている私は、意地悪な彼氏に愛され続けていき、 次第に染め上げられてしまうのですが……!? ※この物語はフィクションです。 R18作品ですので性描写など苦手なお方や未成年のお方はご遠慮下さい。

身代わりお見合い婚~溺愛社長と子作りミッション~

及川 桜
恋愛
親友に頼まれて身代わりでお見合いしたら…… なんと相手は自社の社長!? 末端平社員だったので社長にバレなかったけれど、 なぜか一夜を共に過ごすことに! いけないとは分かっているのに、どんどん社長に惹かれていって……

【R18】国王陛下はずっとご執心です〜我慢して何も得られないのなら、どんな手を使ってでも愛する人を手に入れよう〜

まさかの
恋愛
濃厚な甘々えっちシーンばかりですので閲覧注意してください! 題名の☆マークがえっちシーンありです。 王位を内乱勝ち取った国王ジルダールは護衛騎士のクラリスのことを愛していた。 しかし彼女はその気持ちに気付きながらも、自分にはその資格が無いとジルダールの愛を拒み続ける。 肌を重ねても去ってしまう彼女の居ない日々を過ごしていたが、実の兄のクーデターによって命の危険に晒される。 彼はやっと理解した。 我慢した先に何もないことを。 ジルダールは彼女の愛を手に入れるために我慢しないことにした。 小説家になろう、アルファポリスで投稿しています。

王女、騎士と結婚させられイかされまくる

ぺこ
恋愛
髪の色と出自から差別されてきた騎士さまにベタ惚れされて愛されまくる王女のお話。 性描写激しめですが、甘々の溺愛です。 ※原文(♡乱舞淫語まみれバージョン)はpixivの方で見られます。

【完結】鳥籠の妻と変態鬼畜紳士な夫

Ringo
恋愛
夫が好きで好きで好きすぎる妻。 生まれた時から傍にいた夫が妻の生きる世界の全てで、夫なしの人生など考えただけで絶望レベル。 行動の全てを報告させ把握していないと不安になり、少しでも女の気配を感じれば嫉妬に狂う。 そしてそんな妻を愛してやまない夫。 束縛されること、嫉妬されることにこれ以上にない愛情を感じる変態。 自身も嫉妬深く、妻を家に閉じ込め家族以外との接触や交流を遮断。 時に激しい妄想に駆られて俺様キャラが降臨し、妻を言葉と行為で追い込む鬼畜でもある。 そんなメンヘラ妻と変態鬼畜紳士夫が織り成す日常をご覧あれ。 ୨୧┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈୨୧ ※現代もの ※R18内容濃いめ(作者調べ) ※ガッツリ行為エピソード多め ※上記が苦手な方はご遠慮ください 完結まで執筆済み

クソつよ性欲隠して結婚したら草食系旦那が巨根で絶倫だった

山吹花月
恋愛
『穢れを知らぬ清廉な乙女』と『王子系聖人君子』 色欲とは無縁と思われている夫婦は互いに欲望を隠していた。 ◇ムーンライトノベルズ様へも掲載しております。

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

処理中です...