【完結】ハイスぺ副社長になった初恋相手と再会したら、一途な愛を心と身体に刻み込まれました

中山紡希

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第一章

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「私も……好きだったの」

高校時代、サッカー部の部員とマネージャーという関係だった。
けれど、陽介くんはなにかと私を気遣い声を掛けてくれた。
誰に対しても優しくて分け隔てのない学校中の人気者。
そんな彼と言葉を交わすうちに私は強く彼に惹かれた。

「過去形か。十年も経ってるからな」
「違うの」

私はふるふると首を振る。そして、意を決して彼を見つめ返した。

「言って」
「私も……好きだよ」
「……本当?」

彼が信じられないとばかりに目を見開く。けれど、すぐに冷静さを取り戻す。

「もしかして、俺に気を使って合わせてくれてる?」
「ち、違うよ!ただ、陽介くんは昔以上に魅力的になってるし……。私とじゃ釣り合わないなって思って……」
「釣り合うとかそんなのどうだっていいよ。大切なのはお互いの気持ちだから」
「陽介くん……」

目が合った刹那、彼は私を引き寄せて腕の中にかき抱いた。

「ずっとこうしたかった。俺の腕の中に秋月がいるとか、信じられない」

ぐっと逞しい腕で引き寄せられて体が密着する。細身ながら硬く熱い胸板の感触。
ムスクの香りに包まれて体の芯が甘く疼く。

男性に抱きしめられた経験などない私は、混乱しながらも自然と彼の背中に腕を回す。
十年ぶりに再会しただけでなく、彼からの想いに触れて喜びが込み上げてくる。
自然と喜びの涙が零れそうになり、慌てて唇を噛みしめる。

「どうしよう……。嬉しくて……私……」
「それは俺のほう。心臓バクバクしてる」

彼は大きな手で私の髪をすくうように優しく撫でつけた。

「秋月……」

耳元で名前を呼ばれて鼓動が跳ねる。彼は私の身体に回した腕を緩める。
至近距離でふたりの熱い視線が絡まり合った瞬間、熱く唇を奪われた。

「んっ……」

まるで、十年分の想いをぶつけるみたいなキスだった。
鼻先が擦れるくらい何度も角度を変えながら唇を重ね合わせる。

キスの経験などない。けれど、彼の情熱的なキスに理性をとろとろに溶かされる。

「んっ……」

息継ぎの合間に声を漏らすと、彼は唇を離した。
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