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プロローグ
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しおりを挟む十年間想い続けてきた初恋の相手が仰向けの私に跨って見下ろす。
高価そうな腕時計を外してキングサイズのベッド横に備え付けられた寝台に置き、部屋の電気を消す。
月明かりが私たちを優しく照らしだした。
「好きだよ、結乃」
初めて名前を呼ばれた瞬間、喜びに胸が打ち震えた。ようやく彼の特別になれたのだと実感する。
彼はベッドに放り出されていた私の右手に自分の左手の指を絡ませて、ギュッと優しく握った。
視線が熱く絡み合って、それを合図に彼は私にキスを落とした。
「んっ……」
息継ぎの合間にわずかに開けた唇の隙間から、彼の舌が素早く入り込んでくる。
味わうように舌を吸われて舐め転がされる。
脳が痺れてくるような官能的なキスに身体の芯が震えてつい甘えた声を漏らしそうになる。
「ふっ……んんっ……」
多幸感で脳が痺れる。
彼は私を求めるようにさらに深く舌を差し込んで、私の舌を絡めとる。
長く心地の良いキスの後に唇が離れる。荒く熱い息を吐く二人の唇の間にツーッといやらしい銀糸が伝う。
私は甘いキスの余韻に浸ったまま、とろんっとした表情で彼を見上げる。
「……はぁ……結乃、可愛い」
徐々に服を脱がされ下着姿になる。
彼は滾った瞳で私を見下ろした。まるで彼の視線に犯されているみたいな錯覚を覚える。
欲情しているのか、さきほどよりも呼吸が荒い。
「結乃は着痩せするタイプだね」
「やっ、見ないで……」
恥ずかしさが込み上げてきて、いやいやと首を振る。
「それは無理。十年間、ずっとこの日を夢見てきたんだから。見るし、触るし、舐めるよ?」
その言葉と同時に彼の手がブラジャーの上から膨らみに触れた。
「結乃の胸、片手じゃ収まらないんだけど」
「あっ……」
ブラの上から大きな手のひらで膨らみを包み込み、形を確かめるように押し揉まれる。
すらりと長い指先が乳房に食い込む。巧みにこねられて布越しの感覚にもどかしさを覚え、胸の先端が甘ったるく疼いた。
彼は私の疼きを察したのか、布越しに先端をカリカリと指先で引っ掻いた。
「あっ」
途端、身体が小さく跳ねて、自然と甘い声が漏れた。
「ここ好きなんだ?」
顔を真っ赤にしている私の羞恥心をさらに煽るように尋ねる。
「わかんない……っ……」
「そうだね。じゃあ、今日は結乃の好きな部分をたくさん見つけて可愛がるよ」
涙目になる私に優しく微笑み、彼はスマートな動きでブラのホックを外す。
乳房を揉みしだきながら彼は固く反り立つ乳首に舌先を伸ばす。
「あぁっ!」
固く瞑った瞼の裏に火花が飛んだ――。
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