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第四章 元カレと再会!?

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「ここで働いてるの?」
「ああ。実咲は?」

俊介は名刺を取り出して私に差し出した。
名刺には【JJT 第二営業部 上島俊介】と記されている。
私も同じように名刺を渡すと、それを食い入るように見つめた。

「は!?お前、東光で仕事してんの?マジかよ。大手じゃん。すげぇな」

口ではすごいと褒めながらも、俊介はおもしろくなさそうな表情を浮かべる。

「別にすごくないよ」
「なんかそこ、謙遜されるとイラつくわー。素直にありがとうって可愛く言えばいいところじゃね?」

大手広告代理店でさらには東光エージェンシーに務めていると話すと、エリートとかすごいと褒められることが多々ある。
自分の仕事に誇りは持っているけど、東光で働いていることをひけらかそうとは思っていない。
それなのに、勝手にライバル意識をもって対抗してくる人間がいる。
そう、目の前のこの男のように。

「実は今、JJTの宣伝部長に会ってきて帰るところだったの。元気そうでなによりだわ」

俊介との交際期間はたったの三か月。
付き合っているときは、幸せよりも苦痛を感じることのほうが多かったし、安易に付き合ってしまったことを心底後悔した。
彼のせいでしばらくの間は男性全般に対して嫌悪感を抱くようになってしまった。
俊介はそれぐらい強烈な男だった。

体育会系でノリが良く口の上手い男。
今も趣味のサーフィンを続けているのか肌は浅黒く、それとは対照的に真っ白く人工的な歯には違和感しかない。
髪型は当時と変わらない短髪黒髪のツーブロックだ。

「てかさ、これから飯行こうぜ。奢ってやるからちょっとここで待ってろよ」

私は首を横に振る。
奢ってと頼んだ覚えもないし、ここで俊介を待つ義理もない。

「悪いけど、今仕事が立て込んでて忙しいの。もういかなくちゃ」
「忙しいって言ったって飯食う時間ぐらいはあるだろ?それともなに?俺との飯が嫌なのかよ」

嫌味ったらしい言い方だった。
正直に言えば、例え仕事がなかったとしても、一緒に食事をするなんて二度と御免だ。
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