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第四章 元カレと再会!?
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週明けの月曜日。
伍代さんに頼まれた私は、チームメンバーを朝早くからミーティングルームに呼びだした。
金曜日のオリエンでのクライアントの要望などアウトプットして全員が同じゴールを向けるように、情報を共有する。
「まずはうちがコンペに勝つことが前提になります。一緒に頑張りましょう」
「は~い!!」
テーブルを挟み、伍代さん、私、斎藤さん、向かい側に冬野くんと黒川さんが座っている。
黒川さんは伍代さんが話している間も、書類ではなく彼の顔をじっと見つめてうっとりとした表情を浮かべた。
「失礼ですけど、コンペに勝てるって伍代さんは本気でそう思ってるんですか?」
士気を上げようとしている伍代さんの言葉に水を差すように尋ねたのは冬野くんだった。
「私はそう思ってます、冬野さんは勝てないと?」
「はい」
「ちなみに、冬野さんは以前クリエイティブにいたと聞きました。その力を今回貸していただけませんか?」
「なっ……、俺がクリエイティブにいたかどうかなんて、今は関係ないでしょう!?」
普段はどちらかといえば無口なタイプの冬野くんが珍しく関獣的になって声を荒げた。
室内の空気がピリピリと張り詰める。
クリエイティブは商品やサービスを宣伝するための広告に使用する言葉や表現、デザインを考える仕事だ。いわゆるコピーライターやCMのプランナーはこの職種に含まれる。
冬野くんは元々コピーライター志望でこの会社へ入ったと聞いたことがある。
同期の奈々子の部下でもあった冬野くんは昨年の春、営業部に異動になった。
クリエイティブから畑違いの営業部での異動が意味するものは、事実上の左遷だ。
『俺には才能もセンスもないんですよ。だから、会社に見切りをつけられたんです』
飲み会の席でやさぐれて吞みまくったあげく、酔っぱらって立てなくなった冬野くんをタクシーで家まで送っていったこともある。
次に顔を合わせたときに、何度も謝られた。けれど、私は彼の気持ちをよく理解できた。
彼がクリエイティブ時代、必死にアイデアを考え試行錯誤していたという話は奈々子に聞いて知っている。
けれど、どんなにあがいても結果がついてきてくれなかった。
現実は残酷だ。必ずしも頑張りがそのまま結果や評価に反映されるわけではない。
「関係ありますよ。あなたの力がなければ、このコンペは通らない」
伍代さんの言葉に冬野くんが首を横に振る。
「俺の力なんてなんの役にも立ちませんよ。俺はクリエイティブをクビになって営業に飛ばされたんですから」
そんな冬野くんの言葉に不快感をあらわにしたのは黒川さんだった。
伍代さんに頼まれた私は、チームメンバーを朝早くからミーティングルームに呼びだした。
金曜日のオリエンでのクライアントの要望などアウトプットして全員が同じゴールを向けるように、情報を共有する。
「まずはうちがコンペに勝つことが前提になります。一緒に頑張りましょう」
「は~い!!」
テーブルを挟み、伍代さん、私、斎藤さん、向かい側に冬野くんと黒川さんが座っている。
黒川さんは伍代さんが話している間も、書類ではなく彼の顔をじっと見つめてうっとりとした表情を浮かべた。
「失礼ですけど、コンペに勝てるって伍代さんは本気でそう思ってるんですか?」
士気を上げようとしている伍代さんの言葉に水を差すように尋ねたのは冬野くんだった。
「私はそう思ってます、冬野さんは勝てないと?」
「はい」
「ちなみに、冬野さんは以前クリエイティブにいたと聞きました。その力を今回貸していただけませんか?」
「なっ……、俺がクリエイティブにいたかどうかなんて、今は関係ないでしょう!?」
普段はどちらかといえば無口なタイプの冬野くんが珍しく関獣的になって声を荒げた。
室内の空気がピリピリと張り詰める。
クリエイティブは商品やサービスを宣伝するための広告に使用する言葉や表現、デザインを考える仕事だ。いわゆるコピーライターやCMのプランナーはこの職種に含まれる。
冬野くんは元々コピーライター志望でこの会社へ入ったと聞いたことがある。
同期の奈々子の部下でもあった冬野くんは昨年の春、営業部に異動になった。
クリエイティブから畑違いの営業部での異動が意味するものは、事実上の左遷だ。
『俺には才能もセンスもないんですよ。だから、会社に見切りをつけられたんです』
飲み会の席でやさぐれて吞みまくったあげく、酔っぱらって立てなくなった冬野くんをタクシーで家まで送っていったこともある。
次に顔を合わせたときに、何度も謝られた。けれど、私は彼の気持ちをよく理解できた。
彼がクリエイティブ時代、必死にアイデアを考え試行錯誤していたという話は奈々子に聞いて知っている。
けれど、どんなにあがいても結果がついてきてくれなかった。
現実は残酷だ。必ずしも頑張りがそのまま結果や評価に反映されるわけではない。
「関係ありますよ。あなたの力がなければ、このコンペは通らない」
伍代さんの言葉に冬野くんが首を横に振る。
「俺の力なんてなんの役にも立ちませんよ。俺はクリエイティブをクビになって営業に飛ばされたんですから」
そんな冬野くんの言葉に不快感をあらわにしたのは黒川さんだった。
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