上 下
32 / 100
第二章 甘すぎる一夜の過ち

しおりを挟む

「痛くない?」
「……はい」
「よかった。じゃあ、そろそろ気持ち良くなろうか」

彼はそう言うと、抜ける寸前まで引いたところで動きを止めた。

「伍代……さん?……ああっ!!」

そして、そこから一気に奥まで貫いた。

ゴンゴンッと奥を叩きつけられて、たまらず嬌声を上げる。
与えらえる衝動と快感の波が怖くて身を足を閉じようとすると、彼はそれを許さず両足をグッと抱え上げられる。

「あああ!!」

身体がのけぞり、小さな痙攣が走る。身体の奥底からとめどなく湧き上がるような強烈な陶酔のうねりに喘ぐ。

「やっ、あっ……、ダメっ!ダメなの……!!」
「ダメじゃなくて、ここが好きなんでしょ?」
「ちがっ……」
「お尻までビッショリ濡らしてるのに、違うんだ?」
「あっ、やぁ……!」

歓喜に全身を慄かせる私を彼が見下ろす。
口調は穏やかだけど、私を辱める彼は心底楽しそうだ。
そのドSな視線と色っぽい声色にゾクゾクすると同時に、興奮が高まりさらに愛蜜がトロトロと溢れ出す。

「本当は気持ちいいんでしょ?」

あまりの快感に頭の中が溶けていきそうだ。自然と陶然とした目つきになる。
なにも答えない私に痺れを切らした彼は私の両肩を手で押さえつけて、最奥を抉った。

「あぁあ……!!やっ、それ……気持ちいい……気持ちいいです……!!」

あまりの刺激に耐え兼ねて叫ぶと、脈打つ怒張が大きく膨れ上がった。

「ああんっ……それ……ダメッ……!」

彼は私の両足の膝裏に腕をくぐらせ、グイっと肩に引っかけた。
叩きつけるような角度で奥まで抜き差しされ、グチュグチュッという卑猥な音が室内に響く。


「そんなに強く締め付けないで。我慢できなくなる」
「やっ、ダメ……ああ!」


彼の腰の動きが早まり、固い先端がゴリゴリと奥を削った。
その瞬間、頭の中で愉悦の火花が散った。
今までにない快感がせり上がってきて、ビクビクと中が痙攣する。それを彼は見落とさず、同じリズムで私の良い部分を的確に突き続けた。

「あっ……ああ……っダメッ……あああっ!!」

頭が真っ白になって理性が焼き切れた私は甘ったるい声で喘ぎながら、彼の首にしがみついて絶頂した。
ハァハァと肩で息をする私の足をようやく解放する。
もたらされたあまりの快感に目に薄っすら涙が浮かぶ。彼はそれを指で拭って意地悪な笑みを浮かべた。

「可愛すぎる。もっとイジメたくなるんだけど」
「あぁっ……!!」

すると、彼はなんの前触れもなく私の胸の先端を食んだ。欲望のままに硬く反り上がった頂きを舌で舐られる。
一度達したあとなのに、再びジンジンと子宮が疼く。

「もう少し、付き合ってね」

彼が再び腰を揺する。結合部からはじゅぶじゅぷと音を立てて泡立った愛液がお尻の下まで流れ出してシーツを濡らす。


こんなの初めてだ。果てしない快感に襲われ、私は彼にしがみつく。

「もう……だ……めっ」

喉を振り絞って懇願する。
彼のアレがさらに硬度を増した。膣内の天井を擦られるとピチャピチャッという水音がした。

「やっ、でちゃっ……」

快感に連動するようになにかが噴き出す気配がした。
彼は私の言葉などお構いなしに出し入れを繰り返す。途端、ピュッピュッと淫らな潮が飛んだ。


「あぁぁ……!!」
「……っ!」

私がひと際大きな官能の叫び声をあげると、彼は激しく腰を打ちつけて体をぶるりと震わせて精を放った。
私の中でドクンドクンと彼が激しく脈打っている。
しばらく重なり合って抱き合って呼吸を整えると、彼が深く息を吐いた。

「抜くね」

彼が私の中から自身を引き抜いた。
ズルンっと抜けたその先端には、白濁した液がたっぷり注がれた液溜まりがぶら下がっている。
それを処理すると、彼は息も絶え絶えになりながらベッドで仰向けになる私に熱い視線を向けた。
その手にはなぜか未開封の避妊具が握られている。


「実咲」

私を見下ろす彼の下半身は萎えることを知らず、反り返っている。
怒張したソレを見つめていると、私の子宮はさらなる快感の予感にジクジクと疼き熱を帯びる。

「まだ抱き足りないんだ。付き合ってくれる?」

穏やかで優しい口調だった。
けれど、その目は野獣のように強い光を放ち、ギンギンッと隠すことのない欲情を滾らせていた。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】エリート産業医はウブな彼女を溺愛する。

花澤凛
恋愛
第17回 恋愛小説大賞 奨励賞受賞 皆さまのおかげで賞をいただくことになりました。 ありがとうございます。 今好きな人がいます。 相手は殿上人の千秋柾哉先生。 仕事上の関係で気まずくなるぐらいなら眺めているままでよかった。 それなのに千秋先生からまさかの告白…?! 「俺と付き合ってくれませんか」    どうしよう。うそ。え?本当に? 「結構はじめから可愛いなあって思ってた」 「なんとか自分のものにできないかなって」 「果穂。名前で呼んで」 「今日から俺のもの、ね?」 福原果穂26歳:OL:人事労務部 × 千秋柾哉33歳:産業医(名門外科医家系御曹司出身)

お見合いから始まる冷徹社長からの甘い執愛 〜政略結婚なのに毎日熱烈に追いかけられてます〜

Adria
恋愛
仕事ばかりをしている娘の将来を案じた両親に泣かれて、うっかり頷いてしまった瑞希はお見合いに行かなければならなくなった。 渋々お見合いの席に行くと、そこにいたのは瑞希の勤め先の社長だった!? 合理的で無駄が嫌いという噂がある冷徹社長を前にして、瑞希は「冗談じゃない!」と、その場から逃亡―― だが、ひょんなことから彼に瑞希が自社の社員であることがバレてしまうと、彼は結婚前提の同棲を迫ってくる。 「君の未来をくれないか?」と求愛してくる彼の強引さに翻弄されながらも、瑞希は次第に溺れていき…… 《エブリスタ、ムーン、ベリカフェにも投稿しています》

二人の甘い夜は終わらない

藤谷藍
恋愛
*この作品の書籍化がアルファポリス社で現在進んでおります。正式に決定しますと6月13日にこの作品をウェブから引き下げとなりますので、よろしくご了承下さい* 年齢=恋人いない歴28年。多忙な花乃は、昔キッパリ振られているのに、初恋の彼がずっと忘れられない。いまだに彼を想い続けているそんな誕生日の夜、彼に面影がそっくりな男性と出会い、夢心地のまま酔った勢いで幸せな一夜を共に––––、なのに、初めての朝チュンでパニックになり、逃げ出してしまった。甘酸っぱい思い出のファーストラブ。幻の夢のようなセカンドラブ。優しい彼には逢うたびに心を持っていかれる。今も昔も、過剰なほど甘やかされるけど、この歳になって相変わらずな子供扱いも! そして極甘で強引な彼のペースに、花乃はみるみる絡め取られて……⁈ ちょっぴり個性派、花乃の初恋胸キュンラブです。

森でオッサンに拾って貰いました。

来栖もよもよ&来栖もよりーぬ
恋愛
アパートの火事から逃げ出そうとして気がついたらパジャマで森にいた26歳のOLと、拾ってくれた40近く見える髭面のマッチョなオッサン(実は31歳)がラブラブするお話。ちと長めですが前後編で終わります。 ムーンライト、エブリスタにも掲載しております。

出逢いがしらに恋をして 〜一目惚れした超イケメンが今日から上司になりました〜

泉南佳那
恋愛
高橋ひよりは25歳の会社員。 ある朝、遅刻寸前で乗った会社のエレベーターで見知らぬ男性とふたりになる。 モデルと見まごうほど超美形のその人は、その日、本社から移動してきた ひよりの上司だった。 彼、宮沢ジュリアーノは29歳。日伊ハーフの気鋭のプロジェクト・マネージャー。 彼に一目惚れしたひよりだが、彼には本社重役の娘で会社で一番の美人、鈴木亜矢美の花婿候補との噂が……

あいにくですが、エリート御曹司の蜜愛はお断りいたします。

汐埼ゆたか
恋愛
旧題:あいにくですが、エリート御曹司の蜜愛はお受けいたしかねます。 ※現在公開の後半部分は、書籍化前のサイト連載版となっております。 書籍とは設定が異なる部分がありますので、あらかじめご了承ください。 ――――――――――――――――――― ひょんなことから旅行中の学生くんと知り合ったわたし。全然そんなつもりじゃなかったのに、なぜだか一夜を共に……。 傷心中の年下を喰っちゃうなんていい大人のすることじゃない。せめてもの罪滅ぼしと、三日間限定で家に置いてあげた。 ―――なのに! その正体は、ななな、なんと!グループ親会社の役員!しかも御曹司だと!? 恋を諦めたアラサーモブ子と、あふれる愛を注ぎたくて堪らない年下御曹司の溺愛攻防戦☆ 「馬鹿だと思うよ自分でも。―――それでもあなたが欲しいんだ」 *・゚♡★♡゚・*:.。奨励賞ありがとうございます 。.:*・゚♡★♡゚・* ▶Attention ※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

不埒な一級建築士と一夜を過ごしたら、溺愛が待っていました

入海月子
恋愛
有本瑞希 仕事に燃える設計士 27歳 × 黒瀬諒 飄々として軽い一級建築士 35歳 女たらしと嫌厭していた黒瀬と一緒に働くことになった瑞希。 彼の言動は軽いけど、腕は確かで、真摯な仕事ぶりに惹かれていく。 ある日、同僚のミスが発覚して――。

絶体絶命!!天敵天才外科医と一夜限りの過ち犯したら猛烈求愛されちゃいました

鳴宮鶉子
恋愛
絶体絶命!!天敵天才外科医と一夜限りの過ち犯したら猛烈求愛されちゃいました

処理中です...