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第1章 虚偽と欺瞞の中の真実
子鬼の見た光 (said:シリウス/レオニス)
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ぼく達は、親を知らない。
物心ついた時には、黒いのと一緒に僅かな光しか入ってこない…恐らく地下の部屋に放り込まれていた。
ボク達には、名前がない。
だから、ボクは片割れを白いの、と呼んだ。
白いのは、ボクを黒いの、と呼ぶ。
ぼく達は、声を出してはいけない。
時折、使用人らしき人以外の…彼等の主人らしい人がこの部屋に来ることがある。彼等が来ると、決まって殴られたり、蹴られたり、よく分からない魔法と言うらしい力で痛め付けられる。
声を出すと、余計に痛め付けられるから必死に声を押し殺して、黒いのと耐えた。
ボク達は、外を知らない。
この暗く、冷たい、小さな部屋以外の場所を知らない。
そして、ボク達の生は…ここで終わるはずだった。
小さな、小さなボク達の世界は…ある日突然壊れた。
ある日、部屋が…邸全部が激しく揺れた。
たくさんの悲鳴と爆発音が頭上から聞こえた。
悲鳴はやがて獣の咆哮に変わって行き、邸が再び激しく揺れて天井が崩れ落ちて、ボク達は初めての空を見た。
ぼんやりと見た空は、砂塵が舞う灰色の空だった。
その灰色の空に向かって、ぼく達は走り出した。
崩れた瓦礫をよじ登り、天井に開いた穴から逃げ出した。
咆哮と殺意に追われながら、黒いのの存在だけを支えに必死に走り続けて、ぼく達は日が暮れる頃に奇妙な洞窟に逃げ込んだ。
そこは、外よりも濃厚な殺気に満たされていて、すぐに逃げ込んだ事を後悔したけど、殺気立ったたくさんの気配が辺りを彷徨ってて出ることも出来ず、岩影に身を潜めて息を殺した。
どの位時間が経っただろう…極度の緊張と空腹に朦朧とした意識の中で、取り囲んでいた気配がじりじりと奥へと後退して行くのを感じ取った。
不思議に思って僅かに身動ぐと、途端に息も出来ない位の威圧感に襲われた。自然と身体が震え、歯がカチカチと鳴る。
隣に居る白いのと繋いだ手に力がこもる。
「んー………この辺、かな?」
「ひっ!!」
岩を退けて覗き込んできたのは、白い髪の女の人と黒い髪の男の人…2人はボク達はを見て何かを話していたが、ふっと威圧感が消えた次の瞬間…女の人がやんわりとした表情で聞いてきた。
「えっと…君達、お腹空いてない?」
ぴくり、と反応したボク達を見て再び二言、三言言葉を交わすと彼等は抵抗する力もないボク達を抱えて外へと連れ出した。
彼等はぼく達に甘い甘い果実と温かいスープをくれた。
泣きながら忙しなく食べて、生まれて初めてお腹一杯になって黒いのと2人、倒れるように眠った。こんな幸せ…初めてだ、このまま死んでも良い…2人してそう思った。
明るい光で目が覚めて、冷たい川の水で顔を洗って…2人はまた温かいスープと美味しい物をたくさん挟んだ柔らかいパンをお腹一杯食べさせてくれた。
そうして言った。
「私達には、君達を拾った責任がある。だから、君達に生きるための術を出来るだけ教えようと思うの。」
びっくりした。
2ヶ月?がどの位か分からなかったけど、その間ぼく達を養ってくれるというのだ。
しかも、ぼく達が決めて良いって…こんな人達、初めてで…黒いのと顔を見合せて急くように言った。
「「……よろしく、お願い…し、ます…。」」
掠れて途切れ途切れになった声に、女の人がちょっとだけ笑ってくれて…小さく息を吐いた。
幾つかの約束をして、彼等はボク達の事を聞いてきた。
双子か、男か、名前は…。
呼ぶ名も無いことに俯くと、頭を撫でられた。
「嫌じゃなければ、付けるけど…」
名前を…付けて貰える……!!
嬉しくて白いのと目を輝かせると、女の人と男の人は考えながら歩きだした。
慌てて後を追いかけると、女の人がくるりと振り返った。
「決めた。白髪の君がシリウス、黒髪の君がレオニス。」
どうかな?と聞かれて、言葉が出なくてこくこくと何度も頷くと、苦笑しながら小突かれた。
慌ててお礼を言ったけど、嬉しくて、くすぐったくて…上手く声が出なかった。
「私は夜宵。」
「私はルークスだ。」
夜宵と名乗った女の人が視線を合わせて笑った。
「これからよろしくね。」
初めてボク達に、命が、光が与えられた…そんな風に思った。
――――――――――――――――――――――――――
きっと、予想通りの暗い生い立ち。
2人はこれから…どうなるかな(-_-;)
すいません、行き当たりばったりで…。
なるべく幸せにしてあげたいなぁ。
物心ついた時には、黒いのと一緒に僅かな光しか入ってこない…恐らく地下の部屋に放り込まれていた。
ボク達には、名前がない。
だから、ボクは片割れを白いの、と呼んだ。
白いのは、ボクを黒いの、と呼ぶ。
ぼく達は、声を出してはいけない。
時折、使用人らしき人以外の…彼等の主人らしい人がこの部屋に来ることがある。彼等が来ると、決まって殴られたり、蹴られたり、よく分からない魔法と言うらしい力で痛め付けられる。
声を出すと、余計に痛め付けられるから必死に声を押し殺して、黒いのと耐えた。
ボク達は、外を知らない。
この暗く、冷たい、小さな部屋以外の場所を知らない。
そして、ボク達の生は…ここで終わるはずだった。
小さな、小さなボク達の世界は…ある日突然壊れた。
ある日、部屋が…邸全部が激しく揺れた。
たくさんの悲鳴と爆発音が頭上から聞こえた。
悲鳴はやがて獣の咆哮に変わって行き、邸が再び激しく揺れて天井が崩れ落ちて、ボク達は初めての空を見た。
ぼんやりと見た空は、砂塵が舞う灰色の空だった。
その灰色の空に向かって、ぼく達は走り出した。
崩れた瓦礫をよじ登り、天井に開いた穴から逃げ出した。
咆哮と殺意に追われながら、黒いのの存在だけを支えに必死に走り続けて、ぼく達は日が暮れる頃に奇妙な洞窟に逃げ込んだ。
そこは、外よりも濃厚な殺気に満たされていて、すぐに逃げ込んだ事を後悔したけど、殺気立ったたくさんの気配が辺りを彷徨ってて出ることも出来ず、岩影に身を潜めて息を殺した。
どの位時間が経っただろう…極度の緊張と空腹に朦朧とした意識の中で、取り囲んでいた気配がじりじりと奥へと後退して行くのを感じ取った。
不思議に思って僅かに身動ぐと、途端に息も出来ない位の威圧感に襲われた。自然と身体が震え、歯がカチカチと鳴る。
隣に居る白いのと繋いだ手に力がこもる。
「んー………この辺、かな?」
「ひっ!!」
岩を退けて覗き込んできたのは、白い髪の女の人と黒い髪の男の人…2人はボク達はを見て何かを話していたが、ふっと威圧感が消えた次の瞬間…女の人がやんわりとした表情で聞いてきた。
「えっと…君達、お腹空いてない?」
ぴくり、と反応したボク達を見て再び二言、三言言葉を交わすと彼等は抵抗する力もないボク達を抱えて外へと連れ出した。
彼等はぼく達に甘い甘い果実と温かいスープをくれた。
泣きながら忙しなく食べて、生まれて初めてお腹一杯になって黒いのと2人、倒れるように眠った。こんな幸せ…初めてだ、このまま死んでも良い…2人してそう思った。
明るい光で目が覚めて、冷たい川の水で顔を洗って…2人はまた温かいスープと美味しい物をたくさん挟んだ柔らかいパンをお腹一杯食べさせてくれた。
そうして言った。
「私達には、君達を拾った責任がある。だから、君達に生きるための術を出来るだけ教えようと思うの。」
びっくりした。
2ヶ月?がどの位か分からなかったけど、その間ぼく達を養ってくれるというのだ。
しかも、ぼく達が決めて良いって…こんな人達、初めてで…黒いのと顔を見合せて急くように言った。
「「……よろしく、お願い…し、ます…。」」
掠れて途切れ途切れになった声に、女の人がちょっとだけ笑ってくれて…小さく息を吐いた。
幾つかの約束をして、彼等はボク達の事を聞いてきた。
双子か、男か、名前は…。
呼ぶ名も無いことに俯くと、頭を撫でられた。
「嫌じゃなければ、付けるけど…」
名前を…付けて貰える……!!
嬉しくて白いのと目を輝かせると、女の人と男の人は考えながら歩きだした。
慌てて後を追いかけると、女の人がくるりと振り返った。
「決めた。白髪の君がシリウス、黒髪の君がレオニス。」
どうかな?と聞かれて、言葉が出なくてこくこくと何度も頷くと、苦笑しながら小突かれた。
慌ててお礼を言ったけど、嬉しくて、くすぐったくて…上手く声が出なかった。
「私は夜宵。」
「私はルークスだ。」
夜宵と名乗った女の人が視線を合わせて笑った。
「これからよろしくね。」
初めてボク達に、命が、光が与えられた…そんな風に思った。
――――――――――――――――――――――――――
きっと、予想通りの暗い生い立ち。
2人はこれから…どうなるかな(-_-;)
すいません、行き当たりばったりで…。
なるべく幸せにしてあげたいなぁ。
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