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弐の巻 愛縁でござる!
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しおりを挟む「風間サン!新聞で使う写真のファイル部室に置いてるから、どれがいいか千堂クンと選んでもらえるかしら?
あたしはちょっと調べものがあるから」
「はぃわかりました!」
新聞部、部長の松島に頼まれユリノは部室に向かった‥
‥あら、確か部長‥副部長も一緒に連れだって行ったような‥
てことは‥‥千堂クンと‥
――二人きりっ!??――
どうしよう‥///
何喋っていいかっ‥
憧れの編入生の片割れミツキと二人きりッ‥その状況を想像しただけでユリノは興奮していた。
二年‥松島部長を筆頭に、同年の秋葉副部長…
一年のユリノ‥
それから、いつの間にか入部していた一年‥N-B組の田中(幽霊部員)‥
そして、新しく入部した編入生の千堂 魅月‥
たった一人の男子部員…
この、五人で構成されていた──
従って、二年の二人が留守にしてしまえば部室に残るはミツキとユリノだけ‥
一度も部室に顔を出していない田中はべつとして💧彼女は野外活動を中心としているらしく、部長とちょこちょこコンタクトをとっている‥
部長いわく――
『今までの誰よりも使い物になるわ!』
──らしかった。
・
―ガラ―!
「あ!風間サン
部長から聞いた?
なんか写真選んでくれって」
ユリノが部室に行くとミツキが丁度ファイルを手にしているところだった──
爽やかな笑顔で話しかけてくるミツキにユリノは顔を赤らめながら頷く‥‥
ユリノが椅子に腰掛けると何故だかミツキは隣にぴったりと肩をつけ席についた‥
‥‥ち‥近すぎるッ‥//
ユリノは真っ赤になりながら膝の上で拳を握り緊張している‥
ミツキは隣でファイルをめくってくれていた‥
「俺、どんな写真がいいか解らないから風間サンが選んで‥」
そういいながら、コレは?
コレはどう?一回々ページをめくる度に固まっているユリノの顔を覗き込み聞いてくる‥
その度にユリノの耳に熱い息がかかった‥‥‥
「クスッ‥‥‥
風間サンって無口だね‥
それとも俺のこと嫌ってる?」
「そんなことはッ──
‥‥ナイ‥デス‥///」
ミツキの問いかけにずっとうつ向いてたユリノは顔を上げて否定した──
そして真っ直ぐに見つめてくるミツキの瞳に射抜かれ息を飲む──
「そぅ‥
ならいいんだ…
俺が入部してから滅多に話しかけてくれないし‥
目も合わせないからさ‥
嫌ってんのかなって‥」
・
「ちょっと手が疲れたから風間サンめくってくれる?」
「‥は、はぃ!」
ミツキに言われユリノは慌ててページをめくり始めた‥
そしてミツキは隣で頬杖をついてユリノをジッと見つめている‥
「‥/////」
‥なな、なんでッそんなに見るのかしら!?
ホクロから毛が生えてるとか!??ぃゃ〰それは恥ずかてぃ!!‥///‥
「クスッ‥‥‥‥
そんなに早くめくったら写真見れないんじゃない?」
ミツキはえらい勢いでページをめくり始めたユリノに笑いながら言った
「そ、そうねっごめんなさッ‥‥‥‥ぃ‥///」
ミツキに言われゆっくりとページをめくり始めたユリノの前髪をミツキは長く綺麗な指先で優しくとかし始める
「最近、いちごのヤツで留めてこないんだ?」
「‥‥ぇ
えぇ‥どっかに落としちゃってっ‥//」
ミツキの質問にユリノは赤面しながら答える
そぅいちごのカッチン留めはあの日、カガヤとラブラブした時にパンツと一緒に何処かにいってしまっていた‥
職員室に落としモノとして届けられたらどうしようとビクビクもんだったが、先生達も何も言ってこない‥
ユリノは、いちごの代わりに黒いシンプルなババピンで前髪を留めていた‥
・
ミツキはユリノの前髪に触れピンを取る‥
そして、ポケットから何かを取り出しユリノの前髪につけた‥
カッチン!と言う音が頭に響き、ユリノはその部分を触って確かめる‥‥‥
「‥‥え‥
コレってまさか‥」
「そっ‥
落ちてたんだ‥
第2化学室に――
風間サンのだろうと思って、部活の時に渡すつもりで拾って持ってたんだけど‥」
「‥‥拾った?
じゃ‥ぁ‥
コレ以外には何も落ちて……」
「‥なかったよ…
なんで?そんなにいろいろ落としたの?」
オドオドしながら聞いてくるユリノにミツキはあっさりと答える
「そ、そぅ?
拾ってくれてありがとう‥///」
‥じ、じゃぁ、パンツはどこに行ったのかしら!?
ももも、もしかしてッ
千納寺クンが持ってるとか?
‥だったらどうしようッ
ファイルのページをめくるのも忘れ、ユリノはあれやこれやと考える
そんなユリノにミツキは意味深なことを聞いてきた‥
「お父さんは元気してる?」
「‥へ?‥
家のお父さんのこと?」
「 そう‥風間サンのお父さんのこと‥‥」
「‥‥‥元気だけ‥ど、
どうして‥‥?」
ミツキの質問にユリノは反対に聞き返した。
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