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~序章~ 御家騒動勃発!
✼~✼~✼~✼~✼
しおりを挟む「殿──っ!
たった今、使いの者から連絡がっ…蓮(ハス)の宮御前が御急逝されたと──っ…」
朝日が昇り、直ぐのこと。
一人の家臣が城主の元へ駆け込み喪を告げた──
「フム…とうとう蓮(ハス)までもが逝ってしまったかっ…
やはり、我が娘。末子の芙蓉(フヨウ)の宮を捜さねばなるまい‥
このままでは我が裏千家、華鳥(カチョウ)の血が途絶えてしまう──
それは何としても避けねばならん!!
甲家(コウケ)と伊家(イケ)の者を直ぐに呼べ!!」
「我が主よ、我々ならばもうこの場に居りますゆえ‥」
「おぉ、さすがじゃ!
歳は取っても機敏さは衰えては居らぬな!!」
「何を仰る、
我々は最初から呼ばれてココに座って居りましたが…」
「なぬッ‥//‥」
隅に居た家臣の二人は城主のボケッぷりに冷や汗をかいていた。
「おい、‥やはり城主も、もう長くはないな。
目が悪い上にボケも入ってきている‥」
「‥あぁ、自分で真夜中にお二人を呼びつけたくせにな…」
「──ムムっ!
やかましぃぞッそこ!!
打ち首萌え萌えの刑にされたいかぁっ!?──」
扇子を突きだし激昂する城主に家臣達はたじろいでいた。
「‥はっ──
新しい刑罰が増えてるっ!」
「‥あぁ、何だか気になる刑罰だな‥// 」
・
なにやら、気になる刑罰だ。家臣の一人は微かに身体が疼いていた…
「それより主よ‥
いかがされましょう‥」
「うむ、我が華鳥に使いし者──
餓狼(ガロウ)‥
そして…豹牙(ヒョウガ)よ…
我が娘、芙蓉を捜してきてはくれまいか?…
二十年前にどこぞの馬の骨とも知らぬ男と駆け落ちしたっきり‥‥‥
ただの一度も顔を会わせてはおらぬ…
わしが二人の結婚を反対したばっかりに‥‥‥クッ‥」
城主は涙ながらにあの日のことを思い出し己を恨んだ
「主よ‥そのことで我々もお話しが‥」
「‥?話しとな‥
何の話しだ?申してみよ
餓狼‥」
城主は涙を拭いながら聞き返していた
「実は‥‥
芙蓉様はもうこの世に居りませぬ──」
「──!?
な‥んじゃと?!」
「蓮の宮様が体調を患わしてから、もしやと思い我々も芙蓉様をずっと捜して居りました‥
芙蓉様は十年前に既にお亡くなりに‥‥」
「なんと!?
蓮の宮よりも早くに逝ってしまっていたと?!
‥‥おぉ‥なんとゆーことだ──っ
では、もう我が華鳥家はもぅ終わりじゃ…」
城主は足元から崩れ、悲壮な表情で首をうなだれた。
・
そんな城主に餓狼は口を開いて伝えた‥
「主よ‥
まだ、諦めるのは早い。
実は芙蓉様には今年16になる娘が居ります‥」
「なに?!
それはまことか?」
「はい‥」
「ちゅーことは‥‥
わしの初孫‥///‥」
「その通りです‥」
なにやら浮かれ始めた城主に餓狼は汗を拭い相槌を打つ
「よしっ!!
直ぐに連れて参れ!!
おじいちゃんが首を長~くして待ってると伝えるのじゃあっ!」
「主よ…それが簡単には‥
何せあの芙蓉様の血を引いているとなると‥無理に連れてきてもまた、出て行ってしまうのではと‥‥」
「うむ!
それはあり得る!!
‥ならばどうすれば?
何か策でもあるのか?」
「実は長老の命で我ら二人の息子‥
輝(カガヤ)と魅月(ミツキ)をもう向かわせて実行に移して居りますゆえ、城主はしばしのご辛抱を──」
「うむ、どんな策かはわからぬがなんとしてでも連れてくるのだぞ‥‥
お前達には期待してるからな!」
「御意!
我ら伊賀、甲賀一族の名にかけて必ずや、若き姫君をお連れ致す──」
忍びの二人はそう言うと
一瞬のうちに姿を消し去っていた。
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