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1章 夏休みの予定

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「夏目!!こっち!」


「あぁ悪い!
バイク止めるところが中々なくて‥」



ダチとの待ち合わせ場所に夏目が向かうと数人の男女がその場にたむろっていた‥

見た顔が結構ある‥


どうらやよそのクラスの女子のようだ‥

夏目はダチにボソッと話しかけた‥


「なんだょ、遊ぶって男だけじゃなかったのかよ?」


「あぁ、いいじゃんべつに女が居た方が盛り上がるだろ♪」

「‥まぁ‥いいけどな、べつに」


高校生が遊ぶ場所なんてたかが知れてる‥
夏目達は結局アミューズメントパークに足を運んだ。

ここは、ファミリー層の客も多く、ゲーゼン、ボーリング、ダーツなど様々な遊技場が集まっており遊ぶにはうってつけの場所だ。




「俺、なに歌おっかなぁ」


結局、夏目達はその中の複合施設のカラオケに来ていた‥


「アタシ、夏目クンの横に座っちゃぉっ!」


フワフワ巻き髪のラブリーなワンピをきた女子が夏目の隣を真っ先に陣取る。いかにも気合いの入ったメイクと髪型にワンピは胸元が大きく開いていた‥

夏目が今まで付き合った彼女達となんら変わらない‥

その女子は始めから夏目狙いで遊びに参加していた‥


その女子はあからさまに夏目の腕に絡みアピールしてきた。甘ったるい香水の香りに、気合い十分ヤル気満々がうかがえる。


細身の割に胸に自信があるようで絡めた夏目の腕に、グイッ!と胸を押し付けていた‥


「ちょっと‥歌、選びにくいから腕放してくれない?」


そんな女子に夏目はそっけなく腕をほどいた
そして隣にいたダチが夏目をこずく‥


「大介‥頼むょっ
俺、アキにお前紹介するっつってんだからさ!…な?」

「そーゆーことかよ」


どうやらダチは夏目に迫ってるアキって子の友達、ノリエちゃんが狙いらしかった‥

呆れる夏目にダチは小声で頼みこむ‥



「お前どうせフリーだろ?だったらいいじゃん、アキって結構可愛いしスタイルだっていいしさっ…
ちょっとは俺に協力してくれょ‥」


「…たくっ

わかったよ!」



夏目は仕方なくダチに協力することにした














「むぁ~っ…これすごく美味しいょ!」


‥なんだょ、むぁ~って?



苗達は晴樹の誘いでグラシアスに来ていた──


今日は秋の新作デザートをいち早く二人にご馳走してくれるという‥


苗は見た目も味もグッドなこのデザートの評価をむぁ~…という言葉で表現していた。


「由美ちゃんもどう?
美味い?」


「‥//‥はぃ‥‥」


晴樹に声をかけられ由美は顔を赤らめていた‥


「今からまた、どっか行くのか?」

「うぅん、もう買い物も終わったし帰るだけだょ」


「そか、んじゃ‥由美ちゃんも送ってってやるよ」



晴樹はいつもの如く、新作のデザートを持ち帰りようにして二人に持たせ、先に由美の家に向かった──



「…‥──」

俺はタクシーかょ?




何故か後部座席に二人は乗り込み助手席は開いている‥

二人は後ろで楽しそうに買い物した品を広げて見ていた‥

「何買ったんだ?」


「由美がね、今年は大人な水着で兄さんを悩殺するんだって!」

「‥悩殺?」


「ちょ、なに言ってんのなえちんッ!??‥//」


苗の勝手な発言に由美は慌てていた‥


「へぇ…じゃあ、せっかくだから海にでも行くか?」


「え!?‥///
連れてってくれるんですか!??」


晴樹の誘いに由美は興奮していた‥




「あぁ、連れてってくれるってか‥
毎年、お盆過ぎてから家のリゾートホテルを結城の生徒に割安で解放してるんだよ。お盆過ぎれば暇になるしね。
今回、ちょっと俺が‥
田中家に迷惑かけちゃったから、うちの爺さんがさ…苗ん家の家族を招待するっていうから由美ちゃんも行くなら頼んでみるけど?」

そう、晴樹の友人関係のせいで巻き込まれ誘拐されたお詫びにとお爺の提案だった……。
ただ、お爺は苗と遊びたいだけという理由はあえてこの場は伏せておこう──



「えぇ!??
招待ってことはタダってことだょね?!」

そして苗はタダ、と言う言葉に興奮していた。


「ああ、交通費も全部出すよ」



「由美どうする!?」

「もちろん行くに決まってる!!」


「じゃ、決まり!
プールもあるし人工の海もあるから盆過ぎでもクラゲに刺される心配はないよ♪

是非、悩殺ビキニを楽しみにしてるから」

「‥///‥」


ミラー越しにウインクされて悩殺されたのは由美の方だった‥










―バタン!

「じゃ、日程が決まったら連絡するね!」


由美を送り届け苗は手を振る。少し車を走らせると晴樹は急に車を止めた‥

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