上 下
156 / 255
10章 バカンス

1

しおりを挟む

―バタンッ!

「みんな忘れ物はないな?」

「ありませーん!」


‥元気いいな💧みんな‥

「よし。じゃ、車出して!」


晴樹の号令でバスはバカンス地に向けて走り出す。

今日は待ちに待った田中家ご招待バカンスツアー!!

大家族の田中家の為に貸し切りバスが用意され、出発したバスの中では苗の手作り弁当が振る舞われていた。

「兄さん!!
大学イモ作ったんだょっ
食べる!?」

「あぁ💧」


中は遠足状態だった💧


苗は後ろを振り返り、手作りの大学イモを差し出す。

晴樹の隣には由美‥そして苗の隣にはお爺が座っていた💧


『なんで、お爺も一緒に来るんだよ💧!?』

『当たり前じゃあ!!
わしが招待しとるんだから!
もちろん、わしは苗ちゃんの隣に座るからな!!』


『💧くっ…〰』


結城家を出る際に取り決めされたことだった…


そして晴樹の後ろに座っていた海がボソッと話しかける‥

「兄ちゃん‥後で席代わってくれよな」

「わかったよ💧」


バスの後部の方ではじいちゃん達のお茶会が始まり、満作は早速一人宴会をしている💧

「おう、
お前サンも飲むかい?」


満作は近くにいた村井に酒を勧めていた💧



「はぁ、じゃあビール頂きます‥」


そしてご機嫌過ぎる満作に苗は釘をさす‥


「父ちゃん!今から海に行くんだから、あんまり飲んじゃダメだょっ」

「んなこたぁ、わかってらぁ!
俺を誰だと思ってんだ!!
父ちゃんだぞっ!!ガハハ」


‥だから言ってるんだょ💧


バスの全員がそう思っていた💧


「由美ちゃんは水着はもう試着した?」


「え!?ぁ、はぃぃ!‥//」

「そ、楽しみだな」

「──っ‥//」

意味ありげに微笑む晴樹に由美は赤面している‥


‥苗はどんな水着きるんだ?
まさか、苗もビキニじゃないよな💧?‥



そんなことを考えてる矢先に…


「苗ちゃんはビキニを着るのかな?」


‥お爺のヤツ〰💧‥//


聞いたのはハレンチお爺だった💧
二人の会話に晴樹は聞耳を立てる

「うぅん、普通の水着‥」

‥だろうな💧‥‥


苗の答えを聞いて晴樹は密かにホッとしていた‥


「うむ。
せっかくのバカンスなんだ‥ビキニを着なしゃい‥//
ホテルに着いたらSHOPでワシが買ってあげよう!!」


「‥‥遠慮します💧」


邪な表情のお爺に苗は丁寧に断った


‥当たり前だ
とにっこのスケベ爺ぃはっ!
身内ながら、お爺のハレンチな言動に冷や汗をかいてしまう。
ただ、この血が晴樹にも密かに濃く受け継がれていることを晴樹は考えないようにしていた💧

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

幼馴染

ざっく
恋愛
私にはすごくよくできた幼馴染がいる。格好良くて優しくて。だけど、彼らはもう一人の幼馴染の女の子に夢中なのだ。私だって、もう彼らの世話をさせられるのはうんざりした。

私は何人とヤれば解放されるんですか?

ヘロディア
恋愛
初恋の人を探して貴族に仕えることを選んだ主人公。しかし、彼女に与えられた仕事とは、貴族たちの夜中の相手だった…

仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが

ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。 定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──

見知らぬ男に監禁されています

月鳴
恋愛
悪夢はある日突然訪れた。どこにでもいるような普通の女子大生だった私は、見知らぬ男に攫われ、その日から人生が一転する。 ――どうしてこんなことになったのだろう。その問いに答えるものは誰もいない。 メリバ風味のバッドエンドです。 2023.3.31 ifストーリー追加

♡蜜壺に指を滑り込ませて蜜をクチュクチュ♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショート♡年末まで毎日5本投稿中!!

七年間の婚約は今日で終わりを迎えます

hana
恋愛
公爵令嬢エミリアが十歳の時、第三王子であるロイとの婚約が決まった。しかし婚約者としての生活に、エミリアは不満を覚える毎日を過ごしていた。そんな折、エミリアは夜会にて王子から婚約破棄を宣言される。

【短編】悪役令嬢と蔑まれた私は史上最高の遺書を書く

とによ
恋愛
婚約破棄され、悪役令嬢と呼ばれ、いじめを受け。 まさに不幸の役満を食らった私――ハンナ・オスカリウスは、自殺することを決意する。 しかし、このままただで死ぬのは嫌だ。なにか私が生きていたという爪痕を残したい。 なら、史上最高に素晴らしい出来の遺書を書いて、自殺してやろう! そう思った私は全身全霊で遺書を書いて、私の通っている魔法学園へと自殺しに向かった。 しかし、そこで謎の美男子に見つかってしまい、しまいには遺書すら読まれてしまう。 すると彼に 「こんな遺書じゃダメだね」 「こんなものじゃ、誰の記憶にも残らないよ」 と思いっきりダメ出しをされてしまった。 それにショックを受けていると、彼はこう提案してくる。 「君の遺書を最高のものにしてみせる。その代わり、僕の研究を手伝ってほしいんだ」 これは頭のネジが飛んでいる彼について行った結果、彼と共に歴史に名を残してしまう。 そんなお話。

処理中です...