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7章 愛着
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しおりを挟む‥15分はけっこう長くないか?
苗の答えを聞いて暑さが余計に増した💧
「兄さん!この程度で弱音を吐いちゃダメだょ!
暑いってことは生きてるしょうこなんだからっ
ほら見て!あそこの蛙サンはもう、暑さも痛みも感じないんだよ‥」
そう言って苗の指差す方に視線を向けると、アスファルトの上でカラッカラに干からび干物になった蛙サンの亡骸が‥
‥‥‥
見なきゃよかった💧
そして苗は続ける‥
「雨が降るとね水分を吸収してブヨブヨにふやけっ‥」
「苗‥
もぅわかったから‥💧」
晴樹は熱弁しそうな苗を制御していた
しばらく歩くと、陽招館の看板が目に入ってくる。
苗は民宿の裏口へと晴樹を連れて行った。
そして、朝食の後片付けをしているおばさん達に苗は晴樹を紹介する‥
「あ、おばちゃん!
さっき電話で話したっ‥と!?」
「すいません、急に無理言って…
結城といいます。出来そうな雑用ならなんでも言って下さい」
苗に自己紹介させると何を言い出すか解らない!
そう思った晴樹は苗を後ろに押しやり真っ先に自分で名乗っていた。
「‥‥‥///‥あらあら、これまた、えぇ男前だねぇ苗の彼氏は」
・
おばさんは晴樹を下から眺め興奮している
「‥彼氏!?
兄さんはそんなんじゃないよっ!!」
「──…!?っ」
苗の力強い否定に晴樹は胸がズキッ‥と痛んだ
‥確かに彼氏じゃない‥
そんなのわかってる――ッ
でも、何もそんな思いっきり否定しなくても…
なにかを堪えるように奥歯を噛み締める晴樹の表情にも目を向けず苗は言った
「兄さんはねっ──
苗の‥
“とっても兄さん”なんだから!!
彼氏なんて恐れ多くて頭上げられないょ!!」
「‥──?…//」
苗なりに、思いっきり晴樹を讃えた言葉だった
「そうかい?
咲ちゃんから聞いたよ‥
世話になってんだってね」
「うん!お世話なりっぱなしだょ‥いつかお返ししなきゃ‥
義理杯は生爪剥いででも返せってゆうからさっ」
‥生爪💧…痛そうだな‥
晴樹は語りながら厨房の奥に入って行く二人の後をついて行く‥
“とっても兄さん”
何となく彼氏よりもランクが上だと言いたいのはわかった‥‥‥
ただ‥やっぱり“兄さん”には違いない
晴樹は複雑な面持ちのまま苗の後ろ姿を見つめた。
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